【黄禹錫】政界の反応.朝野を挙げて馬鹿ばかり.


昨12/13の動きでもう一つ目についたのは,野党党首の黄禹錫関連発言が目立ったこと.
韓国で輿野党間の政争の要点になっている所謂4大改革法案というのは


  • 日帝強占下 親日反民族行為 真相糾明に関する特別法

  • 新聞法改正

  • 国家保安法廃止

  • 私学法改正


の4件ですが,現在はちょうど最後の1つである私学法の件をめぐる攻防の真っ最中.
私学法については 当blogでは確かもう1年以上前に何度か触れたきりですが,今回ウリ党が通そうとしている改革案は一言で言うなら「私学の理事会運営に全教組ら現場のアカ教師を加わらせる」ことを骨子としたもので,当然ながら保守派のハンナラ党などはこれに反発しています.
この辺はおそらく今頃はたくさんの半島ヲチ系blogで扱っている筈ですのでバッサリ割愛するとして──.



まず民主党の声明というのが出ていました.
外信記者クラブでわざわざ記者会見を開き,韓和甲(はん・ほゎがぷ)代表名義で発表したもののようです.
黄禹錫関連部分だけ見ておきますと,



国民らは黄禹錫教授を声援しています.


いま,黄禹錫教授問題で国じゅうが騒がしい.
自らの卵子を提供した研究員らや,その事実を隠そうとした黄教授の行動は,全て善意によるものだったと私は信じています.


倫理論乱が燃え上がって以後,黄教授は自らの不察を正直に告白しました.
真実の前に自らを最大限透明にさらけ出した黄教授の驚くべき勇気と決断に敬意を表します.


私個人の見解としては,現在の倫理基準で黄教授の研究成果を裁くことはできないと思います.
現状況では,人類の必要に応じ新たな倫理基準が求められるという見方に立ちます.
言い換えれば,新たなグローバル・コンセンサスが必要な時代ではないかと考えます.


黄教授チームの倫理性や正直さの問題は,黄教授のお詫び会見で一件落着したものと考えます.
黄教授に対する熱い国民的声援がその証拠でしょう.
このことは,黄教授が試練を乗り越え,研究に復帰し,韓国が生命工学のメッカの座を不動のものとすることへの念願でしょう.


私は,黄教授が再び研究に邁進し 成果を出すことだけが これまで提起されて来た否定的な論乱を鎮める道だと信じます.
同時に,生命工学研究についての倫理的透明性を確保する為の国内の基準と,人類共通のコンセンサスが築かれなくてはなりません.
民主党は,こうした制度整備や支援,社会的合意づくりの為に最善を尽くすことをお約束し,黄禹錫教授の持続的な奮闘を期待します.




「黄教授が再び研究に邁進し 成果を出すことだけが これまで提起されて来た否定的な論乱を鎮める道だ」という趣旨は,12/05の黄自身の「再検証には応じない」旨の発言 およびその後の科技部長官 兼 副総理・呉明(お・みょん)の「アインシュタイン発言」の線をそのまま踏襲するもの.
例のピ大の金ソンジョンによる「写真を増やせと言われた」発言のリークを境に事態が一変し,今や朝鮮日報ですらこんな社説を載せざるを得ないところまで「再検証不要」論は追い詰められているというのに,まさにその時期にここまで空気の読めない声明をわざわざ出す党首というのは一種の珍獣だな.
「民主党」という名前がよくないのかしら(嗤).


  • 「国民らは黄教授を声援」←MBC支持派がそろそろ反撃に出ていますが? (後述)

  • 「卵子寄贈およびその隠蔽は善意によるもの」←もともと「善意」のテロリストを「義士」と呼ぶ国ですので御勝手に.

  • 「真実の前に自らを最大限透明に」←もともと自分が言い出して念書まで交わした2次検証を拒否し続けた結果が今日のこの事態なのですが,そのことは見えないフリ?

  • 「現在の倫理基準で黄教授の研究成果を裁くことはできない」←いま世界中から疑いの目を向けられているのは「卵子寄贈」よりは「インチキデータ」の件ですが?

