ニセ遺骨・所感
 横田めぐみさんのに続いて松木薫さんの「遺骨」も偽物と判明した由.昨12/08夜の小泉首相の発言も幾つか読みましたが
対話と圧力だから両面を考えていかなければならない。交渉は続けていかなければならない。拉致(被害者)家族のためにも打ち切ってはいけない」
「(食糧支援の未実施分の供与について)今すぐ実施するという考えはない」
「虚偽の資料を提出してきたことは極めて遺憾だ。(日朝平壌宣言の)精神に沿って今後も誠意ある対応を求めていく」
「今後も実務協議と真相解明を求めていく」 (以上 読売 9日
と,どうやら この期に及んで まだ従来どおりの交渉を続けるつもりらしい.
 ちなみに,食糧支援については首相は「拉致問題とは関係なく続ける」と言っていたはずですが,どうしたのでしょうね(嗤).食糧援助を続ければ国内輿論の反発を招き,かと言って ここで食糧援助を取りやめれば 国内輿論は「あぁ,やっぱりあれは身代金だったんだね」という方向に流れ,小泉首相としては いずれとも言い難いから
「今は国内の対北朝鮮感情が厳しいので,食糧支援の強行は支持率に響くから無理.ほとぼりが冷めたら再開します」
くらいのつもりでああいうことを言っているのか.─こういう態度では
「結局この人の頭の中には日朝国交『正常』化しか無いんだろうな」
と思われても文句は言えないでしょう.

 日本国内にも対北経済制裁に慎重な意見がまだまだ根強いようです.慎重論者がしばしば用いる言い方に,「日本単独で経済制裁に踏み切ったところで効果があるのか」というのがありますが,私としては 経済制裁を「最後の切り札」だと考えていること自体が誤りだと思っていますので,そうした慎重論には与することが出来ません.経済制裁などは「最終手段」どころか,北を真面目に協議のテーブルに就かせる為の ほんの取っ掛かりの一つに過ぎないと見るべきです.「拉致問題の全面的解決なしには日朝国交『正常』化などあり得ない」ということを 恫喝によって北に教えない限り,拉致問題の進展はあり得ないということを,今回のニセ遺骨の一件は改めて示してくれたわけです.

 また,仮に日本単独での経済制裁が慎重論者の言うように「成果が無」かったとしても,私などはむしろ「それがどうした?」と言いたくなります.
 現に対北経済制裁を既に行っているアメリカが対北交渉で何か手詰まり感を感じているかといえば全然そんなことはないわけで,例えば先般の人権法などはそのよい見本でしょうし,必要なら対北制裁を安保理決議に諮ることも出来るわけですし(この時中共が拒否権行使を示唆する可能性が高いが,実はそうしてもらったほうが日本にとっては都合がよい.このことは拉致問題から逸脱するので後日詳述).
 私はといえば,拉致問題を全面的に解決する最も確実な方法は対北武力行使だろうと思っており,その為の憲法改正であり防衛力整備ではなかったのかとも思っています.先方がこれだけ不誠実な対応を続けている以上,日本が近い将来「日本国民の生命の安全を保護する為」に憲法改正-対北武力行使に踏み切ったとしても,国際社会はこれを支持または容認せざるを得ないでしょう.中共と韓国は猛反対するでしょうが.

 ○○の一つ覚えのように遺憾々々を繰り返すだけなら鸚鵡にでも務まります.日朝平壌宣言などはとうの昔に破られました.いま求められているのは約束違反を犯した者へのペナルティです.一刻も早い対北経済制裁発動を求めます.

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 ニセ遺骨の件,当然ながら各紙が一斉に今日(12/09)付の社説でとり上げていますが,
朝日の「遺骨の嘘――総書記はこの怒りを聞け」などはこんな調子:
 金正日総書記に問いたい。
 このやり方はいったい何だ。自国の体制が行った犯罪についてまじめに総括し、始末をつける気があるのか。いつまで拉致被害者の家族や日本国民の心をもてあそべば気がすむのか。
  (中略)
 あきれ果て、憤りで言葉もない。
 北朝鮮に翻弄(ほんろう)され続ける家族の張り裂けんばかりの胸の内を思う。
 「家族の張り裂けんばかりの胸の内」云々については,曽我ひとみさんの家族の住所を平気で晒してしまう新聞の言うことですから 話半分で聞いておくとして,こういう事が発覚するたびに 朝日はえらく感情的な,絶叫調・悲鳴調の文言を社説に持ってくるのが好きみたいですね(韓国の核開発疑惑の時もそうだったし).ヤバそうなネタが挙がった時は他人のフリ,というのが この新聞の常套手段ですから.
 そのくせ,今回の社説なども 結びの部分には ちゃんと
 横田さんら拉致被害者の家族会は、経済制裁の即時発動を求めた。政界も世論も、制裁実施論にさらに傾くだろう。
 北朝鮮に対してはまさに「対話と圧力」である。まず制裁ありきではいけないが、制裁もまた選択肢の一つであることを、金総書記は忘れてはいけない。
などと「日本は対話重視の姿勢を堅持すべし」と言わんばかりの文言を添える周到さ.だいたい いつまで「まず」と言い続けるつもりなのでしょう.同じく今日(12/09)の産経の社説のように「もはや対話の選択はない」と言うほうが よほど筋が通っていないか.
 小泉純一郎首相は今年五月二十二日の日朝首脳会談で、国際機関を通じての二十五万トンの食糧支援を約束した。半分はすでに北へ送られたが、残り半分は凍結すべきだ。経済協力を前提とした日朝国交正常化交渉など、とても早期再開できる状況ではない。
 これが正常な人間の考え方でしょう.
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by xrxkx | 2004-12-09 21:44 | 時事ネタ一般