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第3次小泉内閣組閣に対する韓国国内メディアの論調



【ソウル1日共同】小泉内閣の改造について、韓国の与野党は1日、保守政治家の登用は日韓関係に悪影響を与えると一斉に反発、与党ウリ党の李康来議員は内閣改造により日米同盟が強化され、韓国が困難な状況に陥ると懸念を示した。
 韓日議員連盟の外交安保委員長を務める李議員は「日米同盟が強化されれば中国が覇権主義に向かい、韓国は一番困難な立場となる」と主張。同党の宋永吉議員は「(韓国政府は)米国に対し日本の保守右翼勢力の靖国神社参拝や教科書問題を説明し、味方にできるよう対米外交を強化しなければならない」とした。
 野党ハンナラ党は「アジアに対する銃なき宣戦布告、アジア人に対する歴史的テロだ」などとする論評を発表。日本通として知られる同党の李成権議員も「日米同盟を優先した反アジア的な内閣改造だ」と評した。


たかが閣僚の人選発表だけでこの騒ぎ.容易に想像が付くように,韓国メディアが食い付いて来ているのは専ら安倍晋三・麻生太郎両氏の起用です.上の記事中に出て来たハンナラ党の論評というのもネットで読めます.こちら:




(ソウル=ニュースワイアー)2005年11月01日──小泉日本総理の組閣は,銃無き宣戦布告をアジアに宣言したものである.


外交の異端児・変人小泉総理らしい組閣である.


同時に,日本が如何なる方向に向かうのかについての対外宣言でもある.


日本はこれ以上アジアに謝罪する必要も罪の意識を感じる必要も無い原罪無き国であり,
普通の国なのだという主張である.


傲慢かつ放恣な,「怖い物など何も無い」という,
厳然と生存し記憶するアジア人に対する「歴史的テロ」である.


日本が周辺国にどれだけ多くの被害を与えたかを,日本の歴代総理は懺悔し反省して来た.


自発的であれ,あるいは周辺国の目を気にしてであれ,日本の歴代総理らは
それでも「謝罪すべき」だという最小限の良心は持っていた.


しかし小泉総理は今や,
韓国や中国など周辺国に創氏改名は朝鮮人が望んだから行ったのだと言う麻生太郎や,
極右的発言で煽動政治に明け暮れて来た安倍晋三など(訳註:原文 敬称なし),
周辺国国民らに夥しい傷を負わせた人物らを
「後継構図を作る(訳註:ポスト小泉選びのことだろう)為」という名目で
長官の座に就かせた(訳註:以下 原文では「大臣」を全て「長官」と呼んでいる).


世界と共に世界化,隣国と共に国際化時代を正面から冷や水を浴びせる仕打ちである
(訳註:原文,文を成していないが「…世界化・国際化すべき時流に…」くらいの意か).


このことは今後日本の国益を致命的に阻害する日本政府の敗着というブーメランとして戻って来よう.


日本がこのような態度に出たことは,明らかに盧武鉉政権の外交的未熟さや無原則も
主たる原因の一つとなったに違いない.


自らの任期中には過去史を争点にしないと述べた盧武鉉大統領を(訳註:「の」の誤記だろう)発言に,
彼ら(訳註:「小泉首相ら」だろう)は快哉を叫んだであろう.


独島(訳註:竹島のこと)を「タケシマ」と呼ぶ韓国の大統領を見て,
麻生太郎の如き者が敢えて「創氏改名は朝鮮人が望んだもの」なる妄言を準備したのであろうからである.


2005.11.1 ハンナラ党スポークスマン 田麗玉



「歴史的テロ」って何ざましょ.言ってる本人も意味が分かって喋っているのやらどうやら疑わしいものですが,いずれにせよ「歴史的」どころか正真正銘の暗殺屋を「義士」と呼んで崇拝する民族に言われる筋合いは無いわな.


寧ろ面白いなと思ったのは,最近のウリ党とハンナラ党の確執はここまで深刻化しているのだなという点.
「国内のゴタゴタを収拾する為の対日非難」という手がいよいよ通用しなくなって来ていることを実感します.
それどころか「大連立」を呼び掛けていた相手から「反日度が足りないニダ」と非難される始末.
いっそ韓国が支那のような一党支配体制だったら 中共当局みたいに反日愚民どもの暴徒化さえ抑えておけば済んだのに お生憎様でしたね,というか.


