【日韓交渉秘話】韓国各紙の社説から
 日韓基本条約締結前の交渉段階の外交文書の一部を さる01/17に韓国政府が公開したことで,韓国各紙が一斉に同件を社説で取り上げています.取り敢えず 日本語版を持っている保守三大新聞(朝鮮・東亜・中央)は後回しにして,日本人があまり読んでいなそうな新聞から 幾つかピックアップして訳出しておきます.講評は後にするとして,生きの良いうちにさっさと上げてしまうことにします.

読む際の注意:
  1. 多くの韓国人は「条約」と「協定」「協約」の違いを知らない.
  2. 韓国人はしばしば「交渉」と「協商」をともに「negotiation」の意味で用いる
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●日帝被害賠償,これからが始まりだ ─ハンギョレ 01/17(原文
 外交通商部が昨日公開した韓日会談文書を見ると,当時の両国政府の醜悪な姿がありありと見える.数十年を経た今も多くの人々が味わっている苦痛の根源だ.
 韓国の軍事政権は,日帝強占当時被害に遭った韓国人の請求権をないがしろにして 日本から3億6千万ドルを受け取ったが,実際に被害者に支給されたのは10分の1だけだった.詳しい協商内容を公開しなかったのは勿論,日帝強占そのものに対する賠償も議題に取り上げもしなかった.一言で言うなら,正統性の脆弱な政権が国民を欺いて行なった「屈辱・拙速外交」だった.
 日本は請求権という概念を避け,「経済協力資金」であることを執拗に主張していたことが明らかにされた.日帝支配に対する賠償は固辞し,被害者の人権に配慮した痕跡すら無い.そうやって 後の被害者らの補償訴訟では「韓日協定により個人請求権問題が完全に解決された」と言い逃れをして来た.
 両国政府はまず,当時の野合について被害者たちに公開で謝罪すべきだ.協定に関連した全ての文書を近日中に公開し,請求権の対象と範囲をめぐる法的な問題を明らかにすべきなのは勿論だ.韓国政府が日帝被害状況を詳しく調査し,被害者たちの正当な補償要求に積極的に対処するのは当然だ.
 併せて,政府は被害者が個人レベルで日本政府と企業を相手取って行なう訴訟を最大限支援すべきだろう.韓日会談当時 全く言及されなかった軍隊慰安婦などの場合には尚更だ.全ての文書を公開し,総合的に調べた結果,韓日協定の内容または手続きに明らかな誤りが確認されれば,日本側と再協商または追加協商を行なうことも排除してはならない.
 最も明瞭な解決策は,今からでも日本政府が被害者および遺族らに直接補償し,人道的支援策を施行することだ.南北韓(訳註:南北朝鮮)と日本が共同声明の形式で表明し得る内容になるならさらに良いだろう.
●韓日協定文書公開,過去清算の始まり ─京郷新聞 01/17(原文
 本当に,長い歳月が流れた.はや解放60周年,韓日協定締結40周年を迎えた.過去史を清算して余りある充分な時間だ.なのに清算はおろか今頃やっと韓日協定の外交文書の一部が公開された.日本は今なお文書公開を歓迎していない.韓日協定文書を全て公開し,その内容全てに関して両国政府が責任を負える時こそが,真の意味での清算をなし終えた宣言し得る時だろう.今なお隠すべきことがあるのにどうして心からの和解や新たな出発ができるだろうか.今回の一部公開は,全面公開のきっかけとならねばならない.
 そうしてこそ今回の文書公開が真の意味での「過去清算の為のスタート」となり得る.歴史的行為には歴史的評価を行い,時代的限界によって取り残した課題は今からでも積極的に解決するなら,清算の入り口に入ることが出来る.日帝支配は数多くの被害者を生んだ.それなのに,公開された文書を見れば,国家間協商に於いて個人被害者の問題を排除した事実がはっきりと表れている.韓国政府の過ちと日本政府の誠意の無さゆえだ.日本は,請求権資金,経済協力資金などと名目がどうであれ,加害者として保証する形式と内容を拒否した.加害者責任を認めないまま,より少ない資金で事を収めようと必死になる日本の姿から 清算の意志を読み取ることは出来ない.そういうことだから,慰安婦および強制徴用の被害者ら補償要求を行なうと,国家レベルの協商に於いて完全終結したことだと言っては後ろめたげな対応をするのだ.
