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かの国の「翻訳文学者」にまつわる思ひ出

息抜き的な小ネタ.
土日はいつもアクセス数が減ることもあり,第一 黄疑惑ネタばかりやっていては読者も飽きてしまうでしょうから,たまにはいいでしょう.
黄ネタについては 10日のソウル大調査委の「最終発表」までに まとめ的なエントリを2本ばかり上げておく予定です.



褌仲間のrx178さんのところで昨日読んだ記事で知ったパクリネタ.
何より載っていた写真を見ればパクリ具合は一目瞭然でしょうが,件のエントリで紹介されていた記事を一応見ておきますと──.




「剽窃ではありません.法的にも引っ掛かる点はありませんし」


映画俳優チョン・ジンヨン(42)が16年前に出した子供童話本が剽窃ではないかとのクレームを生じたことから,該当出版社代表が立場を表明した.


最近,映画「王の男子」(訳註:?)で狂気じみたヨンサングン役で熱演を繰り広げたチョン・ジンヨンは,さる1990年「はろんはろん探検隊」という童話本を出し,作家としての力量を誇った(訳註:「はろんはろん」は粗忽なさま,落ち着きの無いさまなどを表す擬態語らしい).


こうした事実が映画興行と併せて再び知られると(訳註:最近まであまり知られていなかったらしい),ネティズンらは「優れた俳優が優れた作家でもあるとは驚いた」とか「ソウル大国文科出身の秀才だとは前から知っていたが,こうして本まで出すとは,俳優チョン・ジンヨンを見直した」といった賛辞を惜しまなかった.


しかし,程なくチョン・ジンヨンの本が日本童話を剽窃したものだという指摘が起こった.
ネティズンらは,「はろんはろん探検隊」は日本のポプラ社が1980年12月に刊行した「あやうしズッコケ探検隊」の書名はもちろん,内容や表紙絵まで殆どそっくりだとして,関連インターネットアドレスを公開するなど疑惑を流布させた.


これに対し,「はろんはろん探検隊」を出版した小学社の関係者はクッキーニュースとの電話インタビューで,「チョン・ジンヨン氏が日本の童話を翻案創作したのは事実」だと確認した.
続けて同関係者は,「しかし当時は我が国は国際著作権契約に加わっていなかった上に,翻案作家を作者として紹介する慣行があり,法的・倫理的に何ら問題は無いと判断している」と述べた.


この関係者はまた,「チョン・ジンヨン氏は演劇や映画,放送などで素晴らしい活動をしている俳優でもあるが,文章も巧いことで以前から有名だった.
剽窃疑惑により彼が誤解を受けて残念」だと語った.



以前にも書きましたが一応注意しておくと,ここで謂う「剽窃」とは早い話が盗作のこと.
元はといえば かの国の人々は漢字を殆ど読めない上に パロディとパクリの区別がついていないから こういう言葉の誤用が生まれるのでしょうが,もうひとつには ちょうど黄疑惑関連ニュースで「捏造」のことを「操作」と呼ぶのと同じような婉曲表現のつもりでもあるのでしょう.


他に「芸人までが学歴を誇る姿というのは 逆にその国の文化水準の低さの表れのように見えないか」とか,「小学社という社名そのものが某社のパクリだし」とか,そういう枝葉にまでツッコミ出したらキリがありませんが,それはともかく


当時は我が国は国際著作権契約に加わっていなかった上に,翻案作家を作者として紹介する慣行があり,法的・倫理的に何ら問題は無い

というところがミソですか.
「当時は韓国は合法的にパクリの出来る国だった」ことを韓国人が認めている.
つい最近聞いたばかりの「2004年までは卵子売買は違法ではなかった」というのとよく似ています.


この出版社関係者氏の言い分で 誉めてあげたいところは,「パクりの罷り通る国」だった頃の自国の慣行を 現在の自称先進国の尺度で裁こうとしていない点.
こうでなくては,かの国の方々の大好きな「正しい歴史認識」など望むべくもありませんので(大笑).




上のネタを私が特に面白く感じた理由の一つに,私自身がずっと以前にした経験があります.


その昔,私が韓国語を独習した当時は,まだネットを通じて簡単に生の韓国語に触れられる環境などありませんでしたので,長文読解の練習をしたければ 古本屋に文庫本でも出ているのを見つけては買って来て 辞書と首っ引きで読むわけです.
そうやって入手した本の中に「갈매기의 꿈(かもめの夢)」というのがあった.
タイトルですぐお分かりでしょうが,「かもめのジョナサン」のことです.


初めのうちは「何と日本語に似た言い回しの多いこと」と無邪気に驚いていたのですが,読み進めて行くうちに「これはどうも変だぞ」と.
韓国語が幾ら日本語に比較的よく似た文法を持つからといって,英文から別々に訳したものが こうまで似るだろうか,…と疑念が湧くわけです.


で,何とか最後まで読了して,ついでに「訳者あとがき」まで読んでみて初めて合点が行く.
その「訳者あとがき」,実は五木寛之訳の新潮文庫版の丸写しだったのです.
しかも御丁寧にも,日本人が書いたとバレそうな箇所は全部削ってある.
たしか「ホキ徳田」でしたか,日本人の名前が出て来る箇所とか(笑).


ついでに,五木氏の「あとがき」原文に「~は恥ずべき事ではない.そのために働くこともである」とあるのを「そのために働くこともできる」と読み違えたらしい箇所もあり,そのまま「그것을 위해 일할 수도 있다」と訳されていたのはご愛嬌.


なるほど同書はもともと翻訳本ですから,何が何でも種本にはリチャード・バックの原書(英文)を使わなくてはいけないという法があるわけでもないでしょうが,何しろ「訳者あとがき」までそっくりそのままイタダイテしまうような方々のなさることですから,おそらくは版権のことなどハナから頭になかったでしょう.
もちろん,パクられた五木氏の方も こんな事までは把握していらっしゃらないのでは.


その本,訳者が2人いたのですが,「訳者紹介」欄を見てみたら彼らの肩書きが「翻訳文学者」となっていて苦笑したのを覚えています.
「訳者紹介」欄に五木氏の名前が無かったのは言わずもがな.
上のクッキーニュースの記事にある「翻案作家」という面白い言葉を見て,そのときの事を思い出したので 書いておくことにした次第.


韓国を評して「知れば知るほど嫌いになる国」という言い回しを用いるようになって久しいですが,私の場合は かの国の言葉の習い始めからしてこれでした.
最近では,例えば中学校の授業にまで韓国語の枠を設けるなどの馬鹿げた風潮には目に余るものがありますが,それが結果として日本社会にもたらすものについて 私が実はそれほど心配していない所以でもあります.


かの国の「翻訳文学者」にまつわる思ひ出_a0026107_1729047.jpg

↑何これw


パクリじゃないよ,剽窃だよ :p




おまけ.
私が当時入手した本の出版元である「汎友社」について.
先ほどGoogleしてみましたら,
その出版社は今もあって,「汎友サルビア文庫 かもめの夢(外)」ことパチモン・ジョナサンもまだ売っていることが分かりました.


この頁上では「1996年9月30日刊行」となっていますが,私が買ったのは80年代半ばに出たものだった筈.
表紙の装丁も,白地にえび茶の もっとずっと地味な物でしたし.
但し製本はとてもしっかりしていたのを覚えています.
あの製本なら現在の支那よりもずっとマシかも.


あ,上の頁,よく見ると「1985年 中高校生読書勧奨図書(ソウル市立南山図書館選定)」とあるな….なるほど…(笑).




by xrxkx | 2006-01-07 17:31 | ここが変ニダ韓国人