いずれにせよ,後先考えない韓国人たちが反日まで共食いのネタにし始めているのは,
日本にとって悪い話ではないでしょう.
どんどんやらせておけばよいのです.


他に 新聞の社説を2本.差し当たり論評は付けません.




日本の内閣で,強硬右派政治家らの前進配置が際立った.
麻生太郎と安倍晋三(訳註:ここも原文敬称なし)を各々外務長官と官房長官に起用したのは,
その底意が何処にあれ,ただちに韓中両国の憂慮と不信を惹き起こすに十分だ.


麻生外務長官は「創氏改名は朝鮮人らが姓氏を欲しがったのが出発点だった」なる発言をはじめ,
折に触れ水準以下の歴史認識をあらわにして来た.
最近,靖国神社参拝について
「韓国や中国がいくら騒いでも泰然自若としていれば済む」と言明した「確信犯」だ.


小泉純一郎総理の靖国神社参拝により,韓中両国との関係が疎遠になった状況にあって,
それこそ最悪のカードだ.
安倍官房長官も韓国や中国を眺める眼差しが清くないうえ,対北強硬論者だ.
就任後 最初の記者会見で,靖國参拝問題について,今後も参拝を続ける意志をのぞかせてもいる.


小泉総理と麻生・安倍長官の3名が率いる日本の対アジア政策が極めて憂慮される.
比較的穏健派の福田康夫もと官房長官が世代交代の対象になったことまで含めると,
短期間に解消される見込みが薄いという意味で心配は一層大きくなる.


小泉総理としては「ポスト小泉」候補らに満遍なく機会を与えたつもりかも知れない.
谷垣禎一財務長官の留任,額賀福志郎防衛庁長官と与謝野馨金融・経済長官の政治的復活などを
例に挙げることもできる.
だが,何故そのポストなのかについての答えには窮せざるを得ない
(訳註:原文は「窮する」の用法が変だが,社説子が訝しく思うの意だろう).


はっきりしているのは,日本が韓中両国に対していつでも「No」と言える準備を整え,
そのことが韓中両国の民族主義との角逐に至ったという点だ.
お互いがお互いを刺戟しあう悪循環の輪を誰が何処で断ち切るのかが,
いま3国の指導者が直面する共通課題だ.






日本が軍事大国への道を開く憲法改正案の草案をお目見えさせたのに続き,
極右保守人士らを重用する組閣を断行した.
一言で言うなら,侵略国のくびきをかなぐり捨て,軍事右傾化に拍車を掛ける意図をあらわにしたことになる.
韓日,中日外交関係の行き詰まりへの憂慮に先立って,
歯止めの無い小泉内閣の右傾化に慨嘆を禁じ難い.


夙に知られるように,麻生太郎・新外相(訳註:ここでは原文も「長官」と呼ばず)は
日帝の創氏改名を朝鮮人の希望によるものだと強弁して来た極右派の代表的人物だ.
安倍晋三官房長官もまた,靖国神社参拝を総理の責務だと主張して来た極右政治家だ.
彼らを重用したのは,すなわちこれ以上韓国や中国の目を気にせず,
強硬外交を駆使するという意思をあらわにしたということだ.
そしてその目標はアメリカとの関係強化を通じた軍事大国化だと言える.
憲法改正案の草案もまた,軍事大国へと飛躍しようとする野心が丸見えだ.
国家交戦権を認めていない平和憲法9条2項をなくす代わりに,自衛軍を保有するという内容を新設した.
軍保有を合法化するばかりか,海外での軍事活動にまで門戸を開いたのだ.
挙句の果てに改憲案は政教分離の原則を変更し,政府人士らの靖国神社参拝すら合法化した.
現行の平和憲法が第2次大戦の責任を負うという観点から軍を持てないよう定めていたことを考えると,
このことは過去史に対する責務を終える用意のあること
(訳註:「これ以上歴史への責任を負うつもりの無いこと」くらいの意か)を周辺国に宣言する行為と言える.


日本の組閣と改憲推進に鑑みると,
東北アジアに於ける外交的・軍事的緊張は避け難いものと憂慮される.
日本の右傾化を非難するといった次元を超え,より実質的な対応態勢が求められていると言えよう.




by xrxkx | 2005-11-01 20:16 | 時事ネタ一般