 政府は正しい歴史認識を持って協商を行なえなかった.軍事政権維持と経済再建の為の資金確保という当面の課題に執着しただけである.このため政府は日本に韓国人被害者130万人に対する補償を要求しながらも実際には被害者らに碌な保障もしなかった.政府は今からでも被害者の持ち分を還付すべきだ.

 今回の文書公開にも拘らず,韓日両国が政府レベルの再協商を行なうのは難しいだろう.事実,政治的・文化的事件でもある過去史を完璧に解決する道は無い.歴史は 過去を完全に整理し,新たなページとして残して行くといった展開の仕方をしない.それが歴史的現実だ.しかし,歴史に時効は無い.真実は消されることが無い.まして被害者の苦痛が続いているのなら,なおさら言うまでもないことだ.韓日両国政府は自ら為すべき事を捜し求めるべきだ.
●外交文書公開後 政府が負うべき責任 ─韓国日報 社説 01/17(原文
 1965年の国交正常化に先立つ韓日請求権関連外交文書公開で,真相を明らかにした.事前に一部内容が流出し,大筋で見当は付いていたが,やはり衝撃的だ.何より政府の協商態度と対国民個別補償の実態は 何故これまで政府が文書公開を憚って来たのかについても なるほどと思わせるものがある.当事者は勿論,一般国民も憤りと慨嘆を禁じ難い内容だ.
 政府は協商当時 労働者や国民,軍属として日帝に動員された韓国人103万余名に対する一括補償を要求した.これは当時日本側が個別請求権に対応する研究の必要性を取り上げると(訳註:韓国の)政府が「個別処理は国内問題」だとして遮ったことと対比される.にも拘らず75~77年に死亡者のみを対象に為された個別補償には全資金の9.7%しか使わなかった. 残りは農水産投資や総合製鉄所建設費など国家発展の為の産業建設に使った.そのことが経済発展の足固めになったのは明らかだが,本人や遺族が受け取るべき給与や保証金などを政府が「流用」した事実もまた否定できない.
 数十年間嘘が続いて来たことを思うとなおさら呆然としてしまう.韓国人関連者(訳註:補償を受けるべき当事者の意か)らの各種請求訴訟が日本で行なわれ,日本の法廷が相次いで「65年の韓日協定により請求権は完全に,最終的に消滅した」と棄却または原告敗訴判決を下した.
 にも拘らず政府はしばしば「個人請求権は消滅していない」と表明して来たのだ.この言葉を信じた当事者たちの虚しい努力と期待を何で埋めればよいのか.政府は今後相次いで請求訴訟に煩わされるであろうことは間違いない.物価や経済規模などを考慮すれば容易に請け負える額ではない.だからと言って生半な論理で避けて通るべき事ではない.
 政府が補償の原則をはっきりさせたとはいえ,「資金転用」については 国内政治が混迷に陥る隙を与えず 国民的・歴史的評価を求めて行く責任ある姿勢だけが,過去の政権の過ちを未来指向的に解決して行く道だ.
●「日帝被害」政府が責任を持って解決法を探すべし ─文化日報 01/18(原文
 1965年に締結された韓日協定文書が今回公開されることについて,政府は「揺るがぬ原則」に従って幾つかの観点から対応・対処すべきだ.協定関連文書161件中,17日公開分は5件に過ぎないながらも,協商および執行過程の問題点が随所に見られ,途方も無い波紋が押し寄せることは大いに懸念される.今回のような公開が 国権喪失の恥辱を味わった我が民族にとって歴史的教訓を与える「薬」として作用せずに 罷り間違えば「毒」となる蓋然性を警戒する必要がある.まず40年余り前の状況を今日の尺度で測ってはならない.
 過去清算という美名を楯に 歴史的事実を政略的悪用の対象としてはならない所以だ.韓日関係にあっても,友好・協力の根幹をよりしっかりと語り得る未来指向的契機とすべきだ.
