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サイパンの慰霊碑のこと
 中10日も空けてしまいました.今月は何とまだ本稿で6本目です.それほど多忙というわけでもなく,ただ私事であれやこれやゴタゴタが重なって すっかり長文を書くのが億劫になり《現実逃避モード》に入ってしまっていただけなのですが.
 どうも調子が戻りませんので,暫くはリハビリがてら単発の話題でお茶を濁しておくことに.

慰霊碑に供花、犠牲者追悼 韓国人の碑も (共同 06/28)
 【サイパン28日共同】天皇、皇后両陛下は28日午前、太平洋戦争の犠牲者を追悼するため、米自治領サイパン島北部の中部太平洋戦没者の碑に供花、スーサイドクリフ、バンザイクリフを訪れて黙とうをささげられた。61年前の6月から7月にかけての激戦で亡くなった日米両軍の兵士や多数の民間人に思いを寄せた。
 両陛下は韓国人を慰霊する韓国平和記念塔と、沖縄出身者を慰霊するおきなわの塔にも立ち寄り拝礼した。この2カ所は当初、予定を公表していなかった
 中部太平洋戦没者の碑は日本政府と現地政府が合同で1974年に建立した。スーサイドクリフのがけ下、戦後の遺骨収集で多くの骨が見つかった場所にある。両陛下は碑の前で一礼し白菊の花束を供えた。
(共同通信) - 6月28日11時11分更新
 このニュース,何時間か前にも流れていた(削除済)のですが,そちらには「韓国平和記念塔」の「か」の字も出て来ません.上の記事中にも「当初予定を公表していなかった」とありますので,そのせいでしょう.
 予定を公表しなかったいきさつについてですが,韓国のほうは おそらく 日本──ましてや天皇ともなれば なおさら──のやる事為す事にケチを付けなくては気の済まない韓国人が またぞろ詰まらぬいざこざを起こすのを嫌っての事とは容易に察しが付くものの,それだと沖縄のほうが何故なのかよく分かりません.
余談.共同も,何も先発のほうの記事が誤報だったわけでもないのに 何故一々消すのでしょう.マスコミがこうやって一度流した記事を安易に消したり差し替えたりするの,やめて戴きたいものです.こういうことがあるから,一部から「著作権侵害」だの何だのと言われようが何だろうが 記事の全文転載をやめるわけに行かなくなるのです.

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 さて,韓国云々は放っておくとして.私が気になったのはこれ自体ではありません.次の記事,つい先日 yahooで「最も読まれた記事」1位に上がっていたニュースですので,御記憶の方もたくさんおいででしょう:

「好意ばかりではない」 壊される日本人の慰霊碑 (共同 06/25)
【サイパン25日共同】割れた石碑、土台だけの墓―。太平洋戦争の激戦地だった米自治領サイパン島には、家族や戦友のために日本人が建てた慰霊碑や墓が数多いが、壊されているものが少なくない。「観光客や住人のすべてが日本に好意的なわけではない」。自治政府の人の説明は、日本にとって忘れがたい戦闘に、別の思いを持つ人の存在を思い起こさせる。
 27日からのサイパン訪問で天皇、皇后両陛下は中部太平洋戦没者の碑に献花する。多くの遺骨が見つかった場所。周囲の岩や草むらに、高さ数10センチの石碑や墓石が隠れるように立っている。磨かれ、手向けた花の残る石碑の横に、刻んだ名前の途中で折れたままのもの、墓石の跡だけが残るものが並ぶ。
(共同通信) - 6月25日6時16分更新
 言わずもがなの事かも知れませんが,この記事がそれほど注目されたのは,おそらく読者たちが「かつて戦地となった地域の住民に今も残る侵略者への心のしこり」云々に感じるものがあったが故ではないでしょう.ここで見過ごせないのは,特に速報すべき内容を含んでもいない こういう記事を,天皇訪問を目前に控えた この時期に持って来ることによる,共同通信お得意の印象操作の悪質さです.
 あれは一昨年でしたか,広島で千羽鶴が某大学生によって焼かれる騒ぎがあったのを 皆様もおそらく御記憶のことと思いますが,上のような記事を平気で書ける記者氏は あのときも「ヒロシマの思い」なるものに寄せられているのは「好意ばかりではない」と言ってのけるべきでした.そういう記事が載っていたという話を 私などはついぞ聞いたことがありませんが.

 無論,自分の住む島を戦場にされれば誰だって良い気分はしないでしょう──ここで「サイパンを戦場にしたのは日本だけでなくアメリカも同様ではないか」などと野暮なことはあえて言わずにおきますが,それを差し引いても,「日本に言いたい事があるなら生きている日本人に言え」とだけは言っておきたいところです.慰霊碑や墓に八つ当たりするなどは,理性ある人間のすることとも思えません.

 さて,上の段落は「慰霊碑や墓を壊したのがサイパンの現地住民である」としての話です.
 よくよく見ると この記事,「観光客や住人の全てが日本に好意的なわけではない」とあるものの,「家族や戦友のために日本人が建てた慰霊碑や墓」を実際に壊したのが誰なのかについては ただの一言も触れられていません.
 それもその筈,別のところに ちゃんと種明かしがありました.

