カテゴリ:◆ 韓国核開発疑惑( 18 )
【韓国核開発疑惑】そもそも本当に申告漏れだったのか?
 昨日の続きです.本当は昨日のうちに続けて掲載しておきたかったのですが,所用のため遅れてしまいました.予めお詫びしておきます.
 昨日のentryに対するコメント中で,「アク」さんから
国際政治を力と力の対決、交渉、取引という観点からとらえるなら、〈責めてみせねばならぬ〉という考えも出てくるでしょう。それは私の関心事ではありません。
というご回答を既に頂いておりますので,今回の「後半」で私が考えたいことを なおも氏にぶつけるのは いささか的外れの感が否めませんが,もともと2部作の予定で書き始めてしまった手前, self-consistencyを損なわない為にも書くべきことを書き切っておこうと思います.ご了承下さい.

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 今回の一連の実験について,韓国政府は
  • 核兵器開発とは全く無関係の 純粋に学問的好奇心による
  • 1回きりの実験であり,
  • 分離・抽出されたウランやプルトニウムは極微量であって,
  • IAEAの査察にも再三応じて来た
という主張を繰り返していますが,
  1. 今までに明らかにされている2度の「純粋に学問的好奇心による」実験について,その成果が学会誌やシンポジウムなどで発表されたという話を全く聞かないのはなぜか.単なる追実験だからなのか.だとしたら なぜ秘密裡に行なったのか.
  2. 82年のプルトニウムの件の場合,97年にもIAEAの査察を受け,98年にはIAEAからの確認要請を韓国政府は受けているにも拘らず,2003年の再度の査察まで韓国政府がきちんとした報告をした形跡が一切見られない以上,政府が単なる学術レベル以上の何事かを知っていながら隠蔽しようとしていたと見なさざるを得ないのではないか.
  3. 研究現場の長たる人物が「私の一存で許可した」「政府には知らせていない」と述べているが,実際にそんなことがあり得るのか.例えば日本の原研なり高エネ研なりの場合で,国際的な取り決めに違反しかねないレベルの実験を 文科・通産なり科技庁なりに申告せずに行なおうとしたら,実験に取り掛かる以前に研究予算すら取れないのではないか.
  4. 韓国が行なった実験は この2回だけなのか.他にもIAEAから査察や確認要請を受けている事例,あるいはIAEAが未だ把握していない実験が進められているのではないか.
など,依然多くの疑念の余地を残したままです.
 もっとも,既に始まっているIAEA理事会では,おそらく韓国の件は安保理に回されるには至らないだろうと私は見ています.それでも,今まで以上に透明性の高いチェック体制,特に韓国人まかせではなく外部からの監視の強化を 韓国が要求されるのは確実でしょう.
 事ここに到った以上,問題はもはや核兵器開発の意図の有無という次元を超え,韓国という国の政治的ならびに学術的な透明性と信用の問題となったように思えます.
 同様のことは
韓国は原子力に関しては、米国に首根っこを押さえられている。原子炉も核燃料も米国からの、あるいは米国の承認のもとでの輸入、あるいは日本企業との協力などに頼っている。アメリカとの原子力協定で、ウラン濃縮も再処理もしないことを約束している。2000年に行われたと報じられているウラン濃縮実験程度、すなわち実験室規模のもの、を短期に試行するするぐらいのことはできても、核兵器開発につながるような大規模開発は、IAEAに隠れて進めることなどとうていできない。米国との政治経済的なつながりを断つくらいの覚悟がなければできないことだ。それはするまい。
についても言えるでしょう.以前ご紹介した 今回の核開発疑惑に関する韓国メディアの論調に ぜひ一通り目を通して頂きたい.中央日報などは次のように述べています.
 今回の事件は,濃縮や再処理を行なえない状況を我々がどこまで受け入れねばならないのかという重大な課題を投げ掛けている.
 特に産業面で蒙っている損害くらいは補完し得るよう外交努力を傾けるべき時が来ていると思う.
 核燃料である低濃縮ウランの輸入に 毎年4000億ウォンを費やしている現状を,いつまで放置するのか.
 この記者が言うように,「核燃料の国産化」の必要性を説く声は 韓国国内にもつとに存在します.また今回発覚した一連の実験に関しても,韓国政府自身が「核燃料国産化を狙ったもの」と弁明している由.こちらの朝鮮日報のインタビュー記事中で 原研の所長自身が
韓国は1年に数千キログラムに及ぶ原子力発電用の濃縮ウランを輸入しています。このような国に住む原子力分野の科学者なら、ウランの濃縮実験をやってみたいと思うのは当然です。
と述べているのも その一環でしょう.
 仮に実験が本当に韓国側の主張通り「核燃料の国産化」を目指したものであったとしても,国際的な監視の目を誤魔化しながら実験を続けていた事実自体に変わりはありません.このことで韓国は今後も国際社会から少なからぬ疑念を受け続けることになるのは避け難いでしょう.

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 韓国自身の問題は この辺にして,今回の件が核拡散防止の動きに及ぼす影響の面に移りましょう.
6カ国協議で北朝鮮に核開発を断念させようとしている現在、このことが報道されたことの影響は非常に大きい。北に核を放棄させるには、大きな障害になるだろう。韓国の実験が、核拡散防止条約違反ではあったことは明白である。事実を明らかにし、それが核兵器開発を目指したものではなかったし、一回限りで中止され、今後このような実験を行うことはないと、国際社会が認定しないことには、北の核を止めろとは要求できないことになる。日本世論は、韓国に核開発意図があったなどと騒ぐのではなく、冷静に対応する必要があるのではないか。
 まず「事実を明らかにし、それが核兵器開発を目指したものではなかったし、一回限りで中止され、今後このような実験を行うことはないと、国際社会が認定しないことには、北の核を止めろとは要求できないことになる」のくだりについてですが,それは「北朝鮮に核開発放棄を迫る側の一員たるべく韓国政府が真面目に対応する」という前提のもとでのみ成立することだと私は見ます.最悪の場合──早い話が 韓国が北朝鮮とグルであった場合ですが──には この前提は当然成り立ちません.
 このことについては以前も触れました.上記のentry中で引用した「核のロマン主義」のようなコラムを, これだけの騒動のさなかに 三大新聞のひとつにポロッと載せてしまう,そうした韓国人のメンタリティ──それ以前に そうした小説や映画が好評を博するという,もはや強迫観念と呼んでよいほどの強国願望──が将来的にもたらすものを,氏はやや過小評価してはいないか.私が懸念するのは その点です.
 もっとも,記事A中で 氏も
今回の韓国の実験の意図は分からない。果たして核兵器開発の目的があったのか。そこまではないだろう。しかし、開発能力があることぐらいを誇示したかったのかもしれない。
韓国は原子力後進国であるし、米国からは、明らかに日本とは違う扱いを受けている。そのことを甘受しているが、日本と同等の技術保有国になりたいとの野望はあるのかもしれない。
と述べておいでですから,韓国国内にある そうした核大国願望の萌芽自体は 氏も十分認識しておいでの筈.それだけに「だったら 何故…」という感は拭えません.

 先般のキム・ソンイル氏殺害の折などを見ても,それまで大勢を占めていたはずの派兵反対論が一夜にして鳴りをひそめ,暫くの間 報復論へと輿論が大きく傾いたのは記憶に新しい(当時こちらで紹介しました).ああした 頭に血が上ると何を言い出すか判らぬ,自制というものの利かない社会の雰囲気についても同様です.彼らに示すべき「度量」の質・量も,そのことを考慮に入れた上で決めないといけない.
 仮に百歩譲って 原子力分野に従事する韓国の研究者ら自身には十分な思慮と自制が備わっていたとしても,左翼ノスタルジーと民族主義の奇妙な結合が生んだポピュリズムの台頭著しい昨今の韓国にあって,青瓦台を動かすのは彼ら研究者よりはむしろ「槿の花」に拍手喝采する大衆であることを,私たちは頭の隅に入れておく必要があるのではないでしょうか?

