【台湾立法委選】 建国,前途多難
台湾立法委選挙、与党連合が敗北 ─ロイター 12/12

 残念な結果になりました.
 議席総数は225.各党の獲得議席数は
◇ 与党 ◇
民進党 89
台聯 12
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計 101

◇ 野党 ◇
国民党 79
親民党 34
新党 1
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計 114
とのこと.大陸寄りの連戦-宋楚瑜連合が辛くも過半数確保.

 さきほど読んだばかりのメルマガ「日台共栄」第110号に,興味深い分析が載っていました.
 各紙の報道では、「中国とのトラブルを嫌う中道層の離反を招いた」(朝日)とか「急激な台湾化を懸念する民意のバランス感覚が働いた」(読売)、「新憲法施行など陳氏の進める政治体制の「台湾化」は見直しを迫られそうだ」(共同)といった見方が主流のようだ。中国国民党の連戦主席も「中華民国の勝利だ。新しい民意を示した」と宣言したが、果たしてそうだろうか。
 確かに、野党陣営は過半数を越えた。しかし、得票率をみると、まったく横這いなのであり、逆に与党は確実に伸ばしていた。
 前回の2001年の投票率は、民進党が33.4%、台聯が7.8%、総計41.2%。一方、中国国民党は28.6%、新党は2.6%、親民党は18.6%、総計49.8%。
 では、今回の得票率はというと上記のように、与党陣営は46.26%と5.06%も増やしているのに対して、野党陣営は49.81%と0.01%しか伸びず、まったくの横ばい状態だった。
 では、なぜ与党陣営は得票率を伸ばしたのにもかかわらず、議席数が伸びなかったのかといえば、中選挙区の戦い方において野党の方が長けていたからだったといえよう。その点で「民進党は、過半数獲得を狙い公認候補を増やしすぎた。(民進党も台聯)もともに中選挙区制のわなにはまり、共倒れした」(松田康博・防衛研究所主任研究官)や「支持者の票の割り振りで組織票を有効に生かした国民党などに作戦負けした」(渋谷司・明道管理学院副教授)、あるいは「緻密な『配票』(複数の同党候補にバランスよく票が入る調整)で議席の取りこぼしを防いだ結果だった」とする世界日報などの指摘は傾聴に値する分析ではないだろうか。
 要するに、中国国民党の勝利は選挙戦術によるものだった。台聯候補が高得票にもかかわらず次点にとどまったことも、同様の理由が大きいだろう。
 確かに、朝日などが見るように「中国とのトラブルを嫌う中道層の離反」や「急激な台湾化を懸念する民意」も働いたであろうが、台湾住民の民意は台湾新憲法制定や台湾正名を掲げた与党を支持する方向で着実に伸びていたのである。それ故、議席数は伸ばしたものの野党陣営の得票率に変化はないのであるから、共同通信の「『台湾化』は見直しを迫られそうだ」という指摘は得票率を無視した、世論をミスリードするものであり、連戦主席の「中華民国の勝利」や「新しい民意」説もまたまったく説得力を欠いた「空宣言」といっても過言ではない。
 確かに 選挙区ごとの票の振り分けを気にしなくてよい総統選(2004/03/20)では 与党陣営の勝利と出ていたわけですから,上の分析には大いに頷けるものがあります. ──とは言うものの,敗因がどうあれ「新憲法の2006年制定,2008年施行」という《台湾建国へのロードマップ》は,今後 事あるごとに議会で阻まれることになるのは想像に難くありません.北京五輪までには目鼻を付けたいところでしたが,陳水扁政権としては厳しい舵取りを迫られそうです.
 今回の選挙戦結果に,さぞや中共はほくそえんでいるでしょう.あの新華社でさえ今回は開票結果を昨夜のうちに速報しています.中共が今後,特に対米関係の緊密化を通じ,台湾の国際的孤立化の策動を強めるのは必至でしょう.台湾建国への動きは「一歩前進,二歩後退」といったところでしょうか.
 次の立法委選は2008年.北京五輪が終わっても2010年に上海万博がありますから,すぐに台湾海峡有事云々といった事態は無いでしょう.が,何しろ李登輝前総統も御高齢.彼の眼の黒いうちに勝負を掛けたいということもあります.
 いずれにせよ 時間は中共に味方するでしょう.台湾建国を願う国民にとっては あるいは2008年が最後の砦になるかも知れません.
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by xrxkx | 2004-12-12 18:33 | 台湾建国によせて