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お前こそ心配だぞ朝日新聞
■教科書採択――東京の教育が心配だ ── 朝日新聞 社説 2004/08/27

 なるほどね.では 朝日が言う「心配」でない教科書がどんなものだか見てみましょうか.

 「ライフログ」にも載せてある「『自虐史観』の病理」に,1996/06/27に公表された教科書検定結果が出ていますので 抜粋してみましょうか.まず「従軍」慰安婦関連.
◇日本書籍
朝鮮・台湾にも徴兵制をしき,多くの朝鮮人・中国人が軍隊に入れられた.また,女性を慰安婦として従軍させ,ひどいあつかいをした.

◇東京書籍
また,国内の労働力不足を補うため,多数の朝鮮人や中国人が,強制的に日本に連れてこられ,工場などで過酷な労働に従事させられた.従軍慰安婦として強制的に戦場に送りだされた若い女性も多数いた.

◇大阪書籍
また,朝鮮などの若い女性たちを慰安婦として戦場に連行しています.

◇教育出版
また,多くの朝鮮人女性なども,従軍慰安婦として戦地に送り出された.

◇清水書院
また,朝鮮や台湾などの女性のなかには戦地の慰安施設で働かされた者もあった.

◇帝国書院
さらに,日本の植民地であった朝鮮や台湾の人々からも多くの犠牲者がでました.(中略)これらの地域の出身者のなかには,従軍慰安婦だった人々,広島や長崎にいて原爆で被爆した人々,戦前日本領だった南樺太に終戦で残留させられた人々などがいます.

◇日本文教出版
植民地の台湾や朝鮮でも,徴兵が実施された.慰安婦として戦場の軍に随行させられた女性もいた.
 まず 初めての方のために概要だけ説明しておきますと,
  • 「従軍慰安婦」という言葉自体 歴史用語として正しくない.慰安婦たちは民間の業者に雇われて戦地で商売をしていた職業売春婦であって,軍属として軍から給料を貰っていたわけではないので「従軍」は余計.「従軍慰安婦」という呼び方が最初に使われたのは1973年に刊行された小説中のこと(千田夏光「従軍慰安婦」,1973).当時は単に「慰安婦」と呼ばれた.
  • 軍による慰安婦の「強制連行」を証拠立てる物が何も無い.自称・元「従軍」慰安婦の証言があるだけ.「従軍」慰安婦問題は当時「強制連行」を行なったと証言した日本人の著書(吉田清治「私の戦争犯罪 ─朝鮮人連行─」(1983)が発端だが,あの本はインチキであることを後に著者本人が認めている.
  • 「工場などで過酷な労働に従事させられた」のは「強制連行」ではなく徴用.内地の日本人も条件は同じ.
  • そもそも朝鮮と台湾は「植民地」ではない.台湾は日清戦争後に下関講和条約により清国から割譲されたもの.朝鮮については「韓国併合に関する条約」により主権を譲渡されたもの.
などと,数えあげたらきりが無いほどの嘘にまみれている.「『自虐史観』の病理」によると,この検定結果に関して当時の文部大臣ですら「これは本当に検定を通ったのか?」と言ったそうです.こういう教科書を採用するのが 朝日の言う「バランス」なのでしょうか.
※ 慰安婦問題に関しては 詳しくはこちら
「自国を大切にするからこそ、他国の人がその国を大切にする心にも敬意を懐(いだ)くことができる。それが国際的妥当性を持ちうる開かれたナショナリズムである。」
だそうですが,例えば上の例のように 自称「被害者」の言い分ばかりを証拠も無しに教科書に載せて,そうした教科書で ありもしない日本の悪行を子供たちに吹き込む教育は 果たして「自国を大切に」していますか.
 また,そうした自称「被害国」の方々は 随分とまぁ「自国を大切に」していらっしゃるようですが,彼らが本当に「他国の人がその国を大切にする心にも敬意を懐」いていますか.
そんな教育方針で、生徒がみずから学び、みずから考える力をつけることができるだろうか。世界の人々と交流し、互いの歴史や伝統を大切にする若者が育っていくとはとても思えない。
などというのは それこそ 何が何でも日本を悪者に仕立て上げないと気が済まない上のような教科書の著者に言ってやったほうがよい.

※ 参考:「新しい歴史教科書をつくる会」HP



同社説の全文
■教科書採択――東京の教育が心配だ
 東京都教育委員会は、来春開校する都立の中高一貫校で、「新しい歴史教科書をつくる会」主導で編集された中学用の歴史教科書を使うことを決めた。
 採択は1校だけだ。国公立の普通校としては、愛媛県立の中高一貫校に続いて2例目である。それでも、来年には教科書検定と全国での一斉採択があるため、都教委の判断が注目されていた。
 公開された委員会の論議は計5分ほどで終わった。「3年前に養護学校で採択したときも一番良いとした」「戦争へ導く教科書ではない」。そんな意見が出ただけである。都内の公立中学では1校も使っていない。8社の教科書の中から、なぜこれを選ぶのか。残念ながら、説得力のある意見は聞けなかった。
 石原慎太郎都知事が99年につくった私的懇談会には、「つくる会」の幹部2人が名を連ねていた。この懇談会からメンバーの2人が教育委員になった。こうしたことも影響を与えたのだろうか。
 私たちは、この教科書について、バランスを欠いており、教室で使うにはふさわしくないと主張してきた。
 たとえば、満州事変から太平洋戦争へ至る歴史をあまりにも日本に都合良く見ようとする偏狭さが目立つ。これでは戦争へ突き進んだ無謀さを知り、歴史を学び、教訓をくみ取るのはむずかしい。
 国家への献身が強調されているのも特徴だ。神風特攻隊を詳しく書き、遺書や遺詠を掲げて、戦争中の人々の気持ちを考えてみようと求めている。
 この教科書に対しては、さまざまな立場から批判が寄せられてきた。
 五百旗頭真(いおきべまこと)・神戸大学教授は、歴史の大胆な語り方に「新しさ」を認めながらも、「その観点たるや国家闘争史観に自滅した戦前の歴史をそのまま地で行こうとするものとしか思えない」と指摘している。「自国を大切にするからこそ、他国の人がその国を大切にする心にも敬意を懐(いだ)くことができる。それが国際的妥当性を持ちうる開かれたナショナリズムである。この教科書はそうではない」とも述べている。(「論座」01年7月号)
 教育委員たちはなぜ、こうした意見に耳を傾けなかったのだろうか。
 都教委は今春の卒業式で「国旗は舞台壇上の正面に」など12項目も事細かく指示した。監視役を派遣して、従わなかった教員約250人を処分した。
 教員を処分で脅し、生徒の内心の自由も認めない。国が決めたのだから、なにがなんでも従わせようとする。そのような考え方と同じ線上で、「つくる会」の教科書を選んだのではないか。
 そんな教育方針で、生徒がみずから学び、みずから考える力をつけることができるだろうか。世界の人々と交流し、互いの歴史や伝統を大切にする若者が育っていくとはとても思えない。
 都教委は今後6年間でさらに9校の中高一貫校をつくる。東京の教育がますます心配になってきた。

by xrxkx | 2004-08-28 15:42 | 時事ネタ一般