 以上,最後までお読みいただいたことに感謝の意を表して結びに代えさせていただきます.
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by xrxkx | 2004-09-13 20:14 | ◆ 韓国核開発疑惑
【韓国核開発疑惑】 《責めてみせ》ねばならぬ
 私が最近知った「Aquarian's Memorandum」というblogで,一連の韓国核開発疑惑に関連した文章を2本拝読しました.(以下 各々「記事A」「記事B」と呼ぶ)
 こちらの執筆者である「アク」さんご自身が,もともと原子力分野の研究者をなさっていらした方のようで,さすが玄人っぽい分析をしておいでです.
 ただ,技術面に関してはともかく,今回の一連の事態をどう評価し,どう対処すべきかといった政治点では 私としては納得しがたい部分が一部見受けられます.今回は その点についての質問という形を借りて 私なりの持論を述べてみようと思います.IAEA理事会を明日に控え,一度 私自身の頭の中を整理しておきたいということでもあります.

 まず 前半たる本entryでは 記事Aについて見て行くことにしましょう.
私は、未申告は咎められるべきだが、実験自体はもっとクールに受け止めてもいい、と考える。ショックを受け、怒っている人たちは、日本が1970年代以来、はるかに大規模に、実験だけではなく、開発試験を行っていたことをご存じなのだろうか。韓国では0.2グラムがとんでもなくて、日本では数百グラムか、キログラム作ってもいいというのだろうか。
 先に私の立場をはっきりさせておいたほうが良いでしょう.
 「未申告は咎められるべきだが、実験自体はもっとクールに受け止めてもいい」の箇所,私も異論はありません.実際,私は今回の一連の事件に それほど「ショックを受け」てもいませんし「怒っている」わけでもない.
 もっと単刀直入に言うなら,今回の件は 日本の対韓外交にとって 非常に使いでのあるカードになり得る──日本の外務省がそれを実際に使いこなせるかどうか,使う覚悟があるかどうかは また別ですが──という意味で,むしろ歓迎すべきものですらあると考えます.
 核兵器保有による抑止力が外交上の道具であり得るのと同様に,核廃絶または不拡散の為の国際的取り決めによって他国に課する制約もまた外交上の武器であるべきです.この点に於いて日本は韓国よりも遥かに強い立場にいる以上,これを生かすことを考えるのは むしろ自然だという立場に,私は立ちます.
 従って,今回の一連の核開発疑惑を「クール」に受け止めるなら,なおさら韓国に対しては怒って見せないといけない
核兵器保有や核技術取得をめぐる国々の競争は、お山の大将ゲームに似ている。(中略)このゲームの構造自体を何とか変えていかなければ、どうにもならない。韓国を責めるより、このゲームの構図をどうするかのほうが、はるかに大事な問題だ。
 この点についてですが,例えばNPTそのものが 核軍拡競争への歯止めとして一定の役割を果たす傍らで 一握りの核保有国──むろん その頂点にアメリカが立っていますが──による核の占有を助長してきた側面を どう評価すればよいのか.
 冒頭で引用させて頂いた 「韓国では0.2グラムがとんでもなくて、日本では数百グラムか、キログラム作ってもいいというのだろうか」 のくだりも 同様の文脈で読みたい.これを言い出すと 当然ながら 「アメリカによる『限定核戦争』構想はOKで,北朝鮮による核弾頭配備はNGなのか」あるいは「アメリカによる臨界前核実験は核爆発を伴わないからOKで,北朝鮮はプルトニウム再処理すらNGなのか」 という設問も同様に成立してしまいます.
 かと言って,「では 世界中のあらゆる国が めいめい勝手に核保有に向けて動き出したら 今現在よりも国際間の安全保障は確かなものになるか」と問われて Yesと答える人は少ないでしょう.NPTというのは そうした苦衷の中から生まれた暫定的解決策以上のものではあり得ない.
 それなら,「核を持つことを許される国」と「そうでない国」との線引きを,誰がどうやって決めるのか.全ての国が納得するcriteriaは おそらく存在しないでしょう.結局は
核という途方も無い力を手にすることによって生じる国際的責任の重みを十分に認知し,国民一人一人がその重みに耐え得る覚悟を持った国であると 国際社会から見なされているかどうか
によるしかないのではないか.
(残念ながら,現時点での核保有国の中にも 上述の条件を満たさない国が 一部に見受けられるようです.そうした国を隣国に持った日本にとっても,これは他人事では済まないのですが,それは今回の韓国の問題から外れますので ひとまず措くとして)

 今回の韓国の一連の核疑惑に関しても,
「実験が行なわれた時点で韓国政府に核兵器保有の具体的プランがあったのか」
だけを問題視したのでは諸外国は対応を誤ることになるでしょう.今回の件を契機に韓国をどうこうしようということとは別に,上述のような意味で
「韓国という国が将来的に核保有国たる資格を備えていると言えるか」
という文脈の中で 今回の件に関する韓国政府の対応の仕方,あるいは国民大衆の反応を 一度よく見極めておく必要がある.この点については 後半で触れます.

 ところで,核と安全保障との関わりについて,記事A中で氏は次のように述べておられます.
核兵器など持たず、互いに平和に共存し合おうとの地域安全保障体制を地道に作っていくしかないように思う。遠い道だが。
 残念ながら私はこの点に関しては極めて悲観的,もしくは少なくとも懐疑的です.何せ不確実な要素が多すぎる.例えば以下の点について,氏はどのようにお考えなのか.
  1. 核による抑止力の存在意義自体に対する賛否.言い換えれば「本当に核が無いほうが世界は平和・安全であり得るだろうか」という点での基本認識.
  2. 地域レベル(東北アジアなど)での非核化を前提とした地域安全保障体制というもの自体の成立可能性.すなわち,地球の裏側には核大国が依然存在する条件下での,「核の無い東北アジア地域」等等はあり得るのか,という問題.
  3. 上の問題に対する解答が もしNoならば,「では 既存の核保有国,とりわけ核不拡散体制の頂点に立つアメリカの首に 一体誰が鈴を付けるのか」という問題.
 私個人としては それこそ核を凌ぐ抑止力たり得る兵器体系が新たに誕生でもしない限り,根本的な核廃絶というのはあり得ないのではないかと思っています.但しコスト面を考えての核軍縮の範疇に話を限るなら,見込みは十分あるでしょう.むろん その場合でも問題は「核軍備競争に於いて優位に立つ側が それを望むか,それとも かのソ連ですら音をあげた『軍拡チキンレース路線』を歩むのか」に掛かって来るのは同じ事かも知れませんが.

(続く
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by xrxkx | 2004-09-12 13:38 | ◆ 韓国核開発疑惑
藩基文・韓国外交部長官 TVインタビュー
 今日(2004/09/10)の朝 Daumに上がって来ていた記事.探していた韓国核開発疑惑関連記事からは かなり外れますが,読み捨てるのも勿体無いから訳出しておきます.
 なにせインタビューなので,言葉が重複/脱落していたり 主語と述語の不一致があったりと かなり読みにくい部分が多々あったのですが,なるべく意訳は避け 原文のままにしておくことにしました.

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● 藩基文・外交部長官 ニュースレーダー対談全文
 ──노컷(ノーカット?)ニュース 2004/09/10 10:39 (原文)←音声でも聴けます
2004年9月10日(金) CBSニュースレーダー 5部(FM98.1MHz)

(対談 - 藩基文外交長官)

 第4次北核6者会談を控えていますが,突然我々(訳註:韓国のこと)のウラン実験とプルトニウム抽出の事実が分かったことで 会談の展望が一層暗くなった感があります.
 こうした中,韓半島を取り巻く不確実性も増大している状況であり,我々の外交安保力量の強化が これまでになく切実に感じられています.今日は藩基文外交長官と対談します.

(対談全文)

─ここ最近の国際情勢を見ますと めまぐるしく回転しています.外交部長官として最も大きな困難はどんなものがあるでしょう.最近…

△最近いろいろと大統領の頂上訪問も準備しており,また北韓の核問題を平和的に解決する為のいろいろな関係国間の協議を進行中だ.併せて最近わが国の過去にあった原子炉でプルトニウムだとかウラン抽出の問題…こうしたことと関連しても 政府で十分に対応すべく努力している.

