韓国紙もわざわざ「ファン・ウソック教授」なんてルビを振るものだから「嘘つく教授」に見えちゃうよ。

標題は某有名日記を意識してみました.
あ,あれは朝日に言わせれば「ブログ」なんだったっけ(笑).
そういえば「さるさる」の方はその後何とも言って来ないけれど,何処ぞのキムチ臭い佃煮さんたちはちゃんと仕事してるのかしら.


さて前回は,黄禹錫が自分の研究チームの女性研究者らの「申し出」により提供された卵子を実験に使っていた事実,それを黄が知っていながら隠蔽していた事実などについて,アカデミック・ハラスメントとしての側面に着目する限りこうした事案は日本にとっても他人事ではないという話を書いたのでした.


今回は週末でもありますし,読者サービスの意味も兼ねて(笑)ちょっと軽めの,日本にとっては完全に他人事の小ネタ的記事を何本か見てみます.



※ なお,以下の記事中「インターネットカフェ」なる語がしばしば登場しますが,これは韓国のポータルサイト「Daum」(他でもやっているかも)が提供するサービスの一環で,ユーザが自由に作成可能な一種のフォーラムのこと.日本でいうネットカフェのことではありませんので注意.




黄禹錫教授の研究チームの卵子売買疑惑を報道したMBC「PD手帳」(訳註:PDは番組ディレクタの意)に関連して,該当番組に広告されている12個中11個の広告が取り消された.


これは最近黄教授チームの「卵子疑惑」報道に対するネティズンらの抗議に伴うもので,こうした広告取り消し事態は12個全ての広告に拡大する見通しだ.


MBCの広告を担当するKOBACOは25日,「現在該当番組で放送されていた広告12個中11個がネティズンらの抗議で取り消された」として「残る1個も取り消される可能性が高い」ことを明らかにした.


KOBACO関係者は「ネティズンらの反発により,残る1個も解約される可能性が高い」として「これに伴い,来月からPD手帳は広告なしで行く可能性がある」と述べた.


こうした広告中断事態はネティズンらの放送抗議によるもので,実際一部ネティズンらはインターネット上で「PD手帳」スポンサー企業らの電話番号と併せて「広告解約を要求しよう」という文章が続いている(ママ).


一方,さる22日「PD手帳」が「黄禹錫神話の卵子疑惑」を放映して以後現在までに,これに反発するネティズンらの抗議も続いている.インターネット上では「アンチPD手帳」カフェが出来るかと思うと「I Love 黄禹錫」カフェ会員らは24日夜から25日午前までMBC前で1人ローソクデモを行った.この他,一部ネティズンらは26日午後6時にMBC本社前で大規模ローソクデモも合わせて行う予定だ.




これ,私がこういう文章を書いているのだと思わないでくださいね(苦笑).
一見してお判りだと思いますが論旨云々以前の問題として文体がひどく稚拙.
別に韓国語ネイティブでもなければ語学留学経験も無い私ですら「赤ペン先生ニム」発動してやりたくなって来るくらい,同語反復やら主語-述語の不整合やらが無闇やたらと多い.
もともと韓国人って結構なインテリでもそういう所に案外無頓着のようですが,今回のはそういうレベルではないなぁ.
まぁ,おソースがクッキーニュースなので,おそらく素人投稿なのだろうしな(同じ素人にしてもオーマイに比べると投稿の質が更に1ランク落ちる).


…とかいう話をしたかったわけではなくて,要するに 黄禹錫疑惑の一件を報じたMBCの番組から スポンサーの殆どが降りた.
残りの1社も時間の問題だ,と.
カフェの会員が「1人デモ」をやるというのがどういう意味なのかよく分かりませんが,
ともかくMBCの報道番組が黄禹錫バッシングでケシカランということらしい.


一方でこういうのもあります.こちらは三大紙の筆頭だけあって文章はかなりマトモ.




黄禹錫教授の記者会見以後,MBCの「PD手帳」に対するネティズンの非難がますます強まる中,インターネットメディア「オーマイニュース」がMBCを擁護するトーンの記事を相次いで掲載して注目を浴びている.


オーマイニュースは25日午後,「一部メディアの戦勝報式(訳註:?)報道がネティズンをけしかける」なる記事で「MBCの看板時事番組『PD手帳』が大きな試練に突き当たっている」として,司会者の崔スンホ・ディレクタのインタビューを詳しく紹介した.


