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【黄禹錫】ウリナラのトカゲはアタマを切って逃げるニダ

さて,問題のScience論文が取り下げられた以上,あとは一瀉千里の筈.…これで韓国が少しでもマトモな国ならば,ですが.



昨夜ご紹介した記事ではウソツク大先生は


「保管の過程で損なわれたものらしい」

「研究過程の全てのデータはあるので検証すればよいこと」

と,この期に及んでも「ES細胞そのものが贋物であること」は否認し続けているらしいのですが,だったら論文取り下げの必要など全然無い筈.
PD手帳取材班との1次検証の結果を「認め難い」とした際にも「再現性が無ければ科学とは呼べない」と豪語していたお方ですから これくらいのことはお分かりでしょうが,論文執筆当時のES細胞が現在手元に無いのだったら追実験を自分でやってみせてもう一度作れば済む事です(むろんそれで《論文にインチキデータを載せた罪》が消えるわけではありませんが).
こういうところが自然科学っていいなぁ.
歴史研究に比べて検証が楽で.


それから,昨夜のハンギョレの記事では「シャッテンが論文撤回を勧めて来る何日か前に 黄は既に論文撤回をScience側に申し入れていた」ことになっていますが,これなども大いに眉唾物.
そんな事があればScience側が伏せておく筈が無いですし.



Scienceついでに余談.
件の論文のセルライン11個のうち少なくとも9個がインチキだったことがほぼ確定したわけですが,
こんな論文を通してしまった査読者の名前くらいはScience側も明かしてしまったほうがよくないか.
掟破りではありますが.


さて,今回「ES細胞はニセモノ」の一件をゲロったのがミズメディ産婦人科の盧聖一(の・そんいる)であるのは全ての報道で共通なのですが,その盧が何を言っているかと云うと──




(ソウル = 聯合ニュース)カン・ジョンフン記者 = 盧聖一(の・そんいる)ミズメディ病院理事長が「黄禹錫(ほゎん・うそく)教授チームの幹細胞は無い」と主張した.


盧聖一理事長は15日,MBC「ニュースデスク」とのインタビューで「黄禹錫教授を見舞いに行って,これまで知らなかった幾つかの事実を知るに至った」とし,「信じて来た胚芽幹細胞(訳註:以下ES細胞)は全く無いのが事実」だと明らかにした.


盧理事長は「このことはK研究員(訳註:11日にご紹介した「写真を増やせと言われた」で御馴染みの金ソンジョンのことでせう)に確認した事実だ」として「K研究員は黄禹錫教授と姜成根(かん・そんぐん)教授がデータ操作を指示したと述べた」と伝えた.


同氏は続けて「論文の写真や補充資料は,黄禹錫教授と姜成根教授の指示に従ってK研究員が最善を尽くして作ったもので,論文著述はピッツバーグ大のシャッテン教授が担当した」と伝えた.


また,盧理事長は「K研究員がPD手帳と会って証言した後から圧力を受けて来た」と明らかにした.


同氏は「(原文註:黄禹錫チーム側から)K研究員に12月27日までに韓国に帰って来て幹細胞を作り直すのを手伝うよう要請しており,もしも帰って来なければ検察捜査を要請するという話をした」と伝えた.


盧理事長はこうした事実を明らかにすることについて「主責任者である黄教授が今回の事態論乱を終熄させ唯一(訳註:真相を,か)語ることの出来る方だと思って待って来た」としながら「予想もしなかったお話を聞き,国民の疑惑・浪費・苦悩がこれ以上あってはならないと思って重大発表をすることになった」と述べた.


一方これに対し,黄禹錫教授チーム側は「黄禹錫教授側で確認できることは何も無い」とする反応を示したことが伝えられた.



黄禹錫がとにもかくにもES細胞が「現在は存在しない」ことを認める発言をしたとされるのが 盧聖一が黄を病室に見舞った昨12/15朝のことらしいのは,昨夜ご紹介したハンギョレの記事とも合っています.
が,「ES細胞そのものが贋物」の件については どうやら「自分は15日朝まで何も知らなかった」で押し通すつもりらしい.
これについては「黄のES細胞と ミズメディ病院側で持っている普通の(体細胞クローンによらない)幹細胞とが同じものだ」と盧が証言していた記事も見られました(後述).


あと,「執筆はシャッテンがやった」というのが本当なのかどうか.
シャッテンのほうは "his only role in the paper had been to analyze data and prepare the paper for publication" だと言っていた筈ですが,"prepare the paper for publication" って普通はせいぜいウリナラ英語の校正作業くらいしか指さないのでは?


とはいえ問題の実験や写真作りのプロセスにシャッテンが関与していないのは韓国人側も認めている事.
シャッテンが論文の執筆作業にどれくらい関与していたかは,韓国人の出して来たデータを鵜呑みにしてしまったシャッテンその人のマヌケさ加減に関する話に過ぎません.
傍で見ている者としては韓国人の「死なばもろとも」ぶりが面白いだけで.


で,前述のニセES細胞の出所の話ですが──



「黄教授-ミズメディ 幹細胞同じ」 (スポーツ韓国 12/15 21:18)

黄禹錫・ソウル大教授の研究チームが2005年5月のScience論文に掲載した患者合わせ型胚芽幹細胞5番が,ミズメディ病院で5年前に作った受精卵胚芽幹細胞1番と同一であるという疑惑が提起された.


黄教授チームの論文に対する疑惑が持ち上がり続けていることから,Science論文の共著者である盧聖一・ミズメディ病院理事長は15日記者と会い,「幹細胞があるのかどうか私にもよく分からない」として「ソウル大が調査を行うまでも無い.研究責任者が(訳註:真相についての説明に)乗り出すべきではないか」と,黄教授が全ての疑惑を解明するよう求めた.


盧理事長は「今朝 黄教授に会ったが『私も知らなかった』と言う.どうしてそんな事が言えるのか」と述べた.


この日,韓国科学財団の生物学研究情報センター(原文註:BRIC)の一部会員らは,Science論文に掲載された5番幹細胞の写真は盧聖一理事長・金ソンジョン研究員らミズメディ病院研究チームが10月19日に米国の学術誌「生殖生物学(原文註:Biology of Reproduction)に掲載した論文の受精卵幹細胞1番の写真と同じものだと主張した.


問題のミズメディ病院の幹細胞は,2000年 不妊治療後に残った受精卵で,2001年に米国国立保健院(原文註:NIH)に登録されたもの.


問題の論文の交信著者である盧理事長は この日1時,第一著者であるチョン・ソンヘ研究員から写真問題の報告を受けた後,直ちにEメールを通じて「生殖生物学」ジャーナルに論文撤回を要請したことを明らかにした.


チョン研究員はBRICのサイトに「コンピュータのフォルダに黄教授チームの幹細胞と病院の幹細胞の写真が混在していたので,ついミスをしてしまった」と釈明した.


今回の論乱は,これまでの写真重複操作疑惑とは異なり,幹細胞の出所についての疑惑が初めて提起されたという意味で波紋を呼んでいる.


一方,16日開かれる予定だった国家生命倫理審議委員会の全体会議が29日に延期された.


保健福祉部は「卵子出所論乱についての結論を下す為,関連機関から資料を提出してもらい検討したが,決定を下すには不十分だと判断した」ことを明らかにした.


生命倫理委は16日の全体会議で,研究員寄贈卵子や金銭の支給された卵子など,黄教授チームの研究用卵子に関連して法的・倫理的問題が無かったか結論を下す方針だった.


生命倫理委はこれまで黄教授チーム,漢陽大 機関倫理委員会(原文註:IRB),ソウル大獣医学部IRB,ミズメディ病院などから関連資料や意見の提出を受け,総合的な再検討作業を行って来た.



