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【李登輝前総統訪日】 上から下まで嘘で出来た大陸
 台湾の李登輝前総統に日本政府が発給したビザの件で,中共は昨日(12/22)あたりから「発給を取り消せ」を引っ込め,「訪日中に政治活動をさせるな」に主張をトーンダウンさせている由.とはいっても,外交部の劉建超(例の章啓月がベルギー大使だかに転出したので,その後釜)の発言などは 相変わらずで,幾つか見てみると
中日関係は中国の努力次第だけではない 外交部 ─人民網 12/22
日本の李登輝氏への訪日許可は、中日関係に損失を与えるだろう。中国は一貫して善隣友好の外交政策を実行しているが、中日関係の順調な発展の可否がすべて中国側の努力にかかっているわけではない。われわれは日本側に対し、台湾問題や歴史問題など敏感な問題で正確な決定を行い、正確な政策と立場をとり、中日友好の大局の保護という視点から問題を適切に処理することで、経済貿易を含む各分野での中日協力を引き続き発展させるよう求める。これは中日両国いずれの人民にとっても利益になる。
 いやはや.一方で日本の地下資源を盗もうと次々に手を打ちながら,一方で「話し合いによる平和的解決」なる空念仏を繰り返し,しかも まともに交渉のテーブルに就こうともしない(例えば春暁鉱区の海洋調査に関するデータ提出拒否)というのが,支那人にとっての「善隣友好」であるらしい.
 それから,先月の原潜なども,あれは日本との「善隣友好」の使者のつもりで領海侵犯して来たのでしょうかね? だったら一目散に逃げなくてよいのにね.:p

李登輝氏への訪日ビザ発給に強い不満 外交部報道官 ─人民網 12/22
日本政府は中国政府の厳重な申し入れと確固たる反対を顧みず、李登輝氏の訪日による(台湾の)分裂活動を許可することに固執した。中国政府はこれに対して強い不満を表明する。われわれは日本政府にこの過ちを是正するよう再度求めた。李登輝氏の今回の訪日の政治的意図は非常に明確であり、つまり国家を分裂させる活動のために後ろ盾を探し、外部環境を整えることであり、日本側もこのことをはっきりとわかっているはずだ。
 はて.分かりませんね.台湾が目指しているのは「国家の分裂」でも何でもありません.国府軍によって不当に占拠されたままでいる台湾を,《台湾人の,台湾人による,台湾人の為の台湾》に正すというだけの話ですから.
 で,人民網のHP,外交部のコメントだけでは 自国が横車を押しているのがバレバレで 心細かったのか,御丁寧にも韓国メディアまで引っ張り出して来て「過去の清算」を叫ぶ始末.しかも結びには「補償」の一言を入れるのを忘れない,この周到さ.
 まぁ,言わせておけばよい.支那人や朝鮮人にとって 歴史問題とやらがユスリタカリのネタでしかないことを 彼ら自身が証明してくれているわけですから.彼らが ああやって他国の教科書問題にまで平気で嘴を突っ込んで来るのは,将来そういう安っぽいユスリタカリの手口に引っ掛からない日本国民が出て来ると困るからだということです.
 今まで何度となく書いて来ましたが,韓国との補償の問題は日韓基本条約締結時に解決済みです.中共についても,日中共同声明に於いて中共は対日賠償請求権放棄を宣言しています.
 第一,一昨日も書いたように 中共が台湾領有権を主張する根拠は「中華人民共和国は中華民国の全ての権利を継承した」という考え方に基づいているわけですが,その一方で 中華民国がかつて諸外国との間に結んだ条約や協定などによって生じる対外的責務や制約のほうは 中共は知らぬふりを決め込み,さっぱり「継承」しようとしないわけです.
 例えば,日華平和条約に於いて中華民国が対日賠償請求権を放棄した事実が既にあったわけですから,その継承者を自称する中共が 日中国交「正常」化交渉に於いて 対日賠償請求を蒸し返す権利など無いのは当然のことです.その辺が支那人の頭ではどうしても分からないらしい.
 のっけから脱線してしまいました.話を「ビザ発給取り消し要求」を引っ込めたことに戻しますが,支那人という生き物の習性が,この一事を見てもよく分かるでしょう.こちらが少しでも譲歩を見せようものなら 際限なく付け上がるが,こちらが強い態度に出れば主張を引っ込めるのです.基本的に「はじめにハッタリありき」というのが支那人にとっての交渉ごとのイロハです.
 「政治活動をさせるな」発言にしても,あれはハッタリが通用しないと見た際の支那人の常套手段.要は ああいう注文をつけて見せることで 対外的には外交上の面子を保ち,自国民向けには「日台に押し切られた」というイメージを持たせないよう体裁を取り繕っているに過ぎない.
 補足.むろん,こうした支那人の態度は何も対日外交に限ったことではありません.台湾に対しても同様.支那人が壊れた蓄音機の如く「台湾独立に反対する」だの「分裂主義を許さない」だのと喚き立て,「武力に訴えてでも『台独』を阻止する」というポーズを取っている間は,台湾はむしろ安全です.本当に事を構える用意がある時は,支那人は黙って実力行使に出ます(かつてチベットやベトナムに対してそうしたように).
 とはいえ,「訪日中に政治活動をさせるな」というのも,これはこれで れっきとした内政干渉なのですから,本来なら日本政府としても「私人だから」「観光目的だから」といった不要の言い訳に終始していてはいけないのです.
「日本は法治国家であり,基本的人権である言論の自由を政府がみだりに制限することは平和憲法の精神に反する」
くらいのことは言ってやってよい.──私自身,日本にこのような《主権国家としての不具》をもたらした《去勢憲法》を称して「平和」憲法などとは片腹痛いこと夥しいのですが,何しろ支那やら朝鮮やらは 例えば「日本の再軍備」だ「軍国主義の復活」だと騒ぎ立てる時には必ずあれを持ち出して来るので,そういうのを逆手に取る意味で.