バンザイクリフ慰霊碑にガム サイパン島 (産経 06/22)
≪清掃…また被害/「日本鬼子」の字も≫

 先の大戦の激戦地、サイパン島にある戦没者の慰霊碑にチューインガムが付けられる被害が相次いでいる。3月に慰霊事業で現地を訪れた日本人がガムを取り除き、その後現地当局も清掃を行ったが、同様の被害がおさまらない。戦没者の霊を冒涜(ぼうとく)する心ない行為に関係者は心を痛めている。(森本昌彦)
 ガムによる被害を受けているのは日本軍の将兵、民間人らが「万歳」と叫んでがけ下に身を投げた島北部の断崖(だんがい)、バンザイクリフにある慰霊碑。三月一日から五日間、慰霊のためサイパン島を訪れた長野市の若麻績(わかおみ)敬史さん(45)らが見つけた。
 「最初は『何だろうこれ』と思った。初めからこういうふうになっているのかなと思って近づいたらガムだった」
 「忠魂碑」という文字が刻まれた慰霊碑の表側だけでなく、その裏側までびっしりとガムがくっついていた。表側のガムは素手で何とか取り除くことができたが、裏面に付けられたガムは乾ききっており、手ではがすことはできなかった。
 ガムだけでなく、碑の表側には、きりのようなもので彫った「日本鬼子」という漢字が記されていたという。
 在サイパン出張駐在官事務所によると、現地のマリアナ政府観光局がガムが付けられているのを見つけるたびに清掃を行っているが、その後も被害は続き、慰霊碑が完全にきれいになるまでには至っていない。バンザイクリフには約二十の慰霊碑が存在するが、同様の被害を受けているのはこの慰霊碑だけ。
 若麻績さんは「誰がやったかは分からないが、死者を弔う人類の普遍的な感情に相反する行為で、やった人の気持ちは理解できない」と話している。

【2005/06/22 東京朝刊から】
 「日本鬼子」.
 そんなことだろうと思った.何しろ既に死んだ仇敵の体を八つ裂きにしてその肉を喰らったり,墓を荒らしたり,といった所業を 謂わばお家芸にしている国民ですから,「慰霊碑にガム」くらいは朝飯前でしょう.
 惜しむらくは この記事中に「慰霊碑にハングルでも同様に何か刻まれていなかったか」が書かれていないことでしょうか.
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by xrxkx | 2005-06-28 12:36 | 時事ネタ一般
いっそ内閣に助っ人ガイジンでも入れたほうが良くないか
 標題は半ばヤケクソです.マジレスされても困りますので悪しからず.それから鄭香均みたいなのはそもそも助っ人になりませんので論外.
 昨日はサーバのメンテナンスがあり(←当日になるまで知らなかったよ:D),それが予想外に長引いたようで ほぼ丸一日潰れたままでしたが,更新をサボっていた2日間をも含め どうしても書いておかないといけない話題は次々に湧いて出ます.「こういう時はとにかく走り書き程度にでもよいから書き散らして行かないと追いつかなくなる」と先日来感じているのですが,目を通すべき記事やら資料やらがまだ大量に残っている状態で書きに入るというのは存外難しいもの.どうしたものやら.
ともあれ,中山文科相の慰安婦発言のこと.経緯をおさらいすると (註:more欄に記事全文の控えをとってあります),
◇ 11日 ◇

中山文科相: 静岡市のタウンミーティングの席上 質問に答え
「従軍慰安婦という言葉はそもそもなかった。これまでなかったことがあるということが問題」
「教科書は正しいことを述べるものだ。間違った記述がなかったから、よかったなということ」
(昨年11月に同様の発言を行い 後に「個人的な発言」と修正した件について問われ)「その問題はその後発言しない(ことにしている)が、質問されたから答えた」
(以上毎日


◇ 13日 ◇

細田官房長官: 閣僚懇談会の前に中山文科相に対し "個別に注意を促"す
(以上読売

細田官房長官: 閣僚懇談会の席で全閣僚に
「閣僚は外交関係についてよく配慮して発言するように」
(細田氏によれば同懇談会の席で中山文科相は「発言でご迷惑をおかけしたことをおわびします」と謝罪)
(以上読売

細田官房長官: 午前 記者会見
「実質的に従軍慰安婦の存在はあった。おわびと反省の気持ちを表明している政府の立場は変わらない」
「従軍慰安婦問題が多数の女性の名誉と尊厳を傷つけた問題であると認識している」
(以上日経

問題は言葉ではなく実質だ。実質的に従軍慰安婦の存在があった以上、政府の今までの考え方は変わらない」
「従軍慰安婦問題が多数の女性の名誉と尊厳を傷つけた問題であると認識しており、これまで官房長官談話でおわびと反省の気持ちを表明している。この立場は変わらない
(以上朝日

「問題は言葉ではなく実質だ。実質的に従軍慰安婦の存在があった以上、政府の考え方は変わらない。これまで官房長官談話などでおわびと反省の気持ちを表明しているところだ」
(中山発言について)「発言の趣旨はよく確認する必要がある。ちょっと関係者とよく話をしてみたい」
(以上時事

「問題は言葉ではなく実質だ。多数の女性の名誉と尊厳を傷付けたと認識し、これまでおわびと反省の気持ちを表明している。従軍慰安婦の存在があった以上、政府の今までの考え方は変わらない」
(中山発言について)「どのような発言の趣旨かよく確認する必要があるが、全体的な経緯は知っていると思う。関係者とよく話をしてみたい」
(以上四国新聞,おそらく共同電)

中山文科相
「朝鮮半島出身の方もいっぱいいた。それこそ筆舌に尽くし難い苦労をされたことも良く知っている」
「用語と実態の問題で、そういう実態があったことは知っている。ただ(その当時)そういう用語はなかった」
(以上産経,但し共同電)