あらま.論文取り下げがもう一本.


ところで,念の為触れておくと,黄のセルライン11個のうち 現時点でクロ判定が出ていないのは2番と3番だけ.
他の9つは「水増し写真」じゃないのか,という話だったのでしたが,必ずしも「写真またはDNAフィンガープリントが2番または3番とダブっているからクロ」というわけではないということですね.
こうやって別の論文から持って来たのまであると.



保健福祉部や国家生命倫理審議委の話が出て来ましたので,少し余談など.


ここのところソウル大の陰に隠れていたのが一躍脚光を浴びるに至った盧聖一ですが(笑),もともと10月末に卵子売買が取り沙汰されるようになった頃,つまりまだ黄禹錫の名前が前面に出て来る前,この盧が「ネットで売買されている卵子を不妊治療に使った疑惑」を受けていたのが 今回の黄疑惑劇の直接の発端になったことは 以前触れたとおりです.


以前も少し触れましたが,これで疑惑が卵子売買周辺にとどまっていたなら保健福祉部は盧を蜥蜴の尻尾にして黄を生かそうとしただろうと私は今も思います.
が,蓋を開けてみればMBCのほうが持ち札が遥かに強かった,と.


そもそも何も昨日や今日始まったわけでもない卵子売買が さる10月に俄かにニュース沙汰になったのでしたが,
今にして思えば あの時期既にPD手帳側は卵子売買どころかインチキデータ疑惑についてのネタまで押さえた状態だったわけです(取材日誌を参照).
つまり,10月に卵子売買ニュースが今更のように流れたのは 初めから黄疑惑報道の為の呼び水のつもりだったと見てよいかも知れません.


ともあれ,最初あっさり切り捨てられるかに見えた盧聖一にすれば,黄のインチキデータのお陰で却って暫く首が繋がったわけです.




おまけ.黄一派の安圭里(あん・ぎゅり)のこと.
黄がソウル大病院に引き籠もってしまって以後,姜成根と並んで黄一派を代表して発言していた研究者の一人で,主にピ大やScience編集部への工作を担当していた人物です.




(ソウル = 聯合ニュース)李ヒヨン記者 = 黄禹錫教授チームのスポークスマン役を務めて来た安圭里教授が,「ES細胞の存在を確信していたが,今は何個くらいあるのか分からない,と打ち明けた」とMBCが報じた.


MBCは15日午後「ニュースデスク」を通じ「安圭里教授が『昨年犬の飼育場から飛んで来たカビによりES細胞の相当数が損なわれ,直接生き残らせようと試みたが復元が難しい状態だった』と述べた」ことを明らかにした.


続けて安圭里教授は「幹細胞の存在を確信していたが,損なわれたり変わったり(訳註:後者は意味不明)したものが多く,写真を水増しして撮ったこともある」と述べた.



こちらはこちらで「ES細胞はあったけれどカビでダメになったニダ」と.
自分で「生き残らせようと試みた」という以上「ダメになった」のは前から知っていたと.
で,「写真水増し」については白状したわけですね.
こちらはさすがに当事者中の当事者の一人であるだけに「今更じたばたしても無駄」ということだけは分かっている様子.

# 「せめてシャッテンを道連れに討ち死に」に偽米ドル札



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by xrxkx | 2005-12-16 14:33 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買
【黄禹錫】Science論文 ついに撤回

取り急ぎ記事ベタ張りにて失礼.



黄禹錫教授,《Science》2005年論文撤回 (ハンギョレ 12/15 20:30)

黄禹錫(ほゎん・うそく)教授が《Science》論文を撤回した.


盧聖一(の・そんいる)ミズメディ病院理事長は15日午後《ハンギョレ》との電話インタビューで「黄禹錫教授チームの2005年《Science》論文に『患者合わせ型体細胞クローン胚幹細胞』が無い」(訳註:論文に登場する幹細胞はもともと存在しなかったの意か)と明らかにした.
しかし黄教授は「幹細胞研究の成果はあるが,保管の過程で損なわれたものらしい」として「現在確認できていない幹細胞腫が幾つかあり,確認中だ」と述べたと,黄教授周辺に精通する関係者が明らかにした.


盧理事長はこの日,「朝9時30分頃,黄教授が入院しているソウル大学病院を訪ねて面会した席で,黄教授が『惨憺たる心境だ』とこう語った」と述べた.
同氏はまた「黄教授が14日夜に安圭里(あん・ぎゅり)ソウル大医学部教授にも同じ内容の話をしたと述べた」と付け加えた.
同氏はさらに,黄禹錫教授と文シンヨン・ソウル大医学部教授,盧理事長本人の3名の名義で《Science》側に論文撤回を通報したことを明らかにした.
しかし,黄教授側はジェラルド・シャッテン米ピッツバーグ大教授が黄教授など論文共著者に論文撤回を勧告する何日か前に既にScienceに論文撤回を通報したことが確認された.


《ハンギョレ》の取材の結果(訳註:?),この日の朝 盧理事長は病室で40分あまり黄教授と幹細胞の存在如何をめぐって論争を行った.
黄教授は「研究過程の全てのデータはあるので検証すればよいことであり,現在DNA検査も準備中」だと述べ,これに対し盧理事長は「信じられない」と語ったことが伝えられた.
盧理事長はこの後,記者らに会い「幹細胞11個中2,3番を除く残りは贋物である可能性がある」と述べた.




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by xrxkx | 2005-12-15 21:16 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買
【黄禹錫】「自発的卵子寄贈」説もとうとう陥落?

ここのところ しつこいくらい繰り返していますが,一連の黄禹錫(ほゎん・うそく)疑惑は大きく分けて


  1. 卵子売買との関わり

  2. 研究チーム内の女性研究員による卵子「寄贈」

  3. 論文データの信憑性如何


の3つがあります.
ところが,「PD手帳潰し」の一件以来 最後の3番ばかりが脚光を浴び,1番・2番は ともすれば忘れられがちなのが残念.
何しろ3番などは言ってしまえば「科学者だろうが何だろうが所詮韓国人は嘘つき」というだけの話で,こういう手合いが紛れ込むことは科学界にとってこそ頭の痛い話ではあれ 「それが日本にとってどうか」に話を限るなら別に痛くも痒くもない話.
そこへ行くと2番のようなアカハラ絡みの話は日本人にとっても必ずしも他人事ではなく,また 私自身♀なだけに こういう外道を見ると仕事人を呼びたくなります.
いや冗談抜きに.


そんな中,昨日の夕方に上がって来ていたニュース(註:これの元になっている別の記事というのがありまして,そちらは13日に出ているようです).



「卵子提供した女性研究員は苦しんでいた」 ─金ヒョンテ弁護士「PD手帳,研究員の作成した文書確保」 (韓国日報 12/14)


黄禹錫・ソウル大教授の顧問弁護士を勤めたこともある放送文化振興会理事・金ヒョンテ(訳註:金亨泰?)弁護士は,MBC・PD手帳が確保している取材内容に関連して,「PD手帳は,卵子を提供した女性研究員の一人が卵子提供についての職務関連性に直接言及した文書も物証として確保している」と述べた.


同氏は最近ハンギョレ21とのインタビューの中でこのことを明らかにし,「この文書は卵子を提供した研究員が2003年に作成したもの」として「(原文註:こうした内容と併せて)これまで公開されていなかった別の取材内容が放送された場合,新たな局面を迎えるだろう」と述べた.


