承前.
昨日はハンナラ党の論評だけしか紹介できませんでしたので,
今日はウリ党をいじろうかと.
その前に,昨日引用した共同の記事の件.
日本語の記事ですので既に昨日のうちにあちこちのサイトで採り上げられていたようですから
スキップしようかとも思ったのですが.
記事中に出て来るウリ党議員2名は何故こう揃いも揃ってアタマが悪いのか.
李康来「日米同盟が強化されれば中国が覇権主義に向かい、韓国は一番困難な立場となる」
宋永吉「(韓国政府は)米国に対し日本の保守右翼勢力の靖国神社参拝や教科書問題を説明し、味方にできるよう対米外交を強化しなければならない」
痩せても枯れても「韓日議員連盟の外交安保委員長」なる肩書きの持ち主が,
「日米同盟が強化されれば中国が覇権主義に向かい」だそうですよ.
日米「同盟」──実際これ自体相当胡散臭い言葉だが──が弱体化したら
支那がチベットや東トルキスタンから撤退し,台湾侵攻も諦めるとでも
思っておいでなのですかね,この御仁は.
「覇権」という言葉の意味を知らないのではないかと本気で疑いたくなる無智さ加減.
これだから漢字語を使いながら漢字が読めないというのは恐ろしい.…と,それは措くとして.
「韓国は一番困難な立場となる」のだそうですが,
まさにそういう「日米同盟」と「覇権主義の中国」とが鎬を削る局面にあって
「北東アジアのバランサー」として大いに手腕を振るいたがっておいでの幸せな大統領が
何処かの国にいらっしゃったように記憶していますが気のせいでしたかしら.
2番目の宋栄吉はといえば,
曾ての池萬元騒動のときにも「親日」派狩りの尖兵を務めた人物でしたし,
たしか5月だか6月だかに朝日に寄稿していたのも彼でした.
こちらは上の李某に比べると戦略らしきものを語っているだけまだしもマシですが,
その肝心の戦略的着眼点は
そもそも韓国政府と輿党・ウリ党の路線が変更でもされない限り成立し得ないもの.
但し,
歴史カードで日本の頭を押さえるのに支那・朝鮮だけでは力不足と見た結果として,
第2次大戦に於ける対日戦勝国の筆頭であるアメリカの力を借りようとする方向性そのものは,
韓国にとっては間違ってはいないだろうと考えます
(それを盧武鉉政権がやるというのが悪趣味な冗談だというだけで).
実際 例えば
こういう例は幾らでもあるのですから,
日本としては支那・朝鮮による第三国を巻き込んでの反日キャンペーンに後手を取ってばかりではいけないのは言わずもがな.
誤解の無いように付け加えておきますと,
私は「日本はアメリカにとって韓国以上に都合のよい同盟国であれ」と言っているのではありません.
私は自分の祖国が韓国風情を相手に親米競争をやるような浅ましい国であって欲しいとは思いません.
最も重要なのは,近代日本──狭くは第2次大戦に於ける,広くは幕末期の列強との接触まで遡っての包括的な意味での──が
国際社会にコミットし続ける上で保ち続けて来た大義というものを,
全世界に向けて──とりわけ戦後日本の政治的ないし外交的な枠組みを決定する上で多くを負っているアメリカに向けて──堂々と主張することです.
今年の5月,たしかバルト三国の歴訪中のことでしたか,
ブッシュがヤルタ会談批判──ナチズムを滅ぼした代わりに共産主義ブロックを生んでしまったというような意味の──を
行ったことがありましたが,
ああいう機会を日本はもっと敏感に捉えるべきでした.
実際には,残念ながら
例えば支那による「対ファシスト戦勝60周年」などという虚構に対して
日本政府が有効な外交的反撃を行ったとは言い難く,
また 当時の日本国内の輿論も
専ら例のバンドン会議での小泉首相のスピーチの内容をめぐる馬鹿げた論争で喧しかったのでしたが.
脱線ついで.
そのための一つの試金石として,例えば先日来採り上げて来た靖國の問題があります.