 こうした観点から公開(訳註:公開された文書の,の意か)全貌を眺めるとしても 決して見過ごしてはならないのが,日帝被害賠償問題についての韓国政府の明確な責任だ.今回の文書公開を通じて政府が日本から受け取った請求権資金8億ウォン(ママ)中 被害者賠償には僅か9.7%だけが支払われ,残りの90%は経済開発に「転用」した事実が明らかになった.国民所得が100ドルに過ぎない実情に於いて,経済開発の為やむを得なかったとは言うが,明らかな事は今日の経済成長の一定部分は日帝被害者たちの犠牲と死の代価で成し遂げられたという点だ.無償資金3億ドル,有償資金2億ドル,商業借款3億ドルを日本から受け取っておいて,死亡者の遺族にのみ30万ウォンずつ(現在の価値で321万ウォン)与えただけで 残りの被害者に対する賠償資金は全て経済開発目的に回した.慰安婦・原爆被害者・徴用サハリン同胞問題など数限りない被害賠償問題については議題に挙げもしなかった.
 こうした点で,国務総理傘下に関係部署合同で構成された対策企画団は,日帝被害者賠償問題に責任を負い,あらゆる解決法を模索すべきだ.この程度でも食って行ける国の政府なら,当然彼らに充分な賠償をすべきだ.法的支援など政府が与え得るあらゆる手助けを与えるべきだ.それが光復60周年を迎えて政府が国民の為に為すべき道理であり義務だ.
●韓日会談文書公開,歴史的判断を ─ヘラルド経済 社説 01/18(原文
 政府の韓日協定関連文書公開で,当時の状況が赤裸々に明らかとなった.既に知られていた事実だが,1965年の協商妥結時,韓国政府が「請求権」ではなく「経済協力資金」の名目で総額8億ドルを受け取っていたことが確認された.当時 第3共和国政府は,可及的多額の請求権資金確保の為,被害者たちの個人補償請求権を活用した.強制動員された日帝統治下の韓国人被害者103万2684名に対する被害補償の名目で3億6400万ドルを要求していたことが新たに確認されたのだ.その上で韓国政府は国内的に8552名の志望者らに1人当たり30万ウォンずつ25億6560万円など 合わせて91億8769万ウォンを支給する線で個人補償問題を幕引きした.
 京釜高速道路建設や浦項製鉄設立など 経済発展に必要な元手を切実に必要としていたのは分かる.しかし,被害者らの個人請求権を犠牲にしてまで,民族的自尊心を枉げて日本の主張する「経済協力資金」の名目で金を受け取り,協商を妥結するしか無かったのか,いま考えても疑問だ.「政府が個人被害保証金を経済開発費に充当した」と非難されても文句も言えなくなったのだ.
 日本政府の二律背反的態度は弁明の余地が無い.韓国が時間と金に追い詰められている弱味を見抜き,会談では請求権としての意味を拒否し「経済協力資金」の名称を執拗に主張しつつ,実際には個人請求権消滅を誘導した.そうしておいて個人請求権の問題が提起されれば「65年の会談妥結を以て全ての問題が解決済みだ」という立場に固執するというのは道理が合わない.これはあたかも請求権関連会談を行ないもせずに請求権問題を全て解決したといっているに等しいものである.よしんば日本政府が韓日協定によって法的義務から脱したとしても決して道義的・人道的責任から自由であり得ないのは このためだ.
 政府が,被害者や関係団体に及ぼすであろう訴訟などの途方も無い波紋をも顧みず文書を公開した決断は評価に値する.過去史糾明のレベルで一考を要することだけは明らかだ.長い年月が流れたという意味でも,補償の対象と性格についての合理的な判断が必要だ.
●協商公開・韓日政府がなすべきこと ─ソウル新聞 01/18(原文
 政府が韓日協定の外交文書を公開したのに伴う議論の紛糾は,二つの原則によって解決して行かねばならない.一つ目に,韓国政府は開発年代(訳註:朴正熙政権下での高度経済成長期を指す)に対外関係に於いても国民の基本的権利を疎かにしたことを認め,日帝統治下の被害者補償責任を法的に講究すべきだ.二つ目に,日本政府は協定の文言にこだわらず,偏狭な姿勢を捨てて未来に向かうという視点から補償問題に共同して乗り出すべきだ.

