趙甲済「日本極右擁護」発言で袋叩き
 池萬元(チ・マンウォン)騒動が今も収まる気配がありませんが 取り敢えず一休みして,親日派狩りの また新たな動向について.
 今回取り上げるのは,先月の韓昇助(ハン・スンジョ)「正論」寄稿騒動以来 韓氏・池氏と並ぶ「親日」三羽烏の一人として韓国社会で袋叩きに遭っている もと「月刊朝鮮」代表・趙甲済(チョ・ガプチェ)氏です.自分のwebサイトに掲載した文章がメディアに叩かれるという形は池氏のケースと全く同様.東亜日報も手短にではありますが伝えていましたので,あるいは日本語版の記事が既に上がっているかも知れませんが….
趙甲済,「日 極右勢力 積極擁護」波紋
「安倍は極右ではなく保守本流」「日本に反感を持つ韓国人は減っている」 ─PRESSian 2005/04/18
 「親日よりも悪いのは親北」なる親日的発言が決定打となって先月末「月刊朝鮮」代表職を追われた趙甲済氏が,日本の与党・自民党の代表的極右勢力である安倍晋三幹事長代理,石原慎太郎東京都知事らを「極右派」ではなく「保守本流」だと規定して積極擁護に出,またも波紋が予想される.
 同氏はまた,最近の独島(訳註:竹島のこと)-過去史問題に関連しても「独島問題は危急の問題ではなく,北核問題のほうが危急」「日本に対する反感を持っている韓国人が減っている」という日本極右の主張を繰り返し,同氏の親日の根が如何に深いかを改めて見せ付けた.

趙甲済,「安倍らは極右ではなく保守本流」
 趙甲済氏は18日,自らのホームページに掲載した「『保守本流の旗手』安倍晋三インタビュー」という題目の文章を通じ,題目からして安倍を「保守本流」と規定した後,具体的に本文で「彼は中曽根前総理,石原慎太郎東京都知事と並んで保守本流の三大人物に数えられる」とし,安倍を「極右」ではなく「保守本流」と規定した.政治学的に「極右」とはファシズム的極端主義を批判する用語である半面,「保守本流」とは「正統保守」勢力を意味する肯定的表現だ.
 趙氏は最近「日本の教科書問題を韓国と中国が問題視しているのは内政干渉でありマナーに欠ける」とする妄言を憚らなかった自民党内の代表的極右勢力である安倍のほか,扶桑社歪曲教科書を作った「つくる会」の公式後援者である石原慎太郎東京都知事,さらに「日本列島不沈空母論」を叫び日本の軍国主義化を主導している中曽根前総理までも「保守本流の三大人物」と規定することで,日本極右勢力らを積極擁護に出た形だ.
 趙氏は続いて「安倍議員に代表される日本の自民党本流は,朴正熙政権当時は親韓派に分類されていたが,最近の独島問題以降は韓国メディアにより極右または反韓派として攻撃されている」と主張,「(原文註:インタビューしてみた結果)安倍晋三議員の場合,日本の韓国支配を公に反省し,朴大統領による「漢江の奇蹟」(訳註:韓国の高度経済成長のこと)を高く評価しており,韓国人拉致被害者問題を含む北韓(訳註:北朝鮮のこと)人権問題を積極的に提起している.そうした彼を反韓や極右に分類するのは事実に合わない面がある」と積極的に安倍を擁護した.「朴正熙肯定論者は極右ではない」という珍しい公式を作り出した形だ.
 趙氏はまた「独島問題以来 韓国メディアや盧武鉉政権により『良心的勢力』と呼ばれている日本国内の人々の中には,親金正日人士らや,大韓民国の正統性に反対して来た本物の反韓人士らが多い」と主張,日本国内の平和勢力を色分け論(訳註:日本語になりにくい語だが「あいつはアカだ」などといったレッテル貼りの類のこと)で罵倒もした.
 趙氏はまた「安倍幹事長代理は日本政界の最も大きなテーマとしてクローズアップされている『憲法改正による正常国家への復帰』を成し遂げるべき人物と目されている人でもある」として「日本の憲法で禁じられている交戦権を明示し,自衛隊の地位を軍隊だと明確にすることが憲法改正論の核心」だと述べ,日本の極右が進めている平和憲法改正にも肯定的意味を付与している.
 趙氏が さる3月24日,自民党々舎で行なったという安倍インタビューは,
「韓国記者らが『安倍晋三が日本の右傾化の先頭に立っている』というから,『ただ右傾化では困るから具体的な政策を訊いてみた上で何が誤っているのか指摘してくれ』と(訳註:韓国記者らに)言ったことがある.(原文註:私を)イメージ操作によって右傾化(ママ)呼ばわりしている点が多い.何が右傾化なのか実体が無い.左翼に言わせるともう何から何まで右傾化だ」
という安倍の主張で締め括ることで,こうした肯定のメッセージを改めて明確にしている.

