NHK「地図捏造」報道に対する台独派その他の反応を見て
 先日も一度紹介した「台湾の声」の,07/30配信分から.実を言うと 前の記事は こちらを紹介したかったから その導入部として載せておいたのですが.
 要するに 台湾を中国の一部であるかのように記した地図を NHKがニュース中で用いたとして ご立腹の模様.



※ 念のためお断りしておきますが,こうした引用部の太字は 特に断らない限り 全て私が付けたものです.原文には付いていません.
【NHK問題】

自由時報がNHKをボイコット
テレビ番組欄から削除

台湾で最大発行部数を誇る日刊紙『自由時報』はNHKテレビが7月25日、ニュースで中華人民共和国の地図に台湾を組み入れたことに抗議し、28日以降、テレビ番組面からNHK(アジア向け番組)の番組表を空白にしている。

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以下は同紙30日付に掲載された張淑芬氏(台湾母語教育学会総召集人)の投書です。(翻訳=編集部)

台湾で自滅したNHK

7月28日の自由時報のテレビ番組面では、NHKアジアチャンネルの欄が空白にされ、太文字で「NHKは台湾が中国の一部だと主張した。これは事実と異なっており、この番組表は本日以降、しばらく掲載を停止する」と書かれていた。台湾の主権を守るためのこの一挙は心を晴れ晴れとさせるものであり、台湾の主権を侮辱するニュースを処理する上での、メディア最良の模範的態度だ。

台湾意識、台湾心を持つ人であれば、台湾が主権独立国家であり、台湾と中国がそれぞれ別の国であることを知っている!いかなる国でも中国のご機嫌を取って台湾を軽視することは許されない。我々台湾人は世界に対し大きな声で叫ぶべきだ。「台湾は台湾であって、絶対に中国の一部ではない!」と。

台湾の主権を守る立場から、NHKの過った主張に対して迅速に反撃した自由時報こそ、台湾心を持つ本当のメディアだということができる。

 はじめにはっきり言っておくと,私も日本メディアの周辺国への弱腰ぶり(今回のNHKに限ったことではない)を弁護するつもりなど全く無い.
 ただ,NHK側の見解では,
「地図中の『中国』が『中華人民共和国』なのか『中華民国』なのかに関しては NHKでは判断しない」
ということらしいです.これはこれで,単なる言い訳としても一応の筋は通っている.
 例えば,台独派や正名運動の支持者が しばしば口にするように,なるほど中華人民共和国は歴史上一度たりとも台湾を実効支配したことはありませんが,そのこと自体は「台湾が中国とは別の国である」ことの根拠にはなりません.内戦が未完のままの状態であるに過ぎないではないかと言われたらどうするのか.現に蒋介石などは「大陸反攻」を唱えていたわけです.「我々は国民党の立場には与しない」というのであれば,まず台湾人自身の手で 大陸から逃げて来た「中華民国」を始末するのが先決です.
 少なくとも,国家としての台湾が「中華民国」に取って代わった(中華人民共和国がそうだと名乗っているのと対等の資格で)とか,あるいは「中華民国」から独立(中華人民共和国からではなく)したとか,どちらでもよいから 台湾人自身がそういう実を挙げてみせないことには 話が始まりません.
 陳水扁政権は2006年の新憲法制定を目指しているようですが,そのときになっても国名を「台湾」と明記するところまで行けるかどうか….今年5月の総統選と並行して行われた住民投票が 結局は不成立に終わったという経緯もあります.台湾内部ですら そういう心もとない状態であるものを,先に海外メディアの「地図捏造」などを非難してみて何になるというのでしょう.

以下,余談.上のNHKの言い分に対してですが,
「それならNHKはどうして南北朝鮮を一つのように記した地図を使わないのか? あるいは,なぜ日本政府が国家として承認してもいない北朝鮮を つい最近までいちいちご丁寧に『朝鮮民主主義人民共和国』と呼び替えていたのか?」
という反論は 当然あって然るべきだと思います.私が上でNHK側の見解を「単なる言い訳」と呼んだのは そのためです.

 先日紹介した台湾独立建国聯盟主席・黄昭堂氏が その文中でいみじくも述べているように,
台湾が真の主権国家になる努力をしないで、事前に外国から承認の予約をとるのは本末転倒だ。
ということ.台独派の方々には この発言の重みを十分に噛み締めて頂きたい.
 「そうあってほしい」又は「そうあるべきである」というのはあくまで希望・信念に過ぎず,「実際にそうである」というのとは違います.自分たちの身勝手な要望だけを根拠に周辺国に駄々をこねる大衆などは どこぞの分断国家の国民だけでたくさんです.
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by xrxkx | 2004-08-01 16:33 | 台湾建国によせて