少しだけ感心した「台湾新生国家理論」
 私が読んでいるメールマガジン「台湾の声」の,昨29日配信分から.
 読んでいて「ちょっと都合の良い絵を描きすぎでは?」と感じる部分が あちこちに見られるものの,台独派の意見について私が常々物足りなく思っていた部分に ズバリ言及していて わが意を得たりという部分も多々あったので(特に太字部),全文引用しておきます.

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【国造り】台湾新生国家理論(九)——継承国家、分裂国家から新生国家へ

        黄昭堂/台湾独立建国聯盟主席


国際社会は新生国家台湾を承認するか

1現有の外交関係維持国はほぼ離脱しないだろう

現在、台湾中華民国と外交関係を持つ二十七ヵ国のうち、本当の中華民国時代、つまり中国本土に存在していた時代に、外交関係が樹立されたのは二ヵ国だけで、あとの二十五ヵ国は、中華民国が台湾にその本拠地を置くようになってからである。中華民国は一九一二年以来の既存の国であることになっていたので、第二次大戦終戦以前に存在していた国との関係樹立は、国家承認の手続きがなく、外交関係樹立の手続きのみだったと思われる。新生国家との関係樹立に際してのみは、中華民国がこの新生国家に国家承認を与え、かつ相互に外交関係樹立の手続きを踏んだと考えられる。

1中華民国=中国の大陸時代に外交関係を結んだのはバチカン教皇国とコスタリカ共和国の二ヵ国である。前者は中華人民共和国のキリスト教弾圧への不満から、後者は反共意識ゆえにである。台湾への移動にもつきあい、台湾でのつきあいは、もう半世紀以上の長きにわたっている。

2台湾に本拠地を置く時代のうち、中華民国が国連に議席のあった時代に外交関係を持ったのは、パラオ共和国、マラウィ共和国、スワジーランド王国、セントメプリンシペ共和国、ドミニカ共和国、パナマ共和国、パラグアイ共和国、エルサルバドル共和国、グアテマラ共和国、ハイチ共和国、ホンジュラス共和国の十一ヵ国である。この国ぐには、中華民国の支配地域が台湾に限られていることを知ってのうえで、外交関係を結んだのであって、中華民国の大陸反攻に期待をかけていたわけではない。中華民国政府代表の国連追放後も台湾に残留し、外交関係を維持してきたのであり、そのほとんどが新生国家である。

3あとは、米華断交後、中華民国が綱渡り式の外交活動を展開した時代に外交関係を樹立した国ばかりで、ツバル、ナウル共和国、セントビンセント及びグレナディーン諸島、ドミニカ国、ソロモン群島、セントクリストファ・ネイビス、グレナダ、リベリア共和国、ベリーズ(以上一九八〇年代)、ニカラグア共和国、ブルキナファソ、ガンビア共和国、セネガル共和国、チャド共和国、マーシャル群島共和国(以上、一九九〇年代)の計十四ヵ国がある。この時代になると、支配地域は台湾限定が極めて明白であり、それでも外交関係を樹立した。いずれも新生国家であるだけに、新生国家台湾への理解はさらに期待できよう。

これら二十七ヵ国のほとんどは、中華民国政府が中国の正統政府だからこそ外交関係を結んだわけではない。台湾にある中華民国の支配地域が、台湾に限られているとの事実を認識したうえで、台湾の存在価値、もしくは経済関係などの理由によって外交関係を結んだのであり、将来台湾が人民の意思で、台湾、台湾国、台湾共和国に国名を変えても外交関係を維持すること必定である。

その場合、新生国家台湾にたいして、改めて国家承認、つまり新生国家への承認付与をするか、それとも外交関係の存続の形をとるかは、手続き上の問題として、相互間の検討を待つことになろうが、使節の信用状変更でも充分である。

もちろん、外交関係保持国のなかには、現状維持のままの台湾中華民国とでさえ、断交する可能性がなきにしにあらず、という国もないわけではない。それを避けるために現今の政府は懸命の努力しているぐらいだから、新生国家台湾と絶対に外交関係を持つとは断定はできない。とはいえ、この国ぐにが、新生国家台湾は嫌だということで、断交することはないだろう。むしろヌエ的性格のままの中華民国、台湾中華民国のほうがあぶない。

次に議論したいのは、むしろ正真正銘の新生国家台湾になった場合に、外交関係樹立国が増えるかどうかである。

2外交関係の拡大は期待可能

幸いにして、「中華民国(台湾)時代」に入ってから、「漢賊不両立」というゼロサム政策を捨てている。だから、中華人民共和国を承認している国と外交関係を持つのに、中華人民共和国との外交関係を絶つことを要求することはなくなった。二重承認を受け入れるようになったのである。外交関係を求める場合、もっぱら台湾と相手国だけの問題ということになったのだ。相手国が対中関係を考慮するにしても、それは相手国自身の問題であって、台湾自体、「問題なし」である。

