イラクで またも人質事件 / 韓国人の選択は
● 人質殺害予告し撤退要求 韓国にイラク武装勢力 (共同通信)
(原文 控え)

● 韓国人人質の殺害警告 「アルカーイダ」24時間内に撤退迫る (産経新聞)
(原文 控え)

----
 前回 韓国人が捕まったときは「日本人と間違えられたのでは」等という風説も飛び交いましたが,今度のは 正真正銘 韓国軍の撤兵を要求する誘拐のようです.(韓国軍の追加派兵に関する記事は こちら: 原文 控え)

 ところで,前回の日本人人質事件の場合と 事情が異なるのは 次の2点.

1) 韓国の場合は 武力の使用,とくに「集団的自衛権」の行使に関して
 日本のような憲法による制約が無い.

2) 人質に取られた民間人の立場が決定的に違う.
 前回の日本人の場合は フリージャーナリストやNGO関係者,
 今回の韓国人の場合は 米軍の御用商人.

 このうち 2番については,おそらくは 人質になった韓国人の立場上「事前に韓国政府による退避勧告などは出ていなかった」と見てよいでしょうから,日本のときにあったような「自己責任論争」というのは もともと成立しにくい.従って 韓国輿論は もっぱら「派兵続行か,撤兵か」をめぐる論争に集中するでしょう.その意味で分かり易い.

----
 念のため まとめておきますが,先の日本の場合,人質の家族が自衛隊の撤退を訴えたところから「自己責任論争」に火がついた.要するに,もともと自衛隊派遣に賛成の立場を取っていた親米論壇側は
「政府による再三の退避勧告を無視して家族のイラク入りを許しておきながら,
 今頃になって政府に人質救出の責任だけは一人前に問うのも図々しいし,
 まして そうした個人の軽率な行動のために 国家意思としての自衛隊派遣を
 反古にせよ等と言い出すのは筋が通らない」
という立場.一方の 自衛隊派遣反対派側は
「自衛隊であれ民間人であれ,
 危険を冒してイラクの復興支援に赴いている点は同じ.
 民間人にだけ『自己責任』を求めることこそ筋が通らない」
という主張.結局,双方が この人質事件を政治的に利用しようとして あれだけの騒ぎになった.

 面白いのは 事件発生当時に出た 米国務長官パウエルのコメントが 自衛隊派遣反対派の意見に酷似していたという点です. つまり,イラクの「復興支援」のために出掛ける日本などの民間人は,アメリカによるイラク占領統治にとって好都合な存在だということです.今や米軍によるイラク統治は行き詰まり,先のファルージャの掃討戦を見ても分かるように 反米勢力との戦闘は泥沼化の一途を辿っている.地元住民を手なずける仕事は軍隊だけでは無理なのです.だからこそ民間人がほしい.それを,アメリカによるイラク侵攻に反対していたはずの左寄りの人々が,都合のよいときだけ 侵略者の親玉の意見を有難がっている図というのは 悪趣味な冗談以上の何物でもない.

 一方で,自衛隊派遣に積極的に賛成していた右寄りの人々の中から
「人質の人命は日本人自身の手で守れ.
 それくらい出来なくて 何のための自衛隊か」
というくらいの意見が まるで出て来ないというのも おかしい.単に サマワの住民に水を配ったり 子供たちに鉛筆を配ったりしているだけでよいのなら 始めから無反動砲のような物騒な装備なんか持って行かなければよい.当然 空自・海自も不要.JICAの民間人でも送っておけば十分のはず.所詮 彼らから見れば自衛隊派遣もアメリカへの忠義立て以上の何物でもないということです.

 私は国連によるイラクの核査察が進行中だった頃から一貫して アメリカ他の対イラク武力行使にも 自衛隊派遣にも 反対の立場であり,その点 今も変わりはありませんが,あの人質事件をめぐる左右両論壇の論争を見る限り,どちらもバカじゃないかとしか思えません.

----
 今回の韓国の場合,上述のような理由から そういう議論には おそらく ならない.問題は むしろ「撤兵論議」が本格化することで 再び韓国の政局全体が混乱するかも知れないという点ではないかと思います.
 既にウリ党は派兵賛成に転びました.6者協議のこともありますし,本気でアメリカのご機嫌を損ねるわけにいかないということくらいは いくら彼らでも分かっているはず.それで 韓国与党の常として ヒヨった.ところが 例の民労党は今も撤兵を求めている.これに韓国の大衆が飛びついたりしないか.その場合,先の総選挙でウリ党が一挙に過半数獲得を達成したことで弾劾騒動を切り抜けたかに見えた盧武鉉も 再び政権運営の基盤が揺らぐことになります.

 結局またローソクデモをやるのでしょうか,かの国では.傍観者としては少々食傷気味ですが.
[PR]
by xrxkx | 2004-06-21 16:22 | ここが変ニダ韓国人