ハンギョレ,「正論」を叩く
 所謂「386世代」御用達の「市民寄り」新聞として知られるハンギョレが,前回取り上げた韓昇助氏の件に便乗して「正論」叩きをやっているのを見つけました(ついでに「月刊朝鮮」叩きも).短い記事ですが,この新聞の論調や雰囲気をよく伝えていますので訳出しておきます.
日本の「正論」誌は極右派の「メガフォン」 ─ハンギョレ 03/04
 韓昇助名誉教授の文章が掲載された月刊誌「正論」は,日本の極右勢力の機関紙と呼ばれる.極右性向の「産経新聞」が発刊するこの月刊誌は,歴史歪曲を主導する極右人士らの「勝手知ったる発言台」であり,日本の良心的進歩人士を叩く「狙撃手」役を存分に果たしている.極右派の「メガフォン」だという点で韓国の「月刊朝鮮」と双璧を成す.
 この雑誌の性格は,今回の4月号の見出しや登場人物だけ見ても容易に窺える.3月号に続いて今号の特集も,公営放送「NHK」が 強硬右派の代名詞である安倍晋三自民党幹事長代理らの圧力を受け,日本軍慰安婦関連番組を歪曲して問題となっている件に関するものだ.同誌は,この件をすっぱ抜いた「朝日新聞」に対し「見よ,狡猾なるトリオが作り出した朝日報道の執念」「朝日の従軍慰安婦欺瞞報道の系譜」「朝日・NHKはそれでもメディアなのか」といった文章で無差別攻撃を加えている.「朝日に対する不信」を寄稿した安倍は,同誌の常連客だ.「歴史と民族に対する責任」という文章を書いたニシオカカンジ(ママ:「西尾幹二」のこと)は,日本の歴史教科書歪曲で我が国でもお馴染みの「あたらしい歴史教科書をつくる会」の核心人物だ.
 同誌が最も比重を置いているテーマは「歴史転覆」と「北韓叩き」だ(訳註:「北韓」とは北朝鮮のこと).
 ここには韓名誉教授をはじめ韓国人たちも時折顔を出す.韓名誉教授は3月号でも日本の右派教授と共に「韓日自由主義勢力の連帯と親北左派への反撃の為,『金正日延命装置』である韓流自虐史観を攻撃する」なる文章を掲載し,両国右派の連帯を促している.北韓出身の「朝鮮日報」記者・姜哲煥氏は2月号に「脱北者を絶望に追い込む親北韓国」という文章を書くなど頻々と寄与しており,呉善花氏など在日同胞専門家の資格で日本称揚や韓国の歴史・現実歪曲に一肌脱いでいる固定寄稿者らも多数いる.「月刊朝鮮」記者も登場する.日本で植民地支配正当化の陣頭に立ったり,北韓制裁の主張を展開している人々もしばしば目に付く.趙甲済「月刊朝鮮」社長は,同誌の「兄貴分」である「産経新聞」に定期的に文章を載せ,韓日右派の連帯を呼び掛けている人物だ. 東京/朴チュンオン特派員
 例の「女性国際戦犯法廷」の番組改編の件に言及していますが,あの一件ひとつ採っても,ハンギョレの謂う所の「右翼」サイドから朝日なりNHKの泣きオヤジなりに向けられる批判が 軒並み論点を明確にしている(例えば今年01/12の朝日に記事にあった「安部・中川両氏がNHK職員を呼び付けて云々」というのは裏を取っているのか,といった類)のに対し,「右翼」を批判する側からはそうした論点の明確化が全く行なわれないのは何故でしょう.出て来るのは「ことの本質を見失うな」なる争点ぼかしや「公開討論には応じない」なる逃げの姿勢ばかり.
 ハンギョレの謂う所の「良心的進歩人士」のそうしたやり口というのは どうも日本に限ったものではないようで,上に登場する「正論」に限らず 安倍氏にせよ西尾氏にせよ「つくる会」にせよ,彼らの主張のどこがどう間違っているかに対する指摘は一切無く,あるのは「極右」だの「強硬右派の代名詞」だの「歴史教科書歪曲」といったレッテル貼りばかり.こういう記事を書く記者さんたちというのは,例えば「つくる会」の教科書に実際に目を通してみてから どこがどう「歪曲」なのか具体的に指摘してみせるだけの能力も無いのでしょうか?
 上の記事の謂う所の「良心的進歩人士」は,「右翼は右翼であるが故に弾劾されねばならない」という彼らだけの間で通用する公理に基づいて 専ら脊髄反射的な発言に終始しているということです.だからこそ こういう珍妙な記事がネット上に出て来る.ハンギョレも 曲がりなりにも新聞を名乗るなら,学生運動のアジビラを書いていた頃の気分で記事を書いてもらっては困るのですが,こういう論調に拍手喝采する雰囲気が昨今の韓国社会に充満している以上,一朝一夕にどうにかなるものでもないでしょう.韓国人が誇ってやまない民主化運動による文民政権成立から10年以上を経てもなお,彼らの社会には開発独裁型か衆愚政治かに両極分化した指向性しか存在せず,真に「市民」と呼べるほどの代物は当分育ちそうにないということです.

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 おまけ.一国の政治家を捕まえて「安倍は」などと呼び捨てにしているくだり,もともと韓国メディアに於いては別段珍しいことではなかったのですが,それでもさすがに今どきの新聞の文体としては些か違和感があるのも事実.ハンギョレの場合,その生い立ちが生い立ちだけに こうした口調になりがちな面は あります(そのくせ金正日のことは「国防委員長」と肩書き付きで呼ぶ.南北朝鮮の間で互いに相手側の政治家等に対しては敬称付きで呼ぶという取り決めが交わされたことが 過去何度かあります).
 とはいえ,昨年12/17の日韓首脳会談後の共同記者会見での質疑応答でも,文化日報のハン・ジョンホなる記者が「横田めぐみのニセ遺骨」と やはり呼び捨てにしていたのを見ると,「右翼だから呼び捨てに」というわけでもなさそうです(笑).
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by xrxkx | 2005-03-06 13:01 | 韓国の親日派狩り