町村ごますり発言のこと:もっとどんどん言ってやって
 相変わらず靖國にまつわる支那の対日干渉が後を絶たない昨今ですが,こう新ネタが次々に出て来るようだと,ほどほどにフラストレーションの溜まって来た所で覚え書き程度に書き散らしておかなくては書けなくなってしまうので,暫くそういう書き方をします.差し当たり野田毅氏の件.順に記事を追うと,
「ドタキャンでなかった」 呉儀副首相帰国で野田氏 ─共同 06/03
【北京3日共同】中国を訪問中の野田毅元自治相(日中協会会長)は3日夜、中国の呉儀副首相が5月の訪日時に小泉純一郎首相との会談を中止し繰り上げ帰国したことについて「(中国が)土壇場でキャンセルしたわけではない。日中外交当局間では、前から分かっていたことだ」との見解を示した。
 野田氏によると、先月16日に小泉首相が靖国神社参拝を継続する意向を表明した直後、中国政府が日本側に呉副首相の訪日日程繰り上げを打診。その後「騒ぎを大きくしないよう当局間で話し合った」(同氏)結果、23日の首相との会談以前の日程は予定通り消化することで折り合ったという。
 これが事の発端だったのでした.「騒ぎを大きくしないよう」も何も,あの「騒ぎ」は支那が一方的に起こしたものですが,それを抜きにしてもなお,いま読み返しても意味不明の発言ではあります.
 いま仮に,支那が日本側に「呉儀訪日日程の繰上げを打診」して来たのが「先月16日に小泉首相が靖国神社参拝を継続する意向を表明した直後」だとする野田氏の発言が事実だとしましょう.呉儀の日本滞在は17日から23日まででしたので,支那サイドとしては呉儀訪日そのものを取り止めることも出来た筈ですが,何故そうしなかったのか.
 或いは,呉儀にその気さえあれば来日後でも日程の調整を行なう時間的余裕は幾らでもあった筈ですが,河野洋平だの経団連の奥田だのに会う時間は取れても首相との会談は出来ない,などという支那の言い分を外務省が唯々諾々と聴いていた,などという事が実際あり得るのか.
 第一,本当に日支外交当局間で事前の折り合いがついていたのだとすれば,呉儀の帰国を当日まで伏せておく理由もなければ,「急な公務の為」などと嘘をついて引き揚げる理由も無い.
補遺.06/03といえば野田氏が曽慶紅と会った当日です(日経 06/03毎日 06/04)日経にせよ毎日にせよ,曽慶紅がいつも通りの中共のお家芸であるところの「歴史認識」絡みの対日干渉を繰り返したという話ばかりで,野田氏自身が曽慶紅に何を話したのかについて一切触れておらず,呉儀のドタキャンの件も出て来ませんが,発言のタイミングから察する限りでは ここで野田氏が支那から何か言い含められたと見ておくのが無難でしょう.
 果たせるかな町村外相は上の野田発言を全面否定したのでしたが,
外相が野田氏発言を否定 中国副首相の帰国問題 ─共同 06/06
 町村信孝外相は6日の講演で、中国の呉儀副首相が小泉純一郎首相との会談をキャンセルし帰国した問題をめぐり、訪中した野田毅元自治相(日中協会会長)が「日中外交当局間では前から分かっていたことだ」と指摘したことについて、「(当日の)朝9時すぎに初めて知ってびっくりした。事前に知っているはずがない」と全面否定した。
 外相は野田氏の名前は挙げず「最近、自民党の議員が中国へ行った(際の発言)」としてこの問題に触れ、「不愉快な話だ。ああいう形で中国に無用にごまをする人がいるから日中関係がおかしくなる」「伝統的な日中友好派の人の行動は理解できない。どうしてあそこまでへりくだらないといけないのか」などと不快感を示した。
この「ごますり発言」があちこちで拍手喝采を浴びていたのは皆様既にご存知の通り.この発言が野田氏には余程癪に障ったと見えて,翌7日には町村外相に「反論」します:
中国副首相の会談キャンセル、野田氏が外相発言に反論 ─読売 06/07
 自民党の野田毅・日中協会会長は7日の自民党総務会で、中国の呉儀副首相が小泉首相との会談を直前になってキャンセルした問題に関連し、「町村外相が私のことを名指しして(批判を)言っている。私は訪中して向こうのトップと話をしたが、呉儀副首相の話は一切出さなかった」と述べ、不快感を示した。