 法治国家といえば,「酔夢ing voice」の昨12/22の記事で知ったのですが,石原都知事が記者会見で中共の態度を評して
「みっともないね。何のつもりでああいうところ出てきて言うのかね。日本は法治国家ですよ、独立国ですよ」
と言ったとか.このことは台湾でもいち早く報じられていて,
中國召日本大使抗議發給李登輝日簽 石原︰中國實在不像話 ─自由時報 12/23
〔駐日特派員張茂森╱東京二十二日報導〕東京都知事石原慎太郎二十二日就中國強烈抗議日本政府發簽證給李登輝的問題表示,「中國的動作太不像話了」。他強調日本是法治國家,李登輝是私人身分,日本發簽證給他是當然的

  石原慎太郎在今天上午的記者會上回答記者的問題時表示,中國強烈抗議日本的動作「實在太不像話了」。他指出,日本是法治國家,不是中國可以干涉的,李登輝已完全離開公職,具私人身分,日本依法發簽證給他是當然的。
という感じ.本来なら これくらいのことは外相に言っていただきたいところです.
 何でこんなことを言うかというと,外相が国会議員らに李登輝氏との面会を自粛するよう要請したことについて,前回
(前略)まだ分からなくもない.こちらから出掛ける分には いつでも行ける訳ですから,わざわざ支那人に言いがかりの口実を与えるまでも無いでしょう.(後略)
と書いたものですから.で,若干の自己批判の意味も込めて補足しておくと,
「(李氏には)政治活動は困ると申し上げている。(議員が)会いに行くのは厳禁だ」
というのは厳密にはオカシイわけです.行政府に属する外相が,外務省職員に対してなら いざ知らず,立法府に属する国会議員らの活動に制約を課する権限など無いわけですから(それで一自民党員の立場から自民党議員らに言うという形を取っているのだろうけれども).
 第一 それ以前に,外相たるものの務めは,自国の議員らを抑えることではなく 日本の外交的イニシアティブ,ひいては主権国家としての日本の尊厳と権益を守ることにあるわけです.内向きの小細工よりも 外への押し出しのほうが重要です.

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 さて,ビザ発給取り消しが無理と見た後も,中共は 相も変わらず 手を変え品を変え 対日非難・牽制を続けており,むろん今後も続けるでしょう.そんな中での ちょっと変わった趣向のニュースを ひとつ.上の自由時報の記事の 下のほうに,こんなのがありますね.
〔駐日特派員張茂森╱東京二十二日報導〕新華網二十二日在「日政府發放李登輝簽證,日華僑華人發表抗議聲明」的報導中說,「在日僑團,包括東京華僑總會發表聲明抗議日本政府發簽證給李前總統」,東京華僑總會會長黃宗敏今天發表聲明指出,「這是新華社的假新聞」。

黃宗敏稍早透過日文電子新聞媒體「台灣之聲」發表聲明,否認新華社報導,並且歡迎李登輝前總統訪日,同時對日本政府發簽證給李登輝表示謝意。

今年八月雅典奧運舉行時,台灣的跆拳道選手陳詩欣在得金牌時說,「這一面金牌屬於所有的台灣人」,但是中國的國營通訊社新華社卻硬拗成,「這枚金牌是屬於中國同胞的」。

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 新華網が22日伝えた「日本政府,李登輝にビザ発給 日本在住華僑らが抗議声明を発表」という報道の中で,「在日華僑団体(東京華僑総会を含む)が声明を発表し,日本政府が李前総統にビザを発給したことに抗議した」と伝えられたことに対し,東京華僑総会の黄宗敏会長は今日声明を発表し,「これは新華社による偽ニュースだ」と指摘した.
 黄氏は日本語の電子メディア「台湾の声」を通じて発表した声明の中で,新華社の報道を否定するとともに,李登輝前総統の訪日を歓迎し,日本政府が李登輝氏にビザを発給したことに対し感謝の意を表明した.
 今年8月のアテネ五輪で,台湾のテコンドー選手・陳詩欣さんが金メダルを獲得した際の「この金メダルは全ての台湾人のものだ」という発言を,新華社は「この金メダルは中国同胞のものだ」と改竄して報道した経歴がある.
ここで言っている「ニセの抗議声明」というのは おそらく ↓コレのこと.
李登輝来日について抗議声明 日本華僑華人聯合総会 2004/12/21

ついでに↓こんなのも.どちらも中共の駐日大使館のサイトから.
李登輝の来日に反対する声明(2004/12/21) 東京華僑総会、留日台湾省民会

…と まぁ,日本在住の台湾人までが李登輝前総統訪日に反対していることになっているらしい.国営通信社ともあろうものが,こういうデタラメを平気でやるわけです.「台独」叩きやら対日非難やらの為とあらば.
 特に 陳詩欣選手の発言の改竄などは 何だかどこぞのインチキ支那人の「from taiwan」事件を思い起こさせますが(笑),事ほど左様に支那人という生き物は上から下まで嘘つきだらけ.彼らにとって嘘は恥でも罪でもなく武器である,というお話デシタ.
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by xrxkx | 2004-12-23 16:55 | 台湾建国によせて
【李登輝前総統訪日】中国人民もびっくりアルヨ
a0026107_218260.jpg 台湾の李登輝前総統に,日本政府が遂にビザを発給した由.思えば長い道のりでありました(←って,私は何もしていないけれど).こんな当たり前のことが これほど喜ばしく感じられるのは,今の日本が それだけ主権国家として異常だということですが.
 中共はなおも○○の一つ覚えのごとく「ビザ発給取り消せ」と言っているようだ(ちなみに中共外交部のHPの「スポークスマン談話」欄は17日以来更新が止まっている)けれども,中でも本日の最優秀作品は,やはり
「トラブルメーカーが戦争メーカーになるかもしれない」 by 王毅
でしょうか.…それって どちらも

お前らのことだろ ♪ ヾ('◇' )ノ゙ ♪

もうひとつ なかなかイイ味出していたのが
「中国国民はびっくりしている。こういう問題で中日関係が悪くならないよう協力してもらいたい」 by 劉洪才(中共 対外連絡部 副部長)
でした.何だか昔のカレーのCMみたい.アイヤー!(←今日はややハイです :D)
 それにしても,細田官房長官のこの病的なまでの気の遣いようと言ったら どうでしょう.まぁ,それは李登輝先生にしても あまりあちこちでプレスに追い掛け回されるのは迷惑かも知れないけれど.
 日本側としては「私人だから」とか「観光目的だから」とかいう建前を取っているせいで 警備一つ出すのにもオッカナビックリなのでしょうけれど,ビートルズの為に機動隊を出せて(また随分古い話だな)李登輝の為に出せないという法は無い.相手は台湾民主化の父ですよ.何処かの国の三文タレントより粗略な扱いでは日本国の沽券に関ります.…いや,オバサンに動員は掛けなくてもよいけれど.
 それに比べれば,町村外相が自民党議員らに李登輝前総統との面会自粛を要請したのは,まだ分からなくもない.こちらから出掛ける分には いつでも行ける訳ですから,わざわざ支那人に言いがかりの口実を与えるまでも無いでしょう.今回は とにもかくにも訪日を無事に実現することに意義があります.

