【黄禹錫】朴基栄の辞表提出についての若干の補遺

今日のお昼頃に韓国メディアが一斉に伝えていました.
午後には日本語記事も出始めたので 既にお読みになった方も多いことと思います.



上の朝鮮日報の記事,よく読むと「青瓦台(ちょんわで:大統領官邸)のスポークスマンが23日発表した」と言っているだけで,辞表そのものがいつ提出されたのかについては言及されていません.
そのため読んでいてちょっととまどったのですが,以下のオーマイの記事では辞表提出の時期を「20日」と書いています.
どうも20日の時点では盧武鉉は猶も辞表を受理するかどうか態度を決めかねていたフシがあるな….
これで もし「受理せず」と決まっていたら,辞表提出の報そのものがおそらく握りつぶされていたでしょう.
これで「辞表電撃受理」も無いもんだ.


下は問題のオーマイの記事なのですが,これを書いた記者,報道文を書かせると文体がひどくふやけてしまうわりに こういうコラム的な文章を書かせると結構書ける人のようです.
まぁ内容は当blogでも今まで散々言って来た「青瓦台はやる気あるのか」という話に過ぎないのですが,こんな感じ:



朴基栄辞表,もはや我慢もこれまでか (オーマイニュース 01/23)


朴基栄(ぱく・きよん)・青瓦台情報科学技術補佐官が さる20日,李炳浣(い・びょんわん)秘書室長に正式に辞表を提出した.
さる10日に口頭で辞意を表明してから実に10日後のことだ.
黄禹錫(ほゎん・うそく)事件についての真実究明の程度などを考えると,遅きに失したというのが記者の判断だ.


「辞任は考えていない」→「ソウル大最終調査が済んだら」→「検察捜査中なので」


朴補佐官が辞表を提出した状況中,再三に亙る「青瓦台の翻言」について押さえておかないわけには行かない.


まず昨年11月,黄禹錫・ソウル第教授の幹細胞研究に関連して倫理的疑惑が起きると,民主労働党や市民団体らは朴補佐官をはじめとする責任者らの辞任を主張した.


だが青瓦台は「朴補佐官の辞任はまったく考えていない」と断乎たる態度を示した.


特に,当時 朴補佐官は黄教授の幹細胞研究疑惑を取材して来たMBCの「PD手帳」チームに一方的に不利な内容だけを盛り込んだ報告書を盧武鉉大統領に提出したという疑惑を受けていた.
つまり,黄教授の研究を取り巻く疑惑よりも「PD手帳」チームの取材態度ばかりを問題視し,大統領の判断を曇らせたとする指摘だ.


その後,昨年12月,黄禹錫教授と盧聖一(の・そんいる)ミズメディ理事長の「告白」(原文註:16日),ソウル大調査委員会の中間調査結果発表(原文註:23日)などを通じ,幹細胞研究を取り巻く諸疑惑が事実であることが一つまた一つと判明し始めた.
特にソウル大調査委員会は,中間調査結果発表で 黄教授の2005年「Science」論文が操作されていた(訳註:捏造だったの意)ことを公式確認した.


にも拘らず,青瓦台は朴補佐官らについての責任論を先送りにした.
当時,青瓦台は「朴補佐官らの進退は ソウル大調査委員会の最終調査結果が発表されてから決定されるだろう」と表明した.


もちろん,記者はこれを「ソウル大調査委員会の最終調査結果を通じて 黄教授の幹細胞研究が操作されたものと判明すれば,本人が辞任するなり人事権者(訳註:この場合は大統領のこと)が更迭を行うなどの措置を取る」という意味に受け取っていた.


こうした中,さる1月10日,ソウル大調査委員会の最終調査結果が発表された.
一言で言えば,黄教授の主張して来た「合わせ型幹細胞」も「源泉技術」も存在しなかったというのが結論だ.
2005年論文に続いて,朴補佐官の名が共著者に挙がっている2004年「Science」論文も操作されたものであることが分かった.


朴補佐官自身の辞任で終結した「科学的責任論」


こうして黄教授の幹細胞研究が全て「操作」と判明すると,朴補佐官をはじめ汎政府レベルの大々的な支援政策を行って来た高位人士らに対する引責は不可避に見えた.
こうした状況を意識してか,朴補佐官は発表直後に李炳浣秘書室長を通じて口頭で辞意を表明した.


当時 金晩洙(きむ・まんす)スポークスマンは午後のブリーフィングで「朴補佐官が辞意を表明したが,正式に辞表は提出していない」として「辞表が提出されれば人事権者が検討する」と語った.


記者はこのようなブリーフィング内容を聞いて,盧大統領が「青瓦台責任論」を受け入れ,朴補佐官の辞意を受け入れるものと予想した.
だが,この予想は「科学的責任論」の前にものの見事に外れた.
何日経っても,朴補佐官が正式に辞表を提出したとか,人事権者である盧大統領が彼女を更迭したとかいった話は聞こえて来なかった.


こうした状況に至って,様々な解釈が飛び交った.
盧大統領が「科学的責任論」を根拠に朴補佐官を庇っているとか,盧大統領をはじめとする青瓦台が 幹細胞研究への未練を捨てられずにいるのだとか,挙句は朴補佐官は堪えているのだとか,等々….


さる16日,金晩洙スポークスマンは「朴補佐官の場合,盧大統領がたびたび明言なさった原則通り 行政的・法的責任についての根拠が整理されないと責任を問えない」として,「いま検察捜査と部署調査が進行中であるため(ママ),青瓦台の人事と朴補佐官の進退問題とは直接の連関性が無い」と語った.


検察捜査が終わった後にでも責任を問うこともあり得るが,今はその時ではないというわけだ.
「ソウル大調査委員会の最終調査結果が発表された後に朴補佐官の進退問題を決定したい」という昨年末の約束を自ら反古にしたことになる.


結局,朴補佐官はさる20日に正式に辞表を提出することで自ら「青瓦台の庇護」のカーテンから抜け出た.


興味深いのは,青瓦台が朴補佐官の辞表提出の背景に関連して「本人が業務を続け難く困ったと感じて辞表を提出した」と説明していることだ.
ならば彼女は辞表を提出するまでは業務遂行にこれといった支障を感じていなかったということだろうか.
何とも理解し難い「釈明」である.



上で謂う所の盧武鉉の「科学的責任論」なるもの,おそらく以前ご紹介した これのことを言っているのでしょう.
そろそろ韓国でもこうやって「青瓦台がぐずぐずしていること・身内を庇っていること」への輿論の風当たりが強くなり始めているようで結構なことです.
もっとも読者の中には「I Love 黄禹錫」の残党らのローソクデモのほうがネタ的に面白いという向きも少なくないでしょうが.


が,かの国の斜め上度を考えれば,朴が自ら官界を去ったことで青瓦台は今度は朴に対する責任追及を「もはや管轄外」とか何とか言い出しそう.
もし本当にそうなれば,朴についてはあとは──道義的責任の問題をひとまず除けば──黄への研究支援などに関する法的処分如何の問題が残るだけとなりますが,以前も触れたように肝心な検察・監査院などがどうも腰が引けているらしいのが気になります.


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by xrxkx | 2006-01-23 20:53 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買