【記者会見実力阻止】腹の立つのは分からなくもないが
 脱北者・拉致被害者らに関連した現地調査の為に支那を訪問していた韓国のハンナラ党議員らが,さる01/12に北京で記者会見を行なおうとして 中共公安に阻止されたというニュース,日本でも各紙が取り上げていました.
韓国国内の様子はというと,今回の件で最も激しく中共を非難しているのは どうやら朝鮮日報のようです.翌13日付で「高慢な中国,卑屈な韓国」という社説を掲げ,
 中国の公安は「事前に許可を得なければ記者会見を行うことはできない」という国内法を理由に挙げたが、21世紀にこのような法が存在するということ自体に驚かされる。経済の図体ばかりが大きくなっただけで、現在の中国は「国際法と国際政治ではまだまだ国の品格を語れない」という証拠だ。
 たとえ中国という国にそのような前近代的な国内法があるとしても、他国の議員がホテルというプライベートな場所で外国メディアを相手に行う記者会見を、このような暴力で阻止するのは常識外のことだ。
 中国の韓国に対する無礼な行為はこれだけではないが、今回の場合は無礼の程度を超え、高慢不遜の表出だ。隣国を中華帝国の辺境程度に考えている中華帝国主義の認識が復活したのだ。万一、米国の下院議員が北京で許可なく記者会見を開いたとすれば、公安要員が会場に乱入しただろうか。
などと悲憤慷慨してみせています.こんな時にまで「自分たちがアメリカなどに比べて格下に見られている」のが気に入らないらしい.「少しは分際というものを弁えろ」と言いたくなりますが,それはさておき.
 「国の品格」とか「前近代的な国内法」云々のくだりなどは,「もしや この社説子は鏡を見ながらこの原稿を書いたのではないか」と訝りたくなります.何しろ,この社説子には 相手がどこの国であれ その国ではその国の国法を遵守しなくてはならないという意識がハナから欠けているらしい.如何に「前近代的」であろうとも──そもそも今なお「親日派狩り」をエスカレートさせる一方の国民がこういうことを言うこと自体が笑止千万だが──法は法です.
 脱北者問題に関する,「我々は正しいことをやっている」という思い込みが,「故に我々の外国に於ける行動は当該国の法に制約されない」という結論にまで飛躍してしまうらしい辺りが,いかにも 暗殺屋を「義士」と呼んで礼賛する かの国の人々らしい.「目的は手段を浄化する」というのは古今東西あらゆるテロリストの常套句です.
 ちなみに朝鮮日報は,この社説の他にも多数の関連記事を載せているのですが,例えば こんなのがあります:
「釈明どころか謝罪要求」 盗人猛々しい中国 (01/14)
 中国は韓国側が駐韓中国大使を呼んだことに対し、「謝罪・遺憾表明拒否」で立ち向かったのはもちろん、むしろ韓国議員らの謝罪を要求した。
 中国政府が外交的に無礼な行動をしたのではないかという外信の批判など気にもとめない傲慢な態度だ。某外交部関係者は「先進の外交国家では見られないこと」とした。
 13日、崔英鎭(チェ・ヨンジン)外交部次官と会った李濱・駐韓中国大使は「ハンナラ党議員団が中国の国内法を尊重せず、このような事が発生した」とし、ハンナラ党側に責任を転嫁した。
 このくだりを読んで,昨年9月の核開発疑惑の折の「我々の説明が信じられないというのか」という,外信の批判に一喜一憂しながらの傲慢な態度というヤヤコシイ芸を見せてくれた某国のことを思い出してしまいました.
 それにしても まぁ,「中国の国内法を尊重しないこと」を指摘すると「責任を転嫁した」ことになるのだそうです.こういうメディアがいる国の政府も大変でしょうね.
 さらには こんなのもありました:
機嫌伺い外交が「傲慢な中国」にした (01/14)
 韓国外交当局は中国が無礼をはたらく度に、「静かな外交」を掲げ、言うべきことをまともに言わなかった。今回の事態で、駐韓中国大使を呼び、抗議する時も非公開だった。
 駐韓日本大使を呼んで抗議する時は、マスコミに時間と場所を知らせ、写真撮影まで許可していた。
  (中略)
 韓国政府は特に、中国の前では小くなる「小国外交」を展開している。外交当局者らは「中国は社会主義国家なので仕方ない」、「中国には何と言っても通じない」、「北朝鮮核問題があるのに、中国を刺激したらどうなるのか」、「中国と紛争が起きれば韓国の方が損だ」などの理由を挙げている。
 しかし、米国や日本などに対しては言いたいことを言うとしておきながら、中国に対してだけでは「静かな外交」を行ってきた政策を、これからは切り替えなければならない時点に至ったと見られる。
 そういうのを事大主義というのですが,これを日本人から指摘されると大抵の韓国人はキレますね.どうしてでしょう.
 上の記事を書いた記者も認めているような 支那に対する韓国人の本能的と言ってよいほどの恐怖症というのは,結局 韓国人が日本やアメリカに対して持っている一種の甘えが 支那人に対しては全く通用しない──少なくとも韓国人自身は長年にわたる支那の属国としての歴史ゆえか 頭からそう思っている──ということに因るのでしょうけれども,それは まぁ よい.

