竹島の日行事への政府関係者・地元選出国会議員らの不参加が報じられて以来,韓国メディアの竹島報道のトーンが一変しています.それまではどちらかというと島根県と慶尚北道他韓国側との「イベント合戦」ばかりをクローズアップするきらいがあったのですが,「不参加報道」以後は「勝ったも同然」と言わんばかりの見出しが躍るようになりました.
そのくせ「竹島の日阻止」だ「行事撤回要求」だといった反日デモ報道のほうは相変わらず散発的に続いているのは,日本政府の「韓国側への配慮」が明らかに韓国人に誤ったシグナルを送っている証拠でしょう.そんな「配慮」くらいで朝鮮人が大人しくなるなどと期待する政治家も官僚も甘すぎます.前から言っているように,二足歩行して言葉らしきものを喋る生き物を何でもかんでも自分と同じ人間だと思って掛かるとひどい目に遭います.
- <ワールドエッセー>「竹島の日」1周年、がらんとした島根県行事 (中央日報 02/19)
- 気の抜けた「竹島の日」 (東亜日報 02/20)
あたりの日本語記事はお読みになった方も多いでしょう.特に中央日報などは
韓国政府やマスコミが、島根県の1周年行事を際し世論を刺激したり両国間の争いを助長したりしては困る。本音はどうであれ、日本政府や政治家らさえ背を向けている行事に、われわれが飛び込んで盛り上がらせるべき理由は全くない。島根県の「がらんとした県内行事」として放っておくのが上策だろう。
などと鬼の首でも取ったような書きっぷりですが,「放っておくのが上策」だと思うなら記事にしなければいいのになぁ.気になって仕方ないなら素直にそう言えばいいのに(笑).それからソウルあたりでデモやってる何とか市民連帯だとか,日の丸食べたり唐辛子粉撒いたり山に登ったりと忙しい何処かのおじさんなどは,中央日報から見たら「竹島の日など放っておくのが上策であることも分からない真性の馬鹿」ということでよろしいのでしょうかね.
ところで,以前から当blogでも御紹介させて頂いている「県土・竹島を守る会」のサイトで,会長さんが 私の立てた「「竹島の日を応援するひとこと」募集スレに19日付でコメントをお寄せ下さっています(13番目を見てね).以下,太字は私が勝手に付けたもの.
(前略)韓国の取材陣も含めて6,7社のインタビュを受けましたが、1時間の間ずっと待っていました。以前はコメントを取ると直ぐ帰っていたものですが、マスコミも熱が入っていることを感じました。
特に韓国の取材は執拗でした。(紳士的対応ではありました。)今まで取材を受けた人からも聞いていたので注意はしましたが、果たしてどのような編集をしてくるのか?
メディアそのものは竹島の日のことをものすごく気にしているらしいことが,こういう辺りからも分かりますね.但し「盛り上がりに欠ける」とか或いは「盛り上がっているのは県内だけ」とかいった書き方に持って行きたがっているメディアが大部分でしょうが.
先ほど「守る会」関連記事が韓国のネットに流れていないか探してみたのですが,Googleで引っ掛かって来たのは以下の1件だけでした:
島根県「彼らだけの行事」に / 22日「タケシマの日」条例制定1周年の日本の表情 / 日本政府,意図的無関心…議員らも不参加 / 島根県,韓国人観光客減少に懸念 (韓国日報 02/21)
(訳註:正しくは条例制定は昨年3月16日なので「条例制定1周年」は誤り)
昨年韓日間の摩擦を増幅させた日本の島根県の「タケシマ(原文註:竹島・独島の日本名)の日」が,22日で1周年を迎える.(訳註:正しくは竹島の日そのものは今回が初めて.なお,「タケシマ」と片假名標記した箇所は原文でも「独島」ではなく日本式に呼んでいることを示す.以下同様)
島根県は「タケシマを考えるフォーラム」などの行事を開催し,1周年を記念する予定だ.件は先月から関連TV広告を始め,「フォトしまね特集号」という冊子を作って配布するなど積極的な広報活動を展開して来た.
今年から(訳註:竹島関連の)専門担当職員を配置し,長期的にこの問題に取り組む意志も見せて来た.「タケシマを守る会」など島根県の市民団体も19日,市民らの行事参加を呼び掛けるビラを配るなど,内外の関心を喚起する為努力した.
しかし,今年の島根県の動きは,一触即発だった昨年とは大きく異なる雰囲気だ.日本国内の関心すら惹くことができずにいる状況で,県関係者らの間には「県の行事で終わってしまうのではないか」といった懸念も出ている.
最大の背景は,韓日政府の意図的無関心だ.両国間に「これ以上関係を悪化させてはならない」とする共感帯が形成されている中,日本政府は問題を起こさないよう極めて気を遣っている.日本政府関係者や島根県出身の国会議員が記念行事に参加しないことにしたのは,こうした脈絡に於いてだ.
島根県の突出行動により韓国人観光客が急減するなどの副作用が続出していることも,雰囲気が急冷した主な理由の一つだ.昨年日本を訪問した174万人の韓国人観光客のうち島根県を訪れたのは400人ほどしかいなかったなど,「タケシマの日」が島根県や周辺地域の観光事業に及ぼした悪影響は深刻だ.
