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【黄禹錫】今さら「最高科学者」でもあるまいが

昨10日のソウル大調査委の「最終発表」が済んだのを受けて,今日あたりは検察が何か目立った動きを見せるかと思って待っていたのですが,11日夜現在 特にそれらしいニュースは入って来ていないようです.


今日流れたニュースで最も多く目についたのは「黄の最高科学者地位剥奪」と「明12日に黄が記者会見」の2本くらいでしょうか.
「最高科学者」云々について日本語報道が既に流れているでしょうが,国内報道を見ていますと これに関連したニュースには やたらとウリ党の名前が出て来るのが目立ちます.
以下はその一例:



「政府,黄禹錫博士 第1号最高科学者地位剥奪」 / ウリ党・科技部 11日党政協議「必要なら国政調査も」 (デイリーサプライズ 01/11)

[2報: 2006-01-11 14:42]


「必要なら国政調査も行う」


ソウル大調査委が さる10日,黄禹錫(ほゎん・うそく)教授の2004年《Science》論文も操作された(訳註:捏造だったの意)という事実を明らかにした直後の11日午後,科学技術部とヨルリン・ウリ党が統制党政協議を通じて下した結論だ.


チョン・ジャンソン ヨルリン・ウリ党第4政調委員長は,この日の午後国会で開かれた科技部党政協議の直後に行われた記者ブリーフィングを通じて,「ウリ党議員らは黄禹錫教授の論文操作に関連して政府が自らの役割と責任を果たさなかったことを指摘した」と述べた.



政府,黄禹錫博士 第1号最高科学者地位剥奪


党政はこの日の協議で,今後類似の論文操作事件の再発防止の為,研究倫理及び研究の真実性確保の為の国際的基準のガイドラインを作ることで合意した.


外国の大学の「研究倫理局」のように各大学や研究機関に △研究倫理確保 △研究の真実性検証 などの業務を遂行する「研究真実性委員会(原文註:Organization for Research Integrity: ORI)」を設置・運営する方案などだ.


チョン委員長は「政府が大綱のガイドラインを既に策定済みの状態」だとしつつ,「しかし科学界の自立性を侵害するおそれがあるため,これらの意見を収斂した上で完成・発表する計画」だと伝えた.


党政はこの日,黄禹錫事態が幹細胞研究そのものに打撃を与えてはならないという点で合意した.


チョン委員長は「党政は,幹細胞研究綜合推進計画の為の研究チームを構成し,(原文註:黄教授でなくとも)幹細胞研究を続けられるよう支援することで意見の一致を見た」ことを明らかにした.
党政はまた,科学徒を夢見る青少年らの士気沈滞や,今回の事件により地に堕ちた国家信認度の回復の為のプログラムも策定する計画だ.


政府はこの日,黄教授に付与した「第1号 最高科学者」の地位を 最高科学者審議委員会の審議を経て剥奪することを決定した.


チョン委員長は,「審議委が黄教授の最高科学者地位を取り消すことで最終決定した場合,これまで黄教授に支援された全ての研究事業費なども併せて取り消されるものと見られる」として,「結果次第では黄教授はこれまで任されて来た政府の全ての公職を辞任すべきだろう」と述べた.
党政はこの日,最高科学者制度そのものについての独自検証の必要性も併せて論議した.




ここで頻繁に出て来る「党政」というのは 初めは日本の自民党で謂う所の政務調査会みたいなものかと思って読んでいたのですが,それにしては行政の領分に顔を出しすぎ.ついでに こんな政府-輿党間の協議を国会でやるというのも どういう制度になっているのか,正直言ってよく分かりませんが,それはさておき.


「ウリ党議員らは黄禹錫教授の論文操作に関連して政府が自らの役割と責任を果たさなかったことを指摘した」


云々というのがありますが,そんなものはウリ党が党内で別途議論すればよい話であって,政府が真っ先にやるべき事は青瓦台や科技部などの内部にあって黄と結託していた面々に対する処断である筈.
その辺が上の記事などを見てもさっぱり伝わって来ない.
盧武鉉の「鶴(?)の一声」でそうなっているのか,政府内に叩けば埃の出まくる人物が多すぎてそうなるのかは分かりません.


政府内部の人物でかねてから特に槍玉に挙がっているのは


  • 金秉準(きむ・びょんじゅん:政策室長)

  • 朴基栄(ぱく・きよん:科学技術情報補佐官)

  • 陳大済(ちん・でじぇ:情報通信部長官)


の3名で,これに黄本人を加えた4人の名前の頭文字を取って黄金バットと呼ぶのだそうな.
この辺の面々へのそれなりの取り調べと処罰が無ければ政府責任論はかわし難いと思うのですが,どうなるやら.


で,その中でも当blogでかねがね何度も取り上げて来た朴基栄のこと.昨日珍しく日本語でも報じられていたようですが,昨10日のソウル大調査委の「最終発表」に前後して 大統領補佐官辞任の意向を表明しているのだそうです.



朴基栄・青瓦台補佐官 辞意 (韓国日報 01/10 17:53)

朴基栄(ぱく・きよん)青瓦台情報科学技術補佐官は10日,黄禹錫教授チームの幹細胞操作波紋の責任を取って,李炳浣(い・びょんわん)青瓦台秘書室長に辞意を表明した.盧武鉉大統領は近く朴補佐官の辞表を受理するものと見られる.


金晩洙(きむ・まんす)青瓦台スポークスマンはこの日,黄教授事件についてのソウル大調査委の調査結果発表後「残念であり遺憾に思う」として「朴補佐官の辞表を受理するかどうかは人事権者である大統領が検討の上決定する」と述べた.




政府による懲戒を待たずに自発的に辞任の意向を表明していますが,引責辞職などという可愛げのあることを考えるタマであれば,遅くとも例の「カビ汚染報告握り潰し」の件が持ち上がった時点で相応の身の処し方があったはず.
今回の辞意表明も黄の教授職辞任表明のときと同じで 寧ろ責任逃れの為の遁甲の一種と見ておいたほうがよさそうです.
おおかた黄と同様,「辞意表明」だけして正式に辞表は出さずにおく肚でしょうし.


朴関連 もう一本.



朴基栄補佐官の役割は? (SBS 01/10 19:32)


アンカー: 2004年論文の共著者である朴基栄(ぱく・きよん)青瓦台補佐官は,論文への寄与が無かったとする結論が出ました.
朴補佐官は今日(原文註:10日)辞意を表明しました.
金ヨンテきしゃ記者です.


----


記者: ソウル大調査委は最終報告書の中で,共著者らの役割を詳細に明らかにしました.


2004年論文の13番目の著者として名を連ねた朴基栄・青瓦台情報科学技術補佐官.


寄与なし」と明示されています.


植物学専攻の朴補佐官が幹細胞論文の共著者となったのは,多分に政治的考慮だったという分析です.


代価は,黄教授の研究に対する政府の全幅の支援として(訳註:朴を共著者に加えた黄のもとに)帰って来ました.


昨年1月のカビ汚染事故の際にも,黄教授は主務部署である科技部ではなく朴補佐官に連絡しました.


朴補佐官は大統領にこうした事実を報告すらしませんでした.


最小限の検証手続きや報告体系が無視されたとする批判を免れるのは困難です.


[朴基栄(原文註:12月中旬): 私も科学者として科学雑誌を全面的に信頼し信じるほか無かった](訳註:この部分,TVニュース放映時には おそらく12/15の黄による論文撤回意向表明当時の録画が挿入されたのだろう)


朴補佐官は今日辞意を表明しました.



朴の辞意表明そのものよりも こちらのほうが今後大きな意味を持ちそうです.
上のニュースにもある通り朴は2004年Science論文の共著者の一人であって,それが捏造と断定された以上 普通に考えれば朴も然るべき処分は免れ難い筈.
此処での「寄与なし」判定は裏を返せば「責任なし」判定に等しいわけですから,朴にとっては助け舟.
ソウル大が「寄与なし」判定を下した背景には,或いは青瓦台あたりから何か含めるところがあったか,或いはソウル大が青瓦台を敵に回すのを恐れて自発的にそうしたのか.


いずれにせよこうしたヌルい対応が大衆を「政府責任論」に傾かせる可能性は大いにあります.
前に少し触れましたが,かつて黄を熱烈支持していたメディアやら 人気取り目的で黄を担ぎ出しに掛かっていた諸政党にすれば,国民輿論の矛先が政府糾弾に向かうのは願ってもない事態の筈で,これから検察その他の調査が進むにつれ 政府への風当たりはますます強くなって行くことが予想されます.


大衆の間で政府糾弾気運が形成される上での目玉商品となるのは,やはり何といっても「黄チームに支援した予算は回収できるのか」とかいった類の「カネ返せ論」になるでしょう.
そうした中でこれまでの支援金についての監査に来週明けから監査院が着手するとのニュースもありました.
先ほどの「最高科学者地位剥奪」の記事に,国政広報処長・金チャンホ(以下金C)と 科技部基礎研究局長・金ヨンシク(以下金Y)へのインタビューが載っていましたのでご紹介しておきます.



----科技部が検察に先んじて独自調査を行うという意向を表明したと伝えられたが.


金C: 科技部が監査するという話は公式に提起されたことは無い.科技部は支援体系を運営する一種の機構であり,場合により監査の対象になることもあり得る.そうした意味で,監査院がやるのが適切だと判断している.公式に監査を要請する法的資格は総理が持っている.ソウル大調査委が2004-2005年度幹細胞論文に操作があったと発表した.これに関する監査を要請する予定だ.


----検察捜査と重複する部分があるが.


金C: おそらく監査院とは随時 機関間の自立的な役割配分が為されるのではないかと考えている.監査院は政策執行過程についての監査を行い,研究費についても流用があれば@@(訳註:おそらく「摘発」のミスタイプ)するシステムが作動していたかどうかについて監査を行うだろうと思う.その過程で不正があったと告発すれば,検察が捜査をすることになる.監査院の監査は告発よりも制度改善を目的とする.


----政府レベルの支援総額はどれくらいにのぼるか.


金Y: 1998年から2005年までに,計289億6400万ウォンを支援した.その中には施設費175億円も含まれる.純粋研究費だけだと115億円を支援した.@@(訳註:おそらく「主に」のミスタイプ)科技部・教育部・農林部が支援した.その他の後援金は民間で自主運営していた.契約をする時,ソウル大を「乙」,黄禹錫教授を「丙」とした(訳註:意味不明).これに従い一部はソウル大が控除した.なぜなら施設費など各種間接費があったからだ.


----支援された研究費について,科技部は監査を行っていなかったのか.


金Y: 毎年 研究進度を管理する課題があり,3年に1度 段階評価を行う課題がある.黄禹錫教授の場合,毎年進度管理をやっている.今年もこういう事が無ければ4月頃に報告を行うことになっていた.


----研究費回収や損害賠償請求の計画は無いのか.