 同じく13日付の中央日報の社説「中国の無礼さ、政府は厳しく抗議すべき」も上の朝鮮日報と大同小異で,
…主要大国の一国でありオリンピックの開催を控えた中国が、公安当局を動員し、友邦国の国会議員にこうした蛮行を行ったのは、とうてい許せない。
政治家が記者に会って記者会見し、記者がニュースのタネになりそうな場所へ向かい取材を行なうのは、全世界のどの文明国家でも、疑問の余地がなく保障された権利だ。その内容が、読者に知らせるに値するものかどうかは、マスコミが判断すべきものであって、中国公安当局が判断すべきものではない。
韓国外交当局者の中には「中国外交部が会見を取り消すよう通知したが、それを無視して記者会見し、こうした事態が招かれた」と説明する人もいるが、それも理屈に合わない話だ。記者の取材や政治家の会見は、誰かの許可を得て行なうべきものではないのだ。
と,この社説子の場合も相手国の国法を尊重すべきだという考え方をお持ちでないらしいのですが─.
会見で公表しようとした内容と主題が、北朝鮮当局を刺激できる敏感な懸案だとの点は納得できる。だが、手で目を伏せたとして、存在する現実をすべて伏せられるものではない。むしろ、ある現実を認めて、その中で改善を選ぶのが、さらに賢明で、破局を防ぐ道である。
中国当局の「言論の自由」に関するこうした誤った認識と、友邦国に対する外交的蛮行は、経済力に基づいてアジアと世界の主要指導国になろうとする中国にとっても、決してプラスにならない。むしろ、中国を、国際社会の笑い者にすることになる。…
 笑いものになるのがどちらだかは 敢えて言わぬとして,この期に及んでなお「北朝鮮当局を刺激」などと言っているのが甘すぎる.中共は国際難民協定には加盟しているものの,脱北者を難民と認定していません.中共にとっては脱北者の問題は「北朝鮮当局を刺激」どころか自国の国際的地位に直接関って来る問題なのです.

 それから,例によって まだ日本語版が上がって来ていないのですが,東亜日報も同じく13日付で「中国の韓国軽視,もはや許し難い」という社説を掲げています (原文).曰く,
 …単なる記者会見阻止なら大目に見ることもできる.世界最悪に数えられる中国の言論の自由を考えれば,記者会見封鎖は特別な事件とはいえないからだ.国際的な言論の自由監視団体である「国境なき記者団 (RSF)」によれば,昨年の中国の言論の自由は調査対象167ヶ国中162位と最下位圏だった.そうした中国に表現の自由を保障せよと言って,国際社会の高いハードルを突き付けてみたところで仕方が無い.
 問題は中国公安が物理力を動員して会見を阻んだという点だ.これがアメリカや日本の国会議員だったら,ハンナラ党議員らのような侮りは受けなかっただろう.なるほどハンナラ党議員らが中国当局の許可を得なかったという手続き上の問題が あるにはある.だとしても,中国が韓国を尊重するなら,会見封鎖の前に議員らの説得に努めただろう.
 ここでも「日本や韓国より格下の自分」に我慢がならない様子ですが,他国の国法をこうまで簡単にないがしろにしようとする人々が 相手国から「尊重」されたいと思っているらしいこと自体,そもそも虫が良さすぎると思わないのでしょうかね,この記者は.