中山文科相: 閣議後の記者会見
「言葉を選んでしゃべっていますと言った。それだけだ」
(以上読売


◇ 14日 ◇

細田官房長官: 午前 記者会見
「閣僚懇談会で中山氏から『わたしの発言でご迷惑をおかけしたことにおわびを申し上げます』との話があった」
(以上河北新報,おそらく共同電)
 細田氏は、閣議に続く閣僚懇談会で、文科相が「私の発言でご迷惑をおかけしたことをおわび申し上げる」と述べたと発表した。これを受け、細田氏が「各閣僚は外交関係によく配慮して発言してほしい」と注意したという。
 一方、文科相は「『言葉を選んでしゃべっている』と言った」と強調。「ご迷惑をかけた」と述べたかどうか聞かれると「言っていない」と否定した。
(以上日経
 細田官房長官は14日午前の閣議後の記者会見で、中山文部科学相が自らの従軍慰安婦問題を巡る発言について閣僚懇談会で陳謝したことを明らかにした。細田長官は閣議前に中山文科相と会い、発言に注意するよう求め、閣僚懇談会では全閣僚に対して「外交関係によく配慮して発言するように」と呼びかけた。
(以上朝日

中山文科相: 記者会見
(河野談話と認識が同じかとの質問に対し)「その通りだ」
(慰安婦問題について教科書に記述すべきかどうかについて)「(教科書)執筆者、出版社のお考えだ」
(慰安婦について)「日本の女性がほとんどだった。そういうことも含め、そういう時代が日本にもあったことを教えることが、歴史を学ぶということだ」
(以上朝日

細田官房長官: 午後の記者会見
「閣僚懇談会に出ていた人にも聞いたが、『ご迷惑をかけたと謝るような言葉があった』と言う人が多く、その趣旨の話はあったと思う」
(以上河北新報,但し共同電)
 いま改めて記事を探してみたところでは,中山・細田両氏とも12日には特にこれといった発言をしていないようです.12日というのは 日本国内での報道を受けて支那の外交部やら韓国の与野党やらが相次いで中山氏を非難する声明を出し,両国のメディアがそれを盛んに煽っていた時期.要するに細田官房長官は支那・韓国が騒ぎ出してから慌ててお得意の「火消し」に乗り出した格好です.
 しかも,日本政府内がごたごたし始めたのは,13日の閣僚懇談会の席で中山文科相が「ご迷惑をおかけしたことをおわび」したかしなかったかをめぐっての 中山・細田両氏の主張の食い違いという,あまりに低レベルなもの.15日の産経の記事がいみじくも指摘しているように
政府内では「従軍慰安婦」という用語の信憑(しんぴょう)性は検証されず、「陳謝」問題だけがクローズアップされている
のであって,これは如何にも情けない.「言葉ではなく実質」が問題なのだと思うなら なおのこと,「従軍慰安婦」なる語がいつから使われ始めたのかについて きちんとした調査──既に幾らでもある──に基づいて,これまでの政府見解に問題があるなら正して行くのが政治家たるものの務めでしょう.
 なのに,13日午前の記者会見の段階で細田長官がわざわざ言及しているように,要するに 細田長官が金科玉条としているのは かの悪名高い河野談話であって,あのラインから政府見解を一歩たりとも踏み出させたくないということです.官邸の大番頭たる者が こういう事なかれ主義に退嬰していては….
 当blogでも昨年12/07に少しだけ触れたインチキ売春婦への謝罪という大失策なども,そうした彼の態度に端を発するものです.
補遺.河野談話の問題点については 今回改めてあちこちで語られたでしょうから くどくどとは書きませんが,要点としては
  1. 慰安所の設営そのものについては,「軍当局の要請」で行なうのは当たり前.
  2. 日本の「官憲」が「慰安婦の募集に直接加担したこともあった」などという証拠,即ち日本による慰安婦の「強制連行」の証拠は 現在に至るまで何一つ示されていない.
の2点について日本側として当然主張すべきところを主張しないまま,河野洋平が日本政府の「過ち」を認めてしまった点にあるのでした.
 私は12/07にも書いた通り,細田氏の政治家としての資質──実務能力云々以前に 国家の名誉と利益を預けるに足るだけのフィロソフィを備えているかどうかという点──について 甚だ否定的であらざるを得ないのですが,13日付の「酔夢ing Voice」も 同氏を激しく糾弾していました.一介のすいか泥棒が言うのとは迫力も影響力も2桁3桁違うでしょう.
懲りないのはNHKだけでなく、「亡国の官房長官」細田氏も同様だ。今日の午前中の記者会見であの裏声で犯罪的な発言を行った。細田さんは君が代を歌うときも、きっと丸谷才一氏のように裏声で歌うのだろう。細田さん、あなたは即刻、辞任すべきだ。
(中略)
この分かりやすい「反日の構造」に輪を掛けて、まるでターボチャージャーのように反日の馬力を増強したのが今朝の官房長官談話なのだ。細田さん、即刻辞任してください。なぜ、あなたは歴代の官房長談話の愚を繰り返すのか? あなたはこう言うべきだった。「文科大臣の言うように、従軍慰安婦という言葉は無かった。歴史は事実が大切であって、従軍慰安婦という言葉は極めてイデオロギッシュな造語であり、歴史認識を危うくするものです。正確に言えば、追軍売春婦なのです。」
 おまけ.
民主代表、文科相の慰安婦発言「首相は責任全うせず」 ─日経 06/14
 民主党の岡田克也代表は14日の記者会見で、中山成彬文部科学相が「従軍慰安婦という言葉は当時なかった」と発言した問題について「小泉純一郎首相は場合によっては首を飛ばすべきだ。首相としての責任を全うしていない」と批判した。国家公務員の定数削減に関しては「減らすが増やすというごまかしの計画ではなく、トータルで人件費を減らしていく明確な方針を出すべきだ」と語った。(19:59)
 もしもジャスコ政権が成立したら,支那・朝鮮に平身低頭しない閣僚は首を飛ばされるらしいです.おぉコワイ.