  • 「黄教授チームの倫理性や正直さの問題はお詫び会見で一件落着した」←これも同様.11/24会見では「卵子寄贈」とその隠蔽について「お詫び」があっただけ.論文のインチキぶりが発覚したのはその後の話.


と,いちいちツッコミを入れているとキリがありませんが,念の為一言だけ補足しておきますと 民主党というのはウリ党が枝分かれする前の母胎の一つで決して「保守」と呼べる政党ではありません.
あの金大中がいたのがこの党で,もともとハンナラ党とは犬猿の仲の筈なのですが,黄疑惑に対する態度はハンナラ党と大差無いようで.



昨2004年春の総選挙以来 完全に「その他大勢」に転落した弱小野党のことはここまでにして,今度はその最大野党・ハンナラ党の朴槿惠による黄禹錫発言を探してみますが,
昨12/13に朴槿惠は東国大学で特別講演をやったらしく,講演の主旨をノーカットニュースがその日の夕方に報じていました.
以下,黄禹錫関連部分:



…歴史に対する被害意識が残っているなら,今や1段階ステップアップして,肯定的な良い方向へと昇華させなくてはならない.
父母を凶弾により失った私もまた被害者である.
産業化勢力と民主化勢力は,互いに方向や路線は異なったが,皆 国の為に力を尽くされた方々である.
過去は未来の為にあるのであり,その過去ゆえに未来を失ってはならない.
この政権(訳註:盧武鉉政権のこと)は,地域主義打破を強調しながら(訳註:実際には言葉とは裏腹に)一層地域主義を煽り立てる政権である.
黄禹錫教授の問題までも,この社会はイデオロギー的に解決しようとする.
保守・進歩に分かれてイデオロギー争いで裁断していたら,我々の未来はどうなるのか.
科学技術分野というものを理解できておらず残念だ.
科学技術分野がこうしたイデオロギー対決に向かってはならない.
わが党(訳註:ハンナラ党)は保守理念などを乗り越え,どうすればこの国を先進国にしていくべきか(訳註:「どうすれば~できるか」または「どうやって~すべきか」の言い違えもしくは誤記だろう)という実用主義でやって行く.



聯合の報道記事では以下のように簡単に触れているだけでしたが,おそらく同じ発言.



…特に朴代表は「最近の黄禹錫教授問題まで保守・進歩に分かれてイデオロギー論争で裁断しようとしたら我々の未来はどうなるのか」としつつ「我々にとって重要なのは分裂ではなく統合であり,イデオロギーではなく実用的マインドだ」と強調した.
聯合ニュース,12/13



上に引用した段落,前半は朴槿惠が朴正熙──所謂386世代などには評判の悪い──の娘であることを理由にしたウリ党側による誹謗中傷やレッテル貼りへの反論が主になっており,実際そうやって敵を作っては「軍事独裁」だ「親日派」だと断罪し続ける手口によりウリ党が昨年一躍多数輿党にのし上がった経緯があるのは言うまでもありません.


ただ,たかが学者の論文一本がインチキかどうかという騒ぎを政争のネタにするのも愚かなら,インチキ如何が決着もつかないうちに黄擁護で挙国一致せよ,などはそれに輪を掛けて愚かではないか,と私などには思えてならないのですが,韓国社会というのはそういう風には考えてみないものらしい.


ちなみにもう少し前のになりますと,


朴槿惠代表は さる11日,私立学校法問題で劣勢ながらも自らソウル大学病院を訪ねて黄教授を見舞い,「支持」の意を明確にした.
朴代表は「我が国の宝の中の宝なのだからお心安らかになさらなければ」とし,「難治病患者や国民らのことを考え 早く元気になられるよう」と述べた.
ハンギョレ 12/12



というのもあります.
ハンナラ党といえば
「ハンナラ党 ビッグ3,黄禹錫教授をリレー見舞い」(聯合ニュース,12/11)という記事もありましたので御参考まで.



[PR]
by xrxkx | 2005-12-14 15:09 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買