金Y: 研究費について(訳註:監査院が,だろう)報告すれば清算をする.この時は精密清算チームが確認する.その場合,研究外目的に使われたものは回収する.今回も(原文註:研究が)取り消されれば回収もあり得る.


----以前に黄教授チームから研究費を回収したことはあるか.


金Y: 別のチームからはあるが,黄教授チームからは無い.私どもの支援する研究チームは,該当分野で最高の研究者だ.そのため,基本的に信義の原則によって研究していたと思うが,(原文註:論文や特許など)発表内容についてグループで評価する手続きを経て来た.


金C: 研究費を支援すれば科学者らが(訳註:使途などを,か)評価するが,(原文註:政府は)彼らの判断に依存せざるを得ない.政府が科学的結果を判定したり審査したりできる独自の権限を持っていないという点は御理解願いたい.


----純粋研究費の外に,施設はどうする計画か.


金Y: ソウル大と水原(すうぉん:地名)に施設がある.ソウル大にある施設は地面を少し掘る段階(訳註:まだ着工間もない?)に,水原にある施設は地ならしの段階にある.初期進展段階にあるため,様々な状況を見ることになるだろう(訳註:今後どうするかについては未定,の意か)水原にある施設は京畿道と一緒に準備しているものだが,私の考えでは用途変更よりは縮小かと思う.


金C: 一部では既存施設を用途変更すべきだという話が出ている.だが,この施設は黄禹錫教授個人に対する支援ではない.従って,幹細胞全般に対するものとして活用するのが妥当ではないか.幹細胞綜合計画に含めるのが筋と考える.


----黄教授が公式辞任の意思を既に表明しているが,処理はされていないのか.


金Y: 現在,黄教授が任じられている科学技術関連職位は8つ,その他の部署所管の職位は5つほどあるようだ.代表的なのは基礎研究会理事,韓国科学財団理事などだ.今回の機会に辞任処理を行う.


金C: メディアによりさまざまな問題が提起されたが,ソウル大調査委の発表前に政府が強制辞職させるわけには行かなかった.特に私の知る限り黄教授は公式に辞退書(訳註:辞表)を提出していない状態だ.




※01/12 誤字訂正
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by xrxkx | 2006-01-11 21:17 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買
【黄禹錫】「ソウル大調査委は信じるが 黄にもう一度チャンスを与えるべき」という国民がイヤに多い件


「国民66% ソウル大調査委信頼」 / 「69% 黄禹錫教授に機会与えるべき」 (世界日報 01/10 14:27)

国民の過半数が黄禹錫(ほゎん・うそく)教授論文操作疑惑を調査したソウル大調査委員会に信頼を示す中,黄禹錫教授にもう一度機会を与えるべきだとする声も大きいことが分かった.
輿論調査専門業者のリサーチアンドリサーチは,ソウル大調査委の最終調査結果発表を控えた4~5日,全国の成人男女800名を対象に設問調査を行った結果,調査委を信頼するという回答が66.0%(原文註:非常に信頼 8.6%,どちらかといえば信頼 57.4%)に上ったと10日明らかにした.
「どちらかといえば信頼しない」とする回答は23.1%,「全く信頼しない」とする回答は2.9%にとどまった.


黄禹錫教授に対する立場については,回答者の69.2%が「もう一度機会を与えるべき」と回答し,「もはや研究に関わるべきではない」と答えたのは26.2%と集計された.


黄教授に対して好意的な回答者の性向を見ると,自営業(74.7%),仁川・京畿居住者(74.9%),仁川・京畿出身者(78.0%),ハンナラ党支持者(74.6%)が特に高かった.[聯合]



01/04~01/05の調査ということですので厳密には「ソウル大調査委の最終発表に対する信頼」ではありませんが,過去2回の中間発表の結果は踏まえた数字の筈なので 今もう一度調査をやっても おそらく大きな差は出ないでしょう.


ただ,5日も前の調査結果を最終発表当日まで伏せておいたのは聯合通信の意図によるものなのかどうかは気にならなくもありませんが.
あと,「この輿論調査結果もまた『操作』されたもの」とかいうオチはさすがにご勘弁願いたいところ.


ともあれ,「ソウル大調査委を信頼する」と答えた回答者と「黄にもう一度機会を与えるべき」だと答えた回答者は,当然ながらかなりの部分が重複しています.
この辺りが韓国輿論の気分を象徴しているように見えて面白い.
インチキデータで論文を書くというのが科学者として如何に許され難い罪であるかを全く分かっていない証拠でもあり,他方では相変わらず黄の主張する「源泉技術」とやらで夢を見たがっている証拠でもあるでしょう.



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by xrxkx | 2006-01-10 15:29 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買
【黄禹錫】ソウル大調査委 2005/01/10記者会見全文

取り敢えず韓国日報(ソウル経済新聞)の世界日報のとを読んでみています.
韓国日報のほうは聯合の配信なので すぐに日本語記事も出るかも知れませんが,もし必要なら後刻訳出します.



追記) 聯合のほう 一通り訳しておいたよ


「クローン犬は本物」とするくだり,説明がいやに簡単で,細かいデータを見てみたくなりますが,Natureのほうでやっているという検証の結果がどう出ますやら.


そこ以外は特に意外な点も無く,従って論評は特に必要ないでしょう.
最後の「踏み石」発言のくだりだけ笑ってやって下さい.
あと,出来れば「DC大学」の「若き科学者ら」を誉めてあげて下さい.
「2ch大学」はどうやら「国際的な競争力」を認められていないようで残念でした.



ソウル大調査委 記者会見文 全文 (ソウル経済新聞 01/10 11:08)

(ソウル=聯合ニュース) 黄禹錫教授チームのScience論文について提起された諸疑惑を調査する為構成されたソウル大学校調査委員会は,2005年Science論文のみならず2004年論文の真偽問題も調査することとなり,クローン犬・スナッピーの真偽,卵子受給,黄教授チーム研究室の技術現況などに関する分析と調査を遂行しました.


調査委員会が2005年12月15日から2006年1月9日まで明らかにした諸事実についての最終結果を御報告いたします.
膨大なデータと補充資料を除いた結果報告書は 別途公開いたします.
調査結果を要約して申し上げます.



1) 2005年Science論文

2005年論文は,患者合わせ型ヒト体細胞クローン幹細胞株11種を作ったと報告した.
しかし実際は2つの幹細胞から11個の幹細胞のデータを作り出しており,その2つの幹細胞も体細胞クローンではなく受精卵幹細胞であったことは,2度の中間発表を通じて報告した通りである.


黄教授チームが論文提出後に作ったと主張する幹細胞も,全て体細胞クローンではなく受精卵幹細胞である事が確認された.
2005年論文のデータは,DNA指紋分析,テラトーマ及び胚芽体の写真,組織適合性,核形分析などが全て操作されており,これらのデータが如何なる方式を通じて操作されたのかは報告書に摘示した.


結論としては,黄教授チームは患者合わせ型幹細胞株を持っておらず,それを作ったとする如何なる科学的根拠も持っていない.



2) 2004年Science論文

体細胞クローンを通じたヒトES細胞株の確立を報告した2004年Science論文中の細胞写真およびDNA指紋分析について疑惑が提起され,調査を開始した.


調査委は,確保された1番幹細胞(原文註:NT-1)とテラトーマ組織,卵子および体細胞供与者(原文註:同一人物)のDNA指紋を分析した.
1番幹細胞株は,黄教授チームが凍結または培養状態で保管中の細胞株20個,特許出願の為に韓国細胞株バンクに仮託されている1個,ソウル大学校 文信容(むん・しんよん)教授の研究室とミズメディ病院に保管中のもの各々1個など,計23個のサンプルを各々3つの研究機関に送り,分析を依頼した.


3つの研究機関は,全て等しい分析結果を送って来た.
分析の結果,テラトーマ組織と1番幹細胞中,細胞株バンクと文信容教授研究室,ミズメディ病院が保管中の1番細胞株は,全て同一の指紋を示した.
黄教授チームが保管中の20個の細胞株中,9個はこれらと同一の指紋だったが,11個はミズメディ病院の受精卵幹細胞5番と確認された.


1番幹細胞のDNA指紋は 論文に報告された指紋とは全く異なり,黄教授チームが供与者としたA氏の血液から得たDNAの指紋は 論文とは一致するが1番幹細胞とは異なった.
従って,1番幹細胞は 論文に提示された供与者の体細胞核置換により作られた幹細胞株ではなかった(ママ).


1番幹細胞が ミズメディ病院の持っている受精卵幹細胞とも異なったことから,その出所についての疑問を解明する為,調査委員会は 論文に提示された供与者と同時期に卵子を提供した2名の人物の血液を追加で確保し調査した.
そのうち1名(原文註:供与者B)が 1番幹細胞に関連することが確認された.
B氏のミトコンドリアと 1番幹細胞のミトコンドリアが 同一のDNA塩基配列を示すことから見て,B氏が卵子提供者であることは確実である.


しかし,B氏の体細胞核のDNA指紋は,使用した48種の表示子中 40個が幹細胞と一致し,残る8個は同一でなかった.
もしも1番細胞が体細胞クローンによる幹細胞であるなら,48個全てが正確に一致しなくてはならないが,8個が異なるという事実は 1番細胞が対細胞体細胞クローンによる幹細胞ではないことを意味する.
8個の表示子はともに,供与者Bの体細胞に於いては異なる対立因子だが,1番細胞株に於いては同じ対立因子である.


こうした事実を綜合すると,1番幹細胞は,供与者Bの卵子が脱核されない状態で周辺の細胞(原文註:極体)と融合し,処女生殖(原文註:単性生殖)して出来た幹細胞である可能性が高い.
にも拘らず,2004年論文には 1番幹細胞株のDNA指紋が供与者Aと一致すると報告されており,現在保管中の1番細胞株のいずれも 供与者Aと一致するものは見出せないことから,調査委は 2004年Scienceに報告され特許出願済みの1番細胞株は対細胞体細胞クローン幹細胞株ではないという結論を下した.


この外にも,2004年論文の細胞の写真がミズメディ病院の受精卵幹細胞の写真だとする指摘があったが,調査の結果 そうした指摘が事実であることを確認した.
従って,2004年Science論文も 幹細胞株のDNA指紋分析結果が操作されており 細胞の写真も操作されたものであるという結論に至った.



3) クローン犬・スナッピーの真偽

2005年Natureに発表したクローン犬・スナッピーについても,DNA指紋分析を遂行した.


スナッピーと,スナッピーの体細胞供与犬であるタイ,更に代理母犬から血液を採取し,卵子提供犬の体細胞組織を得て,各々3つの期間に分析を依頼した.
近親交配とクローン犬の違いを区分する27種の表示子についての分析と,ミトコンドリアの遺伝子分析の結果,スナッピーはタイの体細胞から複製されたものであることを確認した.
詳しい内容は報告書に摘示した.