─まず 来る19日には大統領がカザフスタン・ロシア訪問の途に就きますが,特にロシアは北オセチアのテロ人質劇で外信の関心を惹いていますが…今回の歴訪の意味はどのように整理できるのか御説明下さい.

△今回の盧武鉉大統領のロシア訪問は,昨年アメリカ・日本・中国訪問に続いて 韓半島周辺(訳註:言葉が足りないが 「周辺国の」くらいの意か)わが国との関係を均衡的・安定的に発展させ,特に北韓の核問題の平和的解決に於いてロシアの協力を確保するという面があり,そのため 韓半島情勢を安定させ 東北アジア地域の共同繁栄の為の外交的基盤を拡充する意味を持つものと見ることが出来る.

─国内の科学者のウラン分離実験に続いて,プルトニウム抽出問題に火が着き,論議を呼んでいます.これに対するわが政府の立場と対処法案はどういうものなのか.

△本来この問題は ウラン問題については,既にわが政府が これが一部科学者らによってただ1回だけ実施された内容であり,また我々がIAEAに進んで申告をしたため,アメリカをはじめとするIAEA理事国も この問題について理解を示している.
 それから わが政府が既にNPT当事国として,またIAEAの安全協定を忠実に履行して来ており,非核化を忠実に守って来た.既に発表されたコンヌン洞所在の研究用原子炉で またプルトニウムが出た,こうした問題は 80年代初頭に行なった核研究活動に関して我々とIAEA間で長い間緊密に協議して来た事案だ.わが政府が98年と2003年にコンヌン洞に所在するTRIGAマーク(訳註:Mk IIIだった筈)原子炉からプルトニウムの痕跡があると通報を受け,IAEA側に十分に資料を提出した.

─そうしますと IAEAからプルトニウム抽出疑惑がある,と まず こう問題提起を行なって,我々がそれについての立場を十分に 98年から釈明してきた,と こう仰るわけですか.

△そうだ.しかし なにぶんこれはずっと以前の問題であるため,我々が資料を追跡するのに若干の困難があったが,我々は今年になってこの問題について十分に資料を提出して来ておりまた9月にIAEA査察団が全て調査を終えている.結果を見ればプルトニウムについての抽出の正確な記憶は無いが,極めて少量のミリグラム単位と推定されており,その全ての装置と試料が84年に廃棄された.さらにTRIGAマーク原子炉も現在解体中だ.

─ところで この問題が国連安保理で扱われるだろうとアメリカ側で表明していますが,今後この問題はどのように事態が拡大するものと御覧になりますか.

△この問題については月曜日からIAEAの会議がウィーンで開かれるが,まずIAEA理事間で論議され,IAEAの決定に従って되겠지만,わが政府としてはこうした問題がずっと以前の問題であり,また わが政府が資料を十分に提出しており,そのため特にこの問題が安保理まで行くべきものとは考えていないが… 決定はIAEAで行なうことになる.そのため わが政府から代表団をIAEA理事会に派遣し,IAEA理事国35ヶ国と現在緊密に協議を進行中だ.

─アメリカ側からこの問題をしきりに提起して来る理由はどこにあるとお考えですか.もちろん北韓との第4次6者会談ですとか,北韓側に疑いを持たせないようにするという部分…またハン・ソンリョル国連駐在北韓次席大使がこの問題に言及していましたね? なぜ我々にばかり…というようなことを言っているわけですが,これをどう見るべきだとお考えですか.総合的に…

△一応北韓が我々にそうした話を,批判的な態度を取っているが,この問題について我々の立場ははっきりしている.我々が何らかの核開発を行なうというプログラムだとか研究をして来たことは無いし,我々は南北韓の非核化宣言を忠実に履行して来たし,またNPT当事国としてIAEAの査察を受け続けて来た.
 そのため,全世界が わが国の非核化の意志とか非核化の現況について十分良くわかっている.北韓に対する核開発疑惑は 北韓自身が明らかにすべき問題があるため,現在北韓が主張しているように これが何らかの核開発競争を促進するだとか… こうしたことは全く関係ない話だ.

─北韓が結局この問題を非難に出ました.6者会談拒否の立場さえちらつかせていますが… 北韓の非難が単なるレトリック,外交的修辞なのか… あるいはアクション,行動を前提とした反応なのか,未だはっきりしませんが… 北韓の反応についてはどのようにお考えですか.

△もちろん現在ハン・ソンリョル国連次席大使の反応が北韓の公式な反応だと見るのは難しい.こうしたあらゆる問題について,いま東京で韓米日3者協議を行なっており,また第4次6者会談の準備も協議しつつ,こうしたあらゆる問題について友邦国間で緊密に協議を続けている.

─今日までに韓米日間には北核実務者協議が開かれていますが… 第4次会談の今月開催の可能性についてどう見るか… 22日開催説も外信に報道されていますが,どう御覧になりますか.

△まだその問題については正確には断定し難い.もちろん6者会談の合意に従って9月末以前に第4次6者会談が開かれるべきだという目的を持って努力しているが,今の北韓のこうした反応もあって,状況はそう楽観ばかりもし難い状況のようだ.

─北核問題は時間が経てば経つほど我々の仲裁案に問題が積まれて行く感があります.我々はこれまで3段階の解法などを提示していますが… 第4次会談が開かれたとして,我々が新たに提示すべき仲裁案があるのか… あるいはアメリカや北韓が既存の仲裁案の中から受け入れる可能性があるのか,御説明願います.

△仲裁案よりも,去る6月に アメリカもそうだし我々も我々の具体的な提案を出した.もちろん北韓も出したが… こうした一次的な措置について6者間で互いに合意を達成すべきだと考える.例えば北韓が彼らの核開発計画を放棄して国際査察を受けるとか… こうしたことを国際社会に公約するようなら,我々がこれに伴った相応の措置を取って行く用意があるが,こうした点について具体的に協議をして行かなくてはならない.
 もはや協商の段階に入ったと見ることが出来る.そのため,例えば北韓がそうした公約をするなら 我々としては北韓が必要としているエネルギー問題だとか経済支援問題,また安全保障問題… こうしたことについて具体的に協議する準備が出来ているという点を 我々がはっきり明らかにして,こうした問題について そろそろ協商を行なうべきだが,問題は現在6者会談が開けるのかどうかについて楽観がやや難しい状況となっているようだ.

─いまアメリカが大統領選挙を控えていますね.そのため北韓問題も相当に ケリー候補とブッシュ陣営の間で鋭い見方の違いを見せていまして ですね,…イラク問題もそうですが… アメリカの北に対する立場…選挙と関係なく 何らかの解決の方案を用意するのか,あるいは現在一部では10月大乱説も出ていますし… もちろん放送で言及するのはいささか不適切ですが… ともあれ選挙を控えてこうしたアメリカの対北強硬策という話も流れて来ているわけで… これをどう見るべきでしょうか.

△私は アメリカの北韓に対する立場は 共和党であれ民主党であれ関係なく 大きな変化は無いものと見ている.同様に,北韓の核問題を平和的に解決するというアメリカ政府の立場は 共和党・民主党いずれの候補が当選しても根本的な変化は無いだろうという点ははっきりしており,こうした点を北韓当局が十分に認識して,そろそろ本気で決断を下し,北韓の核問題を早い期日内に解決することが望ましいと考える.

─中国の高句麗史歪曲問題は一応水面下に沈みつつある雰囲気ですが… 政界の一角から間島協約無効化問題が挙がっています.外交部の公式な立場はどういうものですか.

△間島問題は 北韓を含めた諸国が関連する非常に複雑かつ敏感な問題だ.そのため わが政府の考えとしては こうした問題についてはもう少し正確な歴史的資料を収集し,考証と専門家らの研究の結果を土台に慎重に扱って行くべき問題だと考える.

─一応 政界の動きと政府の立場は異なる,と.

△そうだ.

─先の 5ヶ条の口頭合意事項は十分に守られているとお考えですか.

