息抜き) 社説 2題
 今日は一日中あたふたしていて ゆっくりニュースが読めませんでしたが,取り敢えず電波浴を少し.

街宣車――わがもの顔は許せぬ ─朝日 社説 2004/12/08

 確かに迷惑ですね,街宣車.「隣近所に迷惑を掛けない」くらいの最低限の公衆道徳も守れない者に天下国家を論じる資格は無いです.大いに取り締まって頂きたいですね.

 ところで 同じ朝日が今年の3月には何を言っていたかというと─

●ビラ配りでなぜ逮捕 ─朝日 社説 2004/03/05

 2本ともmore欄に控えを取っておきましたから,ご自分で両者をじっくり読み比べてみて頂きたいのですが,例えば─
12/08)
 国会周辺などでは20年近く前にできた法律で街宣活動が規制されている。また、警察は騒音を規制する条例や様々な罪名で街宣を取り締まってはいる。しかし、被害を受けている人々の間には手ぬるいとの不満が大きい。
  (中略)
 取り締まりをもっと厳しくすることは、国民の願いでもあるだろう。必要なら、新たな法律や条例をつくるべきだ
 東京には路上でたばこを吸ってはいけない条例を作った区がある。騒音被害をまき散らす異様な街宣車を規制する条例があってもおかしくない。いつまでも無法を許すわけにはいかない。
03/05)
…「ビラをまいている男女がいる」という官舎の住民からの通報がきっかけだったようだ.逮捕容疑は住居侵入だった.
 逮捕された3人は,立川市を中心に70年代初めから反戦運動をしてきた市民団体に所属する人たちだ.
 関係者以外立ち入り禁止と表示されているのに,勝手に敷地内に入りビラをまいた.正当な理由もないのに建物に侵入する行為を刑法は禁じているではないか.警察の理屈はそんなところだろう.
 勝手に敷地内に入ったことがいけないと言われれば,ビラをまいた人たちに非が全くないわけではない.自衛隊員や家族の複雑な気持ちへの配慮が足りないのではないか,という意見もあるかもしれない.
 しかし,だからといって,いきなり逮捕したうえ,事務所などから手帳やパソコンを押収していくのはあまりにも乱暴だ.
 ビラには,連絡先もメールアドレスも書かれている.証拠を隠したり,逃げたりする恐れがあるわけでない.逮捕すべき事件だったのか.警察はもちろんのこと,令状を出した裁判所の判断にも疑問がある.
 飲食店や不動産のチラシが郵便受けに無断で入れられるのは日常茶飯事だ.今回の防衛庁官舎にも色々なチラシが入れられている.警察はそれらも一緒に摘発しようと考えているのだろうか.
 そうではあるまい.自衛隊派遣に反対する内容のビラだったからこそ,逮捕に踏み切ったのだろう.
 03/05のほう,「飲食店や不動産のチラシ」を配るなどの迷惑行為も厳しく取り締まれ,と言うのかと思ったら「だからと言って逮捕は乱暴」だそうです.
12/08)
 警察にすれば、政治活動や表現の自由に絡むことだけに、慎重にならざるを得ない面もあるようだ。
 しかし、強力な拡声機から怒鳴り声を流しながら、一目でそれと分かる塗装をした車が列をつくって走る。居丈高な街宣活動と、普通の政治活動との違いは、誰が見ても明らかだ。
03/05)
 支援者らの抗議に対し,警察は「法律に基づいて正当に捜査している」と答えた.しかし,今回のような強引な摘発が続けば,市民が自分の意見を言ったり,集会を開いたりすることをためらいかねない.私たちはそのことを心配する.
 自分と違った価値観を認め合い,自由に意見を交わすことができる.それが民主主義の社会であるための前提だ.
 朝日に言わせれば,住居侵入してまで反戦ビラを撒くのは「普通の政治活動」に含まれるらしいです.住民からの通報があろうがあるまいが,反戦平和を唱えてさえいれば天下御免のようです.いい国だなぁ.

 ついでですが 例えばこういう気違いなども やはり「普通の政治活動」に当たりますか,そうですか.
 都内在住の青年Kさんは、2003年4月17日に東京都杉並区の公園の公衆トイレに落書きをして逮捕され、28日に起訴されました。現在、Kさんは、状態復帰が可能なこの落書きに対する「建造物損壊」という検察の不当な重刑攻撃に抗して闘っています。社会的・政治的な主張(反戦)を伴った落書きへの重刑攻撃に抵抗し、表現の自由の可能性を追求しよう ── それが「落書き反戦」です。




◇ 社説 控え ◇

街宣車――わがもの顔は許せぬ ─朝日 社説 2004/12/08
 右翼団体の男が街宣車で東京の弁護士事務所に押しかけ、拡声機で誹謗(ひぼう)中傷を流して回ったとして逮捕された。
 この事件ばかりでない。大きな拡声機を載せた車で騒音を発し、住民を威圧する。そんな光景を日本のあちこちで目にする。これはまっとうな政治活動ではない。
 逮捕された男は政治結社の幹部を名乗る。昭和天皇に戦争責任はあると思うと発言したことのある長崎市長を、短銃で撃って重傷を負わせたことがある。
 今回は弁護士会から懲戒処分を受けた弁護士を狙い、「弁護士バッジを外すまで街宣活動を続ける」などと連呼を続けた。懲戒処分は訴訟の進め方をめぐるもので、弁護士は納得していなかった。
 弁護士は男たちの行動をメモし、写真も撮った。連呼の録音もして、110番通報した。そのうえで威力業務妨害と名誉棄損の疑いで警察に告訴した。
 弁護士だから手際よくできた面はあるだろう。普通の人ではなかなかそうはいくまい。だが、それをいいことに、街宣車がわがもの顔に街を走り回る。
 今年4月にイラクで若者3人が人質になったとき、その家族の勤務先まで街宣車が押しかけた。つい最近も、小泉首相に靖国神社参拝の再考を求める発言をした財界人が狙われ、彼が経営する会社が街宣活動の標的になった。
 外国政府の高官が泊まったホテルの周辺で街宣活動が続き、高官が騒音に怒って外交に差し障りが出たこともある。
 街宣活動には、そのときどきで狙いがあるようだ。自分たちの売名もあるだろう。嫌がらせをした相手に音を上げさせて金を払うよう仕向けたり、誰かの依頼で活動したりすることもあると言われる。右翼を名乗る集団によるこのような街宣活動は、ほかの先進国に例がない。
 警察庁によると、いま約900の右翼団体に約1万人が所属する。このうちかなりの団体が街宣車を持っていると思われる。暴力団と見まがう団体もある。
 国会周辺などでは20年近く前にできた法律で街宣活動が規制されている。また、警察は騒音を規制する条例や様々な罪名で街宣を取り締まってはいる。しかし、被害を受けている人々の間には手ぬるいとの不満が大きい。
 警察にすれば、政治活動や表現の自由に絡むことだけに、慎重にならざるを得ない面もあるようだ。
 しかし、強力な拡声機から怒