【黄禹錫】こいつだけは許せん (1) ソウル大はどう決着をつける気か

ちょこちょこと周辺の動きや面白い小ネタはありますが 他サイトに譲るとして,ここらで事態の収拾の展望などまとめに入ります.
今回の一連の黄疑惑で糾弾されるべきグループというのを大雑把に分けると,責任の重い順に


  1. 黄とその共同研究者ら.

  2. 政府内部にあって「黄禹錫神話」作りを指揮して来た勢力.青瓦台・科技部・保健福祉部など.

  3. 黄禹錫神格化輿論を煽って来た大多数のメディアや市民団体.特にYTNや「I Love 黄禹錫」周辺.

  4. 人気取り目的で黄を担ぎ出そうとした大多数の政党・政治家.


といったところでしょうか.


当然ながら,この他に「脅迫取材のPD手帳」を忘れてはならず,私としては責任の重さでは3と4の間くらいに入れたいところですが,黄の疑惑を暴く側を暴かれる側に混ぜてしまうと分かりにくいので敢えて別にしてあります.



で,まずは1番のウソツク大先生の周辺.
昨年末にも「強気の反論」とやらをしていたそうですが,


  • ES細胞「すり替え」については「検察が捜査に乗り出せば2日ではっきりする」

  • 「源泉技術」の存在については「半年あれば体細胞クローンES細胞を一から作り直してみせる」


と,検察にせよソウル大にせよ今すぐ新しい動きには出られないのを承知の上で時間稼ぎをやっている感じ.
ソウル大調査委が最終結論を出すのは今月10日頃とのことですので,あと1週間を切っています.
黄やその共同研究者らに対する大学側としての処分(懲戒など)もその時に発表されるでしょうから,暫くはこの結果待ちということ.
それまでにウソツク大先生が起死回生の策を用意できるかどうか.




それはそうと,現在ちょっと気になって調べている件.
昨年12/23に捏造と断定された2005年Science論文に続き,2004年Science論文のヒトクローンES細胞についても「DNA鑑定結果がドナーの体細胞と一致しない」という結果が出たというニュース(12/30)が韓国各紙に一斉に載っていたのをご覧になった方も多いでしょう.
これ,出所は東亜日報のようですが,どうも合点の行かぬ点が.



ソウル大学黄禹錫(ファン・ウソク)碩座教授の研究チームが、05年の論文で確立したと発表した患者オーダーメード型胚芽肝細胞が存在しないことが確認されたことに続いて、04年論文のヒトクローン胚性幹細胞(ES細胞)も体細胞の供与者と遺伝子(DNA)が一致しないという1次分析結果が出た。


このため、黄教授チームは肝細胞を抽出する源泉技術を持っていないという結論が下される公算が高くなった。ソウル大学のある関係者は29日、「外部機関の1ヵ所から04年論文の1番肝細胞が体細胞供与者のDNAと一致しないという結果の報告を受けた。分析を依頼した他の2ヵ所からも類似の結果が出る可能性が高い」と述べた。ソウル大学は警察に依頼して、体細胞供与者を探し、同供与者の血液を採取して分析を依頼した。


ソウル大学は04年論文と関連し、黄教授チームが特許出願の際、韓国細胞主銀行に寄託した細胞と、論文の共同著者であるソウル大学医学部の文信容(ムン・シンヨン)教授が持っている肝細胞を重複調査して最終結論を出す予定だ。


また、ソウル大学の盧貞恵(ノ・ジョンヘ)研究処長は同日、05年論文と関連し、「2、3番肝細胞を含めて、黄教授チームが患者オーダーメード型肝細胞だと主張した8種の細胞は、すべてDNA分析結果、体細胞と一致しないミズメディ病院の受精卵肝細胞と確認された」と明らかにした。


盧処長は記者懇談会で、「分析を依頼した3ヵ所の外部機関が2、3番の肝細胞がミズメディ病院の4、8番受精卵肝細胞だという同一結果を送ってきた」とし、「黄教授が23日、記者会見で取り上げた5種の早期凍結肝細胞を含めた6種もやはり患者の体細胞と一致しないミズメディ病院の細胞だった」と述べた。


同氏はまた、「黄教授を調査した結果、肝細胞を作ったというどんな科学的データーも探すことができないと、調査委は判断している」と付け加えた。さらに、クローン犬「スノピー」については、「国際的にクローン犬であることを立証するために、精巧な分析を行わなければならない」とし、「国内機関の分析結果を待っている」と明らかにした。


一方、黄教授が「源泉技術」を保有しているかどうかに対しては、調査委員の間で意見が分かれている。04、05年論文の肝細胞が体細胞供与者のDNAと一致しないため、肝細胞を作成する技術はないというのが大方の意見であるが、一部委員は肝細胞の前段階の胚盤胞を作る技術も源泉技術と見なければならないと主張している。黄教授チームは、胚盤胞を作る技術に対する特許を持っている。



上の記事,よく見ますと ソウル大調査委の見解として盧貞惠が直々に言及しているのは2005年論文の件だけであることが分かります.
2004年論文のES細胞のDNA鑑定結果については,またしても「ある関係者」の話として載っているだけで,
ソウル大調査委は「最終結論」をまだ出していないと書いてある.
今のところはこういうのを鵜呑みにせず,ソウル大調査委の最終発表を待った方がよさそうです.


それにしても,ソウル大調査委内部では相変わらず「何処までが『源泉技術』と呼べるか」などというどうでもよい論点の周辺で議論が堂々巡りしているようで困ったものです.


ついでに,スナッピーの鑑定は「クローン犬であることを立証するために」ではなく「クローン犬であるかどうかを確認するために」やるんじゃないのか,というツッコミ所も.


以前から当blogでも言っているように,ソウル大調査委のやるべき事はインチキ学者のウソ業績を洗いざらい調べ尽くして然るべき処断を行うことである筈なのにも拘わらず,実際には彼らは件のインチキ学者が何の技術をどれくらい持っているかを異常なほど気にしているらしい.
上の東亜日報の記事でも特許に言及しているのは象徴的です.
要はソウル大調査委の全員とは言わぬまでも少なからぬ部分がアカデミズムの生命たる正直さよりも科学技術に付随する金銭的利益の方を死活問題と考えている証拠.
当然ながらこれは学問の現場に限った事ではなく,全国民的な精神的風土がそうさせるのでしょう.
これが改まらない限り 第二,第三の黄禹錫は次々と湧いて出るに違いありません.



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by xrxkx | 2006-01-04 23:28 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買