△現在 その問題について駐中大使を通じて中国高位当局と協議を続けており,中国政府も口頭諒解事項を十分に守って行くという点を確認し続けて来ている.わが政府としては 来年度に行なわれる中国政府の教科書改訂問題を十分に見守り,また地方政府で行なわれたさまざまな歴史歪曲の問題について是正措置を要求し続けている.こうした問題を中国政府が自ら忠実に行なうことにした点を守って行くと,こういう話をしている.

─ザイトン部隊が現在イラクに派遣されていますが… ザイトン部隊の現在の状況について公開できる部分があれば御説明願います.

△いま現在 ザイトン部隊の一部は現地に展開されているものと了解しており,また それ以外の部隊は展開の為の準備を隣接国で行なっている.わが国軍の安全だとか そうした問題を踏まえ,時期尚早に国民にお知らせするわけには行かないが,いま現在あらゆる可能な安全措置を取っており,また わが軍の部隊駐屯地域を旅行しているわが僑民らの安全の為にも最大限努力している.

─アメリカで 先頃共和党の수락演説… ブッシュ大統領が友邦国リストから韓国を外した問題で 国民の心が傷ついていますが… 昨日ライス補佐官から電話はありましたが(訳註:後述),なぜこのようなことが起きたのでしょう.

△その問題についてわが政府や国民は相当傷ついただろうと考えており,また いささか戸惑っていることと思う.だが この問題はアメリカのいかなる政策とも全く関係の無い,選挙過程で起きた一種の過ち程度に見ておけばよいだろう.国務省スポークスマンが 我々のイラク派兵についてアメリカとブッシュ大統領がどれほどありがたく思っているかを…
 また 韓米関係は非常に緊密な同盟関係だという点を いま一度強調してあり,昨日ライス補佐官が わが国家安保補佐官に電話でブッシュ大統領とアメリカ政府のこうした考えを再度確かに伝えた.そのため こうした問題はもちろん起きないに越したことは無かったが,選挙過程で起きたひとつの出来事とお考えになり,韓米関係は それこそ緊密かつ強固な足場の上に十分に実現されているという点を 国民の皆さんに十分ご理解頂きたい.

─先頃 故・キム・ソンイル氏の事件で 外交部が一時大きな危機を迎えたこともありましたが…結局 監査院の監査結果から AP通信が事実をそのまま述べていなかった部分が さらに浮上して来ました.しかし外交部の対処には いささか至らない点もありましたし… 長官として 最後の覚悟を国民にお伝えになるとすれば?

△去る5月に キム・ソンイル氏の拉致殺害事件に関連して わが国民が政府に対して持っている期待や わが政府に何を求めているのかを しかと認識する契機となった.もちろん キム・ソンイル氏の死亡は相当に不幸な事件だったが,こうした事態が二度を繰り返されることの無いよう,わが政府が僑民に対する反古サービスを一層強化して行くことにしている.
 そのため,一例として我々が現在推進中なのが コールセンターを設置して 世界中どこでも 旅行中のわが国民が電話でそのコールセンターに連絡すれば直ちに領事保護サービスが稼動し得るよう そうした仕組みも作っており… また 本部(訳註:外交部の,か)の領事機能をさらに拡大し… 在外公館の領事機能もさらに拡大し,人員も増やす方向で努力を進めている.

対談進行 - ミン・ギョンジュン アンカー
整理・問い合わせ - チョン・ヘヨン 作家 (補助: キム・ジヨン レポーター / 2650-7254)

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by xrxkx | 2004-09-10 18:25 | ◆ 韓国核開発疑惑
【韓国核開発疑惑】 全訳:外交部当局者との一問一答
● 外交部当局者「プルトニウム抽出」一問一答 (1) ──聯合ニュース 2004/09/09 16:33(前半),16:35(後半) (前半原文 後半原文)

(ソウル = 聯合ニュース) イ・サンホン記者

 外交部当局者は9日,去る82年にソウル市コンヌン洞の研究用原子炉で数mgのプルトニウムを抽出したことと関連,抽出の目的および時点,これに対するIAEA(国際原子力機構)の査察活動などについて説明した.
 以下は同当局者の冒頭説明と一問一答.

◇冒頭説明
 80年代初頭,コンヌン洞の研究用原子炉で 一部プルトニウムを抽出(訳註:「一部」が意味不明)した形跡が発見された.
 IAEAは 去る98年に我々に確認を要請しており,科学技術部が確認を行なったが,当時は正確に確認することができなかった.研究責任者が既に死亡しており,関連資料も十分でなかった.2003年 IAEAが再び要請,我々が再度調査に着手し,3月に政府が確認した事柄を全て説明した.数日前 IAEAの査察団が来た時,コンヌン洞を訪問して追加的な事項を確認すると同時に,当時プロジェクトに参加した数名に対してインタビューを行なった.

◇一問一答

─いかなる目的で どれくらいのプルトニウムを抽出したのか.

▲抽出量の確認は不可能だ.今までに確認し IAEAも共感しているところによれば mg単位の極微量だ.それ以上のことは,現在プルトニウムが廃棄物とともに貯蔵されているため正確な数量の測定は不可能だ.

─なぜ抽出したのか.

▲少数の科学者らが 化学的特性分析の為に微量を抽出したものと確認された.

─廃燃料棒で抽出したのか.

▲基本的にプルトニウムは廃燃料棒を基にして化学的処理方式によって抽出されるが,80年代初頭に約2.5kg程度の廃燃料棒を用いたものと確認されている.
 そのうち 一部からプルトニウムを抽出したという.正確な測定量は確認できておらず,算術的に計算して最大値がmg単位だ.燃料棒は束にしてあるのだが「5本のピンを使った燃料棒」(five pin nucler fuel rod)だ.

─抽出実験は何回実施したのか.

▲1回とか2回とかは申し上げにくい.行なわれた時期については,82年度に1~2ヶ月にわたって行なわれたようだ.

─再処理なのか.

▲一般的に再処理は多量を処理するのが再処理なのであって,本件は抽出だ.

─当時にも申告すべきだったのか(訳註:IAEAへの申告義務はあったのか,の意だろう).

▲一応プルトニウムを抽出したら申告すべきだった.コンヌン洞の研究用原子炉は(訳註:建造されて以来,の意か)約30年経つが,設置当時からIAEAの安全措置協定の対象であり,査察を持続的に受けて来た施設だ.

─申告さえしてあれば問題なかったという意味か.

▲そうだ.

─再処理について もう一度説明してもらいたい.

▲軍縮分野での扱い方に従うなら,意味のある分量に相当する量を扱う場合は「再処理」であり,極微量を扱う場合は「抽出」という.

─政府が(訳註:この実験が行なわれた事実を)知るに到った時期は.

▲98年 IAEAが確認要請をしてきた当時には,科学技術部で関連資料を懸命に探したにも関わらず確認は出来なかった.IAEAの再度の要請が2003年にあったが,その後 科学技術部が徹底調査を行なったのちに明らかになったものだ.

─98年の要請と2003年の要請との違いは.

▲コンヌン洞の原子炉は基本的にIAEA査察下の施設だ.98年以前にも査察を受け続けて来ており,98年にもIAEAが研究炉を訪問している.違いは 90年代中盤まではIAEAの査察方式が多少時代遅れの技術を使っていたが90年代中盤以降は高度の査察技法を活用したこと.その結果,極微量のプルトニウムが抽出されることとなったものと確認された.

─コンヌン洞の原子炉は原子力研究所の前身なのか.

▲そうだ.今は解体済みだ.わが国が研究炉を最初に導入したのがコンヌン洞だ.2個の研究炉だが,一般的に寿命は30年前後だ.62年に最初に導入され,2度目は72年だ.既に寿命を終え,数年間にわたる解体作業の最中であり,殆ど完了している.2つとも容量5mWだ.

─なぜ申告しなかったのか.

▲プロジェクト責任者ら 当時の科学者のうち 何名かは既に亡くなっている.その方々の意図は確認しようが無い.一部インタビューによると,照射(irradiation)後物質の特性研究の為に抽出したという.

(訳註:ここまで前半)

─またしても疑惑を受けざるを得なくなったが.

