【参考】2005/03/30衆議院外務委員会 増子輝彦(民主)質疑
 動画はこちらでご覧になれます.所感は夜に.
増子:
 民主党の増子輝彦でございます.今日の質問をさせて頂きたいと思います.
 午前中の質疑の中でも,日韓関係,あるいは常任理事国入りの問題等々,いろいろ出て参りましたけれども,私自身も日韓関係について,それに加えて若干時間がありましたら日中および日米関係等について少し質問をさせて頂きたいと思います.
 まず日韓関係でございますけれども,今年は日韓国交正常化40周年という大変意義深い年になっておるわけであります.こういう中で,今年に入りまして,何か 日韓関係の中で非常に大きな動きがあると言いますか,大きな転換期のような事が立て続けに,実は起きているわけであります.
 まず第一番目に,今年の1月初め,日韓国交正常化交渉等の外交文書が,実は韓国側から発表されました.
 続いて3月1日に三・一独立運動記念式典で,盧武鉉大統領の発言というものが「大きな対日政策の転換」ということで日本でも大きく取り上げられましたし,たぶん我が国政府・外務省としても 一瞬,驚きやら──戸惑ったのではないかという風に思っております.
 更に3月の──直ぐ後には──17日には「対日政策が明確に変更」だというような,実は声明も為されているわけであります.
 今年の,この僅か3ヶ月間の間だけでも,日韓関係が 今までの未来指向型の関係から 大変厳しい政策転換になって来たのではないかということが,私は強く感じられるわけであります.この変化は一体何を意味するのかということを中心に,これから外務大臣にお訊きを致したいと思っております.
 まず最初に,日韓条約の──正常化交渉の過程の中に於ける外交文書の公表につきましては,大臣がどのような見解をお持ちになっているかお訊きさせて頂きたいと思います.

町村:(02'38")
 韓国側は,まぁ,いろいろな韓国側の事情によって あれらを──そうした文書を公開すると.特に──正確には彼らの意図というのは判らない部分もありますけれども,いま通説的に言われておりますのは,「過去を見直す」と言いましょうかね,特に今の盧武鉉政権になって,これまでは謂わば当たり前と思われていたような事をもう一度見直して,まぁ,「歴史の再評価」と言うとちょっとオーバーかも知れませんが,かなり──そういう意識でいろいろなことを全部洗い返してみようではないかという動きがいろいろあるようでございます.彼らなりの法律も既に昨年出されておりまして,例えば──ちょっと不正確かもしれません.間違っていたら御免なさい──第二次大戦中あるいは第二次大戦後に いろんな形で日本に協力した人の いろいろな発言なり何なりを洗い出して,それを再評価して云々というような ですね,──ちょっと法律の名前は忘れましたが──そういう法律を出すとかですね,全体としてそういう諸々の歴史を見直してみるというような動きがある中の一環なのかな,と思っております.
 それについて私どもが日本の立場でですね,それがいいだとか悪いだとか,正しいとか間違っているとか言うつもりはありません.それは韓国側の自らの判断でなさった事だと思います.
 それに対応して日本は日本独自のルール・考え方で外交文書の公開問題というのは取り扱っておりますから,必ずしも韓国と同じ事をやる必要もないだろうと,こう思っているところでございます.従いまして韓国政府のやっておられる そういった外交文書の公開についてはですね,あまりあれこれコメントすべき立場には基本的にはないだろうと思っております.

増子:(04'49")
 この日韓基本条約の公式文書が公表されたということで,特に大事な点は,日韓間の請求権問題というものが大きな問題としてクローズアップされて来たんだろうと思います.外務大臣もこれは「完全かつ最終的に解決された」というご認識でしょうか.

町村:(05'21")
 この点につきましてはですね,実は先般の──3月の17日に,先ほど委員がお触れになりました先方の常任ナショナル・セキュリティ・カウンシルというんでしょうか,NSC常任委員会声明文というのが3月17日に出されました.
 それに対して日本政府──というか外務大臣談話というものをですね,出したわけでございますが,その中でも6番目のポイントとして,「日韓間の財産請求権問題については,国交正常化の時点に於いて解決済みであり,その上に立って形成されてきた両国関係の歴史の歯車を戻すことは賢明とは言えない」と,こういうコメントを私どもは致しました.
 そこに言っておりますように,私どもは,国と国との関係は完全に──正常化の時点で,長い間──当時,何年も何年も関係者が議論した結果ようやく出来上がった この日韓国交正常化の文書・条約でございますから,その時点で財産請求権問題は両国間に於いては解決済みという考えでございます.