◇ 記事控え ◇
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by xrxkx | 2005-06-17 12:53 | 時事ネタ一般
加藤紘一北京詣でのこと
 何だかんだでまた2日も空けてしまいました.ニュース読みが追いついていませんので先週のネタですが──
加藤紘一氏が20日から訪中 「親中派」アピール ─朝日 06/09
 自民党の加藤紘一元幹事長が20日から21日にかけて中国を訪問する。曽慶紅(ツォン・チンホン)国家副主席ら要人との会談を調整中で、小泉首相の靖国神社参拝などをきっかけに冷え込んだ日中関係打開の糸口を探る。加藤氏は胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席とも交流がある「親中派」。8日から訪中している橋本元首相とあわせ、ベテラン議員による日中関係修復の動きが強まっている。
 加藤氏には、加藤氏が属する小里派の園田博之衆院議員のほか、無派閥の野田聖子、堀内派の望月義夫の各衆院議員、旧橋本派の山崎力、北岡秀二の両参院議員が同行する。加藤氏は、こうした同行議員の人選を、やはり「親中派」の古賀誠元幹事長と青木幹雄参院議員会長に依頼していた。小泉首相や、首相の靖国参拝を支持する安倍晋三幹事長代理らとは一線を画する姿勢をアピールする狙いがありそうだ。意見交換したい、としている。
 よりによってこんな時期にいそいそと北京詣でに出掛け「親中派」なんぞをアピールしたがる人物が 何を頼みとし 何を当て込んでいるかなど,わざわざ説明するまでもないでしょう.もともと加藤氏は靖國参拝そのものに否定的な立場で,昨年10月にもこんなことを言っていたのでした(記事が既にリンク切れしていますので 個人的にスクラップしておいたのを貼ります):
靖国参拝「外交上正しくない」 中国で加藤紘一氏 ─朝日 2004/10/22
 自民党の加藤紘一元幹事長は21日、北京で開かれた中国国際戦略学会で講演した。小泉首相の靖国参拝について「サンフランシスコ平和条約で明らかなように、14人のA級戦犯がすべての戦争責任を負う。78年に靖国神社が14人を合祀(ごうし)して以降は、首相が正式に参拝することは外交上正しくない」と述べ、自重すべきだとの考えを示した。
 加藤氏は「首相自身は日本人の民族感情の問題だと考えているが、中国人から見ると、歴史認識と戦争責任の問題だ」と指摘。参拝は「条約を尊重するかどうかの観点から考えるべきものだ」と語った。
 「サンフランシスコ平和条約」「靖國参拝」「戦争責任」などに関する加藤氏の認識は 現在も当時と全く変わっていないようで,同氏のwebサイトに「緊張状態の続く日中関係」なる文章があります(今年05/30収録されたビデオメッセージをテキストに起こしたもの).敢えて全文を引用しますと──
 前回、4月25日、ゴールデンウィーク前ですけれども、このビデオメッセージで日中間の問題について触れました。その後、中国の方のデモも小康を得て、まあこれで少し大丈夫かなあというふうに思えた局面もありましたけれども、呉儀副首相の突然の帰国などを巡って、またあまり油断してはいけない緊張のある状態が続いていると思います。
 
 私は、呉儀副首相が突然帰国したというのは、やはり外交儀礼上、問題だと思います。しかし、同時にそれを知りつつ日本に強いメッセージを更に中国が送り続けてきているほど、中国内部では最近の日中関係にかなりの神経を尖らせているのではないかと思います。
 
 我が方からは、中国には経済援助をしたじゃないかということを言います。3兆円の援助をしたじゃないか、それを中国は表立って感謝しないという論調もいろんなところに見えます。そうしたら、今度は中国外務省の報道官が、この間の戦争で被害を受けたのは1000億ドル(10兆円の金額ですが)、そして、間接も入れると50、60兆円になるとか、それから戦争で傷ついた中国人は合計3500万人になるとか、お互いにあまり口にしてはいけない、したくないようなことばを言い交わすようになってしまいました。

 私は、日中間はこの関係が良くならないと、アジアの発展とか世界の政治の安定とかにいろいろな問題が起きるというような、先々に向かっての大きなビジョンを語り合うのならいいのですけれども、昔のことをお互いに言い出しながら数字を並べ合う、今不幸な事態になってきたと思います。

 このためには、やはり日本国内で戦争の総括というのが十分にできない状況の中で、極東裁判の結果をサンフランシスコ条約11条で日本が受け入れたという歴史的な事実をしっかり踏まえて、また日中間の過去の問題はサンフランシスコ平和条約ですべて言い尽くし、主張し、そして受け入れたんだという事実をしっかり踏まえてわが国は対応すべきだと思います。