4) 卵子使用に関する問題

黄教授チームのコンピュータファイルとノート,ミズメディ病院ほか3つの病院の卵子提供関連記録,関連者らの名簿などを通じて確認したところ,2002年11月から2005年11月までの3年間に 4つの病院に於いて129名から2061個の卵子が採取され,黄教授チームに提供された.
2005年と2004年の論文の為の研究の開始日が明確でなく,記録が不十分なため,各論文の為にそれぞれ何個の卵子が提供されたのかは正確に集計し難い.
しかし,2005年論文が185個の卵子を使用したと報告しているのに反し,実験ノートによれば少なくとも273個が使用された(原文註:2004年9月17日~2005年2月7日にわたり集計).


2004年論文に関連して,黄教授は 研究員の卵子提供事実を知らなかったとしているのに反し,卵子を供与した研究員の陳述によれば 卵子供与は本人が志願して黄教授がこれを承認しており,黄教授が同行した状態で 2003年3月10日ミズメディ病院に於いて盧聖一(の・そんいる)院長の施術で行われたとする陳述を聞いた(ママ).
2003年5月にも,黄教授チームは当時の女性研究員らに卵子寄贈の意向を問う書式を分け与え 署名を受け取った(訳註:同意書にサインさせた,の意らしい)という事実を,8名の前現職の研究員らの陳述を通じて確認した.



5) 黄教授チームの技術に対する評価

対細胞体細胞クローンES細胞は,大きく分けて 核移植,胚盤胞形成,幹細胞株確立の3段階を経て得られる.
幹細胞株を確立した後,患者の治療に利用するには,所望の組織細胞への分化と併せ 患者の体内に於ける機能発揮が成功的に為されねばならず,また癌発生などの副作用があってはならない.


5-1. 核移植: 豚や牛など動物の卵子を用いた核移植は,国内外的に黄教授チームが最も活発な実験を遂行しているものと判断され,黄教授チームをはじめとする国内畜産関連大学や研究所には 約100余名の熟達した核移植専門人力があるものと推算される.
核移植された卵子を用いて動物を複製する技術は,最近 犬の複製に成功したことなどを勘案すれば国際的な競争力を持っていると判断される.
ヒトの卵子に核移植を行う技術のうち,搾り出しによる脱核方法は 効率性が高いが,既に動物卵子には長年用いられて来た技術であり,独創的新規性(ママ)を認め難い.


5-2. 胚盤胞形成: 黄教授チームの記録によれば,核移植による胚盤胞形成の成功率を約10%と集計している.
しかし,実験ノートのデータを確認した結果,大部分は状態が良好でない胚盤胞だった.
記録中には比較的状態の良好な胚盤胞が作られた場合が一部確認されており,黄教授チームが核移植条件を改善しヒト卵子の胚盤胞形成に成功したという点は評価できる.
但し,現在この技術は既に保有している研究室があり,もはや独歩的との評価は下し難い.


5-3. 幹細胞株確立: 胚盤胞から幹細胞株を確立する段階についての黄教授チームの研究記録を見ると,幹細胞が確立されたと判定するに足る科学的根拠を全く見出せない.
幹細胞株が確立されたと判定するには,テラトーマ形成,胚芽体に於ける分化能力などが立証されなくてはならない.
しかし,黄教授チームに於いては 細胞のコロニーが初めて肉眼で観察された時点でこれを幹細胞株だとして記録しており,その後これを幹細胞だと立証する実験を遂行した記録は全く無い.



以上の結果を綜合すると,黄教授チームは2005年論文に於いて主張した患者合わせ型幹細胞のみならず,2005年論文の基盤となる2004年論文の体細胞クローン幹細胞株も持っていません.
また,体細胞クローン幹細胞株が作られたとする如何なる立証資料も持っていません.
DNA指紋分析の結果,供与者A氏の遺伝子と1番幹細胞が一致しないにも拘らず,一致するかのようにデータを操作して2004年論文を書いたものです.
こうした行為は,科学界や一般大衆皆を欺く行為と見做さざるを得ません.


如何にすり替えを主張するとしても,現在持っている処女生殖1番幹細胞株の存在を説明することは出来ず,その遺伝子分析結果を操作した事実を覆い隠すことは出来ません.


今回の論文操作やその隠蔽に関与した研究者らに対する学界の処分は,既に明らかにされた操作事実だけでも重からざるを得ません.
しかし,彼らならずとも我が国には既に優れた技術を持つ多くの研究者らがおり,彼らの幹細胞研究は既に世界的に認められています.
また,幹細胞研究の成功を担保すべき生命科学分野の研究力も,既に国際的水準に達しています.
こうした事実に鑑みれば,今回の不祥事は我が国の科学界には大きな影響を与えないだろうと判断しております.


寧ろ,今回の事が 過ちを正し より堅固な研究を行う為の踏み石となり,我が国の生命科学や科学技術の発展に大きな寄与をするであろうことを確信いたします.
誤りを指摘し 本調査を触発した 若き科学者らは,私たち皆の希望です.
これまで調査委員会の活動を激励し様々な手助けをして下さった全ての方々に感謝申し上げます.
ご清聴有難うございました.



(01/11 誤変換訂正)



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by xrxkx | 2006-01-10 11:28 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買
【黄禹錫】ソウル大調査委最終発表内容(予定)

泣いても笑っても本日10日はソウル大調査委の「最終発表」が出ます.
もうちょっとで記者会見が始まる筈.
といっても,昨日夕方の時点で流れていた以下の記事を見ますと,発表内容そのものにこれといって目新しい点は無さそう.
読んだのはハンギョレですが聯合ニュースの配信ですので既に日本語記事が出ているかも.
探すのが面倒くさいので訳してしまいます.


それにしても,こんなのがどうしてこう毎度毎度事前に洩れるのでしょうね.
そもそも調査委立ち上げ当初の予定では「委員の人選も公表しない」筈だったのに,黄擁護派が名簿をネットに晒したのが出回ってニュースになったりもしていましたし.
セキュリティ緩すぎ….



ソウル大「2004年幹細胞論文も操作」 / 黄教授「再演」要求は受け付けないことに / 1番幹細胞「単性生殖突然変異」可能性…源泉技術は「実用性なし」 / 調査委,あす最終報告書発表…補充資料含め150頁 / 操作介入の有無・懲戒対象者決定か…ソウル大公式お詫び・対策発表 (ハンギョレ 01/09 18:26)


黄禹錫(ほゎん・うそく)教授チームの幹細胞研究を再検証中のソウル大調査委員会は,10日発表する最終報告書で
「黄教授チームの2004年Science論文も操作されていた(訳註:捏造だったの意)」
とする結論を下したことが分かった.
また,黄教授チームが患者合わせ型幹細胞樹立を再演する為に6ヶ月間時間をくれと要求していることについて調査委は
「時間稼ぎ」だと判断し,受け入れないことに決定したものと伝えられた.


ソウル大調査委は,10日午前11時にソウル大・冠岳(くゎんあく:ソウル市内の区)キャンパス内の文化館中ホールで,チョン・ミョンヒ委員長(原文註:ソウル大医学部)主宰で記者会見を開き,こうした内容の最終調査結果を発表する.


調査委員らは9日午前から,黄教授チームの研究室があるソウル大獣医学部に出勤,細かい部分についての詰めの調整作業を行った.
最終報告書全文はA4印刷用紙で全50~60頁ほどで,DNA分析写真など補充データを含めると150ページ以上にのぼる見込みだ.


最終報告書には,「2004年論文も2005年と似たデータ捜査が行われており,2004年論文で提示された体細胞核置換ヒトES細胞樹立の証拠は『虚偽』である」とする結論が含まれるものと分かった.


調査委は,核心関連者らの陳述およびDNA指紋分析などに基づき,2004年論文に於いて作られたのは実際には偶然に生じた「単性(原文註:処女)生殖による突然変異」の結果である可能性が高いと判断したものと伝えられた.
単性生殖による突然変異は,核を除去していない状態のままの卵子に電気ショックを加えると卵子が受精したものと錯覚し,受精しながら(訳註:?)DNA(ママ)が2倍数(原文註:2n)状態になることを謂う.


調査委は,黄教授チームの「ヒト体細胞クローンES細胞の写真」と,それとは無関係の別の諸論文に掲載されたミズメディ病院の受精卵幹細胞の写真の比較,DNA指紋分析結果などを総合して「人為的操作」の具体的な証拠を確保済みであることが分かった.


調査委は,論文操作が明白な事実であることが明らかにされた以上,「幹細胞確立」および「再演可能」主張そのものに信憑性が特に無いうえに,再編実験の為に数百個の「新鮮な卵子」を調達することも事実上不可能であるため,黄教授側の再演要求は「時間稼ぎの試み」に過ぎないと見て受け付けない方向で決着した.


最終報告書では,黄教授チームがミズメディ病院など数箇所の産婦人科から1000個以上の卵子の提供を受け実験に使ったとする内容や,クローン犬「スナッピー」の真偽如何も含まれるものと見られる.


2005年Science論文のデータが操作され,2005年論文に報告された患者合わせ型幹細胞が全く存在しないとする 先月の2度に及ぶ中間発表の内容なども,根拠資料と併せて整理され盛り込まれることになる.


調査委は,黄教授の「源泉技術保有」主張の核心である「箸の技術」の実用性に関して「核と細胞質に尊称が多いため,胚盤胞段階以後まともな幹細胞を抽出するのは難しく,それ自体では実用性が無い」とする結論を裏付ける根拠資料を提示する見込みであることが分かった.
その他,黄教授ら論文著者の名前入りで ソウル大教授らや研究員らの操作介入の有無と責任範囲についての判断も発表する計画だ.


ソウル大は,この最終報告書の結果をもとに,近く懲戒委員会を招集,黄教授や李柄千(い・びょんちょん)・姜成根(かん・そんぐん)獣医学部教授,文信容(むん・しんよん)・安圭里(あん・ぎゅり)医学部教授などソウル大所属の論文共著者らに対する懲戒レベルを決定する予定だ.
ソウル大はこの日,黄教授の研究チームによる論文操作の事態についてのお詫びと再発防止対策などを盛り込んだ公式な立場を合わせて発表する.



「2004年論文も捏造」というのは昨年暮れのぎりぎりの時期に既に「関係者」情報の形で散々流れていたもので,この点では最終発表の内容は大方の予想通りと言ってよいでしょう.
今回の「最終発表」では それを大学側が公式に認めお詫びするという以上に踏み込んだ内容は特に無く,しかも関係者らの処分についても今後「懲戒委員会」なるもので改めて相談するということですから こちらも目新しい内容は無いという,些か盛り上がりに欠ける仕上がり(笑).