金弁護士は「女性研究員は文書の中で,卵子を提供せざるを得ない身の上を嘆いている」としつつ「『卵子といえども生命と見ることも出来る存在なのに あまりに辛い,けれども研究員の仕事を続けるには嫌でも(訳註:卵子提供を)やらざるを得ないのではないか,外国へ修行に行く機会を作らなくてはならない』という内容が言及されている.職務関連性がはっきりと言及されているわけだ」と述べた.


同氏は「(原文註:卵子を提供した研究員が)この文章を書いた当時は こうした論乱は全く無かったので,自由な意思表示だった筈」だとして「PD手帳側で物証として確保しているが,放送せずにいるものだ.これが放送されれば国際的な倫理基準に挙げられるヘルシンキ宣言にも反するという指摘が出て来かねない」と述べた.


幹細胞真偽論乱に関連して,金弁護士は「論文提出過程でシャッテン教授が盧聖一(の・そんいる)ミズメディ病院長ら共同研究者,および国立科学捜査研究所関係者らの誰一人として,幹細胞を直接体細胞と比較してみた人はいない.Scienceも 送られて来た写真とデータを見ただけであって,幹細胞を体細胞と比較してみたわけではない」として,PD手帳の準備した放送内容を公開すれば疑惑を相当部分解消し得ると述べた.



この金ヒョンテという人物が,どうやら以前ご紹介した
PD手帳の取材日誌
に出て来た「名望ある弁護士K氏」と同一人物のようなのですが,その彼がどうしてPD手帳側の「確保」しているネタを知っているのかが不明.
金ソンジョンの「写真を増やせと言われた」発言の時と同様,これもMBC側の意図的なリークかなぁ,という気配は濃厚.


ともあれ,上の研究員の手記らしきものがもしも本物だとするならば(困ったことに,この仮定が誤っている可能性が十分あるというのは半島ヲチでは常識ですがw),この研究員による卵子提供が「自発的」なものだったとするウソツク大先生の11/24記者会見の信憑性が大いに損なわれるのは必至.
少なくとも昨日ご紹介した民主党の代表の声明にあった


自らの卵子を提供した研究員らや,その事実を隠そうとした黄教授の行動は,全て善意によるものだったと私は信じています.

などは噴飯物ということ.
これで黄疑惑の颱風の目は件の論文データの真偽如何から再び倫理問題へとシフトする可能性が出て来ました.



ただ,上の記事中に この研究員が海外に出たがっているらしいくだりがあるのを見るにつけ,この研究員が生命の尊厳一般だとか自己の人格だとかを立身出世と秤に掛けた末に自ら後者を選んだように見えなくもないわけで,こうなって来ると正直言って彼女にどこまで「被害者」たる資格があるかという基本的な点を疑って掛からざるを得ないのではないかという気もしてしまう.



こういう言い方をしてしまうと,読者の中には或いは「あまりに酷ではないか」とお思いの向きもあろうかと思いますが,
それを私が敢えて言うのは,
「やれと言われて断れず」とか「生きて行く為に仕方なく」とかの類は朝鮮人の社会観・歴史観に於ける謂わば万能の免罪符として働いて来たからです.
卑近なところでは先日の金ソンジョンの「言われた通りにやるしかなかった」発言にしてもそうですし,
古くは元寇やらベトナム派兵やらにしても同じこと.
慰安婦に於いては言うに及ばず.



話は替わって 上の記事,最後の一段落だけ取ってつけたようにインチキデータの話になっていますが,ここで「幹細胞をドナーの体細胞と比較してみたものは誰もいない」とあるのは 元はと云えば黄一派が(もっとはっきり言えば姜成根らが)PD手帳との1次検証の際に取材班にウソのサンプルを渡した結果です.


もしも上の金ヒョンテなる弁護士があの時の立会人である「名望ある弁護士K氏」その人であるとすれば,彼が「本物の幹細胞はあるのか無いのか」について何か知っている可能性はそれなりにあるわけで,その彼の口から「PD手帳の準備した放送内容を公開すれば疑惑を相当部分解消し得る」なる発言が出て来るのは意味深長.


いよいよ明日12/16は国家生命倫理審議委員会の正式全体会議の日なのですが,本当に開かれるのかしら.
今開いても意味無いと思うぞ….



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by xrxkx | 2005-12-15 19:09 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買
【黄禹錫】「そして誰もいなくなった」に変造500円

昨12/13の報道:




「私は黄禹錫教授の提出した今年5月のScience論文の真正性を300%信頼しています」


米・ピッツバーグ大のシャッテン教授が,再び黄禹錫教授に対する支持の立場を表明した.
世界幹細胞ハブの臨床分野責任者であるソウル大医学部・安圭里(あん・ぎゅり)教授は12日このように述べた.
安教授とシャッテン教授はさる10日,韓国で行われているScience論文真偽論乱に関連して国際電話で意見を交わしたという.


安教授によれば,シャッテン教授は「Three-hundred percent (原文註:300%)」という箇所を強調しながら「これだけ言っても黄教授のScience論文の真正性が毀損されるなら,黄教授に対する支持の立場を表することもあり得る」という意見を示したというもの.


シャッテン教授は黄教授チームがScienceに論文を提出した当時,幹細胞写真をEメールでほぼ毎日遣り取りしつつ,実験の方向について意見を交わしていたことが分かった.


だがシャッテン教授は,研究員の卵子倫理論乱以後,黄教授チームとの訣別を宣言しており,Scienceに「自分が研究に及ぼした影響は大きくなかった」という釈明文を送っている.(金チョルジュン記者)



で,本日12/14の報道:





After several days of serious accusations about the validity of a prominent article on the cloning of human cells, the senior author, Gerald Schatten of the University of Pittsburgh, has asked for his name to be removed as co-author, the editors of the journal Science said yesterday.


They also said they were refusing the request because authors could not withdraw their names unilaterally and Dr. Schatten's Korean co-authors, who did all the experiments, had not yet agreed to retract the article.



シャッテンさん,「300%信頼」している筈の件の論文の共著者から自分の名前を削ってくれと言っているのだそうですよ.
Science側は黄が論文そのものを取り下げない以上そういうのは受け付けないつもりらしいですが.



For reasons that are unclear, Dr. Hwang invited Dr. Schatten to be the senior co-author of the article, and he accepted. But last month Dr. Schatten severed his collaboration with Dr. Hwang over the way human eggs were procured for the experiment and placed a correction in Science saying that his only role in the paper had been to analyze data and prepare the paper for publication.



シャッテンが共著者に加わったいきさつですね.
「理由はよく分からんが黄がシャッテンに共著者になってくれないかと持ちかけた.」
で,後のシャッテンの「訣別宣言」の話になるわけですが,この時点で疑問視されていたのは「卵子寄贈」疑惑まで.
まだ話は論文のデータの信憑性にまでは及んでいません.




Meanwhile, the paper has come under increasing criticism from Korean scientists. Their accusations, posted anonymously on Korean Web sites, first showed that some of the photographs of the 11 cell colonies were duplicates. Science acknowledged that the accusation was correct but said the duplication occurred when originals were replaced with photographs of higher resolution.


The critics then showed that several of the photographs overlapped, even though they were supposed to be of different cell colonies. Indeed, they said it seemed that as few as two cell colonies had been used to generate photographs.


The critics also noticed a strange feature in the DNA fingerprints taken of the cell colonies and the donors from whom they were supposedly derived. In several cases the pairs of fingerprints seemed to be identical, lacking any of the subtle differences expected in two independent tests.


If this were true, critics say, the paper would not have any evidence that the cell colonies came from the donors or that Dr. Hwang ever performed any successful nuclear transfer experiments.