このため,島根県は今年作成したTV広告や広報冊子に「韓国との対話,相互理解の努力を続ける」という文言を挿し込み,姉妹地域の縁組みをしていた慶尚北道に関係復元を要請したが,「関係断絶の原因を全く分かっていないらしい」と(訳註:慶尚北道側から,だろう)判断されていたことも分かっている.
一方,ソウルでは21日,北核阻止市民連帯など10あまりの市民団体が集う独島守護汎国民連帯の会員40名あまりが,日本大使館近くで記者会見を開き「タケシマの日」条例廃止を要求した.彼らは「日本が22日『タケシマの日』行事を強行するならば,領土侵略行為を犯すもの」だとして「国際社会とともに闘争する」と表明した.
国民連帯は行事阻止の為,抗議団4名を島根県に派遣した.コリア独島緑の運動連合の会員100名あまりも同じ場所で記者会見を行い,日本の独島侵奪野欲を糾弾する声明を発表した.社団法人・太平洋戦争犠牲者遺族会など6つの団体は「韓日修交協定文書公開対策企画団」事務室前で,太平洋戦争犠牲者支援法の速やかな国会通過をも求めた.(東京=金チョルフン特派員 chkim@hk.co.kr)
ここでも「放っておくのが上策だとも分からぬ馬鹿」が大はしゃぎの(& 何かイマイチ無関係な団体が便乗デモやってる)様子ですが,それはともかく.
こういう感じで「島根必死だな」的な方向に持って行きたがる韓国メディアが非常に多いのは事実.ただ,これは日本国内の朝日やら共同やらとはまた違った意味でそうしていると見た方が正しいでしょう.一言で言うなら韓国メディアの場合は「単に安心したいだけ」.朝鮮人の「都合の悪い話は聴こえないつもり(聴こえないフリではなく本気でそう信じ込みたがる)」という習性の延長線上にある行動.
朝鮮人や本田テープ朝日の思惑が何処にあれ,竹島の日が「島根県内の行事」なのは 今回に話を限るなら別に差し支えないでしょう.実際そうなのですし,政府のヘタレぶりも残念としか言いようの無い話ではありますが「想定内」ではありますし,第一 竹島の日条例の趣旨がもともと「竹島問題に関する国民輿論の啓発」にある以上,官や政はそっちのけで民が動けば済む話.
さて脱線はこれくらいにして「守る会」の会長さんのコメントに戻ります.
良い機会だと思ったので、韓国は国際司法裁判所に出て来い、出れないのは負けると思っているからなのでは?国旗を焼いたり、ガソリンをかぶるエネルギーを日本ではなく韓国政府に向けて裁判で白黒つけるように迫れ、と挑発しておきました。韓国政府マスコミの上層部は裁判になれば李承晩ラインの不法性、日本人漁民4千名の拿捕という名の拉致が明らかになるのを恐れているようです。だから国際司法裁判所という言葉はタブーのようですので今回の私たちの主張がテレビで放映される可能性は低いかも知れませんが、ここは、頭から独島は自国領だと信じて疑わない一般韓国人を炊きつけ、韓国民をして韓国政府を動かすような戦略を立てていかなければ、と思っています。
韓国で「国際司法裁判所」という言葉がタブーになっているかどうかについては議論の余地があるでしょう.私が思うに一般の韓国人も日本が国際司法裁判所行きを呼び掛けていること自体はよく知っており,裁判をやると韓国に不利であることも分かっているようです.もっとも其処から何故か「だから日本は狡猾だ」「日本は竹島を紛争地域化しようと企んでいる」というふうに思考が飛躍してしまうあたり──しかも自らの不法占拠を棚に上げて,です──が朝鮮人の朝鮮人たる所以でしょうけれども.(ちなみに左の漫画は昨年のたしか3月に某韓国紙に載っていたもの.「対馬が韓国領である証拠」を持って日本を国際司法裁判所に引きずって行く韓国,というお得意の白昼夢.)
いずれにせよ韓国にとって国際司法裁判所の話が竹島問題に臨む上でのアキレス腱であることに変わりは無く,これを多国間外交の場で持ち出されるのを韓国政府が恐れているのも間違いないでしょう.此処で韓国政府を動かす為に「一般韓国人を焚き付け」るというやり方は戦術的に非常に有効だという点は私もかねがね持論としている所です.曾ての軍事独裁からの反動もあってか「参与政府」という名の衆愚政治が横行する韓国では,大衆の集団ヒステリーが政策決定の上で無視し得ない力を持ちます.その意味に於いて かの活貧団(ほゎるびんだん)などは寧ろ使い方次第で日本側のボランティア工作員たり得る逸材なのであり,幾ら感謝しても足りないくらいです(笑).
おまけ.
NHKの運動の成果を感じることは?とのインタビューに応えて、インターネットで「買えよ国民、島根の産品」というような思わぬところからの応援があり私たちの運動が島根経済にも貢献していることを嬉しく思う、と言いました。
今度はNHKに紹介して頂いていますよ ヾ('◇' )ノ゙ >toriさん
これは「守る会」のBBSにお礼の一言も入れないとね :D