中共がどんなに台湾の民意を封殺しようとしても
 例の「反国家分裂法」案の審議が全人代で始まったというニュースが 昨12/25に流れていました.早ければ来年3月の全人代での可決・成立を目指している由.同12/25の読売の記事によれば,「中国筋」とやらの談話として
「同法により、両岸(中台)に関係する台湾でのいかなる住民投票も不可能になる」
とありますが,こういう発言が出て来るのも,中共がいかに台湾の民意を恐れ,それを封殺せんと狂奔しているかの 良い見本でしょうね.
 もともと
「中台統一を法的手段で促進するため、真剣に検討する」
というのが 同法案についての国務院台湾事務弁公室のスタンスらしいけれども,こんなものは 要は「はじめに『統一』ありき」「台湾の将来像に台湾人の意思は一切反映させない」と言い切っているに等しい.中共の反民主国家ぶりを ご親切にも自ら世界中に宣伝してくれていることになります.
 もっとも 中共としても,先般の北オセチアでの事件や それに対するプーチンの強権的な態度などを横目に見ながら,「どこまでやっても国際社会は黙認してくれるかな」という計算くらいは当然しているでしょうけれども.
 本題から逸れますが,支那であれロシアであれ,ああいう反民主的・強権的な政府の民衆弾圧への恰好の口実を,当世流行りの「テロとの戦い」というお題目は図らずも与えてしまったわけです.
 で,同法案に関する台湾の国家安全会議の秘書長の談話も伝わっていますが,
「台湾攻撃に法的裏付けを与えることになり、受け入れられない」
という言い方は ちとオカシイというか,物足りない.それを言うなら
台湾は中国ではない.我々は中国の国内法に服することは無く,また台湾の主権侵害を正当化する如何なる企てをも容認しない」
くらいのことは言わないと.

 ともあれ,上述のように 中共当局にとって最も困るのは
「台湾民衆は中華人民共和国との統一を望んでいない」
という民意が 選挙であれ住民投票であれ 形として残ることであるわけです.特に住民投票の場合,その最大の意義は,台湾の民意の赴くところが何処にあるかを全世界に知らせることにあるわけで,支那にどんな国内法が成立するかには関係ない.
 もちろん 12/21にも書いたように,《「台湾は中国の不可分の領土」という中共の主張に 何らの歴史的・国際法的根拠も無いこと》は別途アピールして行く必要があります.台湾の主権宣言を世界の主要国が承認してしまえば こんな支那の国内法など台湾にとっては単なる紙切れですから.
 今回の「反国家分裂法」案などは,使いようによっては その良い機会になると思うのですけれどね.台湾の法的地位如何に関する国際輿論の注意喚起を,わざわざ中共が手助けしてくれているわけです.台湾一国でやるのに比べたらPR効果が桁違いです.

 ところで 同法案成立に向けた支那のキャンペーンは 既に始まっており,例えば一昨日(12/24)の新華社電には こんなニュースもありました.
一些國家華僑華人支援中國制定反分裂國家法 ─中国国際放送 12/25
[新華網 北京 12月24日] ルーマニア・カメルーン・ブラジルの華僑/華人組織が23日,個別に談話および声明を発表し,中国の全国人民代表大会常任委員会が反国家分裂法案を早期に審議することに対する確固たる擁護と支援の意思を表明した.…
…のだそうですよ.12/23に載せたニセ記事に続いて また「華僑」とやらを引っ張り出してきて 反「台独」プロパガンダをさせています.もっとも,こちらのは台湾人ではなく支那人からなる御用団体らしいから,実際にそういうコメントを出していても不思議ではないですけれど.内容も外交部周辺のコメントの焼き直しばかりだし.
 余談ですが,同法案には「香港・澳門は同法の対象地域に含まれない」とわざわざ明記されているというのも面白い.中共当局が「台独」潰しの為に如何にエゲツナイ恫喝・挑発に出るつもりでいるかを 支那人自身が暴露しているに等しい.

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 さて,李登輝前総統訪日が いよいよ明日(12/27)に迫っています.あとは粛々と事を進めるだけ.私も吐くべき毒はあらかた吐いて(笑),気持ちよく年を越せそうです.あとは周辺のこぼれ話的ニュースをポツポツ拾って行くことにしますと─

 まず,中共が「ビザ発給取り消せ」を強く言わなくなったのは12/22からのことでしたが,その陰ではこういう御注進をする者もいました.
岡田代表:李登輝問題で中国に自制促す ─毎日 12/22
 民主党の岡田克也代表は22日、中国共産党の劉洪才中央対外連絡部副部長と党本部で会談し、台湾の李登輝前総統への短期入国査証(ビザ)発給に中国が反発していることについて「過度に指摘すると、大方の日本国民は『なぜそこまで』という気持ちになる」と対中感情を悪化させることへの懸念を示した。
 「自制を促す」と言えば聴こえは良いけれど,要するに
仰ることはごもっともですが,匙加減を誤ると逆効果ですよ
と言っているだけのこと.主権国家としての日本の尊厳を守ろうとか,その為に日本側としても言うべきことは言って行こうとかいう意識のかけらも感じられない.
 もっとも ジャスコ氏の場合,無論こんなのは昨日や今日始まったことではありませんね.8月のサッカーアジア杯のときの発言を御覧下さい.
背景にあるものを政治家としても直視しないといけないが、…」
などと わざわざ中共の言う「反日感情の根底にある歴史問題」に理解を示して見せ(もちろんこれは暗に首相の靖国参拝を批判して見せているわけだ),中共の歓心を繋ぐのに必死だった人ですから.

 もうひとつ.こちらは日本を「21世紀版・東方礼儀之邦」にでもしたいらしい野中氏のこと.中共の一体何がそんなに有難い/畏れ多いのか知りませんが,この人なら,そのうち天皇のことを「殿下」と呼び出しかねん.ヽ(´~`)ノ
野中氏が訪中取りやめ  李登輝前総統のビザ発給で ─岩手日報 12/24
 自民党の野中広務元幹事長は25日午前、来年1月11日から予定していた中川秀直国対委員長、古賀誠元幹事長らとの中国訪問について「台湾の李登輝前総統への入国査証(ビザ)発給は中国への礼を失しており、いま訪中するのは望ましくない」として同行を見合わせることを明らかにした。都内で記者団に語った。

 野中氏は「小泉純一郎首相は李氏を一民間人と言っているが民間人とは言えない。私は日中友好協会の名誉顧問をしており、関係者から訪中を見合わせるよう要望もあった」と説明。24日に中川氏らと会い、同行しない意向を伝えたという。
野中氏の発言については 12/25付の毎日の記事が もう少し詳しく報じていましたが,
「日中友好協会の名誉顧問として、この時期(引用者註:李登輝氏訪日のことを指す)に訪中するのは適切ではない」
「中国に事前に相談しなかった外務省のやり方も荒っぽい」
だそうですよ.何のことやら.そもそも日本政府があくまで「李登輝氏は私人」「単なる観光旅行」という建前を通す気なら,「事前に相談」どころか 事後通達すら必要ない筈です.
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by xrxkx | 2004-12-26 14:18 | 台湾建国によせて