今後の見所としては,差し当たり


  • 検察の捜査は直ちに「卵子売買との関与」「研究員からの卵子『寄贈』」の2つの倫理問題に切り込むか,それとも「ES細胞すり替え」の有無に時間を取られ難航するか

  • 11日にも発表されるとかねてより噂されていた「国家最高科学者」称号剥奪が順当に行われるか

  • 「最終発表」を受けて黄擁護派が斜め上の挙に出てくれるか

  • 昨年末に一度流れていた「ソウル大病院がシャッテンを提訴」の風説は本当か


といったところでしょうか.


ついでで申し訳ありませんが,例の「箸の技術」については「実用性」云々以前に「新奇性なし」として戴きたかったところ.
加藤さん・角田さんからのパクリですから
ES細胞製造目的のヒト体細胞核移植に転用できるかどうかはその後の話.



関連っぽいの



【論文ねつ造】「調査委が黄教授を犯罪者に仕立て上げた」 (朝鮮日報 日本語)

この手のニュースは韓国国内では調査委立ち上げ当初から毎日のように流れていますが,日本語記事で出ているのを見るのは初めてでした.


【論文ねつ造】「アイラブ黄禹錫」、卵子提供中断 (朝鮮日報 日本語)

昨年末の記事.例のDaumのカフェの件.この措置に対しては 特に狂信的な黄擁護派が激しく反発しており,カフェ運営者との対立の末 分派集団が別のカフェを立てるなどして混乱している模様.


PD手帳,「よんろんい がクローン牛だという証拠は無い」 (ハンギョレ)

「クローン牛」の件.以前から「犬はしょっちゅう出て来るのに 何故牛のほうは出て来ないの?」と思っていましたら,今回のソウル大調査委の調査範囲には含まれていないのだそうです.「体細胞を提供したドナー牛が既に死んでいて検証困難」だとか.こんなのを今更出して来たわけですが,PD手帳も些か手持ちのネタを小出しにしすぎの感あり.ちなみにPD手帳は10日夜にまた特集を組む由.


検察,今週中にも黄教授を召喚か (文化日報)

これはまぁ当然の運びでしょうが,それだけに「クローン牛の真偽」などという学術周りのネタを今頃まで温存しておいたPD手帳側のずるさを感じなくもない.



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by xrxkx | 2006-01-10 10:57 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買
ウリ式劣化コピーに掛かれば「目には目を」もこのまったり加減。


来る10日のソウル大調査委の「最終発表」が出次第,検察が本格捜査に着手する段取りが固まったようです.
今回日本語版に上がって来るのがイヤに遅かったのですが,黄ら11名が出国禁止処分になったというニュース,韓国国内では既に昨7日に大量に飛んでいました.


7日午前中に流れた報道ではまだ「10余名出国禁止」となっており,「11名」と断定する記事が出始めたのは7日夕方になってから.
既に一夜明けていますので,出国禁止を食らった11名の完全なリストがありそうなものなのですが,なかなか出て来ません.
今まで分かっている限りでは


  • 黄禹錫

  • 盧聖一

  • 姜成根

  • 安圭里

  • 李柄千

  • 金ソンジョン

  • 権デギ


の7名の名前が挙がっている模様.
なお文信容は含まれていない由.


検察が捜査に着手するタイミングをわざわざソウル大調査委の最終発表に合わせる理由について一応触れておきましょう.
もともと検察は論文捏造やらクローン犬の真偽やらといったことには介入したがっておらず,そういう事はソウル大のほうで始末してくれよと思っているのは今も同じでしょう.


ただ,前々から繰り返していますように 2005年Science論文を含む一連のインチキ業績の件は 3種類に大別される黄疑惑のうちの1種類に過ぎません.
不法売買との関わり,および研究員からの卵子「寄贈」という2つの論点が なお手付かずで残っており,これらについてはソウル大調査委は「管轄外」として調査対象から外しています.
こちらは検察が出ないわけに行かないでしょう.


また,インチキ業績周辺についても 以前触れましたようにウソツク大先生は「金ソンジョンが細胞をすり替えたニダ攻撃」に出ており,今なお「検察が捜査に掛かってくれれば2日で片が付く」と豪語しておいでだそうですので,これまた検察に処理が任されている状態です.
検察にすれば筋違いもいいところでしょうが.




黄周辺の核心事項は今のところそれくらい.
もう少し外野に行きますと,


  1. PD手帳の取り巻きである「進歩的」言論人やら報道関係者らによる黄擁護メディア(特にYTN)叩きが昨年末から俄然勢いづいている件

  2. キリスト教系団体(「ES細胞研究には元々批判的だった」と自称)と仏教系団体(こちらはなおも黄を積極擁護)との宗教紛争じみた非難の応酬が始まっている件


などが目に付きますが,そちらは後回しにして 少々馬鹿馬鹿しいお話を一席.
まぁ1番の方には若干関係なくもないかな?





MBC PD手帳の黄禹錫教授関連放送中,一部が操作されたとする疑惑が起きている.
ただでさえ敏感な事案だけに,こうした消息が伝わったことでネティズンらは爆発的な関心を示している.


「サプライズ(原文註:www.seoprise.com)」の会員らは6日,PD手帳がミズメディの盧聖一理事長と各々異なる日にインタビューしたと放送した場面(訳註:複数回に亙ってインタビューしたものとして報じた,の意か)に異常な点が見つかったとして関連資料を掲示板などに掲載した.


彼らの主張する異常な点とは,PD手帳は昨年10月26日と11月2日の各々異なる日付に盧理事長にインタビューしたとして映像を流したが,これら2つのインタビューは同じ日に同じ場所で行われたらしいというもの.


盧理事長が昨年11月2日にPD手帳との間で行ったというインタビューは,11月22日に「黄禹錫神話の卵子疑惑」という題目で放送され,10月26日のインタビューは12月15日放送された「特集・PD手帳は何故再検証を要求するのか」という題目で放映された(ママ).


疑惑を提起する側は,該当放送場面をキャプチャした上で,2枚の写真を重ねて示し,「PD手帳は同一日時にインタビューした内容を2つに分けて報道した」と説明している.


該当インタビュー写真を綿密に分析したネティズンらは, △背景がほぼそっくりであり △盧理事長の右手の服の皺が酷似している上に △ネクタイの結び具合まで同じだという理由などを挙げ,操作の可能性が高いものと見ている.


6日午後現在,「PD手帳操作」なる単語がポータルサイト検索語ランキング上位に上った.
一部の性急な視聴者らは,PD手帳掲示板で「公開謝罪」および「番組撤廃」などを要求している.


これに対し,PD手帳の金ヒョンギ・プロデューサは,クッキーニュースとの電話インタビューで
「字幕にミスがあったものと見られる.
誰がどのようにミスを犯したのか,内部調査を経た上で掲示板などを通じて公式釈明したい」
と述べた.


国民日報 クッキーニュース 金サンギ記者



出たな金サンギwww


この人物,かつて京郷新聞にもいたことがあるらしいのですが,彼が韓国のネット上でどういう扱いを受けているかは,「金サンギ 記者」でGoogleしてみた結果中に幾つの「誤報」や「捏造」が現れるか数えてみれば一目瞭然.
以前の「島根のお歳暮」の件のときもそうだったように,「一言で無い物が無いくらい」式のおよそ報道記事らしからぬ表現の多用など 一々書きっぷりが針小棒大なのもこの人の癖.
「疑惑を提起」した「ネティズン」とやらも こんな色物記者に取り上げられてがっかりしているだろうな(笑).


まぁ韓国人記者の「誤報」「捏造」など珍しくもありませんし,こうやってネットから話題を拾ってはろくすっぽ検証もせずにネット新聞の記事にするという それこそそこらの個人ブロガー(あ,私もか :D)でも務まりそうな安い仕事ぶりなどは 最近では中央日報あたりも得意にしているようで,「韓国では報道というのはそういうものらしい」でオシマイ.
出来る事なら 何処の馬の骨とも知れぬチョッパリにダメ出しされない程度の作文技法くらいは習得して頂けると 訳すこちらも助かるのですが(大笑).


金サンギものから もう一本.上の続報.




MBC PD手帳は6日,ネティズンらの提起した「盧聖一・ミズメディ病院理事長インタビュー操作論乱」に関連して「字幕整理の過程で生じたもので,『玉に瑕』指揮の単なるミス」だと釈明した.


PD手帳側は この日,インターネット掲示板の公示事項を通じ「『黄禹錫研究の卵子疑惑』編(訳註:11/22放送分のこと.正しいタイトルは「黄禹錫神話の卵子疑惑」)と『特集・PD手帳は何故再検証を要求するのか』編に使用された盧聖一理事長のインタビューは,ともに2005年10月26日に撮影されたもので,11月2日と標記されていたのは字幕整理の過程で生じた誤り」だと釈明した.


韓ハクス・前MBC PD手帳プロデューサは,クッキーニュースとの電話インタビューで「ネティズンらが疑っているような意図的な操作は無かった」とし,「『玉に瑕』というか….単に字幕を入力する記事が(ママ)間違って処理したものらしい」と述べた.


韓プロデューサは「昨年10月26日,盧聖一理事長と1度インタビューを行ったが,11月2日インタビューの字幕はミス」だとして「仮に操作したとしても我々が何の利益を期待できるか」と付け加えた.


盧理事長もインタビュー日付捜査疑惑について大きな意味を置いていないと述べた(訳註:「盧理事長も~いない」と韓が言ったのか,盧が「インタビュー~いない」と言ったのか不明瞭.後続段落との繋がり上 後者の意味にとっておく).


盧理事長は電話インタビューで「昨年10月26日,PD手帳と1度インタビューを行った」として「一部国民の方々が陰謀論を取り沙汰しておいでだが,私は真実のみを語っている」と述べた.


論乱は,昨年10月26日と11月2日の各々異なる日付に盧理事長とインタビューを行ったとするPD手帳の映像が,実は同じ日に同じ場所で行われたものらしい(訳註:主語は「映像は」ではなく「インタビューは」であるべきだがママ)とする指摘がインターネットに載ったことから始まった.


ネティズンらは △背景が殆どそっくりで △盧理事長の右手の服の皺が酷似している上に △ネクタイの結び具合まで同じだという理由などを挙げ,操作の可能性が高いと見た.
盧理事長が昨年11月2日にPD手帳と行ったというインタビューは 11月22日「黄禹錫神話の卵子疑惑」という題目で放送され,昨年10月26日のインタビューは12月15日に放送された「特集・PD手帳は何故再検証を要求するのか」という題目で放映された(ママ).


国民日報 クッキーニュース 金サンギ記者



普通,『玉に瑕』って 自分で言う? まぁ例によって金サンギがある事ない事書きまくっているだけかも知れないな.