で,問題の論文のデータが水増しらしいぞ,という話.
顕微鏡写真もそうだしDNAフィンガープリントもそう.
これ,2chなどでも「検証」していたそうだけれど,記事では "increasing criticism from Japanese scientists" には言及されていません.
残念w


最も問題なのは次の箇所:



Eight leaders in cloning technology, including Dr. Ian Wilmut of Edinburgh University, John Gearhart of Johns Hopkins and Dr. Robert Lanza of Advanced Cell Technology, have written to Science saying that they encouraged Dr. Hwang "to cooperate with us to perform an independent test of his cell lines" to see if they matched the donors.




ウィルムートが出て来ました.クローン羊・ドリーでお馴染みのあの方.
要は「論文の成果が正しいかどうかなんて,ES細胞とドナーの体細胞とで各々DNA鑑定でもやって結果が一致するかどうか確かめればそれでオシマイなのだから,一緒に再検証をやらぬか」と前々から持ち掛けていた,と.
黄がこれに応じていれば とうの昔に白黒はっきりしていたでしょう.
相手はその分野の第一人者ですので,「PD手帳」取材の時とは違って「科学者としての自尊心」とやらも傷付かないでしょうしねww


さて,上のくだりがウリナラフィルターを通すとどうなるか.

さる12/08にご紹介した記事
,もう一度ご覧下さい.



しかし同紙(WSJのこと)は,著名なクローン研究者らは黄教授の研究結果には異常が無いものと確信しているとして,クローン羊・ドリーを作り出したイギリスの生命科学会の巨匠イアン・ウィルムートがEメールを通じて「研究成果について何らの疑いも持っていない」と表明したことを伝えた.


まるでウィルムートが黄の論文のデータの信憑性そのものについてシロとのお墨付きを与えたかのような文章に早変わり.
ウリナラ翻訳おそるべし,というお話でした.
お後がよろしいようで.



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by xrxkx | 2005-12-14 17:57 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買
【黄禹錫】政界の反応.朝野を挙げて馬鹿ばかり.


昨12/13の動きでもう一つ目についたのは,野党党首の黄禹錫関連発言が目立ったこと.
韓国で輿野党間の政争の要点になっている所謂4大改革法案というのは


  • 日帝強占下 親日反民族行為 真相糾明に関する特別法

  • 新聞法改正

  • 国家保安法廃止

  • 私学法改正


の4件ですが,現在はちょうど最後の1つである私学法の件をめぐる攻防の真っ最中.
私学法については 当blogでは確かもう1年以上前に何度か触れたきりですが,今回ウリ党が通そうとしている改革案は一言で言うなら「私学の理事会運営に全教組ら現場のアカ教師を加わらせる」ことを骨子としたもので,当然ながら保守派のハンナラ党などはこれに反発しています.
この辺はおそらく今頃はたくさんの半島ヲチ系blogで扱っている筈ですのでバッサリ割愛するとして──.



まず民主党の声明というのが出ていました.
外信記者クラブでわざわざ記者会見を開き,韓和甲(はん・ほゎがぷ)代表名義で発表したもののようです.
黄禹錫関連部分だけ見ておきますと,



国民らは黄禹錫教授を声援しています.


いま,黄禹錫教授問題で国じゅうが騒がしい.
自らの卵子を提供した研究員らや,その事実を隠そうとした黄教授の行動は,全て善意によるものだったと私は信じています.


倫理論乱が燃え上がって以後,黄教授は自らの不察を正直に告白しました.
真実の前に自らを最大限透明にさらけ出した黄教授の驚くべき勇気と決断に敬意を表します.


私個人の見解としては,現在の倫理基準で黄教授の研究成果を裁くことはできないと思います.
現状況では,人類の必要に応じ新たな倫理基準が求められるという見方に立ちます.
言い換えれば,新たなグローバル・コンセンサスが必要な時代ではないかと考えます.


黄教授チームの倫理性や正直さの問題は,黄教授のお詫び会見で一件落着したものと考えます.
黄教授に対する熱い国民的声援がその証拠でしょう.
このことは,黄教授が試練を乗り越え,研究に復帰し,韓国が生命工学のメッカの座を不動のものとすることへの念願でしょう.


私は,黄教授が再び研究に邁進し 成果を出すことだけが これまで提起されて来た否定的な論乱を鎮める道だと信じます.
同時に,生命工学研究についての倫理的透明性を確保する為の国内の基準と,人類共通のコンセンサスが築かれなくてはなりません.
民主党は,こうした制度整備や支援,社会的合意づくりの為に最善を尽くすことをお約束し,黄禹錫教授の持続的な奮闘を期待します.




「黄教授が再び研究に邁進し 成果を出すことだけが これまで提起されて来た否定的な論乱を鎮める道だ」という趣旨は,12/05の黄自身の「再検証には応じない」旨の発言 およびその後の科技部長官 兼 副総理・呉明(お・みょん)の「アインシュタイン発言」の線をそのまま踏襲するもの.
例のピ大の金ソンジョンによる「写真を増やせと言われた」発言のリークを境に事態が一変し,今や朝鮮日報ですらこんな社説を載せざるを得ないところまで「再検証不要」論は追い詰められているというのに,まさにその時期にここまで空気の読めない声明をわざわざ出す党首というのは一種の珍獣だな.
「民主党」という名前がよくないのかしら(嗤).


  • 「国民らは黄教授を声援」←MBC支持派がそろそろ反撃に出ていますが? (後述)

  • 「卵子寄贈およびその隠蔽は善意によるもの」←もともと「善意」のテロリストを「義士」と呼ぶ国ですので御勝手に.

  • 「真実の前に自らを最大限透明に」←もともと自分が言い出して念書まで交わした2次検証を拒否し続けた結果が今日のこの事態なのですが,そのことは見えないフリ?

  • 「現在の倫理基準で黄教授の研究成果を裁くことはできない」←いま世界中から疑いの目を向けられているのは「卵子寄贈」よりは「インチキデータ」の件ですが?

  • 「黄教授チームの倫理性や正直さの問題はお詫び会見で一件落着した」←これも同様.11/24会見では「卵子寄贈」とその隠蔽について「お詫び」があっただけ.論文のインチキぶりが発覚したのはその後の話.


と,いちいちツッコミを入れているとキリがありませんが,念の為一言だけ補足しておきますと 民主党というのはウリ党が枝分かれする前の母胎の一つで決して「保守」と呼べる政党ではありません.
あの金大中がいたのがこの党で,もともとハンナラ党とは犬猿の仲の筈なのですが,黄疑惑に対する態度はハンナラ党と大差無いようで.



昨2004年春の総選挙以来 完全に「その他大勢」に転落した弱小野党のことはここまでにして,今度はその最大野党・ハンナラ党の朴槿惠による黄禹錫発言を探してみますが,
昨12/13に朴槿惠は東国大学で特別講演をやったらしく,講演の主旨をノーカットニュースがその日の夕方に報じていました.
以下,黄禹錫関連部分:



…歴史に対する被害意識が残っているなら,今や1段階ステップアップして,肯定的な良い方向へと昇華させなくてはならない.
父母を凶弾により失った私もまた被害者である.
産業化勢力と民主化勢力は,互いに方向や路線は異なったが,皆 国の為に力を尽くされた方々である.
過去は未来の為にあるのであり,その過去ゆえに未来を失ってはならない.
この政権(訳註:盧武鉉政権のこと)は,地域主義打破を強調しながら(訳註:実際には言葉とは裏腹に)一層地域主義を煽り立てる政権である.
黄禹錫教授の問題までも,この社会はイデオロギー的に解決しようとする.
保守・進歩に分かれてイデオロギー争いで裁断していたら,我々の未来はどうなるのか.
科学技術分野というものを理解できておらず残念だ.
科学技術分野がこうしたイデオロギー対決に向かってはならない.
わが党(訳註:ハンナラ党)は保守理念などを乗り越え,どうすればこの国を先進国にしていくべきか(訳註:「どうすれば~できるか」または「どうやって~すべきか」の言い違えもしくは誤記だろう)という実用主義でやって行く.