 靖国神社というのは、そのサンフランシスコ条約において、日本が認めた戦争責任というものを日本が今後ともしっかり守っていくか、そういう国際的な信用の問題だと、私は思います。改めて申しますが、靖国神社に総理大臣が今後参拝されることは、あくまでも慎重であって欲しいし、この問題の解決はA級戦犯の分祀か慰霊のための別の追悼施設をつくる、この2つの道しか私には解決の道がないように思われます。
 やれやれ.この際面倒を厭わず久々に「いちいちツッコミ」をやることにすると,
私は、呉儀副首相が突然帰国したというのは、やはり外交儀礼上、問題だと思います。しかし、同時にそれを知りつつ日本に強いメッセージを更に中国が送り続けてきているほど、中国内部では最近の日中関係にかなりの神経を尖らせているのではないかと思います。
 本気で「外交儀礼上、問題だと思」うのであれば,日本の国政に携わる者として真っ先に為すべき事は,支那人に代わってその《駄々っ子の論理》を日本国内に吹聴して回ることでもなければ,いそいそと支那に出向いて駄々っ子のご機嫌を伺うことでもありません.大いにその非を鳴らし最後まできちんと責任を取らせなくてはなりません.
昔のことをお互いに言い出しながら数字を並べ合う、今不幸な事態になってきたと思います。
 「昔のこと」は「お互いに言い出し」ているわけでも何でもなく,支那が一方的に言っているにすぎません.しかも支那は日本との国交「正常」化に当たって対日賠償請求権を放棄しているのですから,今更「昔のこと」をユスリタカリのネタにするなどは論外.
 一方で,日本から支那への援助は「昔のこと」ではなく──呆れたことに──現在進行形の問題です.
このためには、やはり日本国内で戦争の総括というのが十分にできない状況の中で、極東裁判の結果をサンフランシスコ条約11条で日本が受け入れたという歴史的な事実をしっかり踏まえて、また日中間の過去の問題はサンフランシスコ平和条約ですべて言い尽くし、主張し、そして受け入れたんだという事実をしっかり踏まえてわが国は対応すべきだと思います。
 まさにそのサンフランシスコ平和条約11条の定めるところに従って,日本は東京裁判に於ける「戦犯」に対する刑の執行も──東京裁判自体の正当性如何はともあれ──受け入れ,その後の免責も行なっているのですから,その「罪」なるもの──もしあったとしても──は国内的にも国際的にも既に解決済みの問題です.戦犯の赦免等に関する経緯は 例えば
加藤紘一氏、「靖国参拝」を批判 in 北京 (娘通信♪ 2004/10/22)
などに非常に簡潔にして要点を押さえたまとめがありますので ご参考に.
 ついでながら,支那人が本当に日「中」間の過去の問題がサンフランシスコ平和条約で「すべて言い尽く」されたと考えているのかどうかは 支那人自身に訊いてみないと分かりませんが,もしそう考えているのであれば「日華条約無効論」などという珍妙な代物が今頃になって出て来る筈はありません.何せ日「華」条約はサンフランシスコ平和条約を踏まえた上で 「中華民国」──何処かの土匪とは違って れっきとした国連安保理常任理事国の一つであるところの──との間に締結されています.
靖国神社というのは、そのサンフランシスコ条約において、日本が認めた戦争責任というものを日本が今後ともしっかり守っていくか、そういう国際的な信用の問題だと、私は思います。
 サンフランシスコ平和条約を穴が開くほど読み返しても,日本が「戦争責任」なるものを認めるなどという文言は出て来ません.「戦争責任」などという言葉がこうやって定義も曖昧なまま一人歩きして来たことが 戦後の支那・朝鮮による対日タカリの構造を生み出した元凶であるという認識すら この人には無いのか,それとも確信犯的に「戦争責任」なる曖昧な語を用いているのかは 私の知る由もありませんが.
 また,所謂「A級戦犯」が祀られている靖国神社を首相が参拝することが 日本という国の「国際的な信用」に差し支えると言うのであれば,なおさら加藤氏の説く所とは正反対の道を進むべきでしょう.例えば先日の森岡発言に倣って「戦犯はどう遇されたか」をきちんと対外的にアピールし,その国際的な名誉の回復を図らなくてはなりません.
補遺.森岡発言中,「もはや罪人ではない」の「もはや」が一部メディアにより意図的に削られた状態で流されたことがありましたが,あの「もはや」にしても
「『いつから罪人ではなくなったか』については様々な解釈があろうが,それはともかく」
と読んでおきたいところ.日韓基本条約第2条に謂う所の
千九百十年八月二十二日以前に大日本帝国と大韓帝国との間で締結されたすべての条約及び協定は、もはや無効であることが確認される。
というのと同じ理屈です.東京裁判の持つ非合法性・不当性に関する議論は当然行なわれるべきだと私も考えますが,それとは別に,戦犯の名誉回復は「東京裁判の諸判決を受け入れ」たままでも可能であるという点は ここで改めて強調しておく価値があろうと思います.
 再三にわたって述べて来たように 首相の靖國参拝に関する支那や朝鮮の容喙にこそ問題はあるのですから,日本側が「慎重」であらねばならない理由など一つもありません.必要なのは「慎重」さではなく,他国の詰まらぬ干渉を断乎撥ね退ける気構えです.

