韓昇助氏そっちのけで保守派同士の対決が始まってみたり
 日本では「高麗大総学生会が『親日教授リスト』発表予定」というニュース以来 すっかり報道量が減ってしまった韓昇助騒動.読者の方々には「いつまでこればかりやっているつもりだ」と言われそうですが,乗り掛かった船だからトコトンやるぞ.
 韓国国内ではというと,googleで記事を拾ってみると こんな感じ.やはり ここ数日来の 竹島近海でのスクランブル騒ぎやら 扶桑社の教科書検定やらが途中に挟まったこともあり,韓昇助氏本人がその後全く動きを見せていないこともあって,「韓昇助叩き」そのもののほうは一時よりは下火になったように見えますが,その代わり騒動があちこちに飛び火しています.

 03/10に書いたように,一連の韓昇助騒動のその後の動向は 3つに大別されたのでしたが,そのうち (1)の訴訟の件については続報がありません.
 (2)の「自由市民連帯」の内部分裂についても 特に続報は入っていないのですが,上述の「親日教授リスト」を発表するという「高麗大総学生会」がこれに深く関っていますので,今のところは韓昇助氏除名の方向に動く公算が大と見ておいてよいでしょう.

 ところで,(3)で触れた反共派と親北派の泥仕合については,前回触れたチョン・ヘグ氏の論説をご覧戴けば大方の傾向はお分かり戴けるかと思いますが,12日あたりから 今度は保守言論内部でも意見対立が始まっているようで,そちらが寧ろ今後の見所の一つになるかも知れません.
 PRESSianが03/12付で伝えたところ(おそらくこれが初報)によると,ハンナラ党のウォン・ヒリョンなる議員が「保守を貶めるな」と号して池萬元氏に公開討論を申し込み,池氏側もこれに応じる用意がある旨を即座に表明した由(池氏のwebサイトに転載された12日付の独立新聞の記事「池萬元 vs. ウォン・ヒリョン,OK牧場の大決闘」を参照).
 つい先ほど (03/14 11:10) ソウル新聞が伝えたところによれば,近日中にTV討論の形で行われることになる見込み.ウォン氏のblogにも,池氏への公開討論申し込みから現在に至る経緯が載っています.今朝 (03/14 07:30) 上がって来ていた記事でも「この討論を通じて,どちらが本物の保守だか決着を付けたい」とやる気満々の様子.

 いつまで経っても学生運動気分の抜けない自称「良心的進歩人士」らの側から 韓氏や池氏を袋叩きにする風潮が生まれるのは 日本人の目から見ても当然過ぎるほど当然ですが,保守を自称する人物同士の間でこうした論戦が行なわれるに至る背景には,2つの要因があるでしょう.
 ひとつには,政治家にとって その政治的主張の如何を問わず やはり世間から「親日」寄りと見られることによるデメリットが致命的に大きいこと.「保守と親日は違いますよ」などという当たり前の事からいちいち世間にアピールして行かないと 政治家で飯を食えない.(もっとも,日本の保守言論の中にも親米と反米に分化する傾向は未だに見られますので,日本人としてはお隣の国を笑っている場合ではないかも知れませんが.)
 保守同士の間で意見が食い違う もう一つの要因は,朴正熙の評価をどうするかという点にあります.
 前回 少し触れましたが,池氏は日本による朝鮮統治そのものについては「韓国にとって不幸な事だった」と どちらかといえば否定的な立場で,この点で韓昇助氏とは大きく異なります.彼が韓氏を擁護したのは,あくまで「いつまでも日本を恨んでばかりいないで,日本から学ぶべき事は学ぶべきだ」という点に於いてです.
 大韓民国の建国後 それを最も熱心にやったのが朴正熙だったという点に於いて,池氏は朴正熙を殆ど礼讃と呼んでよいまでに高く評価しているのですが,一方で朴正熙といえば やはり軍事政権時代の極端な反共政策およびそれに伴う言論弾圧の暗いイメージが今なお付き纏っているのも事実.従って民主化運動に直接携わった世代の間では評判は決して良くありません.金泳三政権時代の末期には ちょっとした「朴正熙再評価ブーム」が起きたことがあったのですが,金大中政権時代に入ってから それらもパッタリと止んでしまいました.
 今回 池氏に公開討論を申し入れたウォン氏にしても,保守派野党であるハンナラ党に属しているとはいえ 学生時代には学生運動側に身を置いていたらしく,「池氏の言う通りだとするなら私もアカということになる」などとやや心外な御様子.

 ちなみに,webサイトを見てみた印象では,池氏というのは どうも あまり慎重に言葉を選んで話すタイプの人物ではないようで,03/10付のクッキーニュースの記事によれば 池氏は日本に併合された韓国を「歩道を歩いていて 突っ込んで来たトラックに跳ねられ,不具となった人」になぞらえて 大いに反感を買った由.池氏の言いたいのは「恨んでも詮無いことを恨んでばかりおらずに,第二の人生を前向きに生きてこそ未来は開けるのだ」というだけのものなのですが,何せ病人や障害者に対する差別意識の著しく強い韓国社会では「我が国を不具に譬えるとは」と 論旨そっちのけで瑣末な片言隻句に噛み付く読者ばかりで逆効果.そうかと思うと,03/13付のデイリーソプ(?)の記事などでは金九をビン・ラディンになぞらえて批判してみたり「李承晩のほうが金九より優れていた」と言ってみたりと,どうも殊更センセーショナルな発言を好むふしが見られます.ウォン氏の側がこれに冷静な反駁を加えることが出来るかどうか,見ものではありますが….
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by xrxkx | 2005-03-14 13:00 | 韓国の親日派狩り