オーマイニュースに拠れば,崔ディレクタは「メディアらが黄教授を偶像化し,ネティズンらの判断を非理性的にさせて行っては,沈黙しているネティズンらまでが我も我もと興奮しないか」として,一部メディアに対する不満を表明した. 崔ディレクタはまた「今はだいぶ慎重になったようだが,最近まで自分の研究成果を大々的に広報していた黄教授にも責任がある」と述べたとオーマイニュースは伝えている.


25日,聯合ニュースをはじめ大多数のメディアが「PD手帳」放送前後に広告を出している各企業が公告広告を打ち切ったと報じた.この日午前,8社が広告を打ち切るという記事が出,午後には広告を出している12社中11社の広告が打ち切られるという報道があった.


これに関連して,オーマイニュースは「ネティズンらの圧力により,これらのうち8つが離れていった(訳註:スポンサーをおりた企業のうち8社が「ネティズンらの圧力」を理由に挙げた,の意だろう)とする記事まで出たが,25日午前現在,広告を打ち切ったのは2社と確認されている.黄禹錫報道と広告打ち切りとの間にそうまで(訳註:上述のような報道が言うほどには,の意か)相関関係が形成されているわけではない」と報じた.


オーマイニュースはこの日午前には「PD手帳と黄禹錫,そしてベトナム戦争」なる標題の文章を掲載した.


「黄禹錫教授の倫理問題を大々的に報道したという理由でMBCは突如「国益と云う物を知らぬ『破廉恥な』メディア」の烙印を押された.報道後,MBCは愛国主義と民族主義で武装したネティズンらの袋叩きに遭い,一時はサーバがダウンする事態も生じた.MBCの主張する言論の真実は,彼らの狂気じみた暴力の前には小さな叫びに過ぎなかった」


この文章を書いた記者は,「MBC報道によって黄禹錫教授の研究は大蹉跌の憂き目を見ることとなり,
国外の視線も以前ほど清くはないだろうが(訳註:以前とは違い いかがわしげに見られるだろうが,くらいの意),
果たして何が国益の為であり生命分野の発展の為なのかはよくよく考えてみる必要がある」と記している.


オーマイニュースは卵子採取に関連した倫理問題が提起される以前から黄禹錫博士に対する批判的な見方に関心を持って来た(訳註:「批判的な見方によって関心を集めて来た」の誤記か)(11/27追記:いや寧ろ「批判的な角度から採り上げ続けて来た」か).


さる9月には「黄禹錫,彼は果たして神聖不可侵か」なる記事を掲載し「大統領をはじめ政府・メディアに続いて国民までも異口同音に「生命工学キング」黄禹錫を称える中,オーマイニュースは「黄禹錫シンドロームの実体を通じて,彼の成し遂げた業績や最近山場を迎えている批判的争点を検証する」と記している.



オーマイといえば当世の韓国の反米親北輿論の陰の立役者であり,かのノサモの温床になっていたりもするわけで,
普段は朝鮮日報とは犬猿の仲の筈なのですが,
その朝鮮日報が今回に限って暗にオーマイに肩入れした論調になっているのが面白い.
…というよりMBCの肩を持っているといったほうがよいのかな?


そうかと思うと,同じ朝鮮日報にこんなコラムもありました:




PD手帳 vs ネティズン (朝鮮日報 11/26)

その日の夜のMBC「PD手帳」はひどかった.放送後3日が過ぎてなお視聴者らの怒りが静まらないのを見ると,さる22日夜のPD手帳「黄禹錫神話の卵子疑惑」編は番組そのものに欠陥があった.


PD手帳の表現は,その意図を疑ってしまうほど度が過ぎていた.女性の卵子「採取」(原文註:血液など人体の成分のみを抜き出すこと)に対して「摘出」(原文註:臓器を取り出すこと)という表現を,また簡単な医療行為を指す「施術」という表現の代わりに「手術」という表現を用いた.卵子採取の副作用についても極端なケースばかりを「抜粋」して報じた.前日には報道資料をばら撒いて(訳註:何を指すのか不明)「輿論煽り」に出た.問題をありのままに示して視聴者らの判断を待つのではなく,「反・黄禹錫」輿論鼓吹をしようとするかのように見えた.