聯合の報道記事では以下のように簡単に触れているだけでしたが,おそらく同じ発言.



…特に朴代表は「最近の黄禹錫教授問題まで保守・進歩に分かれてイデオロギー論争で裁断しようとしたら我々の未来はどうなるのか」としつつ「我々にとって重要なのは分裂ではなく統合であり,イデオロギーではなく実用的マインドだ」と強調した.
聯合ニュース,12/13



上に引用した段落,前半は朴槿惠が朴正熙──所謂386世代などには評判の悪い──の娘であることを理由にしたウリ党側による誹謗中傷やレッテル貼りへの反論が主になっており,実際そうやって敵を作っては「軍事独裁」だ「親日派」だと断罪し続ける手口によりウリ党が昨年一躍多数輿党にのし上がった経緯があるのは言うまでもありません.


ただ,たかが学者の論文一本がインチキかどうかという騒ぎを政争のネタにするのも愚かなら,インチキ如何が決着もつかないうちに黄擁護で挙国一致せよ,などはそれに輪を掛けて愚かではないか,と私などには思えてならないのですが,韓国社会というのはそういう風には考えてみないものらしい.


ちなみにもう少し前のになりますと,


朴槿惠代表は さる11日,私立学校法問題で劣勢ながらも自らソウル大学病院を訪ねて黄教授を見舞い,「支持」の意を明確にした.
朴代表は「我が国の宝の中の宝なのだからお心安らかになさらなければ」とし,「難治病患者や国民らのことを考え 早く元気になられるよう」と述べた.
ハンギョレ 12/12



というのもあります.
ハンナラ党といえば
「ハンナラ党 ビッグ3,黄禹錫教授をリレー見舞い」(聯合ニュース,12/11)という記事もありましたので御参考まで.



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by xrxkx | 2005-12-14 15:09 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買
【黄禹錫】ソウル大 調査委立ち上げ段階から四苦八苦の巻

昨12/13はもともと国家生命倫理審議委員会の正式全体会議が予定されていた日でしたが,以前少し書いたように全体会議は16日に延期されています.
例のソウル大の再検証調査委の立ち上げを受け,昨日は同委員会周辺で何か動きがあるかと待っていたのですが,特に出て来ません.
もっとも,調査委立ち上げが急遽決定された以上,同委員会の報告が出尽くさないうちは国家生命倫理審議委としても「最終決定」もへったくれも無いでしょうが.



中1日空けてしまったので その辺の動きを少しまとめます.
まずそのソウル大の調査委ですが,委員の選定の段階で梃子摺っているようです.
要は委員のなり手がいない.




ソウル大「調査委構成 容易でない」 ―調査委入り打診受けた人士ら,「業務負担」を理由に固辞多数 (ソウル新聞 12/13)


黄禹錫(ほゎん・うそく)ソウル大教授が13日,再び入院中のソウル大学病院を出,獣医学部研究室に出勤した.



黄教授はこの日午前11時35分頃,李柄千(い・びょんちょん)教授とともに病院を出る途中,待ち構えていた記者らに「ご苦労さん」と短い会釈を残して大学に向かい,11時55分頃研究室についてからは特に会話も交わさず建物内を行き来した.



2日目に(訳註:昨12日に続いて,の意)病院から研究室に出勤した黄教授は,今後当分はこうした生活を続けるものと見られる.



一方,幹細胞研究論乱に関連して調査委員会を構成することにしたソウル大は,同大教授10余名と外部人士2~3名の線を念頭に,この日から委員選定作業に入ったことが分かった.



しかし,委員会入りの申し出を受けた一部教授らが,今後引き受けることとなるである業務に負担を感じ,委員職引き受けを固辞していることが伝えられた.



ソウル大周辺では,大学側が委員会構成作業を予想外に急いでいるものと見て,論乱を早期に鎮める意志が極めて強いようだとの分析も出ている.


盧ジョンヘ・ソウル大研究処長はこの日ブリーフィングを行い,「調査委の構成は既に30%ほど出来上がっており,外部人士の構成比は全体の20%の線となる見込み」だと伝えた.



しかし,人選作業がいつ終わるのかについては不用意には言えないと付け加えた.
ただ「来週頭には人選が終わり,活動を始めると言えればよいと思う」とした.


人選の原則について盧処長は「中立性と専門性」だと説明した.


盧処長は続けて「我々が専門家だと思っても本人がそうではないと言えば専門性が落ちるので容易には行かない」と述べ,人選作業が順調でないことを示唆した.


調査委員長の人選に関連して,盧処長は「重みのある人物にしたいと思うが,まだ決まっていない」として,選定されても誰なのかは公開しない方針であることを明らかにした.



委員選定方法について盧処長は「委員に(訳註:委員候補として目星をつけた人物に,だろう)個別に接触する方法と,委員長に推薦権を委ねる方法を併行する」と説明した.



「業務に負担」というのは「本業に差し支える」という意味よりは「中立性と専門性」の点で「自分には無理」ということのようですが,委員会入りの打診を受ける側としては こんな荷厄介な役割を引き受けたくないのは人情でしょう.
再検証結果がシロと出るにせよクロと出るにせよ国内外からの非難は避けられません.


なお「外部人士20%」の線についてはソウル新聞以外でも概ね同じ報道になっていました.
具体的には2~3人入れる,と.
ただ,「外部」とは云っても「ソウル大以外から韓国人を入れる」のでは意味が無いでしょう.
第一,これだけ身内で固めた委員会に「専門性」のほうはまだしも「中立性」を期そうとするほうが無理.
昨年9月の核開発疑惑の時にも,内輪のお手盛り調査ではIAEAが納得せず,結局調査団受け入れの事態にまで進展したのでしたし.



ついでに黄禹錫本人のことですが,ソウル大が調査委立ち上げを公式発表した12/12にも病院から獣医学部の研究室や農場(クローン牛や豚がいる)を訪れた由.
写真を見る限りではとてもつい数日前まで「お粥も喉を通らない」ほど衰弱していたようには見えないのがご愛嬌.
ちなみに黄が研究室復帰宣言を行ったのも12/11,自らソウル大に「大学レベルで調査委を立ち上げ」るよう要請したのも12/11のことだったようで,これらは12/11夜には既に記事になって流れています.



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by xrxkx | 2005-12-14 12:57 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買
【黄禹錫】「調査委立ち上げ」記者会見の模様

まず「ソウル大で独自に再検証」という説は昨夜のうちにもちらほら漏れ聴こえてはいたようで,前回触れたのはその公式発表が本日(12/12)午前に行われたということ.


現在入手した範囲内で 記者会見の模様を最も詳しく伝えているのは以下の記事.
但し質疑応答がこれで全部なのかどうかについては分かりません.



盧ジョンヘ・ソウル大研究処長は12日午前,ソウル大で黄禹錫教授の研究結果の再検証実施に関連して記者会見を開き,調査委員会構成の方針と今後の計画などを発表した.以下は盧処長との一問一答.