増子:(06'44")
 しかしながらですね,この問題が改めてぶり返されて来たという背景があるんだと思うんです.今回の──先ほど大臣も仰いましたように,三・一の記念式典に於ける大統領の発言,或いは3月17日の,先ほど申し上げました対日政策声明の発表という中で,この問題,大きくまたクローズアップされているわけですが,日本は「その時済んだ」ということであるにも拘らず,韓国側が改めてこの問題について,このような謂わば強硬──と言ってもいいんではないんでしょうか,そういう発言を意識的に──と言ってもいいんだと思いますが──して来た背景には,どういう背景をお感じになっておられますか.

町村:(07'38")
 率直に申し上げまして,韓国側がどういう考えであるかということを,あまり私どもがですね,推測をして「こうではあるまいか」という解説をすることが今の時点で適切なのかなぁ,と,率直に思います.
また,「いやいや,日本の外務大臣がこう言ってるのは またこういう観点で問題だ」と,悉く 今はそういう議論になってしまう傾向がありますから,やっぱりそれは彼らがどういうふうに考えているかということを自らの口で語ってもらうしかないのであって,あまりそれについて私どもが──「日本はこう考えてる」と言ってもいいでしょうけれども,──「相手側がこういう考えでやっているのではないか」ということをですね,あまり推測・忖度をして言うべきことではないのかなぁ,と こう思っております.
 ただ,彼らもですね,「韓日協定が全部ダメだ」と断定をしているわけではないと思います.「歴史の歯車を戻すべきではない」ということは彼らも言っているわけであります.たぶん,韓国政府として言いたいことは,国と国の関係はそれで済んだかも知れないけれども,韓国の個人に対してですね,いろんな意味で被害を受けたであろう個人に対して,韓国は韓国として,日韓で合意したものを受けて,韓国政府が韓国国民に対していろいろな対策を打つと──まぁ,これはまた韓国政府の謂わば義務として当然なんですけれど,──日本国政府がそうした個人に対して何もやらんで良いのか,という問題提起なんだと思います.
 そこは私どもとしても既に国と国との関係ということでは済んだということではありますが,さはさりながら,日本国民の謂わば誠意とか,気持ちをですね,表す方法は無いんだろうかということを考えて,基金というものを作ったわけでございます.「アジア女性基金」というものを作り,ですね,日本として人道的な観点から,(やや間あって)所謂従軍慰安婦問題については「アジア女性基金」を通じて被害者支援というものをやって,この助成基金の事業もですね,だいたい終了したのかなということで,先般基金の皆様方が集まられて,一定期間後にこれを終了させるということを決めているわけでございます.
 またその他,在サハリンの韓国人の問題とか,在韓被爆者問題についてもですね,これまた人道的な観点ということで,日本としてもこれまで無為に見過ごしていたわけではなくて,政府として,あるいは民間としてやるべき対応というのはやって来ていると.
 こう私どもは思っているわけでございますが,韓国側としてはそうした日本の取り組みをどこまでご存知かは分かりませんが,「不十分である」と,こういう認識なんではなかろうかな,──という,これは推測でございます.

増子:(10'54")
 大臣,私が敢えて今の問題を取り上げさせていただいていますのは,この日韓関係というものの前例がですね,今後の日朝関係に大変大きな影響を及ぼすのではないかというふうに私は認識しているわけです.
 小泉総理が2002年,初めて訪朝されて,平壌宣言をした,そのときの,実はこの宣言の中に,今回と同じようなですね,やはり,賠償問題というものが当然,解決するかしないかというところで,実はこの日韓基本条約の時の賠償問題等と同類の事が出て来るんではないかというふうに思っておるわけであります.
 日本は経済支援だとか,さまざまな形の中で支援をしたいというようなこと──韓国との間もおそらくそうだったと思います──,ところが一方,向こう側はですね,「いや,それはそれだ」と,「しかし賠償請求権も含めて,さまざまな請求権等の問題があれば,それはそれ」ということになってくるんだろうと.私は今回の この盧武鉉大統領のですね,大きな政策転換,──国内の自分の政治基盤的なものもあるんでしょう,政権基盤的なことも──しかし,同じような事が,今回 日朝関係,どうなって行くか分かりませんけれども,これが締結された時にですね,同じような事が将来に向けて起きて来るんではないか.
 我々としては,やはり拉致問題,これが明確に解決をしなければ,当然 私は平壌宣言なんていうものは,これは活かされもしなければ,日朝(国交)正常化交渉もあり得ないと思っているわけですけれども,しかし それはそれとして,交渉過程の中で,この問題,韓国の例をやはり教訓としてしっかりしていかなければならないんではないだろうかというふうに思っているわけであります.
 その対北朝鮮等に及ぼす影響は,私は今後極めて──今度の問題をまた本質的な問題であやふやにしていたのでは,大きな──私は──問題が残って来るんであろうと思うわけであります.この点についてのご見解をお伺いします.