 今回の李登輝前総統訪日は,上のように日本政府の過度の対中配慮がなかなか治らず,一方の中共も口先の対日恫喝ばかりで訪日阻止の実質的な思案が何ひとつ無し,というわけで日中間は痛み分け,台湾の一人勝ちに終わることになるでしょうが,まぁ,それはそれでよい.どうせ日本にとっては,外務省や媚中派議員の体質が今のままでは これ以上の外交は望むべくもありませんし.
 前回も書いたように,「台湾は中国の不可分の領土」という中共の嘘に付き合わされている限り,日本政府は永久にこうした中台間の板挟み外交を強いられ続けるでしょう.どこかでそれをリセットする必要があるわけですが,それには何より台湾人たち自身に「中華民国」との訣別をやってもらうしか無いわけです.まだ生まれていない台湾国(仮称)に対して 外から行える支援にも限りがあります.

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 おまけ.李登輝前総統訪日から離れますが,先の立法委選の余波と言いましょうか,気になったニュースのこと.民進党・台聯に続いて国民党でも連戦が来年8月で党主席を辞任することが決まったらしいというニュースを 12/18に読みました.これで本土派の王金平が跡を継ぐことにでもなれば 新憲法制定も議会で阻まれずに進める目があるかも,と思うのは甘すぎ? あるいはいっそ馬英九が勝って本土派が離党騒ぎでも起こしてくれないかな,とか.ダメ?

 おまけ その2.安倍幹事長代理が 来春に予定していた訪中を延期することにしたというニュース,こちらは昨12/20に読みました.「野中広務だの額賀福志郎だのと一緒にされたくない」とか,「あいつらと一緒の時期だと やる事なす事足を引っ張られそうだ」とか,いろいろ思案があってのことと思いますが,私もそのほうがよいと思いますね.靖国問題やらODAやらをめぐって どんなに支那人をやっつけてみても,そのつど 支那人に飼い馴らされた媚中派売国議員らのリップサービスで一々ミソをつけられたのでは たまったものではない.こういう時は後手を取るに限ります.
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by xrxkx | 2004-12-21 21:17 | 台湾建国によせて
覚え書き:「台湾は中国の不可分の領土」という嘘
 かなり粗いですが,後日の為の叩き台として.特に,インチキ支那人やら媚中派日本人との論争が生じた場合の手間を省く意味で.

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●台湾はいつから支那のものでなくなったか
 もともと台湾は日清戦争後の下関講和条約に従って清国が日本に割譲参考文献1参照)したもの.この割譲以来,支那の如何なる政府も台湾に対する領有権を主張する歴史的根拠を持たなくなったことを まずは押さえておきたい.ついでに,これは「割譲」であって「租借」ではないのだから,誰かに「返還」しようにも出来ないという点にも注意.
 これをケシカランと言う人は,アメリカにも「建国13州以外は全てもとの持ち主に返還しなさい」と言わなくてはならなくなる筈.

●台湾はいつから日本のものでなくなったか
 台湾の領有権が その後どうなったかと言うと,大東亜戦争敗戦後のサンフランシスコ講和条約(1951)には,
第二条【領土権の放棄】
  :
(b) 日本国は、台湾及び澎湖諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。
とあるのみ.「すべての権利」の中には当然台湾の領有権も含まれる.ここで,同条約には台湾を何処かよその国に「割譲する」とも,ましてや「返還する」とも書かれていない点に注意.

 また その後 日本が中華民国(既に共産党との内戦に敗れ,台湾に逃げ込んでいた)と結んだ「日華平和条約(1952)」に於いても,日本が既に台湾の領有権を放棄した後である以上,日本が台湾を中華民国に割譲することは不可能なので,領有権に関しては
第二条  日本国は、千九百五十一年九月八日にアメリカ合衆国のサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約(以下「サン・フランシスコ条約」という。)第二条に基き、台湾及び澎湖諸島並びに新南諸島及び西沙諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄したことが承認される。
という表現になっており,ここにもやはり日本が台湾を中華民国に「割譲」したとか「返還」したとかいう記載は無い.
 こうしたことから「台湾の法的地位は今なお未確定である」,つまり中華民国が台湾を領有する国際法的な根拠が無いとする説すら 当時からある(参考文献2,特に第三章を参照).
 蒋介石の国府軍による台湾占領そのものは,中華民国による台湾領有の国際法的根拠には なり得ない.もしそんな理屈が成り立つなら,例えば朝鮮半島などは米ソ両国が分割領有すべきものということになってしまう筈.
 日本が台湾の領有権を放棄したことにより,台湾は所謂「無主地」になったと見るのが妥当.
 もし台湾が無人島だったら,これを再占領したものが「無主地先占」の結果として領有権を主張することになるだろうが,台湾の場合は ちゃんと住民がいるわけだから,そこにどのような統治を導入するかは もっぱら住民の意思によるべき.台湾住民は台湾統治に関する自決権を持つ.
 国府軍は連合国の一員として旧日本領を占領統治したのみ.従って,戦争状態が終われば占領統治も解除し,撤兵しなくてはならなかった(日本から分離独立した『台湾国』と中華民国との間で,その後『台華安全保障条約』とか何とかが結ばれたとでもいうなら話は別だが).
 上述のように,日華平和条約が締結されたのは 中華民国が大陸を追われた後である.その中華民国が 本来領有権を持たない台湾を 講和後も占領し続けることの異常さ・不当性について,条約中では触れずに済ませているという点に注意.

