【台湾建国への道】2. 時間は中共に味方する
 前回の続きです.前回も言及した 「娘通信♪」さんの01/09の記事の結論部分は
  • 「台湾独立」が現実のものとなりかねない局面では,中共は軍事力行使を躊躇しないだろう.
  • 従って,北京五輪に合わせての「台湾独立」はリスクが大きすぎる.
  • 「台独」派は自重し,中共の支配が揺らぐのを待つ持久戦に徹するべき.
と要約できると思うのですが(もし違っていたらご指摘よろしく^^; >misaki様),台湾建国のタイミングについては 私と彼女とで意見が分かれました.

 まず,台湾建国を阻止する為に軍事力行使が不可避と見れば 中共は軍事力行使をためらわないだろうという点は,私も同意見です.
 但し,現時点では中共の海上輸送能力があまりに乏しいため,武力による威嚇は出来ても 占領を行なう能力を持っていない. もちろん,これはあくまで「現時点では」という話.中共は陸兵の海上輸送どころか空母建造すら本気で計画しています.これが実現されれば,台湾海峡はおろか 外洋に於いても中共はアメリカに劣らぬ軍事的プレゼンスを持つに至る可能性が高い.
 このことから,台湾主権宣言についての私の立場は「やるなら今のうち」です.

 現時点で中共が武力行使に踏み切った場合,米軍は間違いなく台湾防衛に動くだろうという点,これも同意見.第一,米太平洋艦隊を台湾周辺海域から排除するだけの力が中共にあるわけが無い.そのことは他ならぬ中共自身がよく分かっているはずで,その為にこそ 80隻近い潜水艦を保有するなどの一点豪華主義的な海軍力増強を 今のところ中共はやっている.アメリカの空母が台湾海峡周辺に近付くのを遅らせる,遅滞戦術のコマとしての意味合いが 何といっても大きいでしょう.ただ,そうやって時間を稼いでいるうちに台湾を制圧し,さっさと事を済ませてしまうだけの陸戦能力が 中共には まだ無い.

 貧弱な海軍力しか持たない大陸国家の常として,中共による台湾への攻撃は 専らミサイルを中心としたものになるでしょう.前回も少し触れたように,中共が当分アメリカと全面戦争に乗り出す覚悟までは持っていない以上,台湾に向けての核使用にまで踏み切ることは無いでしょうが,非核弾頭による都市や軍事施設を狙った攻撃は十分あり得るでしょう(もっとも,「支那人の作ったミサイルって まっすぐ飛ぶのか?」という疑問も正直言って少なからずありますが).

 問題は 台湾がどこまでこれを未然に阻止できるか,また どこまで実際の攻撃に耐えられるかに掛かって来ることになります.
 中共によるミサイル攻撃を未然に阻止する為の 最も確実な方法は,台湾が核武装に踏み切ることでしょう.核弾頭搭載可能な,射程2,000~2,500km級の(つまり北京・上海まで届く)巡航ミサイルが最低2基あれば,中共の台湾侵攻に対する当面の抑止力としては一応十分のはずです(核弾頭搭載可能なSLBMを装備できる攻撃型原潜があれば なおよい).
 むろん,これには一定の外交的リスクを伴いますが,核保有の動きを見せる国家が必ずしも北朝鮮やリビアのような扱いを国際社会から受けるわけではないということは,インドやパキスタンの例が証明済みです.
 その場合でも,西側先進諸国が台湾の核武装を「現存する中共の核の脅威に対する抑止力確保」という文脈でとらえるよう持って行く外交努力が 台湾には求められます.その為には 何より「自由世界の一員としての台湾」の国際的アイデンティティがしっかり確立されていなくてはなりません.未だ海のものとも山のものともつかぬ,一方で「中国ではない」と言いながら他方で「中華民国」を名乗り続けるようなヌエ的状態のもとでの ロビー活動中心の その場しのぎ的外交だけでは,国際輿論を台湾支持に傾かせるには あまりに力不足です.

─つづく─
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by xrxkx | 2005-01-11 21:42 | 台湾建国によせて