【黄禹錫】そういえばクローン牛の頃にも箸がどうのこうの言っていたっけ

「源泉技術」周辺の小ネタ.
たまたま日本絡みで面白そうなのがあったので.
下の記事に出て来る角田教授の91年論文のタイトルがお分かりの読者がいらしたら是非御一報を.

今ちょっとGoogleで探してみたところだと 科研の報告書らしいの(何年度のものだか不詳)が引っ掛かって来ており,その参考文献中に「或いはこれのことかな?」というのがあるにはあるのですが…



「黄教授『箸の技術』91年日本で既に発表」 (EBNニュースセンター 12/26 11:46)

黄禹錫(ほゎん・うそく)教授チームの源泉技術に挙げられる所謂「 箸の技術」(原文註:搾り出し技術,Squeezing Method)も,既に10年余り前に外国で発表された技術だという主張が提起された.


26日,DCインサイド・科学ギャラリーのユーザ「真実は辛いよ」によると,日本・近畿大学のツノダ・ユキオ(角田幸雄)教授が1991年に日本繁殖技術会報(ママ.たぶん「学界学会報」のこと(12/27追記:「学会」ではないようだった.後述))に出した論文で最初に発表された技術だというもの.


この論文によれば,「ガラス針で極体部位の透明帯の一部を切開し,卵子を固定用ピペットで固定したまま,ガラス針で卵子を圧縮し,極体周辺の細胞質を10~30%圧縮圧出した」となっており,これは黄教授チームの「搾り出し技術」と同じものだと このネティズンは明らかにした.


また,「角田教授は1992年に日本畜産会報に出した論文中でもこの技術を用いているし,韓国でも1990年代初期に高麗大でこの方法を活用して論文を出したことがあり,黄教授チームでも使い始めたものと思う」として「既に数年前に論文として発表された技術を自分の固有のものであるかのように云々するのは浅ましい」と主張した.


このネティズンは「搾り出し法はガラス針とピペットを2回ずつ持ち替えて挟む煩雑さがあり,既存の方法に熟練した人ならどの方法を使っても同様の結果が得られる(訳註:「あり,」の前後 文脈がやや不明瞭)」として「核を安全に除去するのは搾り出し法でなくても幾らでも可能であり,搾り出し法が別にクローンの革新技術だとは呼べない」と付け加えた.




12/27追記:昨夜「通行人」さんから戴いたコメントで,上の論文らしきものをお知らせ戴きました.多謝.


さっそく探してみましたところ,まず91年論文については


というのが確かにあります.
概要(abstract)だけなら上の頁で読めるのですが,

胎子期の生殖細胞と8~16細胞期胚との集合を行い、再構築胚のその後の発生能について検討した。集合は、2つの方法を用いた。
(1)妊娠12.5~16.5日齢のアルビノマウスの雌雄胎子より採取した生殖細胞を透明帯を除去した有色マウス由来8~16細胞期胚と集合させる方法,
(2)数個~10個の生殖細胞を透明帯の一部をカットした8~16細胞期胚の囲卵腔に注入する方法である。
その結果、
(1)集合させた311個の胚のうち95%が桑実胚~胚盤胞へ発生した。そのうち269個を32匹のレシェピエントに移植し、57匹の産子が得られたが、生殖細胞由来の遺伝形質を示す個体はみられなかった。
(2)も(1)と同様キメラ個体は得られなかった。

と,何やらそれらしい言い回しは出て来るのですが….
ただ これ,あくまで「キメラ胚」についてのもので,要は複数の受精卵由来の細胞を混ぜて1個の胚として育てる話の筈ですので,たぶん核移植とは関係ない.


で,核移植を扱っているらしい日本畜産学会報 第63巻の「ウシ胚の核移植」(92年)というのに当たってみたいのですが,こちらは概要が手に入りませんでした.残念.
ブツがどれだかはハッキリしましたので,あとで暇を見て農学部図書館にでも行って紙媒体で入手できるかどうか探してみようかと.


なお,細かい事ですが,91年論文の第一著者である加藤容子さんという方,2002年現在で近畿大の助教授をしておいでのようです
91年論文当時はまだ大学院生だったのかな?


細かい事ついでに,論文の結果も「キメラ胚は得られなかった」とちゃんと書いていてエライです.
というかコレが普通です.
「この方法では○○は出来ない」というのはサイエンスとして十分立派な知見になります.





12/27追記 もう1本:中央日報内で「黄禹錫 箸」でGoogleしてみた結果.あったなぁ,こんなの(笑).



もともと「箸の文化」だの「手先の器用さ」だのは遥か昔の高度経済成長期に日本の技術を見たフジヤマサムライスシゲイシャ系のガイジンがしょっちゅう言っていたことで,知らぬは韓国人ばかりなりというところですが,敢えて木製の箸と金属製のそれとを比較してみているところを見ると番組制作側も多分に日本を意識していた模様.
まぁ確かに次から次へと嘘を思いつく才能だけは金属の箸はしっかり培ってくれたのかも知れませんが.




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by xrxkx | 2005-12-26 15:53 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買