●中共が台湾領有権を主張する根拠はどこにあるか
 まず,現在の日本と中共との二国間関係を規定する「日中平和友好条約」(1978)には,台湾領有権に関する記載は一切無いことに注意.
 ところで同条約の前文に
前記の共同声明が両国間の平和友好関係の基礎となるものであること及び前記の共同声明に示された諸原則が厳格に遵守されるべきことを確認し、
とあるが,ここで言及されている「日中共同声明(1972)」第3項に謂う所の
中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第8項に基く立場を堅持する。
の「理解」「尊重」については以前触れた通り.日本政府が「理解」し「尊重」しなくてはならないのは 何も中共の言い分だけではない.台湾がどのような社会であるべきかは台湾人の自決権に任されるべきだとする国際通念および台湾人の意思をも同様に理解し尊重すべきである.

 問題は,残る「ポツダム宣言第8項」だが,ここには
「カイロ」宣言ノ條項ハ履行セラルベク又日本國ノ主權ハ本州、北海道、九州及四國竝ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルベシ
とあるだけであり,ここにも台湾を何処か特定の国に「割譲」するとか「返還」するとかいった記載は無い.台湾はあくまで「日本國ノ主權」の及ばない土地になったというだけである.

 で,今度はその中に出て来る「カイロ宣言」に遡らなくてはならないが,実際は 「カイロ宣言」なるものは公文書としては存在せず,あるのは国際法的拘束力の無い草案だけである(三者の合意に至らず採択されなかった)という点に まず注意.
 この草案のうち,特に台湾に関する箇所を見ると
右同盟國ノ目的ハ日本國ヨリ千九百十四年ノ第一次世界戰爭ノ開始以後ニ於テ日本國カ奪取シ又ハ占領シタル太平洋ニ於ケル一切ノ島嶼ヲ剥奪スルコト並ニ滿洲、臺灣及澎湖島ノ如キ日本國カ清國人ヨリ盗取シタル一切ノ地域ヲ中華民國ニ返還スルコトニ在リ
とある.が,冒頭で触れたように台湾は下関講和条約によって日本が清国から割譲されたものであって,「日本國カ清國人ヨリ盗取」したわけではないのは明白.
 このように,もともと「カイロ宣言」に於いては 明らかな事実誤認の元に「台湾の中華民国への返還」が謳われているのであり,敗戦直後ならいざ知らず 現在の日本にはこうした過去の連合国の過ちを正す力も備わっており,また その道義的責務もあるはず.「強制連行」や「南京大虐殺」よりは遥かに争い易い争点でもある.
 そもそもカイロ宣言で謳われているのはあくまで「連合国の目的」に過ぎず,それが既に達成されたと連合国自身が判断したからこそ,サンフランシスコ講和条約は締結された.

●中共はいつ中華民国から台湾領有権を「継承した」のか
「共産党政権が国民党政権に取って代わったことにより,『中華民国』は その全ての権利を中華人民共和国に継承され消滅した」
と支那人はしばしば主張する(中華民国と国交を持とうとする国に対し,中共が断交を宣言する所以).仮にこの主張を是とするなら,
では,現在台湾を実効支配しているのは誰なのか?
と問い返せば済むだけの話である.それが中共でないことは明らかなのだから.

 この点に,台湾領有権に関する支那人の主張の重大な矛盾点の一つがある.つまり中共は,一方では国府軍による台湾占領を「台湾の中国への返還」として是認しておきながら,他方では「台湾の中国への返還」の実行犯である中華民国の存在を頑として無視しようとしているわけだ(当の国民党が今も中華民国の最大野党として健在なのに,である).

 残る問題は「では中華民国はいつ『消滅した』という立場を中共は取るのか」という点だが,これまた曖昧な点が多い.
 もしも中華人民共和国が建国を宣言した1949年10月を以て中華民国が消滅したとするなら,サンフランシスコ講和条約に従って日本が台湾の領有権を放棄したのは 上述のようにその後の1951年なのだから,改めて台湾に関する領有権が中華人民共和国に帰属すると考えるのは不自然.そのため,支那人も普通はこの考え方は取らない.

 多くの支那人が「中華人民共和国が中華民国から全ての権利を継承した」と考える最大の根拠が,中華人民共和国の国連加盟(1971年10月)にあることは言を待たないが,それを決定付けた所謂「アルバニア決議案」には
「総会は、国際連合憲章の原則を想起し、中華人民共和国の合法的権利の回復は、国際連合憲章を守り、かつ国際連合を憲章に従って活動させるためにも肝要であることを考慮し、中華人民共和国政府の代表が国連における中国の唯一の合法的代表であり、かつ中華人民共和国は安全保障理事会の五常任理事国の中の一理事国であることを認識し、中華人民共和国にそのすべての権利を回復させ、その政府の代表を国連における中国の唯一の合法的代表と認め、かつ蒋介石の代表を国連及びそのすべての関連機関において非合法に占める議席から即時追放することを決定する。」
とあるのみ.この決議案はあくまで「誰が『中国』の正当な代表であると見なすか」に関するものに過ぎず,「『中国』が台湾を領有する正当性」についてなど一言も触れられていないことに注意.
 少々脱線.ここで「中華民国」ではなく「蒋介石の代表」とある点は重要.中共としては中華民国を国連から除名したかったものの,それをやるには安保理の勧告と国連総会の2/3以上の賛成が必要なので,中共の一存でそこまで押し切るのは不可能だった.それゆえ,「蒋介石の代表を国連から追放」という表現で,いわば名を捨てて実を取ったわけ.つまり厳密には中華民国は国連から除名されたことは無い(結局は蒋介石が自発的に国連を脱退したが).
 さらに脱線.国連憲章に至っては,第23条1項に於いて今なお安保理常任理事国を「中華民国」と定めている.

