【黄禹錫】「幹細胞は無い」のを政府は百も承知だった?

昨日ご紹介した黄の記者会見中,


「最初に作った幹細胞が汚染された事実は1月初に政府に報告もしている」

という言及がありました.
それに対する政府側の見解が今日になって出ています.
PD手帳取材班の「脅迫取材」について盧武鉉に「誇張報告」を行ったことで知られる,例の科学技術補佐官・朴基栄が久々にメディアに登場しました.




青瓦台(訳註:ちょんわで.大統領官邸のこと)は,黄禹錫教授が16日に記者会見を通じて「さる1月,幹細胞毀損の事実を当局に報告した」と明らかにしたことに関連し,「当時 口頭で通報を受けていた」ことを明らかにした.


朴基栄(ぱく・きよん)情報科学技術補佐官は17日,「崔インホ・副スポークスマンを通じてこうした事実を確認し,細胞培養実験に於いて汚染はしばしば発生する事とはいえ,汚染された細胞が死んだことは極めて残念だと思った」と伝えた.


朴基栄補佐官は続けて「ソウル大の仮建物が汚染を徹底して防ぐことの出来ない施設である事を憂慮し,科技部の支援で生命工学研究堂の設立計画が既に立てられた状態だった」ことを明らかにした.


朴補佐官はまた「生命工学研究堂が完成するまでの間,使用可能な代替スペースを探すのに(訳註:青瓦台が,か?)協力しており,その後 汚染防止施設を点検の為 直接訪問した」ことを明らかにした.



「細胞が死んで残念に思った」とかいった 小学生でも言えそうな感想のことは さておき.


普通に考えて,誰もが真っ先に突っ込みたくなる所は,やはり


韓国の最高学府ともあろうものが「ノーベル賞級」の研究に無菌室ひとつ用意できないのか?

という点でしょう.
研究チームに政府要人並みの警護なんか付けている場合かと.
何しろ「犬の飼育場からカビが飛んで来て」ですから.
まさか黄やその部下が実験室で補身湯でも食ったわけではないでしょうが…ないわよね…どうかな(笑).


閑話休題.


そもそも一介の学者が自分の研究用サンプルが出来たのダメになったのという話をいちいち政府に報告するというのも気色悪い話
(むろん軍事利用可能な何かを扱っていたとか言うなら話は別ですよ)で,
こういうのを見るにつけ「韓国人に国益伸張や国威発揚は分かってもアカデミズムは分からない」と思ってしまうのですが,
これはまぁ所詮お国柄ですから日本人の知った事ではないかも知れない.
「韓国というのはそういう国なのだ」でオシマイかも知れない.


ただ,もしもこの朴の言う事が本当だとするなら,
今年1月の時点で 政府が「黄が幹細胞を持っていない状態である」ことを知りながら
今まで官民挙げての「黄禹錫神話作り」の音頭を取っていたことになるわけで,
こちらの方は看過できないでしょう.
国ぐるみの学問的詐欺ですから.



あともう一つ納得行かない点.
昨12/16の黄の記者会見では「ES細胞は冷凍保存したやつなら今もある」ということになっていました.
要はそれを1月の時点で直ちに解凍して培養し直していれば済んだ話ではないのか.


これも昨日触れた話ですが,
盧聖一の「証言」では黄が金ソンジョンに「12/27までに韓国に帰って来てES細胞の作り直しを手伝え」という脅迫まがいのお達しを出していたという.
この「作り直し」が既存のサンプルからの培養し直しなのか,或いは核移植の段階からのやり直しなのかは分かりませんが,
いずれにせよ最近になって慌てて「作り直す」というのがあまりに不自然であることに変わりはありません.


前回ご紹介した金ソンジョンの「証言」が本当だとするなら,
ES細胞の多くが「カビでダメになった」後に黄らはES細胞を作り直しており,最終的にはセルラインは「8個持っていた」のだという.
この「作り直し」がいつの事だか,またその「8個」が現存するのか,といったことが何一つ定かでないのですが.


また,PD手帳とのインタビュー中で金が語ったところによれば,
金が黄や姜成根(かん・そんぐん)から写真水増しの指示──2個のES細胞を11個に見せ掛けろ,という──を受けたのは
「ペーパーの準備をしている最中=4月頃」だったというのでした.
いま仮に黄禹錫と金ソンジョンの両者がともに本当の事を言っているとするならば,
セルライン2個を残して他が全部「カビでダメになった」のが1月,写真水増しをやったのが4月,セルライン6個を作り直して計8個になったのがその後.
で,件の論文は「本物のES細胞」が2個しかなかった時期に書かれたものだ,と.


上のように彼らの「証言」を信用するとして,彼らの立場をギリギリまで好意的に解釈したとしても,
手持ちのサンプルが最も少なかった時期に,データ捏造までしてフライングの挙に出たのは,
本当に「他の研究者らに先駆けて」という──研究者なら誰しも多かれ少なかれ持っている──功名心だけでやったことなのかどうか.


例えば,かの「重複写真」の件などは,Science側の説明によれば
「もともとの画像を(おそらくはweb版用に)より解像度の高い画像に差し替える過程で生じたミス」だということになっていました.
後から写真の差し替えが利くのだったら,それこそ冷凍保存中のサンプルを培養し直して撮影を一からやり直せばよい.
あまり感心できたやり方ではありませんが,水増しなどのでっち上げをやるよりはマシでしょう.


関連っぽいの



あとで上の金ソンジョンの件でもう1本上げます.今日中に書けるかしら.眠い.



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by xrxkx | 2005-12-18 00:08 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買