趙紫陽死去のこと
 週末あたりから日本でも盛んに「危篤説」が流れていた趙紫陽ですが,今朝 中共当局が正式に死去を認めたようです.この件,香港紙・東方日報が「8日死去」と11日付で報じた毎日の記事も参照)のが最初だったようですが,「8日死去」が正しかったか 香港紙によくあるフライングだったかはさておき,毎度の事ながら遅くとも新華社が「容態は安定している」と報じた時には既に死んでいたのでしょう.
 新華社報道だけでなく 外交部の孔泉なども 11日のうちに死去説を否定していたようです.何やら武田信玄の遺言を地で行くような話で,こういうことは旧ソ連をはじめ共産圏では珍しくもないことですが,現職のトップならいざ知らず,失脚してから既に16年近くも経った人物の安否報道に 中共当局がこれほど神経を尖らせなくてはならないという事実は示唆的です.
 脱線.何故こういう《外交》とは直接関係ない──少なくとも多くの日本人にはそう見えるであろう──ニュースについて《外交部》の孔泉コメントを出すのか,怪訝に思われた方も多いことでしょう.こういうことは支那では珍しくないわけですが,ひとつには支那人の国民性によるものでもあり,他方では一党独裁国家特有の体質でもあるのでしょう.ともあれ日本人と支那人にとって「外交」という言葉から想像されるものが如何に懸け離れているかを示す一例ではあります.
 1989年の6・4天安門事件の折に胡耀邦死去が一つの引き金になったのは周知の事実.あのとき学生運動のリーダーとサシで話し合って説得すると言い出したのが 他ならぬ趙紫陽.さすがに16年も前のことなので,学生運動やら一般の民主化運動やらが蜂起のシンボルとして担ぎ出すには 少々《旬を過ぎている》感が無くもないのですが,権力の腐敗,とりわけ末端の官僚の汚職がしばしば問題視され,民衆の暴動が頻発する原因になっている昨今のこと,何が起きても不思議ではないとも見えます.さて,どうなるやら.

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 01/17午後 追記.12:25付の共同の記事によれば,案の定 中共当局は趙紫陽死去のニュースをTV・ラジオで流すことを禁止している由.新華社を通じて その旨お触れを出したらしいのですが,それにしても
 新華社は訃報(ふほう)の配信に際し、新聞と雑誌だけの掲載に限り、テレビとラジオの報道を一切認めないとの異例の「お知らせ」を流し、当局が社会の安定維持に神経を使っていることを示した。
という言い回し,いかにも共同らしい.お国変われば品変わると申しましょうか,6・4の折の学生運動の武力鎮圧といい 法輪功の非合法化といい,「社会の安定維持」の仕方にも随分いろいろあるものです.
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by xrxkx | 2005-01-17 12:16 | 時事ネタ一般