▲研究用原子炉は非常に多くのプロジェクトを遂行するものだが,プロジェクト自体は科学技術部が管掌してしており,結果報告は受けたがプロジェクトの内容一つ一つを科学技術部が監督するとかいったことは不可能だということだ.

─国際法的な違反なのか.

▲判断はIAEAが行なうことだ.政府の立場は 把握した状況をIAEAに説明し,望むなら現場訪問もさせ,環境サンプリングを行なわせるし,要請を受けたことには全て協力した.

─実験一つ一つを監督できないのなら,再発もあり得るということではないのか.

▲そうではない.科学技術は急速に発展しており,政府が研究所に対して行ないえる監督の技法も進展している.わが国政府に於いても核物質を扱うに当たって核物質の流れ図を正確に把握し,そのうちのいずれか一箇所で極僅かでも違いがあれば特別に関心をもって点検するという 強化された方式を講じている.

─核兵器開発用や商業用ではないとのことだが,当時の科学者らもそう言っていたのか.

▲科学技術部によれば,科学者らは核兵器とは無関係に純粋に(訳註:この箇所,原文に「学問的好奇心から」か何かが抜けている可能性あり)極微量を抽出したと答えたものと承知している.

─廃燃料棒から抽出するには高熱を加えなくてはならないが,副産物である可能性は.

▲全ての燃料棒は照射が済んだ後に処理が可能だ.照射活動は常時遂行される活動だ.

─次々と新しいの(訳註:過去の核開発関連ニュースのことだろう)が出て来るが,もう無いのか.

▲我々が再度確認したところによれば 無い.

─ウランの件と併せ,この件もIAEAに同様に上程されるのか.

▲現在この件が上程されてはいない.

─プルトニウムの件も別途に報告書が(訳註:IAEA理事会に,の意か)上がるのか.

▲正式議題に上ってはおらず,報告書が提出されるものとは期待していない.

─北韓の核疑惑と我々の件との何が違うか.

▲非常に大きな違いがある.プルトニウム関連については,プルトニウム相当量を抽出するには再処理過程が必要だ.途方も無い大規模の工場も必要だ.北韓に集まっている疑惑の視線の対象施設は放射科学実験室だ.衛星写真を見ると,たいへん大きな建物だ.そこで再処理が可能だ.コンヌン洞の原子炉は,とても小さいオフィスで とても少量の化学薬品を通してプルトニウムを抽出したものだ.兵器製造とは隔たりがある.
 濃縮関連については,北韓が用いている方式は遠心分離法だ.全世界的な濃縮ウラン抽出方式だ.我々はレーザー方式だが,極微量を抽出することは可能だが kg単位で抽出し得る工法ではない.

─IAEAの2回の要請の違いは.(訳註:既出の質問だが,実際 原文にも再度出て来ている)

▲IAEAは環境サンプリングを行なった.97年末に行い,98年に(訳註:プルトニウム抽出を行なった形跡が,だろう)見つかって,98年にわが国政府に確認を要請した.2003年にも1回行なった.97年のものは IAEAが環境サンプリングの技法を導入してから2年しか経っておらず,十分にその技法を活用し得る段階に至っていなかったために わが国政府にそれ以上具体的な要請はして来なかったのであり,2003年の要請は技法が十分に確立された後にプルトニウム抽出の痕跡が見つかったため,具体的な要請をして来たものだ.
 繰り返すが,97年の環境サンプリング結果が98年に出て,その結果を見て 我々に98年に確認要請をしてきており,2003年に再び訪問して確認し,下半期に我々に要請して来たのだ.

─自発的申告ではないではないか.

▲コンヌン洞の研究炉は基本的に数十年間査察を受けて来た施設だ.提出すべき申告書は全て出した.プルトニウムが「漏れた」ことに関する評価はIAEAのほうで行なう.

─現在,廃燃料棒とプルトニウムはどこにあるのか.

▲廃棄物施設に保管されている.

─核兵器を作れるものではないというのは確かなのか.

▲mg単位では不可能だ.普通 プルトニウム4~8kgが必要とのことだが,低レベルの技術で作るには最少10kgは無ければならない.

─IAEAの査察団による訪問調査は97年,2003年の2回だけだったのか.

▲コンヌン洞の研究炉については そうだ.

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by xrxkx | 2004-09-09 18:12 | ◆ 韓国核開発疑惑
【韓国核開発疑惑】韓国政府の強硬姿勢もここまで
 先ほどDaumに上がって来ていたニュース.聯合通信系のTVニュース番組からのテキスト起こしのようです.
● 「核物質 未申告実験は誤り」 ──YTN 2004/09/08 18:07 (原文)
司会) さる2000年に一部科学者らがウラン分離実験を行ないながら国際原子力機構(IAEA)に申告しなかったことは誤りだと 政府当局者が述べました.
 これに伴い,政府は今回の実験が協約違反という判定を受ける可能性があると見て,IAEA理事国を相手に積極的な釈明に乗り出すことにしています.
 ワン・ソンテク記者の報道です.

レポート) わが国の科学者らによるウラン分離実験についてのIAEA理事会の論議を控え,政府が理事国35ヶ国の代表団に提示すべき論点を整理しました.
 まず,核物質を申告しなかった点は誤りだという点を認めました.
 一種の報告漏れという認識です.
 IAEAの決定如何によっては国際協約違反と判定される可能性も排除しませんでした.
 ただ,わが国政府の非核化意志は確固としており,ウラン濃縮プログラムも存在せず,問題となる実験は一回性のものに過ぎないという点で(訳註:IAEA理事国を)説得する方針です.
 政府はこのような努力を通じて,IAEAが問題を誇張せずに本質に則った処置を行なうよう雰囲気を造成するという立場です.

ビデオ:藩基文・外交部長官)「国際原子力機構理事国代表らが均衡の取れた視点から(訳註:本件を)処理し得るよう説得する予定です」

 これに先立ち,政府は北韓を除く6者会談参加国に対し,今回のウラン分離実験の波紋について説明したと 政府当局者は述べています.
 我が方(訳註:韓国政府のこと)の説明に対し,6者会談参加国らは 韓国政府が迅速に是正措置に乗り出している状況について評価するという反応を示したと,この当局者は説明しました.
 当局者は続いて,今回の実験ではアメリカから持ち帰った技術または物質は関連しておらず,韓米原子力協定に違反する事項は無いと説明しました.
 来る13日に開かれるIAEA理事会では,エルバラダイ事務総長が 査察団の予備調査結果を土台に 関連事項を口頭報告の形で報告するものと伝えられています.
 しかしIAEAは,今回の理事会では口頭報告の内容を単に記録する水準で処理し,2~3ヶ月後に具体的な報告書が提出された後に 本格審議に乗り出すものと予想されます.
 YTN ワン・ソンテクでした.

 これまで
「ごく微量」
「純粋に知的好奇心によるもの」
「一回性の実験」
「実験当時はIAEA追加議定書に批准していなかったから違反ではない」
「実験設備は既に廃棄済み」
「兵器レベルの濃度などという外国報道は誇張」
などの釈明(?)を繰り返して来た韓国政府の態度が,13日の理事会が近付くにつれ いよいよ軟化して来ているのが分かります.要するに,何とかお目溢しに預かる為に 先に謝ってしまおう大作戦というわけですね.
 無論,強硬にシラを切り通そうとすれば安保理まで動き出す事態を招くことになるのは 彼らも当初から分かっていた筈.国内の動揺はどうにか一段落したと見て,そろそろ「対外的にはこれくらいが精一杯」という本音を漏らし始めたに過ぎないでしょうが.
 外交に於いては 100の握手よりも1本の笞のほうが多くを成し遂げ得る場合もあるという,これは その良い見本でしょう.昨日も書いたように,こういう手癖の悪い国を相手にする場合は 特にそうです.
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by xrxkx | 2004-09-08 19:39 | ◆ 韓国核開発疑惑
【韓国核開発疑惑】槿の花を摘みませう
 以前からたびたびお邪魔させていただいている「散歩道」さんのところに また活きの良いネタが上がっていました.