いま,怒れるネティズンらはPD手帳に殺到している.彼らはPD手帳のスポンサー企業のリストを作り,不特定多数に伝え,広告主らに広告打ち切り圧力を行使している.所詮は「口」の恐い(訳註:口コミの力には敵わないの意)広告主らは広告打ち切りを相次いで宣言している.


問題は,ネティズンが「PD手帳」を非難するやり方があまりに感情的かつ暴力的であることだ.「PD手帳」は「研究の倫理」問題を問うとしながら自らの煽情性の内に埋没する傾向を示した.「報道の倫理」を喪失したテーマが多い.しかし,ネティズンの「反駁の倫理」もまた正常の域を脱している.「自分と違う考えの者は敵」だとして絨毯暴力を加えるのは,広い意味では言論の自由に関する重大な圧迫である.


若いネティズンらの声は,彼らの世代が退けて来た筈の全体主義の声に似ているように見える.怪物と戦ううちに自ら怪物そっくりになってしまうのは悲しい事だ.



こちらでは件の「PD手帳」なる番組の内容についてはかなり否定的な書き方.
「『報道の倫理』を喪失したテーマが多い」というくだりなどは,どうやら今回の黄禹錫報道だけを指してそう言っているわけではなさそう.


私自身,もちろん件の番組を自分で見たわけではありませんので,番組内容そのものに関する論評のできる立場にはありません.
実際にゴシップ週刊誌などによくある覗き趣味もしくはセンセーショナリズム満点の報じ方だったのかも知れませんが,
極論すればそんな事はどうでもよい.


所詮報道などというものは見る側のレベルに合わせてやるものですし,
見る側が「PD手帳」なる番組を「報道の名に値しない低俗番組」だと判断したなら,
金輪際見るのをやめるなり然るべき場所で反論するなりすれば済む事.
まさにそういう時の為にクッキーニュースやらオーマイやらといったネットメディアがあるのであって,
自称IT強国の皆さんならそんな事は日本人に説教されるまでもなくお判りの筈なのですが,
その辺をすっ飛ばしていきなりスポンサーに圧力を掛けてマスコミを黙らせに掛かろうと考える辺りがウリナラクォリティの為せる業.
これが日本だったら,例えば今年1月の朝日の捏造報道の一件にしても論点は「本田テープを出せ」の一点に収斂して行くのが自然でしょうし,事実そうなりました.
上の韓国人のやり方というのは「朝日はケシカランから発禁処分にしる」と言っているのと大差ないわけです.


ウリナラクォリティといえばもう一つ,
今回の一件に於ける最重要論点である筈の《24日の記者会見での黄禹錫の発言の事実関係確認》がまるで何処かに忘れ去られている.
上の朝鮮日報の記事中に「国益」なる語が2度登場します──ひとつは「ネティズン」らによるMBCへのレッテル貼りとして,もう一つはその「ネティズン」らの行動に批判的な立場で書かれたオーマイの文章からの引用として.
が,今回の一件で問われているのはあくまで黄禹錫のこれまでの研究活動が倫理上──ライフサイエンスそのものに於ける生命の尊厳の問題であれ,前回書いたようなアカハラの問題であれ──許されるものだったかどうかという一点に尽きるのであって,そこに「国益」云々が介入する余地はあってはならない筈.


こういう所で唐突に「国益」などという言葉が飛び出す背景に,
韓国人らの自ら謂う所の「ノーベル賞コンプレックス」があるのは誰の目にも明らかでしょう.
今年5月には韓国では「いよいよウリナラにもノーベル医学生理学賞が」と国を挙げて有頂天になっていたのは記憶に新しいところですが,
今回の一件がもとでそれが糠喜びに終わろうとしている.
せっかくノーベル賞に手の届く所まで来た研究者を国内メディアがバッシングに掛かるなど言語道断ニダ,というわけ.


ついでに触れておきますと,かのES細胞製造の頃の黄禹錫の共同研究者だったピッツバーグ大のシャッテンが黄との共同研究をやめると宣言したことが報じられた際,
韓国人が報道記事に付けたコメント中 最も多かったのが「シャッテンは黄禹錫教授の秘法を盗んだ」という逆切れ系だったのは印象的.
そもそも「秘法」などという言葉が飛び出すあたり,どうも韓国人には自然科学と錬金術の区別がついていないのではないかと疑いたくなりますが,
それは措くとしても,今回黄の犯した倫理上の過ちの重大さをこうした韓国人らが何処まで認識しているのかという意味で,事は一層絶望的.