要するにPD手帳取材班が盧聖一にインタビューしたのは実際には昨年10/26の一回きりで,
黄疑惑発覚の謂わば導火線だった11/22放送分では その10/26インタビューが11/02に行われた別のインタビューであるかのように紹介されていた,と.
それは良いけれど,「だからどうした」という続きが何も無い.
例えば「2つ」のインタビューで盧聖一が互いに矛盾する事を言っているとか,11/02に盧がPD手帳と接触していないことが明るみに出るとMBC側にとって決定的に不利になる何かしらの理由があるとか,10/26のほうの盧聖一は実はクローン人間だったとか,そっくりさんタレントの盧イルソン氏だったとか.


おおかた最近旗色の悪い黄擁護派の「ネティズン」(←ヤな言葉だなぁコレw)が仕掛けたか,最近大流行の「似たもの探し」に乗っかったかのどちらかでしょう.
それにしても,こういう時の「写真水増し疑惑には写真水増し疑惑で対抗ニダ」的な,いかにもお朝鮮チックな単細胞さ加減って,私は決して嫌いではありません.
まぁこれは別に金サンギに限らず「疑惑を提起」した方々も同じ事ですし,「ダイナミック・コリア」に対抗して「ショッキング・ザパン」なるflashを作るとか「竹島の日」に対抗して「対馬の月」を制定するとか「嫌韓流」に対抗して「嫌日流」を出版するとかも全てそう.


自分のしっぽを追いかけてくるくる回っている犬がよくいますが,ああいうのを眺める時と同じ「馬鹿な子ほど可愛い」的な愛情を注いでやるのが この種の半島人をヲチする上での一種のマナーみたいなものであって,殊に上の金サンギみたいなのを引っ張り出して不用意にNaverなどで「韓国人記者が釣れたナリ」とかやると逆に韓国人の物笑いの種にされますから気をつけましょう,というお話でした.


その他のキーワード: 김상기 쿠키뉴스



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by xrxkx | 2006-01-08 16:57 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買
【黄禹錫】こいつだけは許せん (2) 盧武鉉には政・官の膿を出し切る覚悟は無いらしい.


今回の一連の黄疑惑をどうやって「一件落着」させるのかについて,
青瓦台は未だ何らの具体的な指針も示せていません.
盧武鉉が今までやって来た事といえば,昨年11/27に自ら青瓦台のwebサイトに載せた文章で国内のMBC叩きムードを憂慮してみせたことと,
12/05に「論乱はもうこれくらいで収まれば」なるコメントをスポークスマンを通じて発表したことだけ.
どちらも盧武鉉本人は良かれと思っていっているのでしょうが(笑),「大統領がそんなことでどうするの」という脱力感たっぷりの仕上がり.
ああいうヌルい態度が 官の一部にはびこる黄疑惑揉み消しムードを助長して来た.



既にご紹介しましたように さる12/23にソウル大調査委の中間発表(2005年Science論文を捏造と断定するもの)がありましたが,
実はその発表の前日に呉明(お・みょん:副総理 兼 科技部長官)がソウル大総長に電話し,調査委の最終結論が出るまで発表を繰り延べるよう要請していたらしい.
呉自身は「自分とソウル大総長とは旧知の仲なので,2005年論文以外の調査もやって まとめて発表してはどうかと勧めただけであり,決して政治圧力をかけたのではない」と釈明しているのだそうです.


一方で,さる4日には 国家生命倫理審議委の委員長を務めていたヤン・サムスンの辞任という事態もありました.
どうやら,昨年11/22のPD手帳「卵子疑惑」報道直前に 黄らに会って対策を協議していた──「弁護士としての資格で」という言い訳付きではありましたが──のが明るみに出たためらしい.



その他,以前からたびたびご紹介した朴基栄(ぱく・きよん)のように官邸内部に溜まった膿についてもお咎め無しでは輿論が納得しないでしょうし,ついでに安圭里・尹賢洙・YTNによる金ソンジョン懐柔に国家情報院(=昔のKCIA)が関わっているとかいった憶測報道(例のカネも国情院から出ているといった類)も飛び交っていたようですが,その辺も含めてどうなるやら.




で,その盧武鉉ですが,黄疑惑についての3度目の意見表明を昨5日に行ったとのこと.
普段は日本語メディアで読める記事は載せないのですが,今回は比較の為に全文転載します.以下:



盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が黄禹錫(ファン・ウソック)教授事態に関連し、「責任がある人には徹底して責任を問うが、その周辺で熱心に働いた罪しかない人には、もっと熱心に研究できるような雰囲気を作ってあげなければならない」と述べた。


盧大統領は5日、ソウル駅三洞(ヨクサムドン)科学技術会館で開かれた科学技術人新年あいさつ会に出席し、このように明らかにした。


盧大統領は「一つひとつ事実に基づき明確に責任を問うべきであり、漠然とした社会の雰囲気で責任を問う形になってはならない」と強調した。


また「政府責任者らも生命工学分野への投資に消極的になることが考えられ、その分野にいる人々の士気が低下しないか心配だ」とし「科学技術分野の発展のためにできる限りの支援をする」と語った。




いかにも盧武鉉が関係者に対する徹底した責任追及を考えていそうな標題のつけ方ですが,中身を読めば「黄本人および姜成根や盧聖一など特に責任の重い数名を処罰して あとはなるべくお咎め無しで済まそう」という意図がありありと見えます.
こういう「標題と本文で丸っきり逆の事を言っている記事」って,日本の新聞や通信社もよく書きますね.


同じ盧武鉉発言が,オーマイでは以下の様に報じられます.
ただでさえ盧武鉉という人の語り口は同語反復が多い上に,それを更にオーマイにありがちな冗漫な文体で書くものですから,「これならいっそ盧武鉉のスピーチ全文をそのまま載せてくれればいいのに」と文句の一つも言いたくなりますが──.



脱線.
念の為説明しておきますと,オーマイというのは大勢の素人が所謂「市民記者」の資格で書いている,韓国には非常にたくさんあるネット新聞の一つで,論調としては全体的にかなり左寄りというか「市民」寄り.もともと民主化運動当時に学生運動をやっていた世代が運営をやっているので どうしてもそうなるのでしょう.
盧武鉉が大統領選に勝利できたことや,一昨年の弾劾後に大統領職に復帰できたことは,こうした「市民」寄りメディアの力に非常に多くを負っています.紙媒体の新聞で言ったら一番近いのがハンギョレ.


実際,私の周囲に何人かいる韓国人留学生などを見ていても 最もよく読むのは大抵が上のオーマイやらノーカットニュースやらといった左寄りネットメディア,およびハンギョレ・京郷新聞といった左寄り新聞のサイトで,保守三大紙(朝鮮・東亜・中央.しばしばこの3紙の頭文字を並べて「チョ・ドンジュン」と人名みたいに呼んだりする)は全くといってよいほど読まない.
理由を訊いても
「チョセンニポはジャイバチュ系ですから」
の一言で片付けられてしまったり(笑).
兵役を済ませてシャバに出て来たばかりの,民主化運動当時にはまだ子供だった世代の中にも,こうした空気は濃厚に見られます.
脱線終わり.





盧武鉉大統領が5日,黄禹錫事態について口を開いた.


盧大統領はこの日ソウル科学技術会館で開かれた「科学技術人新年挨拶会」に参席し,
「(原文註:黄禹錫事態に関連して)漠然とした雰囲気で責任を問うことのないよう,大統領として最善を尽くしたい」
として
「具体的かつ明確な根拠を持って責任を問うて行く行政風土も必要だ」
と述べた.


これは,確実な根拠が無い限り 輿論煽り式の引責論を用いないという意味で,
結局 黄禹錫事態に関連して引責論が提起されている金ビョンジュン・政策室長と朴基栄・情報科学技術補佐官の更迭は考えていないと述べているように取れる.


「漠然と責任を問うてはならない」


盧大統領は「ただ事前から互いに『お前の責任だぞ』と睨み合う雰囲気よりは,事実と証拠に基づいて 責任ある人に はっきりと責任を問うべきだ」として,
「これまで政府の責任を問う幾度かの機会に,私はこの原則を守り努力して来た」と強調した.


続いて盧大統領は,「今後調査結果が出たら,きっと科学界以外にも責任を負うべき分野があるかも知れない(ママ)」とし,
「しかし,その責任も少し科学的に問わねばならない」と重ねて強調した.


盧大統領は
「責任のある人は責任を取ることになるにせよ,その周辺にいるというだけで漠然と罪人になる人々については,わが国民らが引き続き研究に専念し没頭できるよう励ましてほしい」
として
「責任の無い人々がもう一度勇気を奮い起こして研究に集中し没頭できるよう,我々が一度後押ししてあげよう」
と注文した.


また,盧大統領は
「アメリカは9・11事件についての責任を問うのに極めて消極的だった.
そのことが正しかったかどうか確信は持てないが,それにはそれなりの深い理由があったのだろう」
とし,
「我が社会ももう少し落ち着いて運営して行ってほしい」
と述べた.


盧大統領は
「多くの若い科学者らは熱情と希望を持って研究に参与した筈だが,
その中には一部責任のある人がいるだろうし,
一部はただ一生懸命に(原文註:研究を)やった罪しか無い人々もいるだろう」
として
「なのに国民らの視線は何処までが長いのかも分からずに(訳註:是々非々で物を見る術を知らず,くらいの意か)
生命工学界全体に対して疑いの眼差しを向けている」と憂慮した.


続いて盧大統領は「自ずと その方々の研究に対する国民的支援の雰囲気だとか 支援を行う政府の責任者らも その分野(原文註:BT(訳註:biotechnologyのつもりか))で萎縮してしまいかねない」(訳註:「だとか」前後の不整合ママ)として,
「そのことを通じて この分野の周辺領域で仕事をして来た人々の士気まで落ちてしまわないかと心配」だと述べた.


盧大統領は「誰しも麻疹(はしか)に罹りたいとは思わないが,子供を育てる父母らは子供が麻疹を済ませれば喜ぶもの」だとして
「今回の不幸な事も,我々が麻疹に罹るのと同じように前向きに受け止めれば,我々の科学技術が発達して行く上で良い元手となるだろう」と強調した.



ああ疲れた.「 」内だけ拾い読みして下されば結構です.どうせもともと要約にも何にもなっていませんし.


要するに,盧武鉉が最も憂慮しているのは
「黄疑惑に対する処断の線引きの仕方次第では韓国のバイオ産業関連分野に於ける研究活動を沈滞させてしまいかねない」という点であるらしいこと.
一方で,責任を問うべき範囲について盧武鉉本人が何処から何処までを想定しているのかについては,さすがに盧武鉉も口を滑らせなかったようで残念(笑).
上のオーマイの記者氏は「青瓦台内部への責任追及は無し」と見ているようで,この点が先の中央日報の記事の標題から受ける印象とは決定的に異なります.


