ワニ博士が喜び勇んでウシをもたらすもキリンに先を越され云々
 今朝上がって来ていた,ちょっと気になるニュース.
黄禹錫教授の「BSEにかからない牛」今日日本へ ─朝鮮日報 05/13
 黄禹錫(ファン・ウソク)ソウル大学教授チームが誕生させたBSE(牛海綿状脳症、狂牛病)の耐性を持つ牛が13日未明、日本に渡されると12日伝えられた。
 実用化に先立ち、BSE耐性牛が実際にBSE予防に效果があるのか人体には害がないか日本で実験するためだ。
 日本は数年間にわたる研究にもかかわらず、BSE耐性牛を誕生させることができなかった。
 黄教授率いるBSE耐性牛研究チームの一人であるソウル大学獣医学科のイ・ビョンチョン教授は「日本に韓国の先端技術を提供するという意味から、百済の王仁博士が日本に渡り、文物を伝えた事と同じようなこと」と、今回のBSE耐性牛の渡日意味を説明した。
 BSEは脳にスポンジのように穴があき、体が麻痺する病気で、1985年、英国で初めて発生して以来、感染が懸念される牛まで、合わせて数百万頭が焼却処理され、数十兆ウォンの被害が発生している。
 なお、BSEにかかった牛を人間が食べる場合、同じ病気にかかる致命的な病気だ。世界各国でBSEを防ぐための研究を行ってきたが、実用化の可能性のある成果を収めたのは黄禹錫教授チームだけだ。
 相変わらず言っていることが滅茶苦茶.わに博士だろうがかば博士だろうが結構だけれど,「日本に韓国の先端技術を提供する」とまで大言壮語しながら,「実際にBSE予防に効果があるのか,人体には害が無いか」を どうして「日本で実験」しないといけないわけ? 自国で出来ないの?

 さらに「日本は数年間にわたる研究にもかかわらず、BSE耐性牛を誕生させることができなかった。」のくだりについてですが,こちらの頁に昨年の読売の記事が載っていまして,こうあります.
●BSEに感染しない牛,遺伝子操作で誕生…キリン ─読売 2004/05/31
  キリンビールは30日、BSE(牛海綿状脳症=狂牛病)に感染しない牛を遺伝子操作によって誕生させたことを明らかにした。
 BSEに感染する原因であるたんぱく質の一種、プリオンを生まれつき持たないのが特徴だ。米バイオ企業ヘマテック社と共同研究したもので、この牛を活用してC型肝炎や肺炎、リウマチなどを治療する新薬を開発し、2013年にも米市場で販売する計画だ。新薬1種類当たり数百億円規模の売り上げを目指している。
 医薬品に使う抗体の生産は、BSE感染牛を使っても可能だが、「BSE感染牛を使って抗体を生産するのは、消費者の印象が悪い」ため、BSEに感染しない牛を開発することにした。
 キリンは、人間の免疫をつかさどる遺伝子を牛の体内に組み込み、医薬品として使える抗体を大量に作り出す研究を進めている。今回の研究成果を医薬品事業の拡大に活用する方針で、「BSEに感染しない食肉用の牛を普及させることは、現時点では考えていない」(キリン)という。

朝鮮日報 また即日ウソ発覚 ヽ( ´ー`)ノ

 …と,今回突っ込みたいのは そこではない.もちろん「牛なのかキリンなのかハッキリしろ」と言いたいわけでもない.
 件の朝鮮日報の記事に「BSE耐性牛ができるまで」の図が載っていますが,要するに これ,
体細胞クローン + 遺伝子組み換え
じゃないの? 食べて大丈夫? 2重に危なくない?
 ちなみに いま日本でクローン牛の食品安全管理がどういうことになっているのか ちょっと調べてみたのですが,見つかった中で最新だったのは 2003年4月11日に厚生労働省が発表した「クローン牛の食品としての安全性 最終報告書」というもの.それについて海外では例えば以下のように報道されていたようです.
日本政府、クローン牛の肉と牛乳について「食品としての安全性が損なわれることは考えがたい」と発表 ─NewFarm.org
この記事だとすっかり日本政府が緑信号を出したような書きっぷりになっていますが,問題は訳者による脚註で,こうあります.
しかし、実際には、2003年4月11日に厚生労働省が発表した「クローン牛の食品としての安全性 最終報告書」には、「受精卵クローン牛や体細胞クローン牛については、従来技術により産生された牛にはない特有の要因によって食品としての安全性が損なわれることは考えがたい。」としながらも、「ただし、クローン技術は新しい技術であるために、クローン牛由来の食品の安全性については、慎重な配慮が必要である。クローン牛の人獣共通感染症等疾病への罹患、あるいは同牛由来の乳肉における有害化学物質の残留などによって、安全性が損なわれることのないような慎重な対応が必要である。こうした配慮の下に、その安全性を危惧させる要因が新たに検知された場合には、速やかにその要因を排除できる対応が必要である。」と明記されており、日本政府がクローン牛を食品として利用することを認可・承認したわけではない。(中略)政府は「安全宣言などではない」と言及している。
 クローン牛について もうひとつ.こんなのもあります.同じ厚生労働省の最終報告書に関連したもの.
「体細胞クローン」本当に安全? ─大地を守る会/農の情報ボックス
 しかし、この「安全宣言」に対して、疑問や不安の声もあがっています。その理由は、体細胞クローン牛は死産が多く、原因は不明のままになっているためです。02年9月末時点で体細胞クローン牛は318頭誕生していますが、98頭が、死産、生後直後に死亡しています。その発生率は30%と、一般の牛の約6倍にのぼります。
 また、老化が早く、95年に誕生した世界初の体細胞クローン、羊の「ドリー」は半分の寿命で死亡しました。体細胞クローンマウスについては、胎盤が正常の4倍に大きくなった例も報告されています。
 (中略)
 体細胞クローンは、研究開始から比較的日が浅く、主な先進国でも食品としての流通を認めている国はありません。
 念の為強調しておきますが,ここまでは あくまでクローン技術が安全かどうかという話.この後さらにもう一つ,遺伝子組み換え技術の安全性の話が残っています.遺伝子組み換え大豆なら既に店頭でも売られていますね,豆腐とか納豆とか.私はヤバそうなので買いませんが.
 肉牛・乳牛用の遺伝子組み換え牛を解禁したというニュース,探した限りでは出て来ません.ただ,上の読売の記事が載っていたのと同じ頁
●牛乳に人の母乳成分 中国で遺伝子組み換え牛 ─共同 2005/01/08
というのがありましたが,これとても勿論実験レベルでの話でしょう.ともあれ

そういうヤバそうな実験は自国でやれ >黄禹錫とやら
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by xrxkx | 2005-05-13 20:49 | ◆ 黄禹錫 / 卵子売買