【黄禹錫】ソウル大調査委 2005/01/10記者会見全文

取り敢えず韓国日報(ソウル経済新聞)の世界日報のとを読んでみています.
韓国日報のほうは聯合の配信なので すぐに日本語記事も出るかも知れませんが,もし必要なら後刻訳出します.



追記) 聯合のほう 一通り訳しておいたよ


「クローン犬は本物」とするくだり,説明がいやに簡単で,細かいデータを見てみたくなりますが,Natureのほうでやっているという検証の結果がどう出ますやら.


そこ以外は特に意外な点も無く,従って論評は特に必要ないでしょう.
最後の「踏み石」発言のくだりだけ笑ってやって下さい.
あと,出来れば「DC大学」の「若き科学者ら」を誉めてあげて下さい.
「2ch大学」はどうやら「国際的な競争力」を認められていないようで残念でした.



ソウル大調査委 記者会見文 全文 (ソウル経済新聞 01/10 11:08)

(ソウル=聯合ニュース) 黄禹錫教授チームのScience論文について提起された諸疑惑を調査する為構成されたソウル大学校調査委員会は,2005年Science論文のみならず2004年論文の真偽問題も調査することとなり,クローン犬・スナッピーの真偽,卵子受給,黄教授チーム研究室の技術現況などに関する分析と調査を遂行しました.


調査委員会が2005年12月15日から2006年1月9日まで明らかにした諸事実についての最終結果を御報告いたします.
膨大なデータと補充資料を除いた結果報告書は 別途公開いたします.
調査結果を要約して申し上げます.



1) 2005年Science論文

2005年論文は,患者合わせ型ヒト体細胞クローン幹細胞株11種を作ったと報告した.
しかし実際は2つの幹細胞から11個の幹細胞のデータを作り出しており,その2つの幹細胞も体細胞クローンではなく受精卵幹細胞であったことは,2度の中間発表を通じて報告した通りである.


黄教授チームが論文提出後に作ったと主張する幹細胞も,全て体細胞クローンではなく受精卵幹細胞である事が確認された.
2005年論文のデータは,DNA指紋分析,テラトーマ及び胚芽体の写真,組織適合性,核形分析などが全て操作されており,これらのデータが如何なる方式を通じて操作されたのかは報告書に摘示した.


結論としては,黄教授チームは患者合わせ型幹細胞株を持っておらず,それを作ったとする如何なる科学的根拠も持っていない.



2) 2004年Science論文

体細胞クローンを通じたヒトES細胞株の確立を報告した2004年Science論文中の細胞写真およびDNA指紋分析について疑惑が提起され,調査を開始した.


調査委は,確保された1番幹細胞(原文註:NT-1)とテラトーマ組織,卵子および体細胞供与者(原文註:同一人物)のDNA指紋を分析した.
1番幹細胞株は,黄教授チームが凍結または培養状態で保管中の細胞株20個,特許出願の為に韓国細胞株バンクに仮託されている1個,ソウル大学校 文信容(むん・しんよん)教授の研究室とミズメディ病院に保管中のもの各々1個など,計23個のサンプルを各々3つの研究機関に送り,分析を依頼した.


3つの研究機関は,全て等しい分析結果を送って来た.
分析の結果,テラトーマ組織と1番幹細胞中,細胞株バンクと文信容教授研究室,ミズメディ病院が保管中の1番細胞株は,全て同一の指紋を示した.
黄教授チームが保管中の20個の細胞株中,9個はこれらと同一の指紋だったが,11個はミズメディ病院の受精卵幹細胞5番と確認された.


1番幹細胞のDNA指紋は 論文に報告された指紋とは全く異なり,黄教授チームが供与者としたA氏の血液から得たDNAの指紋は 論文とは一致するが1番幹細胞とは異なった.
従って,1番幹細胞は 論文に提示された供与者の体細胞核置換により作られた幹細胞株ではなかった(ママ).