町村:(13'09")
 日本政府の考え方というのは非常に明快であると思っておりますし,特に請求権問題等について あやふやな点は,私どもは無いと思っております.確かに委員ご指摘のように日朝平壌宣言,2002年9月17日の第2パラグラフを見たときにですね,
「双方は日本側が朝鮮民主主義人民共和国側に対して,国交正常化の後,双方が適切と考える期間にわたる無償資金供与,低金利の長期借款供与および国際機関を通じた人道的支援等の経済協力を実施し,また民間経済活動を支援する見地から国際@@@@@@ことが,この宣言の精神に合致する云々」
と,こういうことでありまして,さらに国交正常化を実現するに当たっては「1945年8月15日以前に生じた事由に基づく両国およびその国民全ての財産請求権を相互に放棄するとの基本原則に従い,国交正常化交渉に於いてこれを具体的に協議する」という基本的な考えが この平壌宣言に触れられているわけでありまして,この考え方はまさに日韓間で合意をした──40年前に合意をしたものと同じ趣旨のことが,この平壌宣言にも触れられている,と.
 そういう意味で私は,国と国との関係で言うならば,所謂曖昧な部分というのは無いだろうと,こう考えているわけであります.

増子:(14'50")
 大臣はそう仰るんですけれども,やはり本質的な問題が曖昧になって来たと思うんですね.これは植民地統治とか,戦争被害の責任をどういうふうに清算して行くのかという問題が,実はあるわけであります.
 そういう意味で,韓国と日本の中では,当時の朴政権は何よりも早く早く経済発展を望んだわけでありますから,そのために自分の国には自分の国に都合がいいような,ある意味では解釈をしながら,この資金導入を急いで,この条約が締結されたのかな,というふうにも思えるわけであります.
 そうしますと日朝関係の中に於いても,やはり今の金正日政権ということになりますと,私が言うまでも無く経済的に困窮し,食糧の問題,さまざまな──北朝鮮が今置かれている立場を見れば,──これは限界というものがあるわけでございますから,日朝関係がどういう形にせよ本質的には やはり彼らの望みは日本の経済力をどうして1日も早く導入するかということが,私はあるんだと思うんです.
 また一方,小泉首相にとっても,自分の総理在任中の歴史的な,やはり外交成果として,どうしてもこの日朝国交回復をしたいということが当然あるというふうに考えてもおかしくありません.
 その時に やはり経済協力・支援というものを優先することによって,先ほど申し上げた通り,拉致問題が解決もされないままに,あやふやな形の中で,この日朝国交回復というものが行なわれるというようなことになれば,これは やっぱり将来に禍根を残すのではないか.
 私は今ここで大臣に改めてきちんとお願いを申し上げて,またご答弁を頂きたいと思いますが,「拉致問題解決なくして,やっぱり日朝国交回復というものはあり得ない」ということを,どのようにお考えになるのか,それについてのご見解をお伺いしたいと思います.

町村:(17'06")
 これは今までもそういう趣旨の発言を政府としてはして来たと思いますけれども,拉致問題が私は5人が帰って来た,またその家族の方々も帰って来たということで大きな前進を遂げた,ただ依然として安否不明の方々がいらっしゃる,こういうことがあるわけで,そういう意味ではまだ問題解決の道半ばであると,そういうふうに受け止めております.従ってその道半ばの状態で一挙に国交正常化交渉に入って行くという段取りというのは想定できないわけでありまして,やはり一つ一つ順を追って,解決すべきものを解決した上で,その上で日朝国交回復と,そういうふうに進んで行くということは,私は この朝鮮半島の平和と安全,さらには核の無い朝鮮半島というものを実現する上にとって,それは重要なことなんだろうと,こう考えております.
 いずれにしても,拉致問題を中途半端な形で終えて,あるいは中途半端な状態のままに,(国交)正常化交渉に入って行くというは,それはあり得ないということは委員もご指摘の通りであり,私もそのように考えております.