【噴水台】核のロマン主義 (中央日報 2004.09.06 20:47)
※ more欄に全文を載せてあります

 昨日比較してみた韓国各紙の論調からも分かるように,中央日報が最も《開き直り度》が高い社説を載せているわけですが,今回の「噴水台」では 要するに
今でも核は欲しいが,核開発の事実がバレると アメリカをはじめ世界中から叩かれるから やめておいたほうが無難
といっているわけですね.同時に,バレさえしなければ何でもアリという彼らのメンタリティが行間に滲み出ているように思えます.
※ え? 「バレても開き直ればOK」って? :p

 「疑惑」も何も,こんなコラムが大新聞に堂々と載るようでは,実際 結局は北朝鮮と同じ穴のムジナではないかと見なさざるを得ません.政府もメディアも火消しに狂奔する中で,こういう本音──強迫観念にも似た強国願望──が はしなくも露呈してしまうあたりが,いかにも韓国らしい.
 こういう国は IAEAは勿論 国連安保理の圧力の下で雁字搦めにしておかないと 何をしでかすか分かったものではない.

 日本のメディアには その辺をきっちり報道してもらわないと困る.どうも日本では「ごく少量」ばかりを強調して(特に共同通信と毎日新聞),今回の事態が最低でもイランと同程度の懸案事だとズバリ言いたがらない.韓国メディアと一緒になって火消しに奔走しているようにすら見える.
 政府も政府で,日本の領土を不法占拠はする,教科書検定や在日の参政権問題に関する露骨な内政干渉はする,という問題児を相手に これほどおいしい外交カードは無いはずなのですが,何を手加減しているのやら.それこそ,ここらで日本がスタンドプレーでも何でもいいから先頭に立って,日本単独での経済制裁も辞さず,くらいの構えで韓国を懲らしめてみせておいて,後々の安保理常任理事国入りの際のお手頃な手土産にでもすればよいものを.

 以下,やや脱線.

 南北双方の合意の下にだか暗黙裡になのか知らないけれど,どうも少なくとも韓国人の頭の中では
「核保有の既成事実作りは北が担当 / 技術面は南がサポート」
という絶妙の連携プレイがしっかり出来上がっているらしい.昨日載せた京郷新聞の社説などは「誤解」の一言で片付けていますが,本当に「誤解」なら 例えば6者協議ひとつ取っても「対話重視」路線に偏向せず,もう少し強い態度で北核問題に臨めそうなもの.今の韓国の「対話」路線は,核問題に限って見れば 北が核保有の既成事実を積み上げるまでの時間稼ぎを南が手伝っていることになる.
 ともあれ,BBCやNYTやWPといった海外報道のお陰で 南が少なくとも北と同様に危険な国である(私としては 北と同様どころか うっかりすると北とグルである可能性すらあると見ますが)ことが広く知られるに至ったことは,手癖の悪い隣人を持った日本にとっては非常に喜ばしいことだと言えるでしょう.

 また,かねてから韓国が主張して来たような「南北の平和統一」なるものが 単なる「実現し得ない事」ではなく「実現させてはならない事」なのだという点を,私たちは再認識する必要があるでしょう.彼ら朝鮮民族だけの手で統一を行なわせてはならない.金正日政権崩壊の暁には,それこそイラクと同様の多国籍軍の 十分に長期間の駐留の下に,「核を持った統一朝鮮」の誕生に繋がる可能性のある全ての能力を彼らからむしり取る必要があります.
 私はイラクへの自衛隊派遣には今なお反対の立場ですが,こと朝鮮半島に関する限り 日本本土の安全に直接関与する重大懸案ですので 反対すべき理由などあろう筈も無い.今回の一件を契機に,自衛隊──もしくは 晴れて日本軍としての──の北朝鮮駐留をも視野に入れた改憲の動きが加速することを 強く望みます.

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by xrxkx | 2004-09-07 11:09 | ◆ 韓国核開発疑惑
【韓国核開発疑惑】 なほうさんくさきことども
 前回の記事で 韓国国内のメディアの論調を紹介しましたが,右・左を問わず火消しに必死なのがよく分かります.
 曰く,抽出された濃縮ウランはごく少量に過ぎない.曰く,兵器レベルの濃度には達していない.曰く,韓国政府は自発的にIAEAに実験内容を申告した.曰く,実験が行なわれた当時は違反ではなかった,etc, etc...

 私が今なお疑問に感じている点を整理しておきますと,
  1. 各紙ともさかんに「0.2g」を強調しているが,量が問題なのではない.高濃縮ウランを抽出する能力を持ったこと,それ自体が問題.
  2. 韓国がIAEAの追加議定書に批准したのは今年の2月.2000年のウラン分離実験の事実公表・IAEAの査察受け入れに踏み切るのに 何故半年も掛かったのか.
  3. 実験が行なわれた事実を公表するのに,なぜ実験設備の廃棄を行なっておく必要があったのか.
     朝鮮日報の社説では「核兵器技術を開発しようとしていたなら,原子力研究所が1回きりの実験を行なってから実験装備を廃棄処分する理由は無かったはずだ」と言っているが,これはむしろ逆.やましいことが無いなら,査察受け入れまで関連設備は手つかずのまま残しておくのが筋.廃棄するなら,査察の結果が出てIAEAから勧告を受けた後でも遅くはない.ましてや前述のような韓国報道によれば,今回の実験は「行なわれた当時は違反ではなかった」のではなかったのか.
     今回の韓国のやり方では「進んで申告」どころか むしろ証拠隠滅の疑いは免れない.
  4. 抽出されたウランの濃度について.科学技術部の発表では「平均10%」とのことだが,ここで平均値だけを発表することに何の意味があるか.こんなのは,喩えるなら いつぞやの連続殺人犯を称して「道ですれ違う人をことごとく殺害していたわけではないので危険人物とは呼べない」と言っているのと同じ程度の子供騙し.こういう時は「最高で何%まで達したのか」を併せて公表するのが常識.
  5. 実験が行なわれていたことを政府は本当に把握していなかったのか.実験計画に関する報告の有無については 原研と科技部との間で証言が食い違っているようだが(後日詳述).
 私としては やはり設備の廃棄の箇所が最も腑に落ちません.「実験室レベルでは可能でも これを産業レベルで大規模にやっても採算が合わないから 実験は打ち切ろう」と,そこまではまだ分からなくもない.ただ,それだけで実験装置そのものを廃棄処分する必要は無いはず.
 原研といえば国の機関だそうですから,実験装置の類は全て国の備品なわけで,よしんば老朽化していても 研究員の一存でおいそれと廃棄などできないはず.まして,今回の実験の場合,遠心ではなくレーザーだという.老朽化どころか 韓国全体で見ても何台も無い新型機のはず.それをなぜ廃棄したのか.
 上述の 追加議定書批准から査察受け入れまでの《空白の半年》と併せ,また 実際に設備の廃棄が行なわれた時期がいつなのかがはっきりしないこととも併せ,「査察受け入れは避け難い」という情勢になってから 慌てて泣く泣く廃棄したらしい匂いがプンプンする.

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 日本での報道のされ方に関しては 既に多くの方が書いていらっしゃるでしょうから ひとつだけ.今回 日本メディアとしては真っ先にこの一件を社説で取り上げたのが朝日だったのは 私には少々意外な感じもしましたが,内容を見てみれば「あぁ,結局そういうことね」の一言.
■核疑惑――まさか韓国で、とは ──朝日新聞 社説 2004/09/03
日本政府はこれまで核問題に関して透明性の高い対応をしてきた。ここはIAEAの枠組みをきちんと機能させるためにも、また、日米韓の結束を維持するためにも、積極的に動くべきだ。
 あの朝日新聞が 都合の良い時だけアメリカとの「結束」を持ち出すのは見苦しい,という話は措くとして,朝日が言う「積極的に動く」というのは 「韓国側が窮地に立たされないように 米韓間の仲裁に入ってやれ」という意味でしょう.それは一向に構いませんが,それで韓国にどういう恩を売れます?
 言うまでも無いことですが,日本にとって 今回の一件は 使い方次第ではまたと無い外交カードになり得る.ただでさえ韓国国外の報道では──あいにく日本では少々違うようですが──韓国のやり方を「イランと何ら変わらない」と批判する向きも多い.経済制裁を武器に いっぺん韓国政府にお灸を据えておくには良い機会.どうも朝日が言いたいのはそういうことではなさそうですが.
日本の一部には核保有論もちらつく。韓国の対応次第で、それをいたずらに刺激するのも心配だ。
と,お得意の朝日節に収斂してゆくわけですが,実際に「北だけでなく南までが核開発に手を染めている可能性がある」という事態まで持ち上がっているわけですが,この場合 核武装論は「いたずらに刺激」されたと言ってよいものでしょうか.

