【黄禹錫】いよいよ政府が揉み消しに出て来ましたよ


本題に入る前に補遺.
昨日のニセ写真の記事で一つ大事なことを書き忘れました.
例の「ある韓国人がScienceの写真を重ねてみた図」のキャプションの中に,


「唯一重ならないのは この部分だけ」

というのがありましたが,「この部分」に映っている白い棒は「この長さが##μmです」という印.
これは普通は顕微鏡写真そのもの(フィルムを使うなら ネガの段階)に標本と一緒に映り込むように作るもので,あとから描き加えたりはしない.
だから原本となる写真が同一である限りどんなに「コピーミス」を犯してもあんな風に印がズレたりはしないもの.
これが重ならないということは,論文執筆者らが初めから同一の写真を2枚の別々の写真として使おうと細工したことを意味します.
例の図を作った韓国人が言いたいのはそういうことでしょう.



さて何度も繰り返して来たことですが,今回の黄疑惑は大きく分けて


  1. 売買卵子をそれと知りながら実験に使用したこと

  2. 部下の研究員から卵子の「寄贈」を受けていたこと

  3. 論文内容そのものが虚偽であること


の3点があるのでした.
そのうち1番と2番については既にクロ確定ですが,これらは基本的に倫理上の問題ですので「韓国にはそれを裁く法が無い」となればそれまで.
黄の法的責任を問うのは難しい.
極論すれば「韓国って こういう事が罷り通る国なんだね」というだけの話で,それ以上でもそれ以下でもない.


問題は3番の論文虚偽疑惑で,これは国外の雑誌に投稿しているわけですから,法的責任云々以前に韓国科学界の信用に関わる一大事.
しかもピ大のシャッテンやらScienceの編集やらといった所までは韓国政府の手は当然届きませんから,黄一派としてはここが鬼門になります.




ピッツバーグ大,黄教授論文調査 着手 / ドリー複製 ウィルムート「研究成果 疑いなし」 (聯合ニュース 12/08)

(ニューヨーク = 聯合ニュース)李レウン特派員 = 米・ピッツバーグ大は,幹細胞研究に関与した研究陣らが科学的過ちを犯したのかどうかについての基礎調査に着手したと,ウォールストリートジャーナルが7日(原文註:現地時間)報じた.


ウォールストリートジャーナルによれば,大学関係者らは黄禹錫教授の2005年論文に掲載された写真が重複していた事実を認めたうえで,「予備的」調査に着手したと述べ,調査は生命科学担当副総長とジェラルド・シャッテン教授の要請に基づくものだと述べた.


同大学研究倫理担当者のジェローム・ローゼンバーグは「今回の予備調査の目的は,本格的な調査に取り掛かるに十分な根拠があるかどうかを決定する為のもの」だと述べた.


しかし同紙は,著名なクローン研究者らは黄教授の研究結果には異常が無いものと確信しているとして,クローン羊・ドリーを作り出したイギリスの生命科学会の巨匠イアン・ウィルムートがEメールを通じて「研究成果について何らの疑いも持っていない」と表明したことを伝えた.


ニューヨークタイムズも この日,ピッツバーグ大のジェイン・どぴるどぅ(訳註:綴り不詳)代弁人が「黄教授チームの論文に於いて発生した写真重複掲載トラブルは,ソウルで起きたものなのかピッツバーグで起きたものなのか定かでない」と語ったと報じた.


どぴるどぅ代弁人は「全ての研究はソウルで行われたもので,シャッテン教授は諮問に応じる中で(原文註:論文の)英語翻訳を校正する役割を担った」と明らかにした.


ニューヨークタイムズは,Scienceが高解像度の写真を送ってくれと要請した後,誤った写真が送られたとして「全ての写真はソウルで準備され,ピッツバーグ大のシャッテン教授に送られ,シャッテンはこれをScienceに伝えた」と明らかにした.


同紙は続けて,ドナルド・ケネディScience編集長は問題の重複掲載された写真により黄教授論文の成果にまで疑いが懸かると信ずるに足る理由が無いと述べたと付け加えた.



写真がインチキかどうかをScienceの編集者もシャッテンも疑い始めた,と.
そういえば昨日の記事でもシャッテンは「黄教授は私にこの問題を知らせなかった」と述べていました.