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 結論すると,「台湾は中国の不可分の領土である」とする中共の主張は,
  1. 公文書としては存在しない「カイロ宣言」の日本への押し付け
  2. 国府軍による台湾不法占拠を「台湾の中国への返還」とする なし崩し的・独善的解釈
  3. 「国民党政権は共産党政権によって継承され消滅した」とする虚構
を根拠としていることが分かる.

 最後に,1のカイロ宣言のような何ら国際法上の強制力を持たない古証文を持ち出して 台湾の領有権を主張する方もする方だが,中共の狡猾・厚顔無恥を責める前に,日中国交「正常」化交渉に於いて そんな馬鹿げた条件を唯々諾々と呑んでしまった日本外交の不甲斐なさをこそ我々は顧みるべきである.その後 現在に至るまでの 日本の対中土下座外交の全ての発端が ここにある.


◇ 参考 ◇
  1. 「割譲」の意味を知らない支那 ── 「台湾問題」に見る支那の矛盾 (帝國電網省,2002/04/07)
  2. 「台湾中華民国」の法的地位 (台湾独立建国聯盟 主席・黄昭堂,2002/03/27)
  3. なぜ、台湾には新憲法が必要なのか

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by xrxkx | 2004-12-21 14:45 | 台湾建国によせて
李登輝氏にビザ発給,だが…
a0026107_21422534.jpg かねてより来日を希望していた台湾の李登輝前総統に,日本政府がビザを発給する方針を決めた由,昨12/16に報じられました.このこと自体は まずは祝着.

 が,当然ながら これで一件落着というわけには行きません.言うまでもなく,中共の内政干渉があるからです.
 外国人へのビザ発給は完全に日本の内政問題です.これに中共が異を唱えることは,日中共同声明 (1972) の第6項
 日本国政府及び中華人民共和国政府は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に両国間の恒久的な平和友好関係を確立することに合意する。
に反するものであり,日本政府はこうした破廉恥な内政干渉を断乎突っ撥ねるべきなのです.

 中共当局者らの露骨な内政干渉,或いはそれどころか対日恫喝と呼んでよい不埒極まる発言の数々が 昨日から日本でも盛んに報道されていますが(more欄参照),中共ごときから こうした侮りを受ける 最大の原因は 他ならぬ日本政府の 中共に対する過度の配慮にあることを,日本政府当局には十分に認識していただきたいものです.
 そもそも,上述のように純然たる日本の内政問題であるビザ発給について 一々中共にお伺いを立てる態度からして既に正気の沙汰ではないのです.無論,「私人だから」「観光目的だから」などという釈明をする必要も無い.
 こうした切れ味の悪い外交を余儀なくされているのも,元を質せば 中共の謂う「ひとつの中国」という虚構,「中国の平和的統一」なる欺瞞に 日本政府がいつまでも付き合わされているのが原因です.何処かでこれをリセットすべきです.それには「台湾は中国ではない」という立場に立つことがどうしても必要.その為には 何より 当の台湾人らに そろそろ腹を括ってもらうしかない.
 以下 やや脱線気味ですが 補足.
 上述の日中共同声明の第2項・第3項には次のように記されています:
2. 日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する。

3. 中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第8項に基く立場を堅持する。
 第2項については,要するに
「中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを,日本政府は承認するに吝かでない.が,現在の国際通念上,また国際法上,台湾は『中国』ではない
とすればよいだけの話.また第3項については,
「日本政府は中華人民共和国政府の立場を十分理解し,尊重するが,台湾は『中国』ではないとする国際通念および台湾住民の意思をも同様に理解し尊重すべきであると考える」
でよい.

 が,それには何より先に 当の台湾人たちが全世界に向けて
「台湾は中華民国とは違う」
「台湾は中国の一部ではない」
「台湾は中華人民共和国との統一を望まない」
という確固たる意思表示をしてくれないことには 話が始まりません.

 李登輝氏の執政下に台湾は「中華民国在台湾」「台湾中華民国」と少しずつ《本土化》を進めており,現在では陳水扁総統の「中華民国=台湾」発言を李登輝氏が否定するまでになっていますが,さる12/11の立法委選で与党連合が敗北したのを初め 今年3月の総統選に合わせて行われた住民投票が不成立に終わるなど,台湾の民意の赴く所が未だ不透明さを拭いきれずにいるのは,外国人である私から見ても非常に残念なことです.
 今後,李登輝前総統へのビザ発給取り消しを求める中共の干渉・恫喝は日を追って激しさを増すでしょうが,如何なることがあろうとも 李登輝前総統の訪日は 予定通り 年内に実現すべきです.
 今回のことが もし 本当に中共の主張するように「日中関係に新たな影響」を及ぼすというなら 面白いから国交断絶でも何でもやって見せてもらえばよいのです.歴史問題や領土問題などをめぐる日本国内の反中感情や 対中ODA停止論にとっては,そうした一つ一つが貴重な火種であり大義名分であり得るでしょう.

 ついでながら,今回の一件は 来春に相次いで訪中を予定している与党議員の皆さん(産経 12/15,および毎日 12/14 などを参照)への重要な踏み絵になることは想像に難くありません.上記の記事によれば 訪中する議員は
  • 安倍幹事長代理ら (訪中予定日:2005/01/09)
  • 額賀福志郎(前政調会長),福島豊(公明党政調副会長)ら12名 (2005/01/10)
  • 中川秀直(国対委員長),古賀誠(元幹事長),二階俊博(総務局長) (2005/01/11)
の三派に分かれるようですが,安倍氏以外は 中共にまんまと篭絡されて帰って来る可能性が極めて高そうなのが懸念されます.
(ちなみに,この二階氏というのは 先月の中共原潜の領海侵犯事件の際に 中共の駐日大使である王毅を和歌山くんだりに匿っていた張本人でしたね.お陰で中共は日本外務相との応対は程永華などというヒラの公使で済ませたのでした.)

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 国際社会に於ける台湾の位置付けについて考えなくてはならないのですが,あまりに長くなりすぎましたので後日に譲りたいと思います.
  • 下関講和条約
  • カイロ宣言
  • ポツダム宣言
  • サンフランシスコ講和条約
  • 日華平和条約
  • アルバニア決議案
  • 日中共同声明
くらいを題材に,中共の言う「ひとつの中国」論が如何に重大な齟齬を来たしているかを考えることから手を付けたいと思っていますが…時間的余裕が….