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 おまけ.

 今回 現地での記事を漁る傍ら ご近所のblogもあちこち読ませていただいたのですが,その中で 特に印象に残ったくだり ベスト3をを勝手に選んでみました.まだ全文を読んでいらっしゃらない方は 是非先方に飛んでご一読あれ.

◇ 第三位 ◇
日本人にとって都合のいいものだけを見せられ、韓国人にとっても都合のいいソフトしか入れない日韓両国の文化交流は贋物だし、本質を隠蔽する危険なプロパガンダであると言ってもいいだろう。韓国の核疑惑発覚でニューヨークタイムズが昨日の紙面で韓国で10年前に出版され、300万部を超えるベストセラーになった「ムクゲの花が咲きました」に言及していた。

この小説は在米韓国人の物理学者が核開発の秘密を握り殺されるが、韓国が北朝鮮と組んで日本を核攻撃する話。95年には映画化され大ヒット、数々の受賞をしている。こういう映画を紹介しないで韓流もヘッタクレもないのだが、今回の核疑惑の根底にあるものを示唆している。…

 ──「酔夢ing voice

◇ 第二位 ◇
面白いのは「核と聞いたら黙っちゃおれない」の広島・長崎の両被爆地市長が特に声明も出さずに事態を静観している、核反対の市民団体も表立った動きは全然聞こえてこない。
このままなんの声明も活動も起こさなければ「やっぱあの連中は単なる反米の為の反核だったのか」という評価をするしかない。本当の目的を隠す為に手段を目的が如く見せていただけなんだよね。

 ──"Irregular Expression"

◇ 第一位 ◇
実験が実行されたのは金大中政権時代で、
あの人、ノーベル平和賞をもらったけど、
これは返してもらわないとね。

 ──「娘通信♪


朝日の社説
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by xrxkx | 2004-09-06 21:36 | ◆ 韓国核開発疑惑
【資料】 韓国核開発疑惑: 韓国国内各紙の論調
 先日の韓国の「濃縮ウラン分離実験」をめぐる核開発疑惑に関連して,本日(6日)までに上がって来ている韓国国内各紙の社説を訳出しておきます.
(朝鮮・中央・東亜の3紙については 日本語版をwebで読めるはずなのですが,朝鮮・東亜2紙に関しては日本語版の社説の更新が3日以前で止まったままになっていることもあり,敢えて自分で訳出しておくことにしました)

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[社説] ウラン分離実験 誤解無きように ──文化日報 2004/09/03 12:46 (原文)
 国際原子力機構(IAEA)が 2000年に国内で実施されたウラン分離実験について査察作業を行なっていることがわかり,波紋が広がっている.IAEAは 国内の原子力発電所については定期査察を行なって来たが,研究施設について調査を行なうのは今回が初めてだという.
 科学技術部は2日,この実験について,国内の少数の科学者が ごく少量(0.2g)のウランを分離する科学実験を行なったものと発表した.政府はこの実験が今年2月に批准したIAEA安全措置追加議定書で新たに申告対象に含まれるため既に申告済みであり,これに伴いIAEAの確認査察を受けていると説明した.今回の実験は実験当時には何ら問題なかったというのだ.
 外交通商部も「今回の事案は 一部科学者の一過性の実験であり,関連装置も全て廃棄済みの状態であって非核化共同宣言違反ではない」とする立場を堅持している.国内の科学者らも,研究過程に於いて抽出した0.2gのウランは核兵器開発には全く足りない量であり,特別な意味を持ち得ないという分析だ.核開発とは全く関係ない実験だというのが政府の結論だ.
 かと言って,今回の事態がすんなり収まると見るのはまだ早い.北韓の核開発プログラムが世界の憂慮を生んでいる状況に於いて,様々な推測が惹き起こされかねない.政府はこうした問題点を把握し,IAEAおよび国際社会との協力を通じて事態解決に向かえるようにすべきだ.特に今回の事を契機に南北関係や韓半島の安定に悪影響があってはなるまい.こうした点を踏まえ,政府は可能なあらゆる努力を尽くす必要がある.
 実際,平和的利用の為の核再処理およびウラン濃縮は 国際法上合法的に行ない得ることになってはいる.しかしわが国の場合,「韓半島非核化宣言」によって 発電用核燃料も輸入によらなくてはならない.わが国の科学者らが行なった今回の分離実験も,国産化研究レベルで行なわれたものと明らかにされた.政府は今後発生し得る様々な状況を点検し,生じ得る国際社会の誤解を払拭するよう望む.

[社説] ウラン濃縮 明快な糾明を ──京郷新聞 2004/09/03 18:29 (原文)
 政府が ごく少量ではあるが核兵器の原料となり得るウランを濃縮した事実を公開した.政府は核兵器開発の意図の無い偶発的なできごとだと説明した.関連施設も既に廃棄されており,国際原子力機構(IAEA)に申告,査察も受けるという.核兵器を製造し得るウラン濃縮および再処理施設を保有しないというのが政府の政策だ.従って政府の説明は政府政策と一致する.違っている点は無さそうだ.ウラン濃縮もずっと以前の事でもある.事件は既に終わったと言える.
 しかし,政府の説明があらゆる情況を,あらゆる人々を納得させ得るわけではない.政府傘下の原子力研究所の科学者が単に学問的好奇心でウラン濃縮実験を行なったという点が特にそうだ.冷戦後,核不拡散は全地球的議題となった.ましてや東アジアは核開発ドミノの憂慮が提起されている地域であり,世界が注目して来た.北韓の濃縮ウラン核兵器プログラムが第2の北核事態を招き,韓半島,ひいては東北アジア全体の不安要因となった事実を改めて挙げるまでもない.そして一部の外国では,統一が実現すれば北の核が南韓の物となるものと考え,南韓政府が北韓に断固たる対処をしない(訳註:のはそのためだ)という誤解をしたこともある.
 ところで 研究所の科学者がこうした敏感さを意識せず,政府の承認なしに恣意的に実験を行なった,という説明は明快とはいえない.ウラン濃縮の事実を6ヶ月間IAEAに申告せずにいたことも疑いの素地となりかねない.ひとたび疑惑の目で見れば,あらゆるものが疑惑の対象となっても無理は無い.政府が渋々解明しているという印象を与えてはならない.国際社会が政府の非核化意志・北核解決努力を疑う材料として今回の事件を活用するとしたら これほど不幸なことは無い.政府は説得力ある説明に積極的に乗り出すべきだ.