中華人民共和国が民主化すれば、台湾政策は穏便化するとの見方があるが、これは一種の希望的観測にすぎない。中華人民共和国の台湾への領土野心は、自由民主の国家体制に変わっても、そのまま持続すると予測されるからである。

中華人民共和国は長い間、第三世界のリーダーを自認、かつ未解放人民の後ろ盾としての立場をとった。その帰結として、国内経済の疲弊にもかかわらず、第三世界を経済援助したり、「解放」の名の下に、諸外国の革命勢力に武器を提供、いわば革命の輸出をしてきた。革命輸出されるのを恐れて、中華人民共和国に外交関係をスイッチした国も少なくなかったが、中華人民共和国が国連安保理の常任理事国になった以上、もう革命輸出はないだろう。革命輸出への恐怖は減少したといえるだろう。

そうとはいえ、中華人民共和国は、社会主義市場経済に移行してからも、外国から経済援助を受けながらも、第三世界への経済援助をしている。いまでは、その国際影響力は、国連安保理常任理事国としての政治力、軍事力と経済力で具現される。大国として、各国との間に築いてきた国家間の絆は無視しえない力になっている。

台湾が新生国家台湾として、諸外国と外交関係の樹立を図る時に、中華人民共和国は阻止に狂奔するはずである。それでも国際社会、特に小国は中華人民共和国に楯突いてまで、新生国家台湾を承認する勇気があるだろうか。これについては、ベトナム戦争時代を想起されたい。あの超大国米国——今の中華人民共和国よりも影響力がはるかに強大——に、いかに多くの国が逆らったか。すべてが大国の意に沿って動くわけではないのである。

中華人民共和国は内部にかずかずの矛盾を抱えており、いつかそれが爆発する。中華人民共和国が混乱期に入ったとき、中国の台湾への理不尽な態度に、世界は今更ながらに目を剥くはずである。

3新生国家台湾のチャームポイント

中華人民共和国の内部混乱を待たずとも、台湾は外交関係樹立に向けての武器というか、チャームポイントが少なくない。それは、1二二五〇萬という大きな人口が孤立化されている不条理、2自由民主主義体制を実践している国家、3平和愛好国家としての実績、4経済援助にみられる国際貢献度、5貿易など台湾との経済交流でもたらされる相互の利益、6国連憲章、国際人権規約に規定されている人民自決の精神、7台湾の軍事戦略上の価値、8航路の要衝に位置している地理的価値、9台湾が中華人民共和国に奪取されることによって生じる東アジアへの衝撃…などである。多くの国にとって、これらはいずれも考慮の対象になるであろう。

台湾が正真正銘の新生国家になったとき、中華人民共和国と緊密な関係を持つ国ぐには承認しないだろう。しかし、中華人民共和国と疎遠な国ぐには、中華人民共和国と新生国家台湾とを天秤にかけたうえで、新たに新生国家台湾と外交関係を持つ国が現れること必定である。そもそも台湾の孤立化は身の程を知らずに、蒋介石中華民国の代表が一九四九年から一九七一年の長きにわたって、中国代表権を占拠したからであって、台湾の存在が無視されたためではなかった。

しかも、あれから三十余年経たあとの台湾自体、その存在感は飛躍的に大きくなっている。隣国とは、戦闘したこともなく、紛争処理はすべて平和的交渉によるものだった。冒頭に示した規模を持つ国台湾が、いつまで国際社会から疎外されねばならないのか、国際社会は疑問視しよう。

蒋介石の大陸ゲリラ活動は別にして、また、蒋経国の「三民主義による中国統一」に見られる「口先反攻大陸」をも別にして、台湾は、ずっと平和を追求してきた。将来、台湾海峡を挟んでの戦争が起こるとすれば、それは中華人民共和国による発動であって、新生国家台湾は防衛以外に考えられない。

しばしば問われることだが、「新生国家台湾が誕生したら、米国は承認するだろうか、日本は承認するだろうか」である。これを称して、世迷い言という。台湾が真の主権国家になる努力をしないで、事前に外国から承認の予約をとるのは本末転倒だ。水面下の交渉ならいざ知らず、外国が「台湾を承認する」と公言するはずはない。事態が発生してから、外国は初めてそれに対処するのだ。もっとも、新生国家台湾の誕生は、予想し得ることなので、諸外国には腹案ができているかも知れないが、事前の公言はありえない。新生国家台湾の誕生が先で、その次が諸外国の悩む番である。

新生国家台湾の誕生までのタイムテーブルはない。それは、明日でもあり得ることだ。

予言めくが、中華人民共和国のミサイルが、台湾に当たったその日に、欲すると、欲せざるとを問わず、台湾は間違いなく変わる。現状維持はこの日で終わる。台湾絶対多数の人民は中華人民共和国からの侵攻に立ち向かうことははっきりしている16 。

受けて立てば、新生国家台湾の誕生だ。

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by xrxkx | 2004-07-30 19:08 | 台湾建国によせて