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 さて,お隣の呆れた人々を笑うのは この辺にしておきましょう.日本人にとって もっと重要なことは 他にあります.
 上のような韓国人の救い難いところは,自らが あまりにも無思慮な行動に出,また相手国の措置に対してあまりにも条件反射的な反応に終始していることにより 今回の一件を単なる中韓間の外交上の面子の問題に矮小化させてしまっているということに 全く気付いていないらしいという点でしょう.周知のように韓国にも かのキム・ドンシク氏をはじめ拉致被害者は多数いるのに,一番肝心な「拉致被害者を救出する為に中共にどう働き掛け,どう動かして行くか」といった視点,および そこを出発点とする戦略的思考が,上のような韓国人たちの遵法精神の欠落と 不毛な面子論のせいで すっかり頭から吹っ飛んでしまっているらしい.
 例えば,上で東亜日報の社説にも述べているように,支那に言論の自由などもとより無いに等しいことくらいは子供にも分かりますでしょうに,それを承知の上で何故わざわざ一介の野党議員団が藪から棒に北京で記者会見など開いたのか.帰国してからではいけなかったのか.調査結果を持ち帰り,超党派の議員らできちんと検討し対策を立てた後で 議員団として声明なり何なり出せばよい.拉致被害者や一般の脱北者の身柄の安全を保証するよう中共に求めるなら,政府がきちんと公式に外交ルートを通じて中共当局に申し入れるのが筋ではないか.社説にも「手続き上の問題があるにはある」と触れられていますが,今回のハンナラ党議員らはどう見てもやり方が素人臭すぎる.彼らの自己満足の為に中共を挑発し,却って中共当局から「侮りを受け」ただけの結果に終わった.
 上の中央日報の社説子のように この期に及んで「北朝鮮当局を刺激云々」などという寝言が飛び出すというのも嘆かわしい.だいたい,自分たち韓国がこれほど侮られているのを見て,どうして「況や北朝鮮に対してをや」と真っ先に考えてみないのでしょう.どこかの国と違って中共が北朝鮮ごときを腫れ物扱いになどするわけが無い.そこのところの認識が根本的に捻じ曲がってしまっているようでは,上にも触れたような「脱北者問題や拉致問題に関して中共をどう動かして行くか」という戦略的思考など望むべくも無いでしょう.

 この点は日本人にとっても笑い事ではありません.こういう国に「拉致問題解決の為の協力」を──あてになろうが なるまいが──求めざるを得ない立場にあるのです,日本は.
 ご存知のように,昨年12月の日韓首脳会談では盧武鉉は拉致問題に関する限り殆ど北の立場の代弁に徹し,ニセ遺骨の件についても「故意にやったとは到底考え難い」「事故またはミスかも知れない」「日本政府は冷静な対応を」の一点張りでしたが,今回の一件が起きたことで,韓国国内にも少しは「重大な人権問題としての拉致」に対する輿論が喚起されるかと 私も当初は考えました.そうすれば日本の対北政策にとっては少しは追い風になるのではないかとも思ったわけですが,ああいう 6000万・総『赤ちゃんの癇の虫』民族に そんなことを期待した私が甘すぎましたね.
 強いて今回のゴタゴタから日本が得るものがあるとすれば,かの「高句麗問題」などと併せて中韓間の足並みが乱れることで 歴史問題やら貿易自由化交渉やらに関連した韓国の対日駄々捏ね姿勢のいわば後ろ盾が崩れることくらいでしょうか.拉致問題解決の為に共闘すべきパートナーとしては あまりに危なっかしい.

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 おまけ.今回の一件,読売・毎日などは昨日から大きく扱っています(特に毎日は朝鮮日報から記事の配信を受けているらしいので)が,例によって人民日報朝日はというと 今のところこれ一本
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by xrxkx | 2005-01-15 00:21 | ここが変ニダ韓国人