呉儀ドタキャン騒動 拾遺
 はてさて,いつまでも こういうしょうもないネタにばかり拘っていられないのですが,前回の補遺として.

 一昨日の記事を書いていた時点では,中共はドタキャンの理由が靖國であることを認めておらず「急な公務の為」で通していたのでしたが,その後どういうことになったかは既に皆様ご存知の通りです.孔泉が24日夜に正式にコメントを出しましたね.曰く,
「日本の指導者からA級戦犯を祭った靖国神社問題で誤った言論が相次いだ」
「会談に必要で適切な雰囲気と条件がなくなった」 (以上 時事 24日 23:05
ちなみに,孔泉本人は「私は『公務の為』だなんて一度も言っていない」と言い張っているとも聞きました.事実そうなのでしょうが,それならそれで呉儀や王毅は嘘をついていたわけです.

[ 参考 ] 24日に孔泉が行なった定例記者会見

今も残る疑問点
 私には今すぐ判断してみようのない部分についてですので,2つだけ書き出すに留めておきます.

※その1: 呉儀は何故嘘をついてまで引き揚げたのだろうか.
  1. 予定通り小泉首相に会い,靖國の件で面と向かって文句を言う
  2. ドタキャンするならするで,初めから孔泉と同じように理由を明かした上で帰国する
という選択肢もあった筈ですから.差し当たり,(1)を選んで十分な回答を得られなかったり,(2)を選んで「言うべきことも言わずに引き揚げて来た」という形にしてしまっては,今度こそ国内の「愛国者」を自称する愚民らを抑えておけないと判断したからだろう,くらいに受け取っておくのが妥当でしょうか(現に 23日夜──まだ呉儀のドタキャンの理由について外交部が正式に言及する以前──の孔泉の談話を 翌24日に支那のメディアが一斉に報道した折にも,呉儀のドタキャンの事実については触れていない由).
 但し,前回も触れたように,私自身は「中共の思惑」云々などは寧ろどうでもよい事だと考えています.重要なのはドタキャンの事実であり,かつ それを日本外交が対支攻勢に出る上でどう活かすかという戦術上の問題です(…と書いていて我ながら虚しくなるようなニュースがあまりに多いのが現状ですが:後述).

※その2: 胡錦涛との会談時の武部「内政干渉発言撤回」は どういう文脈でのことだったのか.
 そもそも「内政干渉だと言っている人もいる」などという他人事みたいな言い方は 痩せても枯れても第一与党の幹事長たる者の発言として相応しくないと私は思いますが.
「通訳のせいで、自分が内政干渉だと思っていると受け取られたので、それなら発言を撤回すると言った」 (時事 24日
というのも ますますもって筋が通らない.この人は中共が靖國参拝に容喙して来ることを内政干渉だとは思っていないということですか.
 武部氏については,今日お昼過ぎに読んだ「log」の記事に こうありました.全く以てその通り.
 そういえば、昨日の記者会見で武部が逆ギレしてましたな。「内政干渉という声もある」「自分は内政干渉とは思っていない」などと、政府との足並みをわざわざ乱しに中国へ行ったも同然の男が何を偉そうに。確か16日の記者会見では、こんな勇ましいことを言っていたクセに。
靖国参拝問題:小泉首相発言「妥当」--武部幹事長
 自民党の武部勤幹事長は16日の記者会見で、小泉純一郎首相が靖国神社参拝について「他国が干渉すべきではない」と発言したことについて「妥当なことをおっしゃっている」と擁護した。与謝野馨政調会長は同日、記者団に「首相として総合的に判断すべき話だ。首相の決断はいつもサポートしたい」と語った。
 情けない男である。