例えば支那に於いて反日暴動が一歩間違えれば反政府暴動へと変容しかねない現状にあって,
確かに靖國は相手の足元の揺らぎを突くカウンターアタックに利用し得るのですが,
靖國の外交カード化によって日本が得るものと失うものを秤に掛ければ これは見合わないと私は考えます.
話をもとに戻します.ウリ党でした,ウリ党.
昨日 日経の記事を見ておりましたら,こういうのがありました:
韓国与野党、小泉改造内閣の陣容に反発や警戒感 ─日経 11/01
【ソウル=峯岸博】韓国では第3次小泉改造内閣の陣容への反発と今後の対韓外交への警戒感が政界やメディアを中心に広がっている。特に、麻生太郎外相の歴史認識や安倍晋三官房長官の対北朝鮮強硬姿勢などを懸念する声が目立つ。
与党「開かれた我が党」(ウリ党)は1日、「日本はアジア外交を放棄するのか」と題する見解をホームページに掲載。野党ハンナラ党は同日「日本はアジアへの歴史的なテロを始めた。小泉政府の内閣構成は『銃無き宣戦布告』をアジアに宣言した」などと批判する報道官論評を発表した。
宋旻淳(ソン・ミンスン)外交通商次官補は1日のラジオ番組で「6カ国協議に影響を与えることもあり得る」と述べ、北朝鮮問題で日韓連携にも支障が生じかねないとの懸念を示した。
韓国各紙は1日の朝刊1面と中面で日本の内閣改造を大きく取り上げ「極右首相候補を前面に」(ハンギョレ新聞)、「対米関係最優先で日韓関係改善に悪材料」(中央日報)などとそろって否定的な論調で報じた。 (12:32)
これを見て,ウリ党の側でもハンナラ党と同様に何か声明でも出したのかと思ったのですが,
探してみましたところ「声明」と呼べるほど大層な物でもありませんでした.
こんな感じ:
日本,対アジア外交を抛棄するのか ─ヨルリン・ウリ党::汝矣島24時 11/01 (snapshot)
小泉純一郎・日本総理は 10月31日断行した内閣改編に於いて,外相には極右人士の麻生太郎・総務相を,官房長官には安倍晋三・自民党幹事長代理を任命(ママ.以下同様)しました.
福田康夫・元官房長官らアジア外交を重視して来た穏健派が排除された今回の人事は,小泉総理が周辺国との外交的摩擦に目もくれず,残りの任期中 対アジア強硬基調を維持・強化して行く意図と解釈されます.
今回外相に任命された麻生太郎(訳註:原文呼び捨てママ.以下同様)は「創氏改名は朝鮮人が望んだから行われた」と発言して物議を醸した人物であり,「靖國参拝は正当だし,今後も続ける」として神社参拝を積極擁護して来た代表的な保守強硬派です.また,官房長官に任命された安倍晋三は,日本右翼の第一人者であり,特に歴史教科書に於いて日帝の強制連行や日本軍慰安婦に関する記述を削除する為に自民党議員の会を結成し,歪曲歴史教科書採択の為に自民党レベルでの支援を指揮した人物です.
最近の小泉純一郎・日本総理の靖國神社参拝に続く極右的人士中心の内閣改編をどう見るべきか,皆さんのご意見を伺います.
いきなり一般市民の「ご意見を伺」っていますよ.大丈夫なのか,この党は.
一読して分かるように,盛んに極右極右を繰り返すばかりで,
党としては今回の日本の新内閣にどうやって当たるべきかといった基本方針すらきちんと定まっているようには見えず,
それどころか今回のような「強硬派」の重用自体をそもそも予見していなかったのではないかと思われるフシさえある.
昨日紹介したようにハンナラ党などは現政権のこうした足元の定まらない対日外交を槍玉に挙げているわけですが,
彼らにすれば盧武鉉政権というのは随分と与し易い政権なのだろうなぁ.
あと,昨日の韓国日報の社説にも出て来ていましたが,
福田もと官房長官が韓国でこんなに人気だとは私も少し意外.
ついでに,インチキ売春婦風情にまであれほどリップサービスをしてみせた細田氏が
完全にスルーされているのがお気の毒というか.