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 最初の加藤訪支ニュース中の
小泉首相や、首相の靖国参拝を支持する安倍晋三幹事長代理らとは一線を画する姿勢をアピールする狙いがありそうだ。
のくだりなどは朝日クォリティの真髄でしょうが,所属政党・会派を問わず ヒモ付きの議員がこうやって自ら他の議員らと「一線を画」してくれることは ギャラリーとしては話が分かりやすくなって助かります.
 こうした人物に選挙で票を投じ彼らを国会に送り出しているのは他ならぬ私たち有権者なのだという点について,私たち国民一人一人が猛省し危機意識を新たにする必要があるでしょう.極論すれば,
支那人ごときの買弁に成り下がるような政治家には投票するな
の一言を全国の有権者が実践するだけで日本の政界から支那の影響力は排除できるということです.
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by xrxkx | 2005-06-13 20:44 | 時事ネタ一般
町村ごますり発言のこと:もっとどんどん言ってやって
 相変わらず靖國にまつわる支那の対日干渉が後を絶たない昨今ですが,こう新ネタが次々に出て来るようだと,ほどほどにフラストレーションの溜まって来た所で覚え書き程度に書き散らしておかなくては書けなくなってしまうので,暫くそういう書き方をします.差し当たり野田毅氏の件.順に記事を追うと,
「ドタキャンでなかった」 呉儀副首相帰国で野田氏 ─共同 06/03
【北京3日共同】中国を訪問中の野田毅元自治相(日中協会会長)は3日夜、中国の呉儀副首相が5月の訪日時に小泉純一郎首相との会談を中止し繰り上げ帰国したことについて「(中国が)土壇場でキャンセルしたわけではない。日中外交当局間では、前から分かっていたことだ」との見解を示した。
 野田氏によると、先月16日に小泉首相が靖国神社参拝を継続する意向を表明した直後、中国政府が日本側に呉副首相の訪日日程繰り上げを打診。その後「騒ぎを大きくしないよう当局間で話し合った」(同氏)結果、23日の首相との会談以前の日程は予定通り消化することで折り合ったという。
 これが事の発端だったのでした.「騒ぎを大きくしないよう」も何も,あの「騒ぎ」は支那が一方的に起こしたものですが,それを抜きにしてもなお,いま読み返しても意味不明の発言ではあります.
 いま仮に,支那が日本側に「呉儀訪日日程の繰上げを打診」して来たのが「先月16日に小泉首相が靖国神社参拝を継続する意向を表明した直後」だとする野田氏の発言が事実だとしましょう.呉儀の日本滞在は17日から23日まででしたので,支那サイドとしては呉儀訪日そのものを取り止めることも出来た筈ですが,何故そうしなかったのか.
 或いは,呉儀にその気さえあれば来日後でも日程の調整を行なう時間的余裕は幾らでもあった筈ですが,河野洋平だの経団連の奥田だのに会う時間は取れても首相との会談は出来ない,などという支那の言い分を外務省が唯々諾々と聴いていた,などという事が実際あり得るのか.
 第一,本当に日支外交当局間で事前の折り合いがついていたのだとすれば,呉儀の帰国を当日まで伏せておく理由もなければ,「急な公務の為」などと嘘をついて引き揚げる理由も無い.
補遺.06/03といえば野田氏が曽慶紅と会った当日です(日経 06/03毎日 06/04)日経にせよ毎日にせよ,曽慶紅がいつも通りの中共のお家芸であるところの「歴史認識」絡みの対日干渉を繰り返したという話ばかりで,野田氏自身が曽慶紅に何を話したのかについて一切触れておらず,呉儀のドタキャンの件も出て来ませんが,発言のタイミングから察する限りでは ここで野田氏が支那から何か言い含められたと見ておくのが無難でしょう.
 果たせるかな町村外相は上の野田発言を全面否定したのでしたが,
外相が野田氏発言を否定 中国副首相の帰国問題 ─共同 06/06
 町村信孝外相は6日の講演で、中国の呉儀副首相が小泉純一郎首相との会談をキャンセルし帰国した問題をめぐり、訪中した野田毅元自治相(日中協会会長)が「日中外交当局間では前から分かっていたことだ」と指摘したことについて、「(当日の)朝9時すぎに初めて知ってびっくりした。事前に知っているはずがない」と全面否定した。
 外相は野田氏の名前は挙げず「最近、自民党の議員が中国へ行った(際の発言)」としてこの問題に触れ、「不愉快な話だ。ああいう形で中国に無用にごまをする人がいるから日中関係がおかしくなる」「伝統的な日中友好派の人の行動は理解できない。どうしてあそこまでへりくだらないといけないのか」などと不快感を示した。
この「ごますり発言」があちこちで拍手喝采を浴びていたのは皆様既にご存知の通り.この発言が野田氏には余程癪に障ったと見えて,翌7日には町村外相に「反論」します:
中国副首相の会談キャンセル、野田氏が外相発言に反論 ─読売 06/07
 自民党の野田毅・日中協会会長は7日の自民党総務会で、中国の呉儀副首相が小泉首相との会談を直前になってキャンセルした問題に関連し、「町村外相が私のことを名指しして(批判を)言っている。私は訪中して向こうのトップと話をしたが、呉儀副首相の話は一切出さなかった」と述べ、不快感を示した。
 町村外相は6日の講演で、「自民党の国会議員が中国に行き、『外相は事前に(呉儀副首相が小泉首相との会談を)キャンセルすることを知っていたはずだ』と言ったが、事前に知っているはずはない。中国にごまをする人がいるから日中関係がおかしくなる」と述べていた。
外相発言に不快感=野田元自治相 ─時事 06/07
 自民党の野田毅元自治相は7日午後、町村信孝外相が靖国参拝問題に関連して「中国の要人に無用にごまをする人がいるから日中関係がおかしくなる」などと発言したことについて、「外相が一番冷静にならなければいけない。日本の外交はこのままでは駄目になる」と強い不快感を示した。国会内で記者団に語った。
 奇妙な「反論」もあったものです.まず
「町村外相が私のことを名指しして(批判を)言っている。」
 上の共同電にはわざわざ「外相は野田氏の名前は挙げず」とあります.私が知る限り,町村外相が野田氏を名指しで批判したという記事は1本もありませんでしたが,野田氏には何か思い当たる節でもあるのでしょうか? それは措くとしても,
「私は訪中して向こうのトップと話をしたが、呉儀副首相の話は一切出さなかった」
というのは東問西答も甚だしい.もともと6日の町村外相の発言は
「呉儀の訪日日程繰上げについて外務省は事前に知っていた」
なる野田氏の主張を否定するものに過ぎず,
「野田氏が呉儀の一件について支那人と何か喋ったか」
などはハナから触れてもいません.なのにこういう発言が飛び出すあたり,やはり何か心当たりでもあるのかと勘繰りたくなりますが,折角の機会ですので 野田氏にはこの際
「『呉儀の訪日日程繰上げについて外務省が事前に知っていた』なる消息は何処から得たものか?」
くらいは明らかにして見せて戴きたい所ではあります.
「外相が一番冷静にならなければいけない。日本の外交はこのままでは駄目になる」
とのことですが,町村外相と野田氏とを比べてどちらが「冷静」さを失っているか,どちらが日本の外交を駄目にしているかについては おそらく国民の大方の判断は野田氏のそれとは異なるでしょう.
 一野党党首に過ぎないジャスコなどは論外としても,与党議員が勝手に北京に御用聞きに出掛ける事態が後を絶たない現状は異常です.経済産業省や防衛庁などが相手国大使館にアタシェを置いたりする類はまた別でしょうが,靖國やA級戦犯といった《国家としての原理原則》の部分に関しては,国家としての意思表示の権限は官邸-外務省ラインに一元化されなくてはなりません.勝手な「議員外交」などは政府の足を引っ張るばかりで有害無益です(どうやら朝日はそうは考えないようですが).これについては先日の武部幹事長なども同様.河野洋平などに至っては党籍剥奪モノ.
 脱線.本来なら小泉総理も自民党総裁の職権に於いて所属議員の勝手な外国訪問は控えるよう通達くらいは出すべきでしょうし,それに従わない議員は次回の選挙での公認を取り消すくらいの断乎たる措置を取ってでも党内の引き締めを図るべきなのでしょうが,もともと自民党というのはそんな事が出来るほど一枚岩の政党でもありません.
 この点では民主党も同じ.あるいは民主党のほうが《非自民の寄せ集め》である分だけもっと重症かも.出来ることなら一度自民・民主両党が同時にscrap & buildをやって,ちゃんと政策や国家理念を同じくする人どうしだけでくっついてくれると,有権者としては非常に投票しやすくなるのですが.
 安倍晋三氏が8日に記者会見の席で
「元外相だが現在は三権の長の立場だ。外交権は行政の長にあるのだから(議長は)もう少し慎重に考えていただきたい」
と述べた由(産経 8日).至言と言ってよいでしょう.これについて翌9日に今度は森前総理が自派の総会で
「議論するのはいいが、先輩を非難することはできるだけ避けるべきだ」
と「クギを刺した」そうですが(朝日 9日),もはや「先輩」を立てていれば万事丸く収まるなどという話ではなくなっていることが森氏には分からないようです.
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by xrxkx | 2005-06-10 17:03 | 時事ネタ一般
シンプン号事件 所感:現場の権限拡大を
 シンプン号の件も ニュースとしては とうに旬を過ぎたでしょうから,一言だけ.