趙甲済「日本に対する反感を持つ韓国人は減っている」とも主張
 趙氏は安倍擁護にとどまらず,安倍にインタビューする為に日本に行ったおり,所謂「知韓人士」らに会ってみた感想だとして,自らの親日的思考をも憚り無く表明している.
 趙氏はとくに独島問題に関連して「日本の右派が独島問題を国際紛争にし,この問題を何が何でも解決するという意思を持って(訳註:「韓国に」か?)押し付けているといった確証は無い」と主張,「日本の一部の韓半島専門家は,南韓政権が親北化したり金正日の影響圏内に入った場合,独島を『軍事的脅威の前哨基地』と想定して対応すべきだとする見解を窺わせた」と述べ,日本の独島紛争化が「韓国の親北化」に備える日本の防衛的対応策であるかのように主張した.(訳註:「韓半島」「南韓」はそれぞれ朝鮮半島とその38度線以南のこと)
 同氏はまた,過去史問題に関連して「最近蓄積されている韓日両国民の間の膨大な人的・文化的交流が,政治的・外交的摩擦の緩衝材としての役割を果たせるかも知れない」として,「韓国に対して罪の意識を持つ日本人も減って来ており,日本に対して本能的反感を持つ韓国人も減っている」と主張,「月日が流れれば韓日両国に過去史を知らない戦後世代が増え,過去史問題は消滅するだろう」とする日本極右のいつもの論理をそのまま繰り返してもいる.
 趙氏はまた,最近の韓米日関係に関連して「北核問題ならびに人権問題をきっかけに,金正日政権を東北アジアの平和の敵と規定し,彼を政治的に無力化すべきだとする共通認識が,韓米日国民の間に拡がっているのと同時に,米日政権を共通の敵としようとする動きも韓中露で起きている」とし,「こうした同時進行の衝突コースが韓国を韓米日の海洋自由同盟から切り離すなら,これは良友を捨て悪友と交わる結果をもたらすだろう」と主張,アメリカ-日本を「良友」,中国-ロシアを「悪友」と規定してもいる.
 同氏は続いて「韓国の国益を基準とすると,独島問題は危急の課題ではなく北核問題解決のほうが急がれる」とし,「韓米日同盟を強化し,北核問題を解決すべき時に,さして急ぎもしない独島問題に執着し,北核問題解決の基盤に亀裂を生じ,ひいては韓国の安全と繁栄を保証する韓米日同盟体制を変質させようとしている人々がいるとすれば,これは『馬鹿げた自害行為』だ.危機が迫った時に同盟国を選び間違えれば国家的災厄を招く」とすら主張した.
 同氏は盧武鉉大統領の「バランサー」論についても「盧大統領は,今日の韓半島の状況が19世紀末の韓半島に似ているため,韓米日の南方三国同盟体制を脱してバランサー役をすべきだと考えているようだ.これは誤った歴史解釈に基づく誤った方法論だ」として,「19世紀の朝鮮は韓半島に対する領土的野心を持つ日本・清・ロシアを牽制してくれる同盟国を持たなかったが,21世紀の韓国は韓半島に対する領土的野心の無いアメリカと手を結んでいる.韓米同盟解体は,領土的野心の無い友人を捨て,韓国を併呑しようとする北韓やその後見勢力である中国について行こうとする自殺行為となる」と主張した.

朴テギョン記者
 上の一連の発言のどこがそれほど不穏当なのか分かりかねますが,この程度の発言にも殆ど脊髄反射的に反応してしまう韓国メディアの体質が,昨今のネット言論の発達以来ますます著しくなっているのは間違いないでしょう.上の記事が載っていたPRESSianの他にも 有名なオーマイとかマイデイリーとかといった《煽ってナンボ》のネットメディアというのが韓国には非常に多い.
蛇足.よく知らないのですが,このPRESSianなども あるいはオーマイと同じような「市民記者」が書いているのかも知れません.原文を読むと文章が非常に粗い.記者が上げた記事をデスクが校閲して,といった編輯過程を経ていない感じがします.
 ちなみに,記事中にある「趙甲済氏が3月末に『月刊朝鮮』代表を『追われた』」というのは これのこと.記事中にもあるように当時は趙氏が「親北は親日よりなお悪い」という趣旨の発言が発端でバッシングを受けていた時期ですが,彼が月刊朝鮮の代表を退いたことが本当にそのことと関係あるのかどうかまでは正直言って分かりかねます.

 記事中にある「安倍氏へのインタビュー」というのを既に入手してありますので,これから実物の内容を見て行くことにします.
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by xrxkx | 2005-04-19 20:44 | 韓国の親日派狩り