上のWSJやNYTからの引用を読む限りでは,シャッテンがかなり逃げ腰になっていると云いますか,「今からでも手を切れるものなら切ってしまいたい」という態度が露骨に見えているのが面白い.
惜しむらくは彼は「かの国の法則」を御存じなかったと.



一方,今回のニセ論文疑惑にいよいよ政府が本格的に介入し始めた模様:




呉明(お・みょん)科学技術副総理が今日12時,ソウル大学病院に入院した黄禹錫教授を訪ね,慰労と併せ早期快癒を祈願しました.


呉明副総理は,「科学界の中にも黄教授の研究について再検証を求める声があるが どう思うか」という質問に,「疑惑があるなら,論文を書いてScienceに投稿するという科学的な過程を通じて問題提起を行うのが筋」だと述べた.


また,「Scienceの審査を認めず第3の機関が再検証を行うことは,結局はScienceに後輩科学者らが論文を掲載する上で障碍となる前例を残すこと」だと重ねて指摘しました.


「アインシュタインも相対性理論を発表したばかりの時はいろいろと論乱が多かったが,10年を経て何度も論文でこれを立証した」として,黄教授が今後後続論文を通じて再現する(訳註:ES細胞製造のプロセスそのものは問題の論文に記した通りであることを追実験などを通じて立証することを指すのだろう)過程を経るのが筋だと述べました.


また,黄教授の健康状態については「良くない」として,「よんろんいも ちんいも(訳註:どうやらクローン牛の名前らしい)全て忘れたいと語るなど,研究意欲を大いに削がれているらしい」と述べました.




馬鹿かこいつは ヽ( ´ー`)ノ


当blogの古くからの読者の方の中には この呉明という名前に見覚えがおありの方もおいでだと思いますが,昨年9月の韓国の核開発疑惑当時の科学技術部長官です.いつの間にか副総理になっていたのですね(後述のように今も科技部長官を兼ねている).


「疑惑があるなら論文で」って,いま問われているのはES細胞製造上のテクニカルな問題ではなくて,データそのものがインチキであるらしいという,およそ科学とは縁遠い話なのですが.
それをどうやって「論文で問題提起」せよと.
こんな所で引き合いに出されるアインシュタインも草葉の陰でさぞや苦笑いしていることでしょう.
「私は自分の論文中にインチキ定理を使ったりした覚えは無いが?」とかね.


さて呉明といえばもう1本:




呉明副総理 兼 科学技術部長官は8日,「幹細胞研究を検証することは黄禹錫教授とScience誌の両者間の問題であり,第三者が手を出すべき問題ではないと考える」として「この分野の専門家らが全て検証済みの問題を,内容も良く知らない第三者が他人の話を聞いて検証しようとするのは良くない」と述べた.…



以下同文.
アインシュタイン云々のくだりなどは訳しているこちらが恥ずかしくなるから2度も3度も書きたくないぞ.


言うまでも無く呉明としては黄のインチキ写真疑惑を密室に閉じ込めておく為の予防線を張りに来ているわけです.
「内容もよく知らない第三者が」云々はおそらく「PD手帳」スタッフらのことを指して言っているのでしょうが,元はと言えばその「専門家」がインチキなどするから起きた騒ぎだということを呉さんはどうやらお忘れらしい.
例えば さる12/04に黄一派の姜成根(かん・そんぐん)がMBCを相手に行った「反論」というのがありました.
「Scienceの論文を書くのに使った幹細胞が患者(=クローン胚を作るときの核を提供する側.卵子提供者ではないので注意)の体細胞と同じ遺伝子を持つかどうか」を確かめようとしているところに鼠の栄養細胞なんぞをサンプルとして出して寄越す馬鹿が韓国以外の何処の国にいるか.
「全部同じ鼠の細胞なのに結果が違ったのはDNA鑑定が出鱈目な証拠」だと言っていましたが,出鱈目をやっているのは自分たちも同じ.
こういうイカサマ師がが堂々と科学者を名乗れるのですよ,かの国では.


ともあれ,呉明の言う通りインチキ写真云々に関してはScienceの編集者に委ねてしまったほうがよい.
少なくとも韓国人を交えずにやったほうがよい.
あとは昨年9月~11月の核開発疑惑の折に呉明がIAEA査察団に対して行ったのと同じ手がScienceのスタッフに対しても通用するかどうかが見ものではあります.



(12/14 誤字訂正)
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by xrxkx | 2005-12-08 21:03 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買