増子:(18'33")
 次に,この韓国の政策の中で問題になって参りましたのは,歴史問題,あるいは竹島・尖閣の問題があるわけであります.
 最初に歴史問題についてお伺いいたしますが,再三この外務委員会でも大臣に私は日中関係の問題の大きな棘といいますか,最大の懸案は小泉総理の靖国神社参拝であると,これはお互い認識は一致しているわけでありますけれども,まぁ,韓国との関係は,比較的この問題については,今までは盧武鉉大統領は寛容であった.しかし今回の一連の,今年に入ってからの政策の転換と言いますか,対日政策ということを見れば,歴史問題,やはり靖國神社参拝問題と,併せて教科書等の問題が大きな影を落とすようになって来るんではないだろうかというふうに私は思っているわけであります.
 もちろんそれぞれの考え方がございますが,ひとつ靖国神社参拝──小泉総理の靖国神社参拝問題が今後の日韓関係の中に大きな,やはり影響が及ぶかどうか,──まぁ私は(盧武鉉が)今までは寛容であったけれども,この,今年に入ってから3回にわたる韓国の大きな声明とかですね,いろんなものがあれば,やっぱり強硬な姿勢に転じて来るんではないのかというふうに心配をしておるわけでありますが,小泉総理の靖國参拝については,日韓関係について今後どのような影響があると思われるか,ご見解をお伺いしたいと思います.

町村:(20'27")
 3月23日付の「日韓関係に関する国民への手紙」というものが盧武鉉大統領から韓国国民に対して発出をされております.その中で「顧みるにお詫びと真の反省を前提とするものであり,それに相応しい実践が伴われるべきであるため,小泉総理の神社参拝は,以前日本の指導者が行なった反省およびお詫びの真実性を毀損するものである」と,まぁ,非常にハッキリと,こういう触れられ方をしております.
 私はですね,まぁ,こういう意見が出される,──まぁ,その他にも日露戦争の位置付け・教科書問題等々,いろいろなことを盧武鉉大統領はこの手紙の中で触れておられます.率直に言って,こういうお考えが もし元からあったのであれば,何で例えば指宿のあの会談のときにですね,率直に,──まさに両国首脳がですね,膝を突き合わせて率直に話し合いをする場が,──しかも指宿が最初ではなくてその前にも(会談は)何度も行なわれている.なぜ盧武鉉大統領は「自分たちはこういうことを考えている」ということを言われなかったのか.
 こういう形で,まぁ,表現をするということを,別にそれは韓国サイドのやり方ですから,それを私は批判するつもりはありませんが,ある意味では残念な思いがするのはですね,せっかく両国首脳が一晩かけてゆっくり話し合うという場があったときに,全くこういう靖國問題の提起などは私の記憶では無かったと思うんですよ.
 そういう意味では大変残念であったなぁという思いがありますし,今度両国首脳会談は私は当然継続すべきと思っておりますし,また先方もですね,6月までにやる,今年前半に行われるであろう首脳会談は継続すると,こういっておられますから,当然開かれるものとこう期待を致しておりますが,そういう折にですね,もっと率直にですね,こういうことをですね,両国首脳の中でですね,話し合われたらいいと思うんです.
 これはいつか委員にもお答えを致しました,中国との間でも靖國について大きな議論になっております.しかしこれとてもやっぱり去年2回 胡錦涛主席それから温家宝首相との間でですね,かなり激しい遣り取りをした,というのはですね,私はそれはそれで有意義だったと今でも思っております.
 私は是非両国首脳がですね,こうした問題について率直に意見交換をすると,お互いに誤解のないようにすると,そして理解をした上で,──相手の言ったことを理解をした上でなおかつ問題としてそれは残るかも知れない.それはよく分かりません.私どもとしてはそういう問題が拡大しないように,問題が縮小に向かうようにですね,外交的な努力を いろいろこれからやらなきゃいけないと思っておりますけれども,いずれにしても,この靖國問題というものが今まであまり大きく韓国サイドから取り上げられていなかった中で,今回この「国民への手紙」の中で取り上げられたという事実は,私は改めて再認識をしなければならないと,このように考えております.