----調査委員会はどのように構成するのか.
▲今日から直ちに構成に着手する.まずは中立的で専門性を備えた学内人士で構成する予定だが,推移を見て外部の専門化専門家が必要なら委員会内で決定して委嘱することもあり得る.
----委員会はどういったレベルで,何人くらいで構成されるのか.
▲大学本部の研究処を中心に委員会を組織するつもりで,まだ委員長も決まっていない.個人的な意見としては10名以内になるものと思われる.
----外部の専門家が米・ピッツバーグ大から来ることもあり得るのか.
▲まだ要請が来ているわけではないが,要請があれば検討することもあり得る.しかし,技術流出や知的財産権の問題もあるだけに,慎重に決定すべきだろうと思う.
----総長に建議文を手渡したという若手教授らの一部も委員として参与するのか.
▲まだ誰なのかも把握できておらず,参与すべきかどうかも決定は為されていない.
----委員らの名簿は公開されるのか.
▲輿論の関心が極めて大きい問題であるだけに,公正な調査が必須だ.委員らの外部の影響を遮断する為にも(訳註:「委員らへの外部からの影響」だと思うが不明瞭)名簿は公開しないつもりだし,委員らも調査事実を決して個別に外部に公開しない.
----調査は何を最初に行うことになるか.
▲現在のところ,論文の補充資料にあるデータのミスについての真相把握が優先だ.写真重複やDNA指紋資料についての疑問の真相把握が手始めになるだろう.ただし委員会での次の段階の調査内容は今後の調査結果を見て決定する.
----もしも論文が操作されたものと判明したら.
▲後続措置については考えておらず,決定済みの事は何も無い.
----黄教授チームが資料提出を拒否したらどうなるのか.
黄教授チームから最初に要請があったのだから,そんな事はあり得ないだろうし,十分に協調(訳註:協助?)なさるものと見ている.
----黄教授は直接どんな要請をしたのか.
▲具体的にどの部分を調査してくれという言及は無かった.大学レベルで検査してくれというお言葉を伝えた(訳註:黄がそう言って来たの意だと思うが不明瞭).
----時間はどれくらい掛かると思うか.
▲委員会の調査結果の成り行きを見て決定されるだろうが,個人的にはデータを見て把握できる問題は長くは掛からないだろうと思う.
----DNA検査さえやれば事実上解決するのではないか.
▲意味のあるデータはあるのだから,それで調査は可能だ.しかし研究全般的なことについてのDNA検査を最初からやり直さなくてはならないかどうかは委員会で判断すべき問題だ.
----全体実験を再演(訳註:追試のことか)する可能性もあるか.
▲実験再演問題は黄教授がお望みならいつでも可能だ.
----Scienceの調査とは別個に進められるのか.
▲ソウル大で自主的に進めるものであり,Scienceの調査とは別個だ.だがScience側から要請があれば科学的な部分に於いては共有することもあり得ると考えている.
----今日発表した内容中,12日午前の学長団会議(訳註:学部長会議のこと)の結果から追加された部分はあるか.
▲副総長がお疑いの内容を伝え聞いた(原文註:反映された箇所があることを示唆).
----要望したいことは.
▲今後こうした全ての過程がきちんと糾明されるには,黄教授が研究室に戻り 安定した研究を行えるようになることが必須だ.(原文註:メディアの)皆さんの御協力が必要だ.今後個別的なインタビューはしない方針だ.

この調査委立ち上げ自体がもともと黄らの要請によるものらしいという点が胡散臭さ満点ですが,委員会に黄自身が加わるかどうかについては特に言及が無いようです.


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by xrxkx | 2005-12-12 13:38 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買
【黄禹錫】ソウル大が「再検証調査委」立ち上げ発表

本日11:30過ぎに一斉に流れたニュースです.まだ全容に目を通していませんが,取り急ぎ御報告まで.


Scienceやピ大など国外からの声には韓国政府も手の施しようがないが故の措置でしょうが,いま気になっているのは,


  1. 調査委には黄禹錫本人も加わるかのように読める記事があったこと

  2. 「必要なら外部からも人を入れる」とは言っているものの,調査結果の中間報告は対外秘とする方針であるらしいこと

の2点.今更ソウル大による内輪の調査など誰が信用するか.現時点では「要するに国外の専門家や外信を排除したいだけではないか」という印象.初めから「言い訳の為のお手盛り調査」で済ませる気満々なのが見え見え.ますますもって昨年の核開発疑惑の一件に似て来たなぁ.


記者会見の詳しい内容については入手次第改めてご紹介します.以上



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by xrxkx | 2005-12-12 12:17 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買
【黄禹錫】MBCの捨て身の戦術 vs. 黄一味のアカデミック乙巳勒約論

韓国国内の輿論の動向について触れたついでに,今回の黄禹錫糾弾の一方の立役者である民労党のことを少し書いておきたかったのですが,後回しにします.
今朝読んだニュースで ちょっと気になるやつがあります.
昨夜遅く上がって来ていたらしいもの.
PD手帳のプロデューサが以前発言したところでは,さる12/06放映予定だったPD手帳の黄禹錫(ほゎん・うそく)編・第2弾では 例のニセ写真疑惑を扱う予定だったらしいのですが,その内容の一部が何処からかリークしたということのようです.
その件そのものは既に日本でも幾つかのblogで採り上げているようですが,これには以下のようなオチが付きます.




[記事差し替え:12月11日午前1時]


黄禹錫教授の〈Science〉論文操作疑惑論乱が重大転換局面を迎えている.
幹細胞腫写真操作疑惑に関連して「重大証言」を行ったことで知られる金ソンジョン研究員のインタビュー記録がメディアに公開された
(訳註:「記録」の箇所,原文では「録取録」となっており,録音テープそのものなのかテキストに落としたものなのかは不詳).


インターネット新聞〈PRESSian〉は10日午後,
米・ピッツバーグ大学に派遣されている金ソンジョン研究員にMBC〈PD手帳〉が10月20日に会って行ったインタビュー記録の全文を,
匿名の情報提供者を通じて入手したとして掲載した.


MBC関係者はこの日,〈オーマイニュース〉との電話インタビューで「この取材記録はPD手帳チームが取材した内容と同じだ」と語った.


取材記録によると,金研究員は「(原文註:幹細胞写真の数を)水増しして撮った」と述べた.
彼はまた「黄教授が(原文註:指示)した」として「(原文註:黄教授が)写真をたくさん作れと言った」と付け加えた.


〈PD手帳〉取材チームが「黄教授が2個を11個に増やせ,そう仰ったのですか」と問うと,
金研究員は「写真をたくさん作っておこうと…」と認めた.
このことは,黄教授チームが患者の体細胞を用いた幹細胞腫2個を〈Science〉論文に11個だとして発表したのではないかという疑惑をもたらすものだ.


金研究員は続けて,黄教授から全ての指示を受けていたとして,この席には姜成根(かん・そんぐん)教授も一緒にいたと証言した.
彼は「(原文註:黄教授が写真を撮れと指示した時)姜成根教授や別の人を通さずに黄教授が直接言ったのか」という〈PD手帳〉チームの質問に
「姜教授も横にいらっしゃった」と語った.


以下は取材記録の関連部分.



韓ハクス(訳註:PD手帳プロデューサ.以下「Q」とする):ライン3個でもって写真を幾つも撮って,11個の写真ということにした,と? それは誰がそうさせたんですか? (訳註:この箇所,原文では質問を2度繰り返している)セルライン3個を与えてステイニング(訳註:標本の細胞を写真撮影用に蛍光色素などで染色すること,だろう)せよと指示したのは,誰が言ったんですか?
金ソンジョン(訳註:以下「A」とする):黄教授が仰ったんです.
Q: 黄教授が 直接仰ったんですか?
A: ええ.
Q: 姜成根教授や他の人を通さず,黄教授が直接仰ったんですか?
A: 姜教授も横にいらしてですね.
Q: 姜教授も一緒にいらして? それは,いつそういう話があったんですか? 11個に増やせというのは いつの?
A: ペーパーの準備をしている最中に.
Q: ペーパーの準備をしている最中に.ということは4月頃ですか?
A: それくらいだったと思います.
Q: その時には,このことが心に負担にはなりませんでしたか? (訳註:疚しさは覚えなかったか,の意)
A: 負担が無いわけがないじゃないですか.
Q: 負担は大いにあったんでしょうか?
A: ….
Q: 黄教授は 何と言ってそうしようと?
A: 写真を多く作れ,と そう….
Q: そうして それを11個として発表すると仰ったんですか?
A: それはペーパーを見る前には分かりませんよ.
Q: 黄教授が2個を11個に増やせ,とそう仰ったんですか?
A: 写真をたくさん作っておこうと….