 韓国が不法操業漁船を国ぐるみで匿おうとする態度を取っている以上,ああいう事件は今後も頻繁に起きることになるでしょう.
 問題は再発防止の為の措置の取り方にあります.日本側が取り得る最も手っ取り早く有効な対処法は,現場で取り締まりに当たる海保に 当該船舶の取り扱いに関して従来よりも大きな権限を持たせることである筈.
「臨検を拒否して逃走する漁船については 現場の判断により 武器使用(撃沈含む)を認める」
といった程度のことは今すぐにでも実行に移すべきでしょう.これを出来るだけ低いレベルで,言い換えれば出来るだけ現場に近い部署で判断できるようにしておかないといけない.今回の場合でしたら 少なくとも第7管区海上保安本部までの判断で事を処理できるようでないといけません.海保の本庁まで一々話を持って行かないと処置を決められない体勢だと,必ず官邸や外務省の横槍が入る.
 昨年11月の支那の原潜による領海侵犯事件の時にも似たようなことを書いた覚えがありますが,あの時と今回の件とを較べれば なるほど
  • 当該船舶は軍艦ではなく漁船
  • 日本のEEZ内での不法操業ではあるが領海侵犯ではない
  • 今回日本側で対応したのは海自ではなく海保
  • 今回は日本側要員が当該船舶に乗り移るところまでやっている
等々 細かい違いは勿論多々あるものの,
「相手が逃げようとするのを只追いかけることしか許されていない」
「逃げられてしまえば現場の人間にはどうすることも出来ない」
という部分に於いては何ら差が無い.結果として常に日本側が安易に譲歩する形での外交決着に落ち着く,という事の繰り返しでした.
 上述のような現場での対処の仕方に関する議論が政府内で全然出て来る様子が無いということは,日本政府が旧態依然事なかれ主義を捨て切れずにいる証拠といわざるを得ません.外務省などには今回の一件の「日韓首脳会談への悪影響」を懸念する向きもあったようですが,今回の事件は一言で言うなら日本の警察権の及ぶ海域内での韓国人による不法行為の取り締まりに過ぎなかったのであり,その性格からして 対韓外交上のイベント──首脳会談であれ何であれ──と秤に掛けること自体どうかしているのです.
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by xrxkx | 2005-06-10 11:14 | 時事ネタ一般
【靖國】何だか現役の宰相より「戦争犯罪人」の孫のほうが余程立派だなぁ
 何とまぁ,これが6月に入って以来最初の投稿です.
 取り上げるべき事柄なら それこそ山のようにありましたが,正直言ってここ数日来《書くモティベーション》を著しく削がれていました.まぁ,もう少しはっきり言うなら書く気を失せさせてくれる2大要因は靖國とシンプン号──より正確にはそれらに対する政府の対応──だったのですが.
 ああいうネタを扱おうと思うと えてして文体が悲憤慷慨調に陥りがちなのですが,徒に日本政府の弱腰外交や国家戦略の欠如を嘆き憤ってみせるだけの三文壮士的な文章なら 既に世間に幾らでも転がっていますから,敢えて屋上屋を架するには及ばないでしょう.如何に商売でやっているわけではないとは言っても,わざわざ読みに来てくださる方々に そんな代物をお見せするわけに行きませんので,書き手の心理上そういう文章しか書けそうにないときは 思い切って休むことにしました.おそらく今後もそういうことは度々あるかと思いますが 何卒御寛恕の程を.