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by xrxkx | 2004-12-17 21:42 | 台湾建国によせて
【台湾立法委選】両岸緊張の原因を作っている張本人が「ほっとしている」んだって
 一昨日(12/11)の台湾立法委選絡みで ちょっと補足.今年の台湾総統選前日(03/19)に起きた陳水扁総統&呂秀蓮副総統暗殺未遂事件で使われた銃弾を製造したと思しき男ら5名が逮捕されたというニュースが流れていました.

Taiwan police arrest five over president's shooting ─AFP 12/13
319槍擊案逮捕製造槍彈集團 檢警說明 ─TVBS新聞 12/13

 とは言っても 実際に狙撃に関った犯人が捕まったわけではないので,捜査は今後も続くことになりますが,今回の逮捕が選挙直前に行われていれば 選挙戦の結果も少しは違っていたかも知れません.間が悪い….

(翌12/14 追記: ひょっとして,それをやると またぞろ連-宋一派およびそのシンパから「やっぱりアレは自作自演だったアルカ攻撃」が来て鬱陶しいから 犯人の割り出しは出来ていながら選挙終了まで逮捕を待たせたとか何とか,そんな内幕があったのかな,という気がして来た)

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 今回の選挙結果についての日本での報じられ方,特に中共に絡む部分は ひどいもので,例えば昨日(12/12)のNHKのニュースなどは
…陳総統の自立化路線に反対する野党連合が、過半数の議席を獲得したことで、中国政府はひとまず、台湾との関係がにわかに緊張する事態は避けられたと受け止めているものと見られます。ただ、中国政府は、陳水扁総統が、今回の選挙戦で、台湾の独立をめざす姿勢をこれまで以上に明確に打ち出したと見ており、今後、陳水扁政権が、議会の制約を受けながら、実際にどのような政策を遂行してゆくのかを、強い警戒感を持って見つめていくと見られます。
といった調子.「台湾海峡情勢を緊迫させているのは陳水扁ら『台独派』の不穏な動きのせい」という中共側の立場をそのまま代弁しているに等しい.
 今回の選挙戦の結果によって中共がホッとしているのは事実でしょうが,それは単に北京五輪やら上海万博やらを控えた中共から見ていま台湾が新憲法制定に向けて本格的に動き出したら手も足も出ないから焦っているだけの話.一説には既に800発を超えたとも言われるミサイルを台湾に向けているのは中共の側であって,その張本人が「緊張が避けられた」などとは笑止千万.
 新聞各紙の記事も概ねこんな論調だったようで,中でも人民日報日本語版朝日などは ご丁寧にも選挙翌日の12/12に 『日中関係――「政冷経熱」で済むのか』などという社説を掲げていました.ここ数日来 日中関係絡みで特に目立ったニュースがあったわけでもないのに 唐突にこんな社説を載せているのは,やはり台湾を意識しているらしい匂いがプンプンするのですが,内容のほうはというと,要は「商売の邪魔になるから靖国参拝やめろ」というだけのもの.どちらかと言うと日経などが得意にしていそうな,経済面への影響に特化した論調です.
 それはよいのですが,この新聞,いつから大企業の視点でものを言うようになったのでしょうね. :p

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 ともあれ,新憲法制定を目指す与党陣営にとっては,議会で過半数を取れなかった以上 今後何か対策を考えなくてはなりません.差し当たりこれしか無いのでしょうか.国民党の中で脈のありそうな本土派人士と片っ端からサシで話し,説得して回る(かつて李登輝前総統が総統就任直後に国民大会の終身議員を一人一人説得して回って勇退させたように)くらい思い切ったことをやらないと….
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by xrxkx | 2004-12-13 20:49 | 台湾建国によせて
【台湾立法委選】 建国,前途多難
台湾立法委選挙、与党連合が敗北 ─ロイター 12/12

 残念な結果になりました.
 議席総数は225.各党の獲得議席数は
◇ 与党 ◇
民進党 89
台聯 12
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計 101

◇ 野党 ◇
国民党 79
親民党 34
新党 1
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計 114
とのこと.大陸寄りの連戦-宋楚瑜連合が辛くも過半数確保.