金ソンジョン「世界的に(波長)拡大するだろう…私の人生は終わりらしい」


このように黄教授から写真を水増しして撮れという指示を受け実行したという金ソンジョン研究員は,
人間としての悩みに陥ったものと見られる.
彼は「やれと言われた通りにやったのか」という質問に「言われた通りにするしか無かった」と打ち明けた.


彼は「私はグレード(原文註:地位)がまだあまり高くないし,そんなことすら言いにくいので…」と答え,
事実上黄教授の指示によって写真操作が行われたことを認めた.
以下は関連部分.



Q: どうですか,今日私に話すことにしたのを悔やんでいますか? 心に負担があったのでは?
A: ええ,私には何の力もありっこないですから.
Q: それなら,やれと言われた通りにやったんですか?
A: 私は言われた通りにやるしか無いんですよ.
Q: それでも,これはあまりにもひどい操作だと,一度でも言ってみたりはなさらなかったんですか?
A: 私はグレードがまだそう大したことないですし,そんなことさえ言いにくいので.

金ソンジョン研究員は今後の波長(訳註:周囲に及ぼす影響のこと)を心配もしていた.
「私が思うに,おそらく論文に入っていた人たち全員が波長があるだろう(訳註:共同執筆者たちも只では済むまい,の意)」と憂慮した.
彼は〈PD手帳〉チームに「国家利益までもお考えにならないといけないだろうと思う」と述べた.
彼は最後に「私の人生はこれでお終いですね」と語った.


Q: どうですか,いま,黄教授の他,私どもは他の人が傷付くことは望んでいません.御本人のお考えはどうですか.
A: 私が思うに,おそらく論文に入っている人たち皆が波長があるでしょう.このまま行けば.先生方(訳註:PD手帳スタッフらのこと.一般に韓国語で「先生」という語だけでは必ずしも教職者や研究者を指さない)が私をカバーする(訳註:PD手帳側が黄「拘束」後の金ら若手研究員らの滞米資格など身分の保証をオファーしたことを指す)とか,そういう事は別の問題で,おそらく全般的に,黄教授のみならず全世界に,ものすごくこのことが拡がると,そのことは先生方が少しお考えになるべきだろうと思います.国家の利益までもお考えになるべきだろうと思いますが,おそらく今やっている事が大きくなりすぎて,そういったこともお考えになるべきではないかと…

(原文註:中略)

Q: 約束しましたように,黄教授はもはやかつての黄教授ではないのですから,これからはそちらにメールを出したり電話をしたりすることは隠蔽になります.どういう意味かお分かりですね?
A: よく分からないが.
Q: あちらと連絡を取ったりすればそれは隠蔽になるんです.
A: はい,仰る意味は分かりました.どうやらこれで私の人生もお終いですかね.


金ソンジョン研究員「拘束云々したので正常な判断難しかった」


一方YTNはこの日,夜のニュースを通じて「金ソンジョン研究員がインターネットを通じて〈PRESSian〉の公開したPD手帳の一部取材記録を見た後でYTNと行った電話インタビューで,PD手帳チームが『黄教授の論文は詐欺と判定され検察の捜査が云々』といった話をする状態で正常な判断が不可能だったと重ねて表明した」と報じた.
その上でYTNは次のように金ソンジョン研究員の音声を伝えた.


「黄教授は拘束されるだろう,論文はニセモノと判定された,多くの資料を持っている,と(訳註:PD手帳スタッフらが)仰って,そういう具合のお話をされまして,そのことはPD手帳チームでもお認めになった内容ですし,私も正確な返答は出来ませんでしたし…」


また,ピッツバーグ医大(訳註:ピ大医学部)の李ヒョンギ教授がYTNにEメールを送り「金ソンジョン研究員が幹細胞2個の写真を11個と操作した」と主張したことについて,金研究員は「一度も会ったことの無い人が何故そんな主張が出来るのか分からないと述べた」と報じた.


従って,金ソンジョン研究員は〈PD手帳〉取材記録の公開以後にも「インタビュー内容は脅迫的雰囲気のもとに行われたもので,論文についての故意の操作は無かった」とする立場を取っているものと見られる.


取材倫理違反を通じて得られたインタビューの取材記録…読者への注意要請


今回公開された金ソンジョン研究員のインタビューは,〈PD手帳〉の取材当時「検察捜査」などへの言及のある中で行われた「強圧取材」論乱を起こした経緯がある.
MBCはさる4日,こうした問題点を認め,国民への謝罪放送も行っている.


従って,この取材記録は一部不適切な取材行為の中で得られたインタビュー内容であるため,読者らの注意が求められる.


しかし,このことを考慮したとしても,金ソンジョン研究員が幹細胞腫2個の写真をどのようにしてたくさんに水増し操作したのかを具体的に扱っているという点で,
論文操作疑惑の実体に近づく上で重要な糸口を提供するものと見られる.


〈オーマイニュース〉はこの取材記録の内容に関連して黄禹錫教授チームの立場を聞く為に連絡を試みたが,連絡は取れなかった.



PD手帳のこうした取材記録をリークした「匿名の情報提供者」というのは,他ならぬPD手帳スタッフ内の人物だと見て 十中八九間違いないでしょう.
12/04のYTNによる「MBC強圧取材」報道以後 MBC内部も動揺し,12/06の「黄禹錫疑惑報道・第2弾」の放映も急遽取り止め,PD手帳そのものも番組打ち切り,といった八方塞がりの状況に追い詰められたPD手帳スタッフ側が 窮余の策に出ようとすれば それしか手が無いわけですから.


一応注意しておきたいのは,「写真はたくさん撮っておこう」だけなら実験系の論文執筆過程ではよくあることだという点.
というより寧ろ,1個のサンプルから1枚の写真しか撮らないなどということは通常あり得ない.
保険の意味でたくさん撮っておくのが普通.
論文ではその中で一番いいのを使うわけ.
だから この黄発言だけでは「水増し」の証拠にはならない.


但し 今回の黄論文の場合,それら複数の写真を別々のサンプルから撮った写真に見せかける細工があったらしい証拠が既に挙がっているので 話は別です.



12/12夜追記:上の「それら複数の写真を別々のサンプルから撮った写真に見せかける細工があったらしい」の箇所,アップしたての時点ではこちらのエントリにリンクを張ってあったのですが,これはマチガイでした.
いまここで問題になっているのは《同一の細胞の写真を何枚も撮って,それらを別々の細胞の写真であるかのように見せかけた例》ですが,リンク先の記事で触れたのは《もともと1枚の写真を別々の細胞の写真であるかのように見せかけた例》なので 意味が違います.
前者の例,どこかにあった筈ですので(2chでやったというのは それ? 見ていないのだけれど)後で見つけ次第追記します.以上お詫びと訂正デシタ

今回の記事の最大の見所は,黄に写真の水増しを直接指示されたらしい下っ端の証言が出て来ているにも拘らず,本人が「あれは脅迫取材の中で言ったことニダ」「どうかしていたニダ」の一点張りで通そうとしている点.
またYTNもまたその線に沿った報道の仕方をしている点.
上の内容は黄にとっては致命的に不利な証言である筈なのですが,それすらも無効にしてしまう切り札として,12/04のYTN報道にあった「脅迫取材」が生きて来るわけです.
「脅迫による証言なので無効ニダ」という言い分,100年前にもよく似たことを言っていたな.
進歩が無いなぁ,かの国の人々は.