以上を踏まえた上で,最後に強烈なのを一つ:




黄禹錫・ソウル大教授が24日,研究員の卵子利用を知っていたと認め,世界幹細胞ハブの所長職をはじめ全ての兼職を退くと表明したことから,黄教授チームに卵子を提供する意思を表明する市民が却って増えるなど,黄教授応援の強力な波が起きている.しかし,黄教授チームの倫理疑惑を提起していたMBCのPD手帳に抗議してネティズンを中心にローソクデモやMBC不視聴運動が繰り広げられる傍ら,闇雲な感情的対応に対する憂慮も生じつつある.「研究・治療目的の為の卵子寄贈を支援する会」(原文註:卵子寄贈支援財団)と インターネットカフェ「I Love 黄禹錫」(cafe.daum.net/ilovehws)が25日明らかにしたところによれば,前日の黄教授の公式記者会見以後,市民らの卵子提供の申し込みは40%ほども急増し,500余名に達している.


卵子寄贈財団関係者は「創立総会以後,1日に数十余名ほどの卵子提供申請を受けて来たが,黄教授の記者会見以後,問い合わせが殺到している」として「激励や一般の問い合わせの電話もしばしばあるが,寄贈申請をした500名の大部分はいつでも卵子を提供する用意のある実寄贈者」だと述べた.


黄教授チームの実験過程に於ける倫理問題疑惑を提起していたMBC「PD手帳」放送について,ネティズンを中心にローソクデモやMBC不視聴運動などの反発も拡がっている.「I Love 黄禹錫」カフェは「MBCが国益に反する報道によって黄教授の名誉を失墜させた」として,24日夜から25日未明までMBC前で1人ローソクデモを行った.続いて26日以後もMBC前でリレー1人ローソクデモを行おうと呼び掛ける文章には参加申し込みが相次いだ.


また「MBC PD手帳反対署名カフェ」などといった,PD手帳に抗議するカフェが出来る一方で,ネティズンらはPD手帳の放送時間帯に広告を行っている12の企業のリストを掲示し,不買運動までも行っている.


さる24日に放映されたMBC 100分討論で,黄教授を批判したパネラーのホームページを掲示して攻撃を呼び掛ける文章も,インターネット上に出回っている.


これに対し,ローソクデモをはじめ「反MBC運動」拡散など行き過ぎた感情的対応を自制しようという声も出て来ている.「赤い帽子」なるIDを用いる或るネティズンは「後でもっと大きな問題にならないうちに,誤った部分があれば指摘するのが当然」だとして「黄教授も今回問題になった部分をバネに世界的水準の研究を成し遂げて欲しい」と述べた.


卵子寄贈支援財団の李スヨン理事長は,「私も障害家族を持っているだけに,ネティズンらの心情は理解するが,感情的な対応ばかりしていてはいけない」として「今回の件を自発的な卵子寄贈システム作るきっかけと考えて,建設的に問題を解決して行くべきだろう」と注文を付けた.



元来が生命の尊厳だのアカデミズムの現場の腐敗だのといった重たいテーマから逃れがたい案件だっただけに,
こういうニュースに接すると「これでこそ韓国」と逆に心和んでしまう私は末期的でしょうか(笑).
ここでも「国益」が出て来ましたが,
運命が一歩違っていれば自分の赤ちゃんになっていたかも知れない卵子を
「国益」の為に嬉々として実験に供するという女性の心理というのが
果たしてどういうものなのか,どれだけ想像力を膨らませてみても私の理解の及ぶ範疇を超えています.
…って これ,笑い事でないなぁ.


それにつけても気の毒なのは,黄に卵子提供を「申し出た」という女性研究員の今後のこと.
後日記者会見か何かをするとのことでしたが,こういう雰囲気の世の中に向けて彼女が何を訴えてみても結果は見えています.
彼女がこの先研究者としてやって行くなら,一刻も早く韓国を捨てて移民でもしたほうがよい.
それ以前に,
「国益」やら「名誉」やら欲しさに人倫を捨て去った群衆によって自己の女性としての或いは人間としての尊厳を踏みにじられるというのは,
保健福祉部やら科学技術部やらの差し金で闇から闇に葬られるよりも一層病的だと言ってよいでしょう.



(11/27 誤字訂正)
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by xrxkx | 2005-11-26 23:57 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買