1番幹細胞が ミズメディ病院の持っている受精卵幹細胞とも異なったことから,その出所についての疑問を解明する為,調査委員会は 論文に提示された供与者と同時期に卵子を提供した2名の人物の血液を追加で確保し調査した.
そのうち1名(原文註:供与者B)が 1番幹細胞に関連することが確認された.
B氏のミトコンドリアと 1番幹細胞のミトコンドリアが 同一のDNA塩基配列を示すことから見て,B氏が卵子提供者であることは確実である.


しかし,B氏の体細胞核のDNA指紋は,使用した48種の表示子中 40個が幹細胞と一致し,残る8個は同一でなかった.
もしも1番細胞が体細胞クローンによる幹細胞であるなら,48個全てが正確に一致しなくてはならないが,8個が異なるという事実は 1番細胞が対細胞体細胞クローンによる幹細胞ではないことを意味する.
8個の表示子はともに,供与者Bの体細胞に於いては異なる対立因子だが,1番細胞株に於いては同じ対立因子である.


こうした事実を綜合すると,1番幹細胞は,供与者Bの卵子が脱核されない状態で周辺の細胞(原文註:極体)と融合し,処女生殖(原文註:単性生殖)して出来た幹細胞である可能性が高い.
にも拘らず,2004年論文には 1番幹細胞株のDNA指紋が供与者Aと一致すると報告されており,現在保管中の1番細胞株のいずれも 供与者Aと一致するものは見出せないことから,調査委は 2004年Scienceに報告され特許出願済みの1番細胞株は対細胞体細胞クローン幹細胞株ではないという結論を下した.


この外にも,2004年論文の細胞の写真がミズメディ病院の受精卵幹細胞の写真だとする指摘があったが,調査の結果 そうした指摘が事実であることを確認した.
従って,2004年Science論文も 幹細胞株のDNA指紋分析結果が操作されており 細胞の写真も操作されたものであるという結論に至った.



3) クローン犬・スナッピーの真偽

2005年Natureに発表したクローン犬・スナッピーについても,DNA指紋分析を遂行した.


スナッピーと,スナッピーの体細胞供与犬であるタイ,更に代理母犬から血液を採取し,卵子提供犬の体細胞組織を得て,各々3つの期間に分析を依頼した.
近親交配とクローン犬の違いを区分する27種の表示子についての分析と,ミトコンドリアの遺伝子分析の結果,スナッピーはタイの体細胞から複製されたものであることを確認した.
詳しい内容は報告書に摘示した.



4) 卵子使用に関する問題

黄教授チームのコンピュータファイルとノート,ミズメディ病院ほか3つの病院の卵子提供関連記録,関連者らの名簿などを通じて確認したところ,2002年11月から2005年11月までの3年間に 4つの病院に於いて129名から2061個の卵子が採取され,黄教授チームに提供された.
2005年と2004年の論文の為の研究の開始日が明確でなく,記録が不十分なため,各論文の為にそれぞれ何個の卵子が提供されたのかは正確に集計し難い.
しかし,2005年論文が185個の卵子を使用したと報告しているのに反し,実験ノートによれば少なくとも273個が使用された(原文註:2004年9月17日~2005年2月7日にわたり集計).


2004年論文に関連して,黄教授は 研究員の卵子提供事実を知らなかったとしているのに反し,卵子を供与した研究員の陳述によれば 卵子供与は本人が志願して黄教授がこれを承認しており,黄教授が同行した状態で 2003年3月10日ミズメディ病院に於いて盧聖一(の・そんいる)院長の施術で行われたとする陳述を聞いた(ママ).
2003年5月にも,黄教授チームは当時の女性研究員らに卵子寄贈の意向を問う書式を分け与え 署名を受け取った(訳註:同意書にサインさせた,の意らしい)という事実を,8名の前現職の研究員らの陳述を通じて確認した.