 さきほど読んだばかりのメルマガ「日台共栄」第110号に,興味深い分析が載っていました.
 各紙の報道では、「中国とのトラブルを嫌う中道層の離反を招いた」(朝日)とか「急激な台湾化を懸念する民意のバランス感覚が働いた」(読売)、「新憲法施行など陳氏の進める政治体制の「台湾化」は見直しを迫られそうだ」(共同)といった見方が主流のようだ。中国国民党の連戦主席も「中華民国の勝利だ。新しい民意を示した」と宣言したが、果たしてそうだろうか。
 確かに、野党陣営は過半数を越えた。しかし、得票率をみると、まったく横這いなのであり、逆に与党は確実に伸ばしていた。
 前回の2001年の投票率は、民進党が33.4%、台聯が7.8%、総計41.2%。一方、中国国民党は28.6%、新党は2.6%、親民党は18.6%、総計49.8%。
 では、今回の得票率はというと上記のように、与党陣営は46.26%と5.06%も増やしているのに対して、野党陣営は49.81%と0.01%しか伸びず、まったくの横ばい状態だった。
 では、なぜ与党陣営は得票率を伸ばしたのにもかかわらず、議席数が伸びなかったのかといえば、中選挙区の戦い方において野党の方が長けていたからだったといえよう。その点で「民進党は、過半数獲得を狙い公認候補を増やしすぎた。(民進党も台聯)もともに中選挙区制のわなにはまり、共倒れした」(松田康博・防衛研究所主任研究官)や「支持者の票の割り振りで組織票を有効に生かした国民党などに作戦負けした」(渋谷司・明道管理学院副教授)、あるいは「緻密な『配票』(複数の同党候補にバランスよく票が入る調整)で議席の取りこぼしを防いだ結果だった」とする世界日報などの指摘は傾聴に値する分析ではないだろうか。
 要するに、中国国民党の勝利は選挙戦術によるものだった。台聯候補が高得票にもかかわらず次点にとどまったことも、同様の理由が大きいだろう。
 確かに、朝日などが見るように「中国とのトラブルを嫌う中道層の離反」や「急激な台湾化を懸念する民意」も働いたであろうが、台湾住民の民意は台湾新憲法制定や台湾正名を掲げた与党を支持する方向で着実に伸びていたのである。それ故、議席数は伸ばしたものの野党陣営の得票率に変化はないのであるから、共同通信の「『台湾化』は見直しを迫られそうだ」という指摘は得票率を無視した、世論をミスリードするものであり、連戦主席の「中華民国の勝利」や「新しい民意」説もまたまったく説得力を欠いた「空宣言」といっても過言ではない。
 確かに 選挙区ごとの票の振り分けを気にしなくてよい総統選(2004/03/20)では 与党陣営の勝利と出ていたわけですから,上の分析には大いに頷けるものがあります. ──とは言うものの,敗因がどうあれ「新憲法の2006年制定,2008年施行」という《台湾建国へのロードマップ》は,今後 事あるごとに議会で阻まれることになるのは想像に難くありません.北京五輪までには目鼻を付けたいところでしたが,陳水扁政権としては厳しい舵取りを迫られそうです.
 今回の選挙戦結果に,さぞや中共はほくそえんでいるでしょう.あの新華社でさえ今回は開票結果を昨夜のうちに速報しています.中共が今後,特に対米関係の緊密化を通じ,台湾の国際的孤立化の策動を強めるのは必至でしょう.台湾建国への動きは「一歩前進,二歩後退」といったところでしょうか.
 次の立法委選は2008年.北京五輪が終わっても2010年に上海万博がありますから,すぐに台湾海峡有事云々といった事態は無いでしょう.が,何しろ李登輝前総統も御高齢.彼の眼の黒いうちに勝負を掛けたいということもあります.
 いずれにせよ 時間は中共に味方するでしょう.台湾建国を願う国民にとっては あるいは2008年が最後の砦になるかも知れません.
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by xrxkx | 2004-12-12 18:33 | 台湾建国によせて
(「台湾の声」より転載) 朝日不買運動をやってるらしいよ
 基本的に土日休みの義賊なので,今日はスイッチが切れています.
 私が平素愛読しているメールマガジン『台湾の声』 から.転送してほしいとのことですので,声明文と抗議先だけ載せておきます.
【声明】台湾政府に朝日新聞台北支局の閉鎖を要求する (転送を)

 親中の色彩がきわめて濃厚な朝日新聞は11月30日の朝刊第1面で、広州支局開設の記事を掲載し、その中で「中国取材網は中国総局(北京)、上海支局、広州支局、香港支局、台北支局の5総支局態勢となります」と告示している。 つまり朝日新聞は明らかに台湾を中国の一部分として扱い、中国総局の下部に台北支局を置いているのである。
 我々は、中国に媚び諂って台湾を侮辱する朝日新聞の姿勢に対し、強く抗議を行うとともに、台湾人に対する謝罪を要求する。 そしてそれとともに、朝日新聞の不買、あるいは定期購読取り消しを呼びかける「朝日新聞不買運動」を発動する。
 さらには台湾政府に対し、朝日新聞台北支局の閉鎖、支局長の国外追放を要求する。なぜなら「中国取材網」の一部と位置付けられている朝日新聞台北支局の存在を許すことは、台北が中国の一部であると承認することになるからである。
 台湾は自らの尊厳を守るためには、これ以上の譲歩、妥協は許されない。再び譲歩すれば、再び侮辱を受けるだけである。
 台湾政府が断固たる行動を以って、台湾人の気骨を示すよう要求する。

世界台湾同郷会副会長
「台湾の声」「日本之声」編集長林建良
2004年11月30日

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台湾人は祖国の尊厳と名誉のため謝罪要求を!
日本の皆様もぜひご協力を!


【声明】要求台湾政府関閉朝日新聞台北支局 (請多転送)

  親中色彩濃厚的朝日新聞、11月30日在其頭版刊登其広州支局開設的記事。其中強調「中国取材網包括中国総局(北京)、上海支局、広州支局、香港支局、台北支局之五個総支局態勢」。朝日新聞明顕地将「台北支局」列為中国的一部分。
  我們對此侮辱台湾以向中国献媚的記事表示強烈的抗議、我們要求朝日新聞訂正此不実的記事並向所有的台湾人謝罪。我們也呼請所有台湾的友人不要再看朝日新聞、如有訂閲朝日新聞者、也請退報。並請協力拡大此「拒看朝日新聞」的運動。
  同時、我們也要求台湾政府関閉朝日新聞台北支局、並将其支局長駆遂出境。因為顕然「台北支局」被朝日新聞表明為是「中国取材網的一部分」、「朝日新聞台北支局」的存在等於為「台北是中国的一部分」背書一様。
  台湾在維持自己的尊厳上不能再退譲、否則只有再度被侮辱。我們要求台湾政府以行動向朝日新聞抗議、為台湾人顕示出骨気。

世界台湾同郷会副会長林建良
2004年11月30日
 もう一本.
【声明】朝日新聞不買運動を支持する

 我々は朝日新聞が台湾を中国の一部と決めつけ、台北支局を中国総局に直属させていることに強く抗議する。
 そして世界台湾同郷会の林建良副会長が推し進める「朝日新聞不買運動」を断固支持する。
 また台湾政府に対し、朝日新聞台北支局の閉鎖と、支局長の国外追放を行なうよう要求する。

在日台湾同郷会会長陳明裕
2004年11月30日

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

台湾人は祖国の尊厳と名誉のため謝罪要求を!
日本の皆様もぜひご協力を!