今回の黄の事態に関して政府の責任を問う声は,MBCや周辺の左派系メディアが煽るまでも無く,これまで黄を擁護していた人々を中心に勝手に拡大して行くことになるでしょう.
黄の2005年Science論文撤回宣言直後から 保守系メディアでも「黄チームにこれまで研究費が何百億ウォン投入された」式の記事が急増したのは,これまで「黄禹錫神話」づくりのお先棒を担いで来た保守系メディアの保身の意味が大きいように思えます.
そうした「黄禹錫神話」づくりの尖兵としてYTNが盛んに槍玉に挙げられている当世,そうした保守メディアにとって 輿論が「カネ返せ」論・政府糾弾に傾くことは都合がよいわけです.


つまりあの狂気じみた黄擁護-MBC糾弾輿論の矛先が一転して政府に向けられ「カネ返せ」論に転化するのは時間の問題でしょう.
その時,政権内部にあって黄禹錫神格化の指揮をとって来た面々および「国民の税金をドブに捨てて来た」科学行政責任者らに対する責任追及と見せしめ的処罰なしで事態を収拾できるやらどうやら.
或いは,意地悪な言い方をさせてもらえば「寧ろこういう敗戦処理投手みたいな仕事こそ盧武鉉向けなのだ」と言えなくもないかも知れませんが.



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by xrxkx | 2006-01-06 13:05 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買
【黄禹錫】こいつだけは許せん (1) ソウル大はどう決着をつける気か

ちょこちょこと周辺の動きや面白い小ネタはありますが 他サイトに譲るとして,ここらで事態の収拾の展望などまとめに入ります.
今回の一連の黄疑惑で糾弾されるべきグループというのを大雑把に分けると,責任の重い順に


  1. 黄とその共同研究者ら.

  2. 政府内部にあって「黄禹錫神話」作りを指揮して来た勢力.青瓦台・科技部・保健福祉部など.

  3. 黄禹錫神格化輿論を煽って来た大多数のメディアや市民団体.特にYTNや「I Love 黄禹錫」周辺.

  4. 人気取り目的で黄を担ぎ出そうとした大多数の政党・政治家.


といったところでしょうか.


当然ながら,この他に「脅迫取材のPD手帳」を忘れてはならず,私としては責任の重さでは3と4の間くらいに入れたいところですが,黄の疑惑を暴く側を暴かれる側に混ぜてしまうと分かりにくいので敢えて別にしてあります.



で,まずは1番のウソツク大先生の周辺.
昨年末にも「強気の反論」とやらをしていたそうですが,


  • ES細胞「すり替え」については「検察が捜査に乗り出せば2日ではっきりする」

  • 「源泉技術」の存在については「半年あれば体細胞クローンES細胞を一から作り直してみせる」


と,検察にせよソウル大にせよ今すぐ新しい動きには出られないのを承知の上で時間稼ぎをやっている感じ.
ソウル大調査委が最終結論を出すのは今月10日頃とのことですので,あと1週間を切っています.
黄やその共同研究者らに対する大学側としての処分(懲戒など)もその時に発表されるでしょうから,暫くはこの結果待ちということ.
それまでにウソツク大先生が起死回生の策を用意できるかどうか.




それはそうと,現在ちょっと気になって調べている件.
昨年12/23に捏造と断定された2005年Science論文に続き,2004年Science論文のヒトクローンES細胞についても「DNA鑑定結果がドナーの体細胞と一致しない」という結果が出たというニュース(12/30)が韓国各紙に一斉に載っていたのをご覧になった方も多いでしょう.
これ,出所は東亜日報のようですが,どうも合点の行かぬ点が.



ソウル大学黄禹錫(ファン・ウソク)碩座教授の研究チームが、05年の論文で確立したと発表した患者オーダーメード型胚芽肝細胞が存在しないことが確認されたことに続いて、04年論文のヒトクローン胚性幹細胞(ES細胞)も体細胞の供与者と遺伝子(DNA)が一致しないという1次分析結果が出た。


このため、黄教授チームは肝細胞を抽出する源泉技術を持っていないという結論が下される公算が高くなった。ソウル大学のある関係者は29日、「外部機関の1ヵ所から04年論文の1番肝細胞が体細胞供与者のDNAと一致しないという結果の報告を受けた。分析を依頼した他の2ヵ所からも類似の結果が出る可能性が高い」と述べた。ソウル大学は警察に依頼して、体細胞供与者を探し、同供与者の血液を採取して分析を依頼した。


ソウル大学は04年論文と関連し、黄教授チームが特許出願の際、韓国細胞主銀行に寄託した細胞と、論文の共同著者であるソウル大学医学部の文信容(ムン・シンヨン)教授が持っている肝細胞を重複調査して最終結論を出す予定だ。


また、ソウル大学の盧貞恵(ノ・ジョンヘ)研究処長は同日、05年論文と関連し、「2、3番肝細胞を含めて、黄教授チームが患者オーダーメード型肝細胞だと主張した8種の細胞は、すべてDNA分析結果、体細胞と一致しないミズメディ病院の受精卵肝細胞と確認された」と明らかにした。


盧処長は記者懇談会で、「分析を依頼した3ヵ所の外部機関が2、3番の肝細胞がミズメディ病院の4、8番受精卵肝細胞だという同一結果を送ってきた」とし、「黄教授が23日、記者会見で取り上げた5種の早期凍結肝細胞を含めた6種もやはり患者の体細胞と一致しないミズメディ病院の細胞だった」と述べた。


同氏はまた、「黄教授を調査した結果、肝細胞を作ったというどんな科学的データーも探すことができないと、調査委は判断している」と付け加えた。さらに、クローン犬「スノピー」については、「国際的にクローン犬であることを立証するために、精巧な分析を行わなければならない」とし、「国内機関の分析結果を待っている」と明らかにした。


一方、黄教授が「源泉技術」を保有しているかどうかに対しては、調査委員の間で意見が分かれている。04、05年論文の肝細胞が体細胞供与者のDNAと一致しないため、肝細胞を作成する技術はないというのが大方の意見であるが、一部委員は肝細胞の前段階の胚盤胞を作る技術も源泉技術と見なければならないと主張している。黄教授チームは、胚盤胞を作る技術に対する特許を持っている。



上の記事,よく見ますと ソウル大調査委の見解として盧貞惠が直々に言及しているのは2005年論文の件だけであることが分かります.
2004年論文のES細胞のDNA鑑定結果については,またしても「ある関係者」の話として載っているだけで,
ソウル大調査委は「最終結論」をまだ出していないと書いてある.
今のところはこういうのを鵜呑みにせず,ソウル大調査委の最終発表を待った方がよさそうです.


それにしても,ソウル大調査委内部では相変わらず「何処までが『源泉技術』と呼べるか」などというどうでもよい論点の周辺で議論が堂々巡りしているようで困ったものです.


ついでに,スナッピーの鑑定は「クローン犬であることを立証するために」ではなく「クローン犬であるかどうかを確認するために」やるんじゃないのか,というツッコミ所も.


以前から当blogでも言っているように,ソウル大調査委のやるべき事はインチキ学者のウソ業績を洗いざらい調べ尽くして然るべき処断を行うことである筈なのにも拘わらず,実際には彼らは件のインチキ学者が何の技術をどれくらい持っているかを異常なほど気にしているらしい.
上の東亜日報の記事でも特許に言及しているのは象徴的です.
要はソウル大調査委の全員とは言わぬまでも少なからぬ部分がアカデミズムの生命たる正直さよりも科学技術に付随する金銭的利益の方を死活問題と考えている証拠.
当然ながらこれは学問の現場に限った事ではなく,全国民的な精神的風土がそうさせるのでしょう.
これが改まらない限り 第二,第三の黄禹錫は次々と湧いて出るに違いありません.



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by xrxkx | 2006-01-04 23:28 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買
【黄禹錫】ここまでの人物相関図を作ってみたよ
あけましておめでとうございます
新年だというのに まだやってますよ,こんなコトばかり T-T
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ちょっと説明が足りない部分があるけれど 面倒なので後だ,後 :D
今年も宜しくお願い申し上げます

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1/3 殴り書きのボロイ所(矢印とか)を直して 少しきれいに清書したよ

あと,左上の盧武鉉が何だかどうでもいい人になっちゃってるけれど,あれはもともと盧武鉉の居場所が右下の赤いところとくっついているから.つまり上の図は便宜上四角く書いてあるけれど,本当は筒状にして眺めてほしい.

青瓦台のサイトに盧武鉉が投稿した11/27の文書なども,そう思って読むと味わい深いです(笑).
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by xrxkx | 2006-01-02 23:59 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買
【黄禹錫】クローン王もローマ法王庁には勝てないニダ

カノッサのくちゅじょくニダ.
いやはや2005年もあと数時間といふときに何をやってゐるのでせう私は.


一昨日の記事ですが,
黄禹錫一派の中核メンバーの一人で,主にメディア広報やScience・ピ大への工作に従事して来た安圭里(あん・ぎゅり)が,
これまでの経緯をかなり詳しく「陳述」している記事がありました.
安が29日に「平和放送ラジオ」というキリスト教系放送局に出演したときに喋った内容をテキストに起こしたもののようです.
以下,かなり長い上に,口述だからか文法上の不整合が目立ちますが,なるべくそのまま直訳しておきます.



最近の幹細胞関連の様々な論乱についての私の立場を,以下のようにお知らせ致します.


難病はいつの世代にもあり,神様の助けを得た勇気ある科学者らによって克服されて来ました.
今や優れた臨床技術を備えたわが国に於いても,未来の患者らにまで救いの手を差し延べる機会が来るものと希望していました.
移植分野に関心を持ち勉強して来た私にとっては,難病治療の為の次世代技術は幹細胞と異種臓器(訳註:漢字違うかも)だと考えました.
特に細胞治療の行われる次の世代には,免疫拒否反応の無い体細胞核移植幹細胞が最前の最善の選択となるであろうことを確信していました.


研究チーム内での役割


研究チーム内で 私は,体細胞核移植幹細胞が作られた後,この幹細胞をどのように応用するかという部分についての諮問を担当しました.
それから体細胞核移植幹細胞を今後どのように活用すべきかについて国内外の研究者らとコミュニケーションを担当しました.
そして付随的に,世界幹細胞ハブ構築TFTの一員として参与致しました.


一部伝えられている国内メディア関連についての役割に於いては,
2005年5月ロンドンでScience論文発表後,関心が臨床適用に傾いてから,
医師である共同研究者として放送-新聞担当者らの質問に答えるようになったのが始まりです.
人によっては国外メディアも私が担当しているものとお思いかも知れませんが,これはロンドン発表当時に限ります.
世界幹細胞ハブが開所してより後は,世界幹細胞ハブの企画協力チームが公式的な対内外メディアを担当(ママ)するということで方向が定まりました.


2005年Science論文での役割


私は2005年度Science論文に於いては,
幹細胞移植後に発生し得る拒否反応をどうやって検証するかを確認する為の組織的合成
(訳註:おそらく「組織適合性」を記者が誤って分かち書きしたもの.以下同様)
検証の部分のみを担当しました.
大変紛らわしい事実ですが,
私が遂行した2005年度Science論文に掲載された組織的合成検査の開始と結果提出は,
問題の2005年度論文が既にScienceに提出された後でした.