5) 黄教授チームの技術に対する評価

対細胞体細胞クローンES細胞は,大きく分けて 核移植,胚盤胞形成,幹細胞株確立の3段階を経て得られる.
幹細胞株を確立した後,患者の治療に利用するには,所望の組織細胞への分化と併せ 患者の体内に於ける機能発揮が成功的に為されねばならず,また癌発生などの副作用があってはならない.


5-1. 核移植: 豚や牛など動物の卵子を用いた核移植は,国内外的に黄教授チームが最も活発な実験を遂行しているものと判断され,黄教授チームをはじめとする国内畜産関連大学や研究所には 約100余名の熟達した核移植専門人力があるものと推算される.
核移植された卵子を用いて動物を複製する技術は,最近 犬の複製に成功したことなどを勘案すれば国際的な競争力を持っていると判断される.
ヒトの卵子に核移植を行う技術のうち,搾り出しによる脱核方法は 効率性が高いが,既に動物卵子には長年用いられて来た技術であり,独創的新規性(ママ)を認め難い.


5-2. 胚盤胞形成: 黄教授チームの記録によれば,核移植による胚盤胞形成の成功率を約10%と集計している.
しかし,実験ノートのデータを確認した結果,大部分は状態が良好でない胚盤胞だった.
記録中には比較的状態の良好な胚盤胞が作られた場合が一部確認されており,黄教授チームが核移植条件を改善しヒト卵子の胚盤胞形成に成功したという点は評価できる.
但し,現在この技術は既に保有している研究室があり,もはや独歩的との評価は下し難い.


5-3. 幹細胞株確立: 胚盤胞から幹細胞株を確立する段階についての黄教授チームの研究記録を見ると,幹細胞が確立されたと判定するに足る科学的根拠を全く見出せない.
幹細胞株が確立されたと判定するには,テラトーマ形成,胚芽体に於ける分化能力などが立証されなくてはならない.
しかし,黄教授チームに於いては 細胞のコロニーが初めて肉眼で観察された時点でこれを幹細胞株だとして記録しており,その後これを幹細胞だと立証する実験を遂行した記録は全く無い.



以上の結果を綜合すると,黄教授チームは2005年論文に於いて主張した患者合わせ型幹細胞のみならず,2005年論文の基盤となる2004年論文の体細胞クローン幹細胞株も持っていません.
また,体細胞クローン幹細胞株が作られたとする如何なる立証資料も持っていません.
DNA指紋分析の結果,供与者A氏の遺伝子と1番幹細胞が一致しないにも拘らず,一致するかのようにデータを操作して2004年論文を書いたものです.
こうした行為は,科学界や一般大衆皆を欺く行為と見做さざるを得ません.


如何にすり替えを主張するとしても,現在持っている処女生殖1番幹細胞株の存在を説明することは出来ず,その遺伝子分析結果を操作した事実を覆い隠すことは出来ません.


今回の論文操作やその隠蔽に関与した研究者らに対する学界の処分は,既に明らかにされた操作事実だけでも重からざるを得ません.
しかし,彼らならずとも我が国には既に優れた技術を持つ多くの研究者らがおり,彼らの幹細胞研究は既に世界的に認められています.
また,幹細胞研究の成功を担保すべき生命科学分野の研究力も,既に国際的水準に達しています.
こうした事実に鑑みれば,今回の不祥事は我が国の科学界には大きな影響を与えないだろうと判断しております.


寧ろ,今回の事が 過ちを正し より堅固な研究を行う為の踏み石となり,我が国の生命科学や科学技術の発展に大きな寄与をするであろうことを確信いたします.
誤りを指摘し 本調査を触発した 若き科学者らは,私たち皆の希望です.
これまで調査委員会の活動を激励し様々な手助けをして下さった全ての方々に感謝申し上げます.
ご清聴有難うございました.



(01/11 誤変換訂正)



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by xrxkx | 2006-01-10 11:28 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買