今回最も《逝ってよし》だったのは
 おそらくこの人でしょう.初めは上述の武部氏か公明党の冬柴あたりを挙げる予定(笑)だったのですが,世の中 上には上がいるものです.
 まず中共側が呉儀ドタキャンの理由を「急な公務の為」としていた時点では 彼はこう言っていました:
「(日程の変更などは)外交的にはよくあることだ。都合で日程を切り上げて帰国することはよくあり、それをもって何か申し上げるつもりはない」
「(日本側の一連の靖國発言に対する孔泉談話について)コメントすることは控える」
「日中関係は長期かつ広範にわたる。経済や政治、歴史、社会、観光など含め深い両国の関係があるので、コメントする段階にはない」 (以上 ロイター 24日
それが一夜明けて,中共が外交部の定例記者会見で《種明かし》をした後は こうです.同じくロイターの 翌25日の記事から.
「これ以上コメントすることは日中関係にとって生産的ではない」
「今、生産的でない議論をするのは適当ではない」
「日中の長期にわたる過去の問題を取り除いて今後の発展につなげるのは大命題なので、今ここで簡単に話すことではないが、基本政策は、日本政府として決まっている」
「(東シナ海ガス田開発などに関する協議は)当然やらなければならない。そのためには、この問題を事細かに批判しあうのは生産的ではない」
 敢えて名前を出さずにおきましたが,発言内容を見ればもう誰だか皆様もお分かりでしょう.細田官房長官です.何しろこの人は札付きの事なかれ主義者ですから.
 まず,前回も引用した23日夜の毎日の記事には こうあります:
外務省の谷内正太郎事務次官は23日午前10時ごろ、中国の王毅駐日大使から電話で「担当の公務で急に本国に帰る必要が生じた。他意はない」との連絡を受けた。谷内次官は記者会見で「急用ということであれば致し方ない」と抗議や真意の確認はしない考えを示した。
 どうやら,中共サイドから日本政府に正式にドタキャンの連絡があったのは この時が最初らしい.この間,呉儀本人は何をしていたかといえば,河野洋平と会って日経に招かれて公演をやって,昼に経団連の奥田らと会った後に悠々と帰国している.そちらは予定通りにこなしていながら首相との会談をすっぽかすというのも「よくあること」ですか,そうですか.
 また,前者の記事では 細田氏は孔泉の靖國関連談話についてノーコメントとしています.それが,支那外交部がドタキャンの理由が靖國絡みであることを明らかにし,従って件のドタキャンが単なる「急な公務の為」の「よくあること」ではなかったことが明白になるや否や,一転して「これ以上コメントすることは生産的でない」と来る.これ以上も何も,この人自身の口からは一言もコメントが出ていません.
 後者の記事の最後のほうに出て来る「東シナ海ガス田開発に関する協議」云々が,おそらく彼の本音でしょう.協議なら 昨年6月の青島以来 今までポン子やら中川経産相が何度もやって来た筈です.それが,中間線から日本側へ大きく食い込んだ形で設定されている「春暁」鉱区のデータ開示にすら 中共は未だに応じていない.昨年10月にも書きましたので,中共との会談を終えた後の 中川経産相・町村外相・細田官房長官の3氏のコメントを 是非もう一度読み比べてみてください.

支那人の非礼は日本にとって武器であると思え
 さて,当blogのような閑古鳥サイトにすら 前回の記事にTBが20本来た(その代わりコメントは皆無だったけれどな,わははははT-T)ことは,今回の騒動に関する一般国民の関心が如何に高かったかを物語っています.やはりドタキャンの非礼に憤るものが最も多かったようですが,実のところ 私は「中共の非礼」自体についてはさほど問題にしていません.何故なら,こうした騒動が持ち上がることにより,日本は対支ネガティブキャンペーンの格好のネタを提供してもらったことになるからです.
「支那人は上から下まで約束を破ることを恥としない人間だらけだ」
「支那は文明社会のルールもマナーも通用しない国である」
と大々的に宣伝してやったらよいのです.本気で腹を立てるには及ばない.黙って相手を叩いておればそれでよろしい.何せ相手は非文明国民です.飼い犬を躾けるのと同じやり方で臨むのがよろしい.相手に誠意を示す必要はありません.只々畏服させればよろしい.
 無論,これは先般の反日暴動の時についても同様です.中共当局が真面目に抑える気になれば暴動なんぞはピタリと収まった.これなどは中共の謂う所の「日本軍国主義の被害者である中国人民の感情」論が全くの虚構であることの何よりの証左でしょう.支那の愚民などというものは 所詮はお上に煽られれば暴れ,お上に引き締められれば黙るだけの《国家の家畜》でしかないということです.
「こんな野蛮国でオリンピックなんか出来るのかどうか甚だ心許ない」
くらいのことは 今からでも遅くないからどんどん言ってやったらよい.これ,大方の日本人が思う以上に支那人は嫌がるみたいですね.

 同時に,日本政府は こういう機会をその都度捉えては 支那の謂う所の「歴史認識」の問題に於いて 日支いずれに理があるかを 堂々と世界に説くべきなのです.今回取り沙汰されている靖國の問題に話を限っても,例えば今まで世界の何ヶ国の用心が靖國に参拝したか支那人は知っているか,所謂「A級戦犯」がサンフランシスコ平和条約第11条の定める所に従って既に免責されていることを支那人は知っているか,くらいのことは言ってみせなくてはならない.安易な「死生観」論議に逃げ込んでいたのでは,第三国を納得させることはできません.
 靖國以外にも,例えば支那人の主張する南京「大虐殺」が本当かどうか.南京事件にそこまで固執するなら,通州事件のほうはどうしてくれるのか.そもそも中共が「対日戦勝国」を名乗る資格があるのか.中共が国連加盟を機に「中国唯一の合法政府」としての「中華民国」の全ての正当性を引き継いだと称するなら,一方で「日華条約無効論」を唱えるのは不当ではないか.「日中共同声明」の折に放棄した筈の対日賠償請求権の問題なんぞを ODA論議の席で持ち出すのはおかしくないか.言うべきことは山ほどあります.それらを日本政府は折に触れ主張すべきなのです.一介の中共に向けてではなく全世界に向けて.