 町村外相は6日の講演で、「自民党の国会議員が中国に行き、『外相は事前に(呉儀副首相が小泉首相との会談を)キャンセルすることを知っていたはずだ』と言ったが、事前に知っているはずはない。中国にごまをする人がいるから日中関係がおかしくなる」と述べていた。
外相発言に不快感=野田元自治相 ─時事 06/07
 自民党の野田毅元自治相は7日午後、町村信孝外相が靖国参拝問題に関連して「中国の要人に無用にごまをする人がいるから日中関係がおかしくなる」などと発言したことについて、「外相が一番冷静にならなければいけない。日本の外交はこのままでは駄目になる」と強い不快感を示した。国会内で記者団に語った。
 奇妙な「反論」もあったものです.まず
「町村外相が私のことを名指しして(批判を)言っている。」
 上の共同電にはわざわざ「外相は野田氏の名前は挙げず」とあります.私が知る限り,町村外相が野田氏を名指しで批判したという記事は1本もありませんでしたが,野田氏には何か思い当たる節でもあるのでしょうか? それは措くとしても,
「私は訪中して向こうのトップと話をしたが、呉儀副首相の話は一切出さなかった」
というのは東問西答も甚だしい.もともと6日の町村外相の発言は
「呉儀の訪日日程繰上げについて外務省は事前に知っていた」
なる野田氏の主張を否定するものに過ぎず,
「野田氏が呉儀の一件について支那人と何か喋ったか」
などはハナから触れてもいません.なのにこういう発言が飛び出すあたり,やはり何か心当たりでもあるのかと勘繰りたくなりますが,折角の機会ですので 野田氏にはこの際
「『呉儀の訪日日程繰上げについて外務省が事前に知っていた』なる消息は何処から得たものか?」
くらいは明らかにして見せて戴きたい所ではあります.
「外相が一番冷静にならなければいけない。日本の外交はこのままでは駄目になる」
とのことですが,町村外相と野田氏とを比べてどちらが「冷静」さを失っているか,どちらが日本の外交を駄目にしているかについては おそらく国民の大方の判断は野田氏のそれとは異なるでしょう.
 一野党党首に過ぎないジャスコなどは論外としても,与党議員が勝手に北京に御用聞きに出掛ける事態が後を絶たない現状は異常です.経済産業省や防衛庁などが相手国大使館にアタシェを置いたりする類はまた別でしょうが,靖國やA級戦犯といった《国家としての原理原則》の部分に関しては,国家としての意思表示の権限は官邸-外務省ラインに一元化されなくてはなりません.勝手な「議員外交」などは政府の足を引っ張るばかりで有害無益です(どうやら朝日はそうは考えないようですが).これについては先日の武部幹事長なども同様.河野洋平などに至っては党籍剥奪モノ.
 脱線.本来なら小泉総理も自民党総裁の職権に於いて所属議員の勝手な外国訪問は控えるよう通達くらいは出すべきでしょうし,それに従わない議員は次回の選挙での公認を取り消すくらいの断乎たる措置を取ってでも党内の引き締めを図るべきなのでしょうが,もともと自民党というのはそんな事が出来るほど一枚岩の政党でもありません.
 この点では民主党も同じ.あるいは民主党のほうが《非自民の寄せ集め》である分だけもっと重症かも.出来ることなら一度自民・民主両党が同時にscrap & buildをやって,ちゃんと政策や国家理念を同じくする人どうしだけでくっついてくれると,有権者としては非常に投票しやすくなるのですが.
 安倍晋三氏が8日に記者会見の席で
「元外相だが現在は三権の長の立場だ。外交権は行政の長にあるのだから(議長は)もう少し慎重に考えていただきたい」
と述べた由(産経 8日).至言と言ってよいでしょう.これについて翌9日に今度は森前総理が自派の総会で
「議論するのはいいが、先輩を非難することはできるだけ避けるべきだ」
と「クギを刺した」そうですが(朝日 9日),もはや「先輩」を立てていれば万事丸く収まるなどという話ではなくなっていることが森氏には分からないようです.
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by xrxkx | 2005-06-10 17:03 | 時事ネタ一般