中共官営メディアの受け売りに終始する「中国情報局」の存在意義(1)
 ワシントンで始まった日米の所謂「2プラス2」が当事国の間で大きな注目を浴びていますが,それに先立ってCIAの長官が台湾海峡情勢に言及した発言が 日本メディアでも一斉に採り上げられていたのは 皆様ご承知の通りです.
 中にはこんなのもありました:
【中国】米CIA長官:「中国は台湾独立に武力を行使する」 ─サーチナ 02/17
 米中央情報局(CIA)のゴス長官が16日、上院情報特別委員会の公聴会で「台湾が独立の動きをみせれば、中国は武力を行使する可能性がある」と証言した。17日付で中国新聞社が鳳凰衛視を引用して伝えた。
 上院情報特別委員会では、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の核問題やイラク戦争のほか、中国の軍事力の現代化状況に関しても、質問が集中したとされる。
 ゴス長官は、中国大陸と台湾間で今後、起こりうる状況について証言。「台湾が永久に大陸から分離しようとする行動に移り、それが北京(中央政府)の容認範囲を超えていれば、武力で報復するだろう」と発言したという。
 米国では、「仮に台湾が独立を宣言しても、中国は経済発展のために武力行使にはでない」との見方もある。しかしゴス長官は、「ブッシュ政権は、中国の国家分裂に反対する決意を知っている」と説明した。(編集担当:田村まどか)
 支那メディアでは,こともあろうにCIAのトップが「中国の国家分裂に反対する決意」を云々したことになっているのだそうです.ちなみに同じゴス発言をロイターがどう伝えているかというと
中国の軍事力増強、台湾海峡の軍事バランス崩す=CIA長官 ─ロイター 02/17
[ワシントン 16日 ロイター] 米中央情報局(CIA)のゴス長官は16日、上院情報特別委員会で証言し、中国の軍事増強が台湾海峡の軍事バランスを崩している、との認識を示した。
 米政府当局者はここしばらく、中国の積極的な軍事力増強に警戒感を示してきたが、この日議会に提出したCIAの年次報告は一歩踏み込み、中国の脅威が増大している可能性を示唆し、中国の国際社会での積極的な役割にやや否定的な見解を示した。
 長官は「中国の軍近代化と軍事増強は台湾海峡の軍事バランスを崩し、中国の軍事力は周辺地域での米軍を脅かしている」と指摘。
 長官は、中国が台湾の憲法改正に向けた動きを「独立のための日程の一つ」と捉えているとしたうえで、「台湾が中国の容認範囲を超えて、恒久的な独立に向けた措置を取っていると中国が判断すれば、中国はあらゆるレベルの武力で対応する用意があるとわれわれは見ている」と述べた。
 ゴス発言中のキーポイントである,アメリカが中共の軍事力増強を「台湾海峡の軍事バランスを崩す要因」「周辺地域での米軍を脅かすもの」と見ているという点が,例によってサーチナの記事には全く書かれていない.ひたすら中共御用メディアの受け売り.まぁ,書いた本人が「支那ではこんな歪曲報道が日常的に行なわれていますよ」という紹介のつもりで書いていて,「これを読んでどう思うかは読者の判断に任せます」というスタンスなのだったら,今更言うことはありませんが.何しろ田村まどかのやることだし.
 あいにく,何処かの国と違って日本では他国のニュースソースにも容易にアクセスできます.上のロイターの記事,英文ではどんな風に流れているかというと,
China arms buildup said tilting Taiwan Strait power balance ---Reuters, 2005/02/17
記事中に引用されているゴス発言の部分だけを抜き書きしておくと
"Beijing's military modernization and military buildup is tilting the balance of power in the Taiwan Strait"
"Chinese capabilities threaten U.S. forces in the region"
"If Beijing decides that Taiwan is taking steps toward permanent separation that exceed Beijing's tolerance, we believe China is prepared to respond with various levels of force"
 これの一体どこをどう読めば「中国の国家分裂に反対する決意」なんていう言葉が出て来るのか.…などと田村まどかに訊いてみても,「中国新聞社がそう書いてたのを紹介しただけ」という以上の回答は出て来ないでしょう.
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by xrxkx | 2005-02-21 02:44 | 時事ネタ一般