 ・日帝被害者補償特別法を制定すべし
 昨日公開された資料によれば,協商当時 日本側は 日帝強占期間の韓国民の被害を賠償しようという考えは無かった.経済協力資金という形式を通して過去史の問題を他に転嫁しようとする意図が随所に表れている.韓国側は請求権の金額を少しでも増やそうという欲のあまり,日帝被害者らの個人請求権を自発的に放棄する愚を犯した.韓国政府は労働者・軍人・軍属として強制動員された被害者を103万2684名と算定し,総額3億6400万ドルの包括的被害補償を日本側に要求したが,データの集計が丼勘定でもあり,被害当事者らの同意手続きも無かった.結局日本が無償3億ドル,有償2億ドルを提供する線で請求権問題に目途をつけ協定を締結したが,朴正熙政府はこのうち10%しか被害者補償に使わなかった.それすらも 誠意無き申告を受け(訳註:?)死亡者および財産被害に局限された補償だった.
 韓国人被害者らの個人請求権を無視し,正確な被害規模を前提としていなかったという意味で,韓日協定そのものが無効だという主張は一理ある.軍慰安婦など新たな歴史的諸事実が明らかになっていることから,状況変更の論理により新協定が必要だという指摘もある.だが,今すぐ韓日協定廃棄を宣言したり,前面再協商を推進するには 外交的困難が多い.韓日国交正常化という協定の根幹を維持しつつ,日帝統治下の被害者らに対する名誉回復および実質的補償措置を推進するのが現実的だ.
 政府は鉄砲水の如き(訳註:今後殺到するであろう,の意か)訴訟の結果を待たず,特別法制定を通じた合理的補償を推進すべきだ.現在 国会では「太平洋戦争犠牲者生活安定支援法」が継続審議中だが,同法では不充分だ.被害者団体を含む各界の意見を収斂した総合特別法案が必要だ.朴正熙政府時代に補償から除外された徴用被害と併せ,生存者・負傷者への補償も充分に認定されるべきだ.強制徴用者労役の未払い賃金については日本側で解決するよう求めるべきだ.
 被害者補償および名誉回復措置に夥しい資金が必要と予想される.予算確保がまず必要だが,別の方策も模索すべきだ.日本から受け取った請求権資金は 浦項製鉄所をはじめとする国家基幹産業や高速道路建設に使われた.被害者らの地と汗で購われた金で発展を遂げた公企業等が先に立って利益の一定部分を補償基金として供出する方法も検討に値する.これと併せて,関連文書を追加公開する方案を積極検討すべきだ.請求権協商当時,韓日間に政治資金取引があったのかどうか,また独島(訳註:竹島のこと)問題をうやむやに処理した背景も説明すべき題目と言わざるを得ない.

 ・個人賠償を続けたドイツを手本とせよ
 日本政府は,韓日協定締結を無効化しようという声が高まる前に 自発的に変わるべきだろう.ナチ被害者らに個人賠償を続けて来たドイツの例を手本とすべきだ.ドイツでは国連を通じて個人賠償を行なう傍ら,賠償額の一部をフォルクスワーゲン等の企業が払ったという.侵略戦争のおかげで成長した一部日本大企業らにとっては模範たり得る
国家・社会全体で全体で植民地支配について謝罪し補償する雰囲気を作るべきだ.そうしてこそ北日修交(訳註:日朝国交「正常」化のこと)問題も解決する.数十名の日本人拉致被害者のことであれほど大騒ぎしておきながら,数百万名に及ぶ日帝被害者らを数億ドルの経済協力資金提供だけで知らぬふりを決め込むなら,国連安保理常任理事国等の大国となることはできない.
 今年は乙巳条約(訳註:日本が韓国を保護国とした「第二次日韓協約」のこと)100周年,光復60周年,韓日協定締結40周年に当たる年だ.今回の文書公開で 韓日政府が たとえ昔の政権,過ぎた時代のことではあっても無限責任を負うという姿勢を持つとき,はじめて真の過去清算がなされ,両国関係の未来も明るくなるのだ.

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by xrxkx | 2005-01-19 20:13 | ここが変ニダ韓国人