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【韓国核開発疑惑】 核管理・監視機構改編
 今日(2004/09/16)のお昼頃に上がって来ていたニュース.

● 原子力統制センター,独立機構に改編 ──ヘラルド経済 2004/09/16 12:20 (原文)
査察保安 IAEA基準遵守の為
 国際原子力機構(IAEA)と同様の韓国の核査察機関である原子力統制技術センター(TCNC)が,年内に韓国原子力研究所から完全分離して独立機構に転換され,規模も大幅拡大される.
 科学技術部は最近,原子力研究所がこれまでウラン・プルトニウムなどの実験を行ないながら IAEAに対する申告事項をきちんと遵守していなかったなどの問題点を改善する為,研究所の内部組織であるTCNCを独立機構に改編することにしたと 16日明らかにした.
 TCNCは「韓国のIAEA」として 国内の原子力発電所など原子力関連施設や研究施設,核物質の統制および監視などの役割を担っていたが,原子力研究所の所属組織だという限界のため 査察昨日に問題点を露呈したという指摘を受けている.
 科技部はまた,現在原子力研究所の部長級であるセンター長1名と 20余名の職員からなるTCNCの規模を50~60名に拡大,名実ともに備わった査察機関に刷新する計画だ.
 科技部関係者は「長期的には IAEAの査察を減らし TCNCがIAEAの役割を担い得るよう,専門性と透明性を高めて行く計画」と述べている.
 同関係者は「(訳註:疑惑の持たれている実験が行なわれていた当時から,の意か)TCNCが査察機関として独立していたら,国内の研究施設や核物質などに関する資料・記録を保管することにより IAEAに対する未申告,申告漏れやミスなどは無かったはず」だと付け加えた.
 このような監視機構があったのですね,韓国にも.
 それが 研究現場である研究所の所属機関だったというのも 考えてみればマヌケな話ですが.

 無論,こうしたチェック機構の拡充そのものは悪いことではないでしょうが,ただ
長期的には IAEAの査察を減らし TCNCがIAEAの役割を担い得るよう,…
のくだりは「調子に乗りすぎです」と言いたくなる.それができる国民なら 未申告を20年も隠しておいたりしないだろう,と 誰もが思うでしょう.
 現にプルトニウム抽出実験の場合だと,97年にIAEAの査察があり,その結果(要するにプルトニウム抽出の痕跡の有無についてのグレー判定)について 翌年に韓国政府はIAEAから事実確認の要請を受けているにも係わらず,2003年のIAEAによる再度の査察の結果が出るまで シラを切り続けていた前歴が明らかにされているわけです.
 そんな国の「自主的な監視」を信用して 外部点検の比重を下げて行こうなどという言い草を,IAEAも安保理も認めるとは思えないのですが.

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 同日19:14 追記.

 この改編について 唯一評価できる点は,こうしたチェック機構が研究現場から独立することにより,現在韓国政府が行なっているような,「あれは現場の研究者らの一存でやったことで,政府は把握していなかった」といった言い訳が,今後一切通用しなくなるという点でしょう.
 逆に,今後この疑惑が国連安保理の俎上に乗り,例えば天然ウランの韓国への輸出制限措置などが検討された場合,韓国側が今回の改編を口実に
「ウリは昔のウリとは違うニダ」
とか何とか駄々をこねる可能性も 無いとは言えませんが.

その他のキーワード: 国際原子力機関
by xrxkx | 2004-09-16 18:33 | ◆ 韓国核開発疑惑