「協力の海」なんて時代遅れな友好ごっこは必要ないわ♪
 またしても中共の海洋調査船が沖ノ鳥島近海の日本のEEZ(排他的経済水域)に現れたというニュースが流れていました.それに対する小泉首相と細田官房長官の談話も出ていましたが,内容はお寒い限り.
小泉「お互いが対立の海にしないで、協力の海にしていくという大前提が決まっている。政府間でルールをよく守っていくことが大事だ」
細田「このような事態が発生することは極めて遺憾だ」
 いやはや….ルールを守らない相手にルールを守らせるだけの外交力・防衛力も持とうとせず,体を張って日本の主権を守る覚悟も無い指導者の口から こういうおまじないが繰り返されるのを見るのは,正直言って一国民として歯痒い限り.
 何度でも言いますが,相手はつい1ヶ月足らず前の領海侵犯の折にも 単なる「遺憾の意」表明でお茶を濁した国です.そんなものを都合よく「陳謝と受け止め」るような弱腰外交ぶりで,他ならぬ領海侵犯の張本人との間で何をどうすれば「協力の海にしていく」などということが可能になるというのか.
 細田官房長官にしても そうで,「外交ルートを通じて中国側に活動の中止を申し入れた」などは生ぬるすぎる.どうしてさっさと国際海洋法裁判所に本件を持ち込まないのか.相手は沖ノ鳥島を「島ではなく岩だ(従って日本のEEZは設定されない)」と言い放つ国です.通り一遍の「活動中止申し入れ」だの「遺憾の意の表明」など黙殺されるのは目に見えています.
 もはやそういう形だけの抗議で国民の眼を欺ける時代ではないということを,政治家にも官僚にもしっかり自覚していただきたい.

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 一方で,中共のほうは海洋超大国デビューに向けて着々と打つべき手を打っているようです.先日もこんなニュースが流れていたのを御覧になった方も多いでしょう.
中国が新型潜水艦を実験か 1、2年後に配備可能と米紙 ─産経 12/04
 3日付の米保守系紙ワシントン・タイムズは、軍事当局者などの話として、海上核戦力の増強を図る中国が今年7月、新型の「094」型潜水艦の航行実験を行ったと報じた。海中発射可能な新型弾道ミサイル「DF31」を搭載しており、1、2年後に配備可能になるとしている。
 「094」型潜水艦の建造は中国の最優先軍事課題で、将来的には「名実ともに初めての(海上配備型)大陸間戦略核運搬システムになる」との当局者の話を伝えた。
 「2010年前後までに新型ミサイル潜水艦は配備されない」との米国防総省の予測を大幅に上回る技術革新で、米当局者や専門家は事態を深刻視している。ロシアが主に技術供与しているとみられている。
 元記事は どうやら これ(上の産経の記事では「3日付」とあるけれど,これ,たぶん日本時間での話だろう)
China tests ballistic missile submarine ─The Washington Times 2004/12/02

China's military has launched the first of a new class of ballistic missile submarines in what defense officials view as a major step forward in Beijing's strategic weapons program.

The new 094-class submarine was launched in late July and when fully operational in the next year or two will be the first submarine to carry the underwater-launched version of China's new DF-31 missile, according to defense officials.
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 この「DF31」なる弾道ミサイルが どれくらいの性能(半数必中界とか搭載可能弾頭の火力とか)を持っているのかについて 現在資料を読み漁っている最中なので,詳細は後日に譲りますが,差し当たり 私にはこれが単に台湾侵攻に向けての準備であるようには見えません.
 ともあれ,当blogとしては珍しく支那人を誉めたい気分.かの国には「潜水艦なんて時代遅れなものは必要ないわ」なんてことを言い出して国防の根幹を台無しにする愚かな金庫番はいないらしい.
 中共原潜による領海侵犯事件の記憶も生々しい中での「潜水艦なんて」発言ですとか,あるいは今も新潟地震の被災者の方々の支援活動に自衛隊が出ている中での「災害派遣は警察と消防で十分」発言ですとか,どうも この片山さんなる方の発言,素人目にも
「この人,新聞読んでるのかしら」
と訝りたくなるほど,ある意味で分かり易いのですが,こういう現場のことを全く知らない方をわざわざ起用して防衛費に大鉈を振るわせる小泉首相も何を考えているのやら.
 昨今の小泉ファンの間にありがちな首相の深慮遠謀論でこの件を見る向きもあるようですが,どちらかというと私などは,これで実際に防衛費がばっさり切られることになるにせよ,あるいはスッタモンダの末に現状維持で落ち着くにせよ,どちらに転んでも「膿は出させました」「聖域なき構造改革を進めました」というポーズは取れるわけで,そういう代物を「小泉改革の成果」と胸を張れれば彼はそれでよいのではないか,という胡散臭さを感じないわけに行きません.

 それはそうと,大体まだ海のものとも山のものとも判らぬMDにつぎ込むお金を捻出する為に通常戦力を削れという財務省の考え方からして あまりにも常軌を逸している.「今度買う車にはエアバッグが付いてるから ブレーキは多少利きが悪くても」と言っているのと大差ないような気がしますが.

 この辺り,突付き出すと 他にも 武器輸出三原則の問題とか,陸自幹部に改正憲法の青写真を書かせた話とか,あれやこれや書かなくてはならなくなりますから,追い追い調べて行くことに.
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by xrxkx | 2004-12-08 21:45 | 時事ネタ一般