12月初 ピッツバーグ訪問の動機


前から予定されていた11月20日から11月29日の訪米日程を終えて帰国後,11月30日に,
ある方から黄教授に次のような内容が伝えられました.
即ち,PD手帳が一週間後に放映されるが,この放送内容のうち最も重要な部分は金研究員の陳述だというものです.
当時重要だと思ったのは,写真を幾つにも増幅(訳註:水増しの婉曲表現)した事実があったのか,
MBCチームが強圧的にインタビューを行って事実が歪曲されたのか,
そして本当に幹細胞を作ったのかという内容でした.


従って,金研究員に直接会って確実な内容を緊急に確認すべきだと判断し,
黄禹錫教授に直接行って内容を確認するよう提案しました.
私は前からパキスタン講演出席の計画があり,米国に行くわけに行きませんでした.
ですが,黄教授は避身中だったため(訳註:黄が当時山寺に籠もって外部との連絡を絶っていたことを指す),
研究チームの死活の掛かった事であるから私に行ってくれと(訳註:黄が安に)懇請しました.


御存知のように,世界幹細胞ハブ設立の目的は,患者合わせ型幹細胞を製作・継代培養して,患者治療に応用することです.
この設立目的を達する上では,金ソンジョン・朴チョンヒョク研究員の参与が極めて緊要でした.
万一事実と異なる内容が放映されたなら,世界幹細胞ハブにとって致命的だと思われました.
これにより私は先の2つの意味ある目的を考え,不本意ながら行くことに同意しました.


私がピッツバーグを訪問することに同意した後,黄教授は
第三者である記者と尹賢洙(ゆん・ひょんす)教授が同行した方が客観的な真相確認という点でも宜しかろうと提案し,
一緒にいた別の教授がYTN記者と尹教授にも連絡をしました.
私以外にも2人が同行することになったのを知って,
尹賢洙教授が行くなら私が行く理由は無いと判断し,改めてパキスタン講演に行かなくてはならないと黄教授に話しましたが,
黄教授は今回だけは私に行ってもらいたいと重ねて懇請したため,行くことになりました.


研究員帰国引っ越し費用と治療費用ならびに尹賢洙教授の出張費用の手渡し


純粋な意図を持ってした事であるにも拘わらず,金銭的な問題が論乱の核心となっているので,
お話したくはありませんがこれに関連した内容を明らかにしようと思います.
何故,どのような過程を経て 研究員の帰国引っ越し費用と治療費用および尹賢洙教授の出張費用を手渡したのかについての
内容については(重複ママ),
既に調査委員会で陳述を行い,陳述書も提出しました.
私は2004年1月から現在まで幹細胞関連共同研究に加わっていた間,
黄禹錫教授やソウル大獣医大(訳註:獣医学部に相当)の研究チームから ただの一度も研究費や諮問料を受け取ったことはありません.


しかし,計2回に亙ってピッツバーグの研究員らに次の金額を手渡すことになりました.
1回目は2005年11月27日,黄禹錫教授からピッツバーグのシャッテン研究室にいる韓国人研究者らが使えるように
朴チョンヒョク博士に000を手渡すよう要請を受けました(訳註:金額部分,ゼロゼロゼロとなっているが,伏せ字か.以下同様).
この目的は,金ソンジョン研究員の入院費およびこれによって発生する私の費用を充当するものだと(訳註:黄が,だろう)言いました.
2回目は12月3日,金ソンジョン研究員のお父上に000,朴チョンヒョク博士に000,それから尹賢洙教授に000を手渡したものです.
出国前日の夜,黄禹錫教授は私に,
ピッツバーグの研究員たちの治療と帰国引っ越し費用,および尹賢洙教授の出張費を含む旅行経費に使う000を渡すと言いました.
私も海外で研究員として生活していた経験がありますので,
帰国引っ越し費用を支援することは彼らにとって助けになるだろうと考えました.


その翌日の出国当日,黄教授の研究チームの事務担当者から000を受け取りました.
担当者は000を私に寄越しましたが,
1人限度額(訳註:国外に持ち出せる現金の,だろう)を超えるというので,
事務担当者が000ずつに分けて,同行していた尹賢洙教授,YTN記者,および私に分けて(重複ママ)くれました.
各経費は全てのインタビューが終了した後に,多くの人のいる前で金ソンジョン研究員のお父上と朴チョンヒョク研究員に000ずつ,
黄教授の言葉を伝えた上で手渡しました.
その後,尹賢洙教授に出張費の名目で,1日の出張費を000と計算して000を渡しました.
残った経費は帰国後に黄教授に返納しようとしましたが,
当時苦しい情況に処していた黄教授が面倒がらずに持っていろと言うので(訳註:意味不明),
病院の研究室の金庫に入れておき,そのまま調査委員会に提出しました.


万一,私が尹賢洙教授が既に同一の名目で金ソンジョン研究員の父親に000を手渡していた事実を知っていたなら,
他の名分は無かったのですから000を追加で手渡したりはしなかったでしょう.
しかし私は,治療及び帰国引っ越し費用として金ソンジョン研究員のお父上に000を手渡す前には,
尹賢洙教授が既に000を手渡していた事実を 尹教授からも他のどの人からも聞いていませんでした.
ある方々は,まるで私が黄教授に代わって金ソンジョン研究員を懐柔しようとする意図があったかのように考えておいでです.
しかし私は,純粋に後輩たちの帰国を促す意図だと思っていましたから,
来年1月中旬帰国予定だった朴チョンヒョク博士にも同一の金額を同一の場所で手渡したのであり,
全てのインタビューが終了した後に手渡したのです.


ピッツバーグ訪問に関連して,メディアでは,私がYTN記者の航空券を買ったと報じました.
ですが私が目的目撃した事実は,出発当日(原文註:12月1日)の朝 仁川空港で黄教授の研究チームの事務担当者がYTN記者に直接手渡したのであり,
私のチケットも含め全ての旅行者のチケットも各自に分け与えたのです.


2005年度Science論文の真偽関連


幹細胞生成・培養は,私の専門分野ではありません.
私は既に作られて優秀論文に載った患者合わせ型幹細胞をどのように応用するかについての部分だけを担当して来ました.
研究チーム内での私の位置としては,幹細胞が作られたのか,作られたなら幾つあるのかを知ることは出来ませんでした.


ただ,11月19日に世界幹細胞ハブで別の会議をしている最中に,
世界幹細胞ハブの所長室に集まっていた4人の研究チーム教授らが私を呼んで,
MBC以外の別の機関に送った幹細胞5つの遺伝子検査で変な結果が出たらしいと語りました.
その当時は,私は幹細胞が別の細胞によって汚染されたとか(原文註:一般的に細胞汚染の頻度は30%に上ります),
或いは保管ミスで細胞が替わったものと考えていました.
所長室を出て,外にいた同僚教授に,細胞が別の細胞によって汚染されたらしいと話したのを憶えています.


それから翌日の11月20日から29日,さらに続いて12月1日から3日,海外出張に出ていたため,
その後の進行状況を知ることが出来ませんでした.
その後,12月6日にインターネットで写真が操作されたとする情報を,
12月7日にはDNA遺伝子検査結果に問題があるという飛報(訳註:「秘報」かも)を皮切りに,
科学的論文の操作が事実であることが明らかにされ始めました.
その後数回,論文にどのような具体的な問題があるのかを,この仕事を引き受け進行していた共同研究者らに尋ねましたが,
内容を把握することは出来ませんでした.
このような状況では,論文の真偽もまた不透明だと思われたので,
12月9日にソウル大学研究処長に大学レベルの調査が必要であることを説明し建議するに至りました.
そして,幹細胞が作られたのかという内容については,全ての我が国国民がそうであるように私も最後の希望を持ち,
今日の調査委員会の結果発表を心待ちにしていました.


卵子提供に関連した内容


この内容については,当時の研究チームの倫理諮問委員であるチョン・ギュウォン(原文註:漢陽大)がもっと正確な情報をお持ちです.
2005年8月以後,チョン・ギュウォン諮問教授の指針通りに同意書と説明書を準備しました.
卵子提供者の臨床部分は,黄教授の研究チームの一員として私が指針書に従って(訳註:卵子提供者に)一次説明を行い,
私が行えない場合には同僚の医師が代わってくれました.
続いて倫理部分を倫理担当教授が(訳註:卵子提供者に)インタビューした後,卵子提供に適合するケースかどうかを追加確認しました.
これら全ての内容は,漢陽大学IRBの検証を経て進められました.
その後,正式インタビューを経た提供者数名に,該当協力病院を訪問するよう勧めました.
実際に卵子を採取する病院では,施術同意書を受け取る為に二次臨床関連インタビューを実施したと聞いています.
2004年(ママ)1月頃のカビ汚染後,研究を再開するのに卵子が足りないので産婦人科チームを紹介して欲しいと黄禹錫教授が頼んで来ました.
当時,高校の同窓生で不妊施術クリニックを運営している産婦人科医を紹介しました.


世界幹細胞ハブ開所 および難病患者について


2編のScience論文が発表されて以後,個人的には他の仕事が多かったので身を退きたかったのですが,
病院執行部を含め多数の教授陣が世界幹細胞ハブ誘致を希望なさいました.
ソウル大病院内に世界幹細胞ハブ設立が確定した6月20日以後 現在まで,
私の役割は公式的には研究開発部の活性化であり,必要に応じTFチームにハブ運営についてのアイデア提案や
関連資料を蒐集・提供しました.


私は,幹細胞の臨床応用についてお話しする機会があるたびに,
霊長類実験を含む研究が先行しなければ安全に難病患者治療に使えないという立場を繰り返し強調して来ました.
そして現在も私は,
全ての新しい細胞や臓器治療技術技術が施行される前に安全性や効用性の検証が医科学的に確保されなくてはならないという考えに変わりはありません.
にも拘わらず,患者治療が速やかに行われるかのような希望を(訳註:患者や一般大衆が)お持ちになるに至ったことについて,
たとえ私自身の故意ではないにせよ,ハブの研究開発担当者として深くお詫び申し上げます.


科学的事実を偽って発表するというのは決してあってはならない事です.
このような絶対原則は,応用科学にも臨床研究にも適用されねばなりません.
臨床研究もまた科学の真実という土台の上に成り立たなくてはならないからです.
にも拘らず,2005年度Science論文の真偽は勿論,操作が明らかになった今,共同研究者として惨憺たる,申し訳ない思いを禁じえません.
難病患者ならびにご家族を含む大多数の人々と同様に,私もまた最近まで私もまた(重複ママ)幹細胞はあると信じておりましたし,
これを世界幹細胞ハブを通じて患者に適用することが 私の為すべき事だと信じて働いて来ました.
しかし,もはやこのような確信を持つことが出来なくなりました.
何よりも,これまで研究チームを信じて多大な声援と期待をお持ちだった(ママ)難病患者の方々やご家族に
心からお詫び申し上げます.