【声明】我們支持朝日新聞退報運動

  對朝日新聞将「朝日新聞台北支局」列為中国的一部分、我們表示強烈抗議。
  同時我們也支持世界台湾同郷会林副会長所推動的「朝日新聞退報運動」、並同時要求台湾政府関閉新聞台北支局、立即将永持裕紀支局長駆遂出境。

在日台湾同郷会会長陳明裕
2004年11月30日
【抗議・謝罪要求先】

朝日新聞社
03−3545―0131
feedback@asahi.com

朝日新聞台北支局 永持裕紀 支局長
台北市襄陽路9号10楼(富邦城中大楼)
TEL 02−2311−7333
02−2311−7338
02−2311−6133
FAX02−2311−7833
 中共の広告塔朝日といえば,以前 かの金美齢女史がサッカーアジア杯の反日騒ぎとそれに関する日本報道について次のように書いておられました.この方の文章は辛辣だけれど嫌味が無く小気味良くて大好きなので,朝日関連の箇所だけ抜粋すると─
 重慶・済南・北京と転戦した各地の競技場で、何度も執拗にくり返されたあくどい侮日・嫌日の行動について、これをかのフーリガンの狂態に準えて論じ、その意味を故意に矮小化・非政治化しようとする論調がいくつか目についた。朝日の社説「たかがサッカー、されど」は、中国人が現状不満を反日に託して晴らそうとしたのだと説明し、「そうであれば、スタンドの『反日』をいたずらに過大視することは賢明ではない」と主張している。何のことはない、「中国人の多数は反日である」という今やだれの目にも明らかな単純な事実だけは何としても認めたくないという構えだ。かつてこの新聞の社長は、「報道の自由より日中友好のほうが大切だ」との迷言を吐いたことで有名だが、この歴史的な“社是”はいまなお健在なりというところだろうか。
「中国の反日は、こじつけ御都合主義」 (金美齢事務所「金美齢の提言」より)
 ちなみに 少し前には YahooJPの天気予報のページでも《台湾を中国の一部として掲載》していたことがあって(yahoo.comのほうでは そんなことには なっていない),たしかあの時も同じ面々が抗議し,結局Yahoo側から納得の行く説明は無かったのだけれど,表示そのものは訂正されたという経緯があります.
 まぁ,支局閉鎖云々はともかく,台湾の方々も抗議くらいはしておいたほうがよいでしょうね.私もメールで質問状でも送る予定.

◇ 参考 ◇
日中記者交換協定
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by xrxkx | 2004-12-04 17:11 | 台湾建国によせて
【台独論】 敢えて李登輝ファンとは一線を画したい
 昨今俄かに活気付いてきた 台湾政治家の訪日攻勢ですが,日本国内にも 例えば李登輝前総統の訪日実現を望む声は少なくないようです.
 それ自体は まぁ良い.私も台湾の独立なり正名運動なりは大筋で支持していますから.ただ,どうも私などには,日本の親台派の人々が李前総統を持ち上げすぎている面ばかりが目に付くのが懸念されます.
 確かに彼の生い立ちや文化的背景を見れば,彼が日本人にとって最も親しみ易い外国要人であるのは分からなくもない.ただ,そういう人々は 日本人から見て李前総統はあくまで外国の政治家なのだということに対し 最低限持つべき警戒心というものを どこかに置いて来てしまっていないか.
 何しろ相手は外省人だらけの国民党独裁政権のもとで頭角を現し,中共と互角に渡り合って来た人物です.並大抵の「狸」ではないのです.そういう人物と対等に付き合って行けるだけの力量が,彼らのメッセージに応える日本の政治家の側にも無いと 困ったことになる.

 台湾の独立なり正名運動なりを支持するのは構わないが,日台関係を対等な二国間の関係・give & takeの関係として発展させて行きたいなら なおのこと,日本の政界や在野の無名の李登輝ファンの方々には 日本としても主張すべきところは主張してもらいたい.例えば以前書いた「地図報道」の件などにしても そうで,向こうが
「うちは中国じゃなくて台湾だ.中国の一部扱いするな」
と言うなら,日本側からも
「まず台湾の国家主権の自立という実を挙げて見せてもらいたい.台湾を国家承認するかどうかは その後の話だ」
くらいのことは言ってよい.物分りの良い顔をするばかりが友好・連帯ではありません.何しろ隣人に恵まれない日本人のこと,その辺は 今まで何度と無く煮え湯を飲まされて来ているのですから 分かりそうなものなのですが….

関連報道いくつか
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by xrxkx | 2004-08-30 21:16 | 台湾建国によせて
可決することに意義がある…のかも
台湾立法院 議席半減へ 07年実施 任期は4年に拡大
 ──西日本新聞 2004/08/24

【台北23日竜口英幸】台湾の立法院(国会に相当)は二十三日臨時会を開き、議員定数を現行の二二五から半減させて一一三とし、任期は三年から四年へと拡大する憲法修正案を可決した。議場での殴り合いや汚職が絶えないのは議員の数が多すぎるからだ、との有権者の批判を受けた改革。二〇〇七年の選挙から実施する。

 改正では七十三議席を小選挙区比例並立制枠とし、残り四十議席を先住民枠や台湾全土対象の選挙区枠に配分する。

 新しい議席数には合理的な根拠はなく、世論の高まりを背景に、威勢のいい「半減」の掛け声が先行。今年十二月の立法委員(国会議員)選挙を前に、「改革反対党」のラベルを張られるのは得策ではないとの思惑で、与野党が一致した。
 ここに至る経緯というか動機については 記事中の最後の一段落が ほぼ全てを言い尽くしていると思いますし,それ以前に2006年の憲法改正に向けた陳水扁政権の動きがありますので,上の修正案の実施自体 先行き不透明なわけですが,それでも たとえ修正案とはいえ《憲法に手を入れること》に今から慣れておくことは あながち無意味でもなかろうと思います.

 世の中が動くには やはり こういう勢いというものが大切なのかな,と思ってしまいます.わが身を省みるにつけ,少し羨ましい気もするのは,あるいは 空がすっかり高くなったせいかも知れません.
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by xrxkx | 2004-08-24 13:11 | 台湾建国によせて
NHK「地図捏造」報道に対する台独派その他の反応を見て
 先日も一度紹介した「台湾の声」の,07/30配信分から.実を言うと 前の記事は こちらを紹介したかったから その導入部として載せておいたのですが.
 要するに 台湾を中国の一部であるかのように記した地図を NHKがニュース中で用いたとして ご立腹の模様.

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by xrxkx | 2004-08-01 16:33 | 台湾建国によせて