増子:(24'11")
 今まさに大臣が率直に「なぜ昨年の指宿会談で,あるいはその以前の…」──という言葉に表れていると思うんですね.
 それからこの靖国神社問題をはじめ──参拝問題をはじめとして,韓国はこれからですね,たぶん強硬な路線で私は来るんだと思うんですね.それが今年に入ってからの,先ほど冒頭に申し上げました3つのことが立て続けにですね,出て来ているわけであります.
 ですから,ここは中国との関係,──大臣はその,「胡錦涛さん」と言いますが,あれは正式な会談であっても,両国首脳が両国を訪問できないという 変則的な首脳会談でありますから,やはり両国首脳が両国をそれぞれ相互訪問できるという形を作っていかなくてはいけない.それは たぶん今のままでは対中国とも今後出来ないでしょう.ひょっとしたら韓国との間でもそれが大きな障碍となって,相互訪問が出来なくなる可能性も,極めて,私は強いのかなぁと心配しているんですね.
 …首をかしげているけれども(たぶん町村外相のこと),ご自分もやっぱり「指宿の会談のときになぜ率直に仰ってくれなかったのかな」というのは,大きなショックが,ある意味ではあるんだと思うんです.今のご答弁の中にも,そういうものが端々感じられるわけであります.
 いずれにしても中国・韓国,この東アジアの中で,両国との関係をしっかりして行くことが,日本外交上最も重要な,町村外交にしても,我が国の外交にしても,重要なことでありますから,ここは改めてですね,外務大臣,率直に,小泉総理と,この問題については,「少なくとも総理大臣の間は…」というようなお話をされて行くことが必要なのかなと私は思っているわけであります.
 次に竹島問題でありますけれども,ご案内の通り,午前中にもちょっと質問が出ましたけれども,竹島はもう1905年に──これはあの,竹島編入の閣議決定が行われて島根県に告示されている.まさに日本の国有(ママ)の,これは領土なんですね.それが,さまざまな,今,やはり,問題となっていることは,甚だ私も遺憾であり残念だと思っているんです.
 そこでひとつだけこの問題について先般──といいますか29日の参議院文教科学委員会で,中山文科大臣が「指導要綱(ママ)に竹島・尖閣を」というようなご答弁をされていると.ちょっと,これ記事ですが,読んでみますが,
「『竹島と尖閣諸島について日本の領土だということが学習指導要綱に無い.次回の指導要綱できちんと書くべきだ』と述べ,指導要綱に日本固有の領土と明示すべきだという意向を示した」
というふうに書いてございます.
これは単に教科書の問題だけではなくて,まさに日韓関係をはじめ日本の固有の領土であるかどうかという極めて重要な我が国の──主権やいろんな問題が入っているわけでございますから,これは明確にしなきゃいけない.これについてやはり外務大臣としては,この文科大臣と同じように教科書の中にとか,指導要綱の中にこれを記載すべきだというお考えをお持ちになっているんですか.お考えをお訊きしたいと思います.

町村:(27'35")
 もと文部大臣としては(場内笑い)なかなか複雑な思いがあるところでございます.
 まず尖閣はですね,これはもう別に議論の余地がありませんので,これを敢えて学習指導要領に触れる必要は全く無いと,こういうふうに私は考えます.確かに北方領土と──私も今正確には手元に資料がありませんから,何て学習指導要領に書いてあったかは今はまったく記憶にはないんですが,──北方領土のことは確か触れてあって,竹島という記述が学習指導要領に無いではないかという,そういうお問い合わせに対する大臣(中山文科相)の答弁であったという,今朝の新聞を私も拝見をいたしました.
 まぁ,あの(やや間あって)筋論として,私は敢えてそれを否定するものではございません.
ただ,その,──何と言うんでしょうかね,全ての事象を,ありとあらゆる事象を──まぁ,これは国家の基本に関る事ですから何も小さいことだというつもりもありませんが,──全ての事象を学習指導要領に全部書かなくてはならないかと言うと,これはもう学習指導要領が膨大な物になってしまうおそれがあると,こういう意味でですね,要するに@@(民情?)の問題等,国家主権に関ることはしっかり教科書に触れなさいよ,とということが要約して指導要領に確か書いてあったんではないかと,そう思います.でありますから,あとはそれをどう具体に教科書作成者がそれを受け止めてどう書くかという問題ではないのかな,と,そういうふうに私は思っております.