そろそろ一年が終わろうとしています.
2005年5月に始まった患者合わせ型幹細胞という虚像が私にもたらした物は何だったのかを振り返ってみます.
難病患者に夢の聖杯を授けるものと信じて来た この技術には,
科学的操作と,互いに対する憎しみと恨み,不信,医療の生命の商業化といった堪え難い暗闇が濃く横たわっています.


しかし,今回の経験で学んだ事があります.
真実も重要ですが,それ以上に重要なのは生命だという事実,そして希望と愛とを併せ持った時 真実は一層輝くのだという事実です.
私の真実は,先輩・後輩・同僚医師らと共に誠意を尽くして患者を面倒をみることです.
私にこうした機会が新年に与えられるなら,今後は金寿煥枢機卿が再び涙をお流しになることの無いようにして差し上げたいと思います.



最後のくだり,えらく芝居がかっていますが,要するに引責辞職は考えていないと言っているに過ぎません.


研究チーム内でのポジションについて


御多聞に洩れず,この安も2005年Science論文については
「移植分野への応用についての諮問にしか関わっていない」と,
自分がES細胞の真偽について責任を負うべき立場にないことをしつこいほど強調しています.


そもそも論文の核心部分について何ら把握していないような共同研究者などというものがいること自体がどうかしています.
こんなのは名前を載せたかったら謝辞(Acknowledgement)にでも載せれば済むのに.
こういうのを25人も並べて論文を書く習慣って,日本でも分野によってはよくあるらしいけれど,恥ずかしくないのかな.
あぁまた脱線しそうだ(笑).


それはともかく,肝心のES細胞製造プロセスについては門外漢だと自称する臨床医療屋が研究チームの謂わば広報担当のような仕事をして来たことは,
黄の研究チームの持って生まれた性格を推し量る上で重要です.
はっきり言ってしまえば,
黄のインチキES細胞研究を「難病治療の可能性を開く夢の技術」として売り込む上で,
是非ともこういう臨床屋をチーム内に置いておく必要があった
ということです.
「難病患者に糠喜びをさせてしまったことは不本意」なる趣旨の発言が上にも見られますが,「何を今更」の一言に尽きます.


もう一つには,獣医学出身──というより単なる家畜の繁殖屋でしかないと見たほうがよいだろう──の黄が
医療分野でのし上がって行く為には,
医学部関係者との共同研究の形をとる必要があったという動機もあったのでしょうが.



2005年Scienceインチキ論文の件


「自分はES細胞があったのかどうかは専門外なので分からない」という安の釈明の一番苦しい点が此処にあります.


上の陳述の「11月19日会議」発言にもあるように,
ES細胞の真偽についてのPD手帳側との攻防は何もここ数週間の事ではありません.
以前ご紹介したPD手帳側の取材日誌によれば,
黄とPD手帳側との接触の中で論文の審議真偽問題が最初に提起されたのは じつに10/31の事だった由.
なのに,彼らはその時すぐにソウル大レベルでの調査を依頼しなかったばかりか,
自らPD手帳側との間で交わした契約書を反故にしてまで「2次検証」を拒み続けて来たわけです.



ピッツバーグ行きについて


この点については,安に同行したYTN記者とインタビューを行った折の様子に関する
金ソンジョンの証言
──例の「PD手帳取材時には脅迫されていたのでどうかしていたニダ」発言は実は黄が金に言わせたものだった,というアレ──
を以前ご紹介していますので,そちらを併せてお読みいただくと分かり易いでしょう.
当時から私は


同氏はピッツバーグ市内の或るホテルでインタビューが行われたと語ったが,
YTNの記者がインタビューを直接撮影したのかどうかについては「明かすわけに行かない」と述べた.

の箇所が気になっており,「どうやらインタビューは1対1で行われたのではなく 傍に安や尹賢洙がいて金を見張っていたようだ」と思っていたのですが,
あの時点で金が隠そうとしていたのは その事ではなく寧ろカネの受け取りの件のほうだったのかも知れません.
それはともかく──.


安はピッツバーグ行きの目的を,写真水増しやMBC「脅迫取材」についての単なる「事実確認」だと言いたいようですが,
単なる「事実確認」にYTNの記者を同行させる必要が何故あるのか.
そのことをおかしいと思ったらしい供述が全く無いことを見ても,この言い分は額面通りには受け取れない.


現在までに出ている報道では,金本人に渡されたという3万ドル(当初はこれだけしか報じられなかった)の他に
金の父親と朴チョンヒョクに渡った分がもう2万ドルばかりあるらしい.
これが「帰国引っ越し費用」やら「入院治療費」に充てる金額として適切かどうか,
また そもそもそのカネが誰の権限により何の予算から割かれたのか,
など不明瞭な点は多々残っています.


さらには,何故尹の出張費を「黄教授チームの事務担当者」から直接本人に渡さずに安から渡す必要があるのか.
尹賢洙がソウル大ではなく漢陽大の教授であることを考慮したとしても合点が行きません.




※2006/01/05 誤字訂正
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by xrxkx | 2005-12-31 20:31 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買
【黄禹錫】全部ニセモノだけど源泉技術はあるニダ

卵子売買について書き始めたのが10月の末.
よもや黄禹錫ネタで年を越す羽目になろうとは.


既に大きく報じられています通り,例の解凍・培養中だった5つについてのDNA鑑定結果をソウル大調査委が昨29日に発表しました.
黄が2005年Science論文撤回の意向を発表した折(12/15)に言っていた「10日後にははっきりする」というのがコレですが,結果は全てニセモノと断定されたわけです.


今回の発表については,私には気になる事が2点あります.


一つは,冷凍保管していたサンプルを解凍・培養したやつ5種類が DNA鑑定の結果 ドナーの体細胞と一致したという報道(聯合)が,つい2日前の12/27にあったばかりだということ.
今回の「5個ともニセモノ」報道は その報道と真っ向から食い違います.
聯合の27日報道は調査委の公式発表ではなく「関係者」情報の形でしたが,あれは聯合のトバシだったのか意図的な捏造報道だったのか.


もう一つは,つい何日か前までは「DNA鑑定が予想外に長引いており,結果が出るのは年明けになりそう」だとする見方が有力だったこと.
それが結局は予定通り(といってもソウル大調査委立ち上げ当初は必ずしもDNA鑑定をやる予定は無かったのだが)に年内の結果発表となりました.
ソウル大調査委としての最終結論は来月中旬に出るとのことですが,どうもこの辺の段取りを見ているとソウル大がイヤに結論を急いでいるように見えてしまう.
まぁその辺の背景は追い追い明らかになって行くでしょうが──.



一方のウソツク大先生ですが,これだけ窮地に追い込まれてもまだ頑張っています.
弁護士が以前の文ヒョンシクでないのがちょっと目を引きますが,それは措くとして──.




患者合わせ型幹細胞が無いとするソウル大調査委員会の中間調査結果に対し,黄禹錫教授側は近く「源泉技術」の存在をはっきりと示す研究成果を公開する考えのあることを明らかにしました.


黄教授の弁護人である李ゴンヘン弁護士は,「具体的には明かせないが,クローン胚と幹細胞に関連した源泉技術の存在を立証し得る追加研究成果を,検察捜査前にも国民に見せる計画」だと述べました.


李弁護士はまた,「黄教授が2005年度論文の為に最初に作った2番幹細胞のDNA指紋分析を行ったのが他でもない金ソンジョン研究員だった」として,「2番幹細胞が何故ミズメディ病院の4番受精卵幹細胞だという結果が出たのかは金研究員が明らかにすべき部分」だと主張しました.


特に李弁護士は「黄教授の研究成果中,ミズメディが介入した時から事がこじれ始めた」として,「黄教授は金研究員のせいなのかミズメディのせいなのかはっきりとは分からず,このことを検察が解明してくれることを望んでいる」と述べました.


黄教授は現在,知人宅などに滞在して検察捜査に備えていることが分かりました.



今度は何を見せてくれようとしているのやら知りませんが,嘘がばれても その都度「○○がすり替えたニダ」で済むのですから楽なものです.


それはそうと,上で黄が言う所の「2番幹細胞のDNA指紋分析を行ったのは金」だというのが本当なら,それはそれで金にはっきり喋らせてみないといけないでしょう.
12/17にご紹介した記事中で金がフィンガープリントについて言及していましたが,そこでは金は


DNA指紋論乱については「これは明らかに11個の幹細胞を示しているもので,これには疑いの余地が無い」と強調

していたのでした.
今回のソウル大調査委の調査結果を信用する限り,上で謂う11個というのはミズメディの──つまり体細胞クローンとは何の関係も無い単なる受精卵由来の──ES細胞だったということですから,それを金が知っていたのなら 事は写真水増し云々以前の問題です.



それにしても,ウソツク大先生もつくづく懲りない方です.
朝鮮日報の12/24付社説


黄教授は今月16日、「源泉技術を持っているのに、幹細胞が1つだったり、3つだったりしたからといって何が問題になるのか」と述べている。
しかし、データそのものがねつ造されたものなら、そもそも存在していた幹細胞が汚染して死滅したり、論文の発表後、実際に作り出したりという話は虚しく響くだけだ。

などと書いていました.
16日というのは例の2005年Science論文撤回の意向を表明した翌日の記者会見のこと.
その席で上のような発言が出て来ること自体,インチキ論文についての自責の念など微塵も感じていない証拠でしょう.
オリンピック選手に譬えるなら

「もともと100mを9秒台で走れる実力はあるのに,ドーピングが発覚したからといって何が問題になるのか」

と言っているに等しいのですが,どうもそれが分からないらしい.


もっとも分からないのはウソツク大先生に限ったことではなく,一般の国民やおおかたの韓国メディアも同じ事
今回ソウル大調査委が調べるべきはあくまで論文捏造という学術的背信行為の真相であって,「源泉技術」とやらの有無などは全くの些事である筈です.
なのに,どうもソウル大側の発表を聞いていると「どこまで出来れば源泉技術を持っていると認められるか」などというどうでもよい話への言及が多いように感じられます.
それだけ記者との質疑応答でそういう質問ばかりが頻出するということでしょう.


これは韓国大衆の関心事が何処にあるかをそのまま投影するものです.
こういう社会的風潮が学術的ドーピング行為を生み出す土壌なのだということを,これだけ海外メディアから辛辣に指摘されてもなお韓国大衆の圧倒的大多数は分かろうともしないわけです.
その一つの表れとして,京畿道知事の孫某なる男──12月初頭あたりからたびたび黄擁護発言を行っている──が先日も「黄教授にもう一度騙されてあげよう」なる発言(黄にもう一度チャンスを与えるべきだ,の意)をしていて呆れてしまいました.


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by xrxkx | 2005-12-30 07:20 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買