なるほど,上の遣り取りにあるように,PD手帳側が金に「今後は黄と連絡を取るな」と釘を刺しているくだりなどは「脅迫取材」との謗りを免れないでしょう.
というより,PD手帳側としては そうやって黄一派同士の間の連絡を絶って断ってしまえば 金のごとき下っ端は各個撃破で陥とせると踏んだのだと見たほうがよいかも知れない.
ちょうど今年1月の朝日の「政治圧力」報道で,朝日が安倍氏には「中川が認めた」,中川氏には「安倍が認めた」とやったのと似た手口で,です.


なお,ニセ写真疑惑で最近新たな証言をしたというピ大教授(幾つかの日本語メディアで匿名で言及があった筈)がいましたが,上にちょっとだけ出て来る李ヒョンギというのが おそらくそれです.
この人物については近日中に少し触れることになるかと思います.



以下は蛇足.
「脅迫取材」にしては この金も負けずに随分あれやこれやと言い返しているように見えるのが面白い.
特に「国家の利益までお考えになるべき」などのくだり,これではどちらが「脅迫」しているのか分かりません.
実際いまやMBC側のほうが土俵際にいるわけですが.



面白いといえば もう1つ.
「そうやってたくさん撮った写真を11個分として論文に載せようと黄が言ったのか」というPD手帳側の質問に 金が「そんなことは論文を見なければ分からない」と答えていますね.
これを信用するなら,この金は論文執筆の過程には加わっておらず,黄に言われるままに実験だけやって,データだけせっせと取っていたということになる.
こういう《兵隊》というのが実験系の現場にはウヨウヨいるものらしい.
要するに自分の研究を宣伝する術に長け,研究予算をガッポリ貰って来て,兵隊をたくさん飼っている奴が勝つ,と,そういう分野というのが 自然科学の研究現場には結構あると.
例えばヒトゲノムなんかもそういう《人海戦術》でやるものらしいですね.
こういう単なる《兵隊》がアメリカの永住権を取るの取らないのといった話でいちいち「技術流出」を心配したり「シャッテンが黄教授の秘法を盗んだ」だのと逆切れしたりしている連中が韓国にも随分いるようですが,そんなのが杞憂に過ぎないのは誰より現場の研究者ら自身が一番よく分かっている筈.



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by xrxkx | 2005-12-11 21:54 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買
【黄禹錫】必ず最後に「ムクゲの花」は勝つニダ

一昨日・昨日は黄禹錫(ほゎん・うそく)周りでは特に目新しい動きが無かったので,日本語サイトにも幾つか目を通してみた(普段はそこまで読む余裕が無い.国内向けに比べて遅いし)のですが,やはり日本語で読める韓国のニュースソースとなると殆ど保守三大紙や聯合に限られるため,報じ方にものすごくバイアスが掛かっているように見えます.



朝鮮日報の日本語サイトにある「朝鮮漫評」,昨日見てみたら 例の12/04のYTN報道以来立て続けにMBCへのネガティブキャンペーンをやっていたようでしたし,


同紙の社説にもこんなのがありました:

今回のMBCのPD手帳事件は経営権の半分は政府の手に、残りの半分は労組が持っているいびつな体制が生んだ副作用というしかない。




これらは日本語サイトにも載りますから既にお読みになった方も多いと思いますが,ここまでを見る限りでは要するに朝鮮日報にとっては黄禹錫云々は二の次で,どちらかというとMBC叩きのほうが主眼に見える.


ところが,a0026107_1323880.jpgこれが12/07になりますと,朝鮮日報も少し記事のトーンが変わって来ます:




12/07といえば例の副総理 兼 科技部長官・呉明(お・みょん)が「反論があるなら論文で」発言をした日ですが,
ここで忘れてはならないのは 黄禹錫本人が12/05の記者会見中で「Science論文についての再検証には応じない」意向を重ねて強調していること.
12/07に呉がわざわざ黄を「病床」に訪うた上でああした発言をしているのは,
黄のそうした立場に政府としての謂わば御墨付きを与え,国内の再検証要求派を封じ込める狙いがあるものとみてよいでしょう.
12/07以後の朝鮮日報のトーンの変化には,こうした政府側の事情が背景にあります.


a0026107_13193873.jpg

左の写真は市民団体がソウル大学病院前で行ったという黄の快癒祈願ローソクデモの光景.
これらの音頭を取る上で大きな役割を担っているのが例のDaumの"I love 黄禹錫" カフェなのですが,トップ頁だけなら会員登録無しで読めますので 是非機械翻訳でも使って拾い読みしてご覧になることをお奨めします.
どうもこれらは政府の肝煎りで行われているとは言い難く,
韓国輿論の一角に出来上がりつつあるこういうカルトじみた雰囲気は 大衆の間で自然発生したものと見たほうがよさそうです.



ところで,こうした政府内外の黄禹錫神格化勢力の存在にも拘らず,
実際には韓国輿論全体としては──保守三大紙や聯合の日本語メディアが報じるほどには──「黄教授マンセー」一色に塗り潰されているわけではないらしいという点は,
幾ら強調しても強調しすぎるということは無いでしょう.


例えば今ちょうどNaverが「韓国国内の若手研究者らが論文の再検証を求めていることについてどう思うか」というオンライン投票をやっていまして,12日お昼現在での集計結果を見てみると賛成が8,459票 (41.3%),反対が12,025票 (58.7%) と「拮抗して」います.
この手の「国益」論や「国の名誉」論の介在する余地を多分に残した社会的イシューにしては意外と言ってよい数字.
同様のオンライン投票をハンギョレとYahooでも行っていたようで,聯合ニュースも10日朝に伝えていましたが,同記事の言うには 「再検証必要」派と「再検証不要」派の内訳はそれぞれ


  • ハンギョレ(投票総数記載なし)…必要39.6%,不要60.4%

  • Yahoo(投票総数4,660)…必要24%,不要73%


という具合に,再検証不要論が圧倒的とまでは言い難い(あくまで「韓国人にしては」の話ですが).政府内・黄禹錫神格化勢力の御用メディアに成り下がっている聯合ですら 再検証不要論「優勢」としか書けないわけです.


他にも生物学研究情報センター(BRIC: Biological Research Information Center / 韓国科技部傘下,韓国科学財団指定)なる機関のサイトにBBSがありまして,ここの書き込みなど見ていても やはり「再検証はやるべき」派のほうが優勢のようです.
要するに,自分自身が研究者の卵だったりといったような 一般よりも高い教育水準を持っている韓国人の中には,世間一般のウリナラマンセー韓国人と一緒になってノーベル賞熱に浮かれたりもせず,政府の一角で進められている「再検証封じ」の欺瞞性についてもちゃんと認識している者は幾らでもいるということです.


もっとも,そうした人々の声が 輿論に訴えこれを動かす力をどこまで持ち得るかを考えるにつけ暗澹たるものを感じざるを得ないのは,
昨年9月の核開発疑惑の折に韓国政府の取った態度や国民の声がどういう方向に向かったかを思い起こしていただければお判りでしょう.



(12/16 朝鮮日報12/7社説リンク張り直し)
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by xrxkx | 2005-12-11 13:26 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買