【教科書】韓国外交部声明を読んで
 はじめに ざっとおさらいしておきましょう.盧武鉉がさる03/23に発表した「国民に申し上げる文」なる文章について 以前ご紹介しましたが,その中で盧武鉉は今後の韓国政府の対日行動の基本的指針として以下の3つの点を挙げていたのでした:
  1. 二国間の外交チャンネルを通じた,政府レベルでの抗議.
  2. 国際機関などを通じた,第三国を巻き込んでの対日非難.
  3. 日本国内の「良心的」勢力を指嗾しての,日本国民の歴史認識への介入.教科書に話を限るなら「歪曲」教科書採択阻止運動.
これら3点を軸に,昼間掲載した韓国外交部声明の意味を考えてみようと思います.

 まず (1)については,前回の検定の時にも仕掛けて来た《再修正要求》などが ここに含まれるでしょう.朝鮮日報は昨04/05付で『「独島は日本の領土」、とことん行く覚悟の日本教科書』(註:「とことん行く覚悟」の箇所,原文では「行くところまで行った」程度の意)と,中央・東亜両紙に比べると この(1)に重点を置いた論調でした.
 ただ,実際のところ 対日二国間外交の面で 韓国政府がどこまで具体的なアクションプランを持ち,どこまで先を読んで動いているかというと 極めてアヤシイ.現に盧武鉉の3・23声明が出された直後も「対日戦略策定の過程での外交部不在」が取り沙汰された経緯もあります.差し当たり,前回で懲りていることもあって「再修正要求は無駄」というのが彼らの本音のように思えます.率直なところ
「日本政府が善処しないと中国と一緒に常任理事国入りに反対するニダ」
とか何とか言い続ける以上の策は持っていないと見てよかろうと思います.──もっとも,ウリナラビジョンでは 或いは本当に「常任理事国」云々が日本に「マイッタ」と言わせ得る必殺技に見えているのかも知れませんが.
私が思うに,日本政府が常任理事国入り希望を言い出している件は,実際に常任理事国になどなるよりも 《支那や朝鮮の妨害によって常任理事国入りが流れた形》に持って行くことのほうに 遥かに大きな価値がある筈で,もしも日本政府が初めからそれを狙ってやっているのだとすれば大したものなのですが,ここでは深入りせずにおきます.

 次に(2)について.第三国や国際機関への働きかけの面では,何にも増して支那との連携が不可欠だと 韓国政府は考えている筈です.今年の中共による「対ファシスト戦勝60周年ナントカカントカ」に便乗する形で動こうとするでしょう.その上で東南アジア諸国をも巻き込む形で「慰安婦カード」を重点的に使い,「戦犯国家・日本」のイメージ作りを徹底的に行なおうとするでしょう.ちなみに国民日報などは昨04/05付で「日本は今なお戦犯国家にすぎない」なる社説を掲げていました.──ただ,これとても 調子に乗りすぎると
「だったらどうして竹島領有権も国際法的に決着させようとしないの?」
と逆に突っ込まれかねないという諸刃の剣.素人にはお奨めできない.──もっとも,かの国の人々は「教科書問題と竹島問題は切り離して対応する」などと虫の良いことを考えているようですので,巧く泳ぎ切る自信はあるのかも知れませんが.いぬだく.

 最後の(3)について.韓国の保守三大紙のうち 東亜日報は昨04/05付で「再び日本市民の良識に期待する」なる社説を,また中央日報も同じく04/05付で「教科書わい曲、日本の良心勢力に期待かけたい」なる社説をそれぞれ掲げるなど意欲的です.
 このことは,件の外交部声明の第5項に触れられている「共同研究」のような韓国側の歴史認識の日本への押し付けが 韓国側の独力ではどう頑張っても達成し切れなかったという経緯を踏まえた上でのことでしょう.
 加えて,もともと第1次教科書論争が起きた80年代初頭には,韓国や中共は検定制度そのものに異議を唱えていましたが,日本政府との間で暖簾に腕押し的な問答を続けるよりは 矛先を教科書採択の現場に向けたほうが得策であることを,さすがに20年もこればかりやっているうちに韓国人も学習したということでもあるでしょう.
 無論,日本国内の「良心的」知識人やら市民団体やらメディアやらを自己の対日要求実現の為の尖兵として用いようとする韓国政府の企ては,何も昨日や今日始まった事ではないでしょうが,実際問題 韓国政府にとって これが一番安上がり,かつ効果的な方法でしょう.何せ戦後の日本輿論は「人道」に弱い.韓国側から見れば《付け入る隙》だらけ.今回の教科書の問題などは,これ単品で見るよりは そうした彼らの「包括的対日タカリ政策」の一環と捕えるべきでしょう.昨今の人権擁護法案の問題然り,外国人参政権の問題然り.あるいは今年1月のNHK番組改編騒動以来盛んに蠢動を続けている親北勢力との連携もあるでしょう.外交部声明の中でも,日本政府に対しては「それなりに努力の跡が見られる」などと殊更一定の譲歩をして見せていますが,最近の韓国政府のこうした論調は,ちょうど北朝鮮が非難の対象を日本政府全般から「日本国内の一部極右勢力」へと絞り込んで来ていることと酷似しています.

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 問題は日本側の対応です.

 今回クローズアップされている教科書検定のような露骨な内政干渉にせよ,竹島のように国際法的決着を避けたままでの実効支配の既成事実化を目論む姿勢にせよ,あるいは「道徳的責任」なるものを持ち出すことによる補償の問題の蒸し返しにせよ,これらは全て「侵略の歴史」という虚構さえ突き崩せば雲散霧消するのです.それをやるだけの果断さが日本政府にあるかどうか,問題はひとえにこの一点に尽きます.特に,近代の日本をナチと十把一絡げに扱わせないよう,歴史認識に関する日本の公式な立場をはっきりアピールすることが急務でしょう.

 最近の韓国政府が対日要求をひとつ行うたびに「人類の普遍的ナントカカントカ」を振りかざすのは,それ以外に武器が無いからです.朝鮮人の単なる甘えやタカリに対して寛容である口実としての「人道的見地」などは,日本の国益にも名誉にも繋がりません.
 なるほど,こうした「人道的見地からの援助」論は,「日本政府としては歴史認識に関する韓国側の主張を受け入れたわけではない」ことを断っておくことにはなるでしょう.但し,これまでの日本政府のそうした対処療法的な対応が,結果的に昨今の朝鮮人や支那人による対日タカリ外交の構図を生み出してしまった事実は事実です.
 そのツケをそろそろ清算すべき時に日本は来ています.彼ら朝鮮人の一切の対日要求の出発点たる歴史観を全否定した上で,「カネが欲しかったらタカリではなく頭を下げていらっしゃい」という態度で彼らをdomesticateする必要がありますが,そもそも彼らがdomesticateし得る生き物であるかどうかは,35年に及ぶ朝鮮統治の結果を見れば自ずと明らかであるように思えます.野良犬にどんなに餌を与えても番犬にはならないものです.
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by xrxkx | 2005-04-06 21:30 | 時事ネタ一般