増子:(29'23")
 大臣,私がお尋ねしていることは,外務大臣として──まぁ,敢えて言うと もと文部大臣としての経験もおありですが,──やっぱり外交ですから,極めて重要なんです.指導要綱に入れるという,いわば行政の絡みの中ではなくて,日本の外交で,この竹島という問題が大きな我が国の問題となっているわけでありますから,この竹島を指導要綱に入れるかどうかということを外務大臣がどう考えるかということは,この国のあるべき領土のあり方にとって極めて重要なことでありますから,外務大臣としては指導要綱に入れるべきであるか,いや,入れる必要は無い,いや答えられない,と,さまざまなお答えがあるわけですが,どうでしょうか.そこをひとつお訊きしたいと思います.

町村:(30'16")
 よく考えてみたいと思います.

増子:(30'25")
 「よく考えてみたい」は答弁になっていないと思うんですけれども──まぁ,あの,それ以上は申し上げません.
 時間が参りました.ただ一つ,もう一つだけ,午前中の質問に関連してでございますが,公明党の丸谷委員が,中国が実は常任理事国入りについて反対をした場合には,という質問が逢沢副大臣のほうに実はなされました.それについて実は明確なお答えが無かったんですね.
 実はこれも今日の新聞の記事でございますけれども,
「日本の常任理事国入り,1000万人が反対署名 中国ネット上で」
と書いてあるんですね.ですからこれは何も中国政府が反対ということを表しているわけではありませんけれども,少なくとも中国の中でこういう運動と言いますか,こういうものが署名を行われている.当然中国政府としても中国の国民の民意というものは,これは参考にしなければいけないんでしょう.
 我が国としても念願の常任理事国入り──世界中にODAで経済援助をしながら,またさまざまな外交努力をされる.今回も,6名でしたか,常任理事国入りのための臨時の担当者をお決めになったというような,さまざまな努力をされております.
 そこで大事なことはただ一点,午前中の質問,大臣がいらっしゃいませんでしたので,逢沢さん──副大臣からあまり明確なお答えがございませんでした.(今はここに,という仕草を交えつつ)大臣がおられますから
「中国が日本の常任理事国入りに反対をしたとすれば,どうするんでしょうか.」
そのお答えをお聞きしたいと.これで最後の質問にしたいと思います.

町村:(32'21")
 万が一 中国が常任理事国入りに本当に反対すれば,常任理事国入りは,これは今の国連の規約上不可能でございます.現在の常任理事国5ヶ国を含む2/3──従って132ヶ国ですか,131ヶ国ですか──これらが賛成をしなければ,これは出来ない,ということに相成ります.
 私はこの問題について先方(支那のこと)の外交部長と国連改革・常任理事国入りについて話を既にしております.
 まだ当然のことでありますが賛成とも反対とも言わない.ただ国連改革が必要であるという総論に於いては,彼らとは意見が一致をしているところでございます.
 世界中の数多くの国々が日本の常任理事国入りを仮に支持したという前提で,中国のみの反対でそれが不可能になったというような事態を,私はちょっと想像する事ができないのでありまして,そうした国際社会の動きというものにも,当然中国は考慮を払われるだろうと,斯様に確信をしております.
 また,当然 日中間でのさまざまな働きかけ・努力,これは当然やらなければいけないことであろうと.その結果がどこかの時点で投票行動になって出て来るということであろうと考えております.

増子:(33'51")
 そうすると大臣,そこで大事なのは,総理の靖國参拝という問題が大きな問題になって来るのではないでしょうか.それを私は以前から心配しておりますので,靖国神社参拝について外務大臣も明確に,日中間の大きな障碍であり問題であるということは明確であるということをお答えになっているんです.
 ですから,この問題──悲願でしょう? 外務大臣.常任理事国入りは.
 そのとき中国が反対をすれば,なれない.
 その障碍は何か.これは言わなくても明確だと思うんです.
 靖国神社問題参拝(ママ),個人の政治家としてのお考えと,一国を代表する総理大臣としての立場というものは,明確に違っても,私は政治家としておかしくないと思うんです.ですから,この靖国神社参拝問題,これがやはり中国の反対を受ける大きな要因になるんではないかというふうに考えますが,外務大臣,そこだけお訊きして質問を終わりたいと思います.

町村:(34'54")
 それらを全て含んで総理としては適切に判断をし,適切に行動されるだろうと,こう思っております.

(終)

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by xrxkx | 2005-04-02 15:42 | 時事ネタ一般