 問題はあくまでそれを受けて立つ日本政府にどこまで腰の据わった外交が出来るかという点にあるのです.その意味で 上の細田氏あたりは 軍人だったら銃殺刑モノでしょう.こういう どう考えても先方に一方的な非がある局面を迎えながら 相手の落ち度を完全に不問に付したままで一件の幕引きを図るような人物を 政府の中枢から一掃することこそが,当世の日本外交にとっての焦眉の急なのです.支那人なんぞは何も怖くないが,細田氏のような手合いはまことに恐ろしい.

雑談
 そういえば,今回のドタキャン騒動絡みであれこれ検索している途中で拾ったサイトの中に なかなか香ばしいのがありました.今回の騒動を安倍・中川両氏の謀略と呼んでいるもの.呉儀にせよ王毅にせよ 大層な持ち上げようですが,本当にこの人の言う通り「謀略」だったのだとしたら,その「謀略」とやらに呉儀はまんまと乗せられたわけですから,そういう与し易い人物を外交相手に持ったことは 日本にとっては寧ろ幸いだったということになります.
 ついでながら 同サイトの執筆者氏,日本の国連安保理常任理事国入りに中共が拒否権を行使することを 何やら中共にとっての伝家の宝刀か何かのように考えているようですが,もしこの人の言う通りなのだとしたら,既に軍配は日本に上がったも同然でしょう.日本には その次の手がありますから.
 私自身は日本の常任理事国入りについては「やめておいたほうがいいのに」という立場ですが,もし外務省が中共やその取り巻き(何処かのお目々パッチリさんとかね)に阻止されることを当初から織り込み済みで掛け声だけ掛けているのであれば 私も賛成です.日本の常任理事国入りが否決されたら,日本はまず国連への分担金拠出額を支那以下に抑えてしまう.ODAも大幅減額する.当然ながら対支ODAなどは即時全廃する.支那と政治的・軍事的に親密な国には援助をしない.

 前回の記事に寄せられたTB元にざっと目を通しましたところ,中には「こうした騒動が持ち上がるたびに日本国内で首相の靖國参拝の是非をめぐってあれこれ論争が生じるのはそれこそ中共の思う壺ではないか」と懸念する向きもあったようですが,私はそれはそれで構わないのではないかと思っています.
 例えば閣僚や議員の靖國参拝が憲法の定める政教分離の原則に抵触するか否かというのは純然たる日本の国内問題であること.また所謂「A級戦犯」の免責の問題はサンフランシスコ講和条約第11条の定めるところに従って既に1956年に解決済みであること.これらについて国民が斉しく関心を持ち知識を備えて はじめて「戦前日本はアジアの人々にひどいことをしました」式の日教組的歴史観の虚構性も白日の下に曝されることになるのですから.
 更に言うなら,歴史認識をめぐる日本国内での侃々諤々たる論争の結果として 靖國参拝支持派は反対派を制するであろうし 現にそうなりつつあるのだという事実を,対外的にも明確に示すことが重要です.このことが,現在の日本の「右傾化」が当世の支那や朝鮮の好んで口にする「一部極右勢力」の策動によるものであるかどうかに対する何よりの回答になるでしょう.もっとも,歴史上1秒たりとも民意で政治が動いたことのない独裁国家の為政者に そのことの重みがどれだけ理解できるかは別問題ですが.

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a0026107_20383117.jpgおまけ.17日に中部国際空港に到着した猪八戒.写真はサーチナの記事から.

出迎えているのは支那人ばかりヽ( ´ー`)ノ

a0026107_21274138.jpg参考.同じ空港の 昨年12/27の模様.夜だというのにたいそうな人だかりですね.日の丸もたくさん振られています.

【問1】この人々は誰を出迎えているのですか.
【問2】日の丸と一緒に振られている 白と緑の旗は 何の旗ですか.
【問3】上の写真と比較して,日の丸の数が大きく異なる理由を考えてみましょう.

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by xrxkx | 2005-05-26 20:59 | 時事ネタ一般