 で,靖國のこと.昨5日の毎日の記事には
首相との直接交渉では進展しないとみた中国が、自民党の有力者を次々と北京に迎え入れ、結果的に首相を「浮いた存在」にする作戦に出ていることが要因の一つ。靖国問題で首相をけん制しようという自民党内の反小泉勢力の思惑も重なり、首相を後押しする声は小さくなってきた。
必ずしも親中派ではない有力者が再考を促すことによって、参拝継続に意固地になっているのは首相だけという構図ができつつある。
とありましたが,小泉首相さえその気になれば「後押しする声」なんぞは幾らでもあった筈なのです.先日の森岡発言などはその最たる例でしょうが,それを踏まえるどころか
「(A級戦犯を)戦争犯罪人だと認識している」
「A級戦犯のために参拝しているのではない。多くの戦没者に敬意を表している」
「私は戦争への痛切な反省を表明している。靖国神社を参拝することが靖国神社の考えを支持しているととらないでほしい」 (以上 朝日 06/02
と,この程度の答弁しか出来ないのでは….
おまけ.森岡発言については細田官房長官も大慌てで
「一衆院議員として自分の思いを発言したのだろうが、事実関係に種々誤りも含まれており、論評する必要はない」
「政府の一員として話したということは到底あり得ない。過去の(政府)見解と大いに異なる」 (以上 北海道新聞 05/27
などと「火消し」に回っていたのでしたね.細田氏もこうまで言った以上は,少なくとも件の森岡発言のどこが「事実関係」に関する「誤り」の部分なのかくらいは今からでも具体的に示す責任があるでしょうし,その上で もしも寧ろ「過去の政府見解」のほうに問題ありという結論に至れば これをきちんと撤回するのも内閣の大番頭たる者の務めでしょう.
※参考)森岡正宏のホームページ:「A級戦犯」をめぐる私の発言の真意と波紋

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 先月末に「靖國と遺族とでA級戦犯を自発的に分祀」するよう求める中川秀直案を靖國側も拒否東条英機の孫もこれを否定しているというのは近頃稀な痛快事ではありました.
「(東条家が分祀に応じるという話は)全くのうわさで、応じていない。よその国から言われて(分祀に応じない考えを)撤回するような問題ではない
「極東国際軍事裁判(東京裁判)は勝者の一方的な裁判で納得していない。A級とかB級とかC級とか言うが、便宜上、連合軍が裁判でつけたのにすぎない。この裁判史観を認めることは先の戦争が侵略戦争だったことを認めることになる
 何せ朝日から持ってきたものですので文面がどこまで信用できるか分かりませんが,少なくともこれらの発言は現在小泉首相に最も足りないものが何であるかを端的に語っているように思えます.

 以前からある「公人か・私人か」などといった形式論や その焼き直しとしての「個人の信条」論が 既に支那の干渉を跳ね除ける上で何ら効力を持たなくなっていることは 周知の通りです.そして,政府が責任を靖國側に丸投げする形での「自発的」分祀案も,上のように靖國・遺族側に拒絶され お蔵入りとなりました.
 差し当たって今年8月の靖國参拝に関する限り,小泉首相の取り得る選択肢は
  1. あくまで8・15に参拝.
  2. 日程をずらして参拝.
  3. 支那に屈服.「任期中は靖國参拝をしない」と明言.
くらいでしょうが,
  1. 8・15参拝を強行した場合も 勿論ただ参拝すればよいというものではなく,その後で予想される中共からの様々な非難や干渉に毅然たる対応を取れるかどうかが問題.参拝を強行した後で言い訳に奔走,というのが最も良くない.
  2. 次に日程ずらしについてですが,中共にすれば今回の靖國カードは《王手》を掛けに来ているでしょうから,今までのように「8・15を避けるなら まぁ勘弁してやろう」という具合には出ないでしょう.もうそういう誤魔化しで対処できる時期は過ぎたと思います.
  3. 「参拝やめた宣言」について.どうせ小泉首相の任期もそう多くは残っていませんので,下手に参拝を強行して 後にまた無用の外交的譲歩を引き出されるくらいなら いっそこちらのほうがマシですが,これは小泉首相の性格から考えてあり得なそう.
 小泉総理に 上の東条英機のお孫さんの せめて1/10の気骨があれば 第1案を立派にやり通せそうなものを,と思うのですが,無理でしょうね.
 中川秀直の言い草を借りるわけではありませんが,いっそのこと靖國と遺族が相談して自発的に靖國の門前に「小泉純一郎氏,参拝お断り」という立て札でも立てることにしたらどうでしょう.小泉氏本人も実際のところは《参拝せずに済む口実》を欲しがっているかも知れません.第一,「A級戦犯は戦争犯罪人だったと認識」しているような宰相は靖國に相応しくありません.そういう方には千鳥ヶ淵で十分です.
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by xrxkx | 2005-06-06 21:04 | 時事ネタ一般