[社説] 「ウラン濃縮疑惑」迅速に解消すべし ──東亜日報 2004/09/03 19:10 (原文)
 政府が4年前,ウラン濃縮実験を行なっていた事実を国際原子力機構(IAEA)に進んで申告し,集中的な査察を受けている.わずか0.2gのウラン分離実験だったとはいえ,政府が2月に批准したIAEA安全措置追加議定書に伴う申告対象である以上当然踏むべき手続きだ.政府自ら事実を明らかにした以上,これからは「核兵器開発を目指すものではないか」という疑惑を解消すべく最善を尽くすべきだ.
 核については発言権の大きいアメリカが わが国の政府の措置と解明をを肯定的に評価して「これ以上憂慮すべき事案ではない」と表明したのは幸いだったが,安心すべき段階ではない.「濃縮されたウランが微々たる量だったとはいえ,純度は兵器レベルに近い」「IAEAの申告義務に違反した以上,国連安保理に報告せざるを得ない」「責任者を処罰すべき」など,外信報道や原子力関連団体人士らの刺々しい発言が相次いでいるためだ.
 国際社会が「ウラン濃縮」に仰天し,誇張された反応が噴き出している状態だ.核拡散への警戒感が極度に強い昨今の雰囲気を考慮すれば,行き過ぎだと咎めるわけにもいかない.濃縮ウランを用いた核開発の疑惑ゆえに守勢に追い込まれている北韓がどういう反応を見せるかも気がかりなところだ.
 査察結果を待つだけの消極的な対応では,要らぬ誤解が広まる可能性が大きい.日本・中国・ロシアなど周辺国に実験内容を詳しく知らせ,「一部科学者の知的好奇心に端を発した一回きりのハプニング」だということを納得させなくてはならない.必要なら北韓にも関連情報を提供すべきだ.
 大韓民国は1992年「韓半島非核化南北共同宣言」を通じて公開的に核開発を放棄した.核武装を目指しているという後ろ指を指されるのは国家的侮辱に等しい.一刻も早く誤解から脱却すべきである.ウラン濃縮の自発的申告は核疑惑解消の為の模範事例ともなり得るのではないか.

[社説] ウラン分離実験 騒ぎ立てるほどの事ではない ──中央日報 2004/09/03 21:23 (原文)
 韓国原子力研究所が ウラン分離実験を通じて0.2gのウランを抽出したと明らかにし,波紋を呼んでいる.
 国際原子力機構(IAEA)が初めてこの研究所を査察した.
 アメリカ・日本のメディアは「韓国の核兵器開発の可能性」に焦点を当てて大々的に書き立てている.
 勿論,周辺国としては耳をそば立てたくもなるだろう.
 1992年に発効した「韓半島非核化共同宣言」に伴い,北韓は勿論 我々(訳註:南韓)もウラン濃縮施設を保有できないことになっているのに,少量とはいえ濃縮ウランを生産したのである故だ.
 しかし,今回の分離実験はそれほど騒ぎ立てるほどの事ではない.
 核拡散禁止条約などの国際法や非核化共同宣言に違反したわけではないからだ.
 政府および政界は,この点を十分わきまえて国内外的に対処すべきだ.
 国民もまた 過敏反応をするには及ばない.
 2000年初頭に実施された今回の実験は,当時国際法違反ではなかった.
 しかし政府が2月に「実験室での研究」をも申告すべしとした「IAEA安全措置追加議定書」に批准した.
 これに伴って政府が実験内容をIAEAに申告し,査察を受けたまでのことである.
 しかし我々としては,ウラン保有に関する透明性をめぐって周辺諸国が過敏反応しないよう,より細心の外交努力を傾けるべきだ.
 北韓の核問題に神経を尖らせている周辺諸国は,韓国の核プログラムについて敏感にならざるを得ないからだ.
 従って政府は,今回の実験の全貌について周辺諸国に迅速かつ説得力ある説明をすべきだ.
 米国務省スポークスマンが「これ以上憂慮すべき事案ではない」と言及したのは時宜適切だった.
 何より北韓は,今回の実験を口実に6者会談ボイコットなどの攻勢を展開しようとする考えを持つべきでない.
 今回の事件は,濃縮や再処理を行なえない状況を我々がどこまで受け入れねばならないのかという重大な課題を投げ掛けている.
 特に産業面で蒙っている損害くらいは補完し得るよう外交努力を傾けるべき時が来ていると思う.
 核燃料である低濃縮ウランの輸入に 毎年4000億ウォンを費やしている現状を,いつまで放置するのか.

[社説3] 「ウラン濃縮疑惑」早く払拭すべし ──朝鮮日報 2004/09/03 23:00 (原文)
 原子力研究所が4年前にウラン濃縮実験を行なっていた事実が明らかにされるや,一部外国メディアは韓国政府が核兵器技術開発を目指したのではないかと問題視している.
 しかし,レーザーによって放射性同位元素を濃縮する技術は 既に多くの国が保有している.原子力研究所も医療用物質などを分離する為に研究を行なっていたが,採算が合わないという判断が下され,研究を中断したという.ただ,実験装備を解体する以前に研究陣が科学的探究心からウランを対象としてもレーザを用いた濃縮が理論通り可能かどうかを実験してみたというに過ぎない.
 核兵器を製造するには,濃縮ウランが15kgは無くてはならないという.原子力研究所の実験に於いて抽出された濃縮ウランの量は0.2gに過ぎなかった.同じ実験を数十万回は行なわないと核兵器一個を作れないわけだから,この事をおおげさに膨らませて核兵器関連疑惑に飛び火させるのは論外だ.
 ましてや,韓国政府はこうした実験の内容を進んで申告している.実験当時は原子力研究施設は国際原子力機構(IAEA)の査察対象ではなく,申告の義務も無かった.しかし今年2月,わが国がIAEAの安全措置追加議定書に批准したのに伴い,研究用実験も申告対象に含まれ,4年前の実験内容を通報することとなったのである.アメリカ国務省のスポークスマンも「韓国が透明かつ自発的に適切な手続きに従った事実を公開したことにより,これ以上憂慮すべき理由は無いと考える」と述べている.
 何より北韓がこの問題を口実に北核解決の為の6者会談拒否に出ないかが心配だ.核兵器技術を開発しようとしていたなら,原子力研究所が1回きりの実験を行なってから実験装備を廃棄処分する理由は無かったはずだ.政府はIAEA査察チームにこうした経緯を包み隠さず明らかにし,国際社会に於いて提起されている疑問を早く払拭すべきだろう.

[社説] ウラン分離実験波紋 早期収拾を ──ソウル新聞 2004/09/04 00:27 (原文)
 さる2000年に原子力研究所で実施された濃縮ウラン分離実験は,まかり間違えば国内外に深刻な波紋を起こしかねない重大事案だ.政府は事態の深刻さを十分に認識し,迅速かつ効果的な対応を通じて波紋の拡散を防ぐべきだ.未確認報道を濫発する外国メディアに対しても効果的な対処をすべきである.また,疑惑は国際原子力機構(IAEA)の口を通じてしか完全解消し得ないということも念頭に置いておくべきだろう.
 当局の説明は「原子力研究所の研究員らが医療用同位元素であるガドリニウムを分離する過程で 純粋に知的好奇心から濃縮ウランを分離した」というものだ.分離されたウランの量も0.2gに過ぎず,濃度も濃縮とすら呼べないレベルだという説明だ.また,こうした事実をわが国がIAEAに提出する報告書の作成過程で認知し,進んで報告し,それに伴って査察団が訪韓したというのが当局の説明だ.
 それなら敢えて問題とするには当たらない単純事件だ.米国務省も,韓国の自発的申告の事実,および調査過程でわが国政府の協力が全面的かつ完璧だったという点を強調している.ましてやIAEAの訪韓調査が既に終わり,間もなく調査結果が公開される運びだ.こうした文脈に於いて,外信の疑惑提起は行き過ぎの感がある.当局の説明にも拘らず,国際社会に於いて(訳註:当局の釈明が,の意か)不十分と見たり誤解する向きもあり得よう.政府は如何なる疑惑や誤解もきれいさっぱり洗い落とし得るよう,あらゆる事柄を包み隠さず明らかにする姿勢を見せるべきだ.
 最も憂慮される点は,北韓の悪用可能性だ.韓半島非核化と核不拡散体制に対するわが国政府の意志は確固たる物である.また,純粋に知的好奇心の産物であるわが国のウラン分離実験と,核兵器開発にリンクした北韓の場合とは 根本的に異なる.従って,北韓が万に一つでも今回の事件を北核問題とリンクさせ,6者会談に支障を与えようとするようなことがあってはなるまい.同時に,政府は我々どうしで(訳註:韓国国内で,の意か)どんなに潔白を叫んでみても疑惑解消の助けにはならないということを踏まえ,IAEAを通じた公式解明を取り付けることに力を集中させる必要がある.

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by xrxkx | 2004-09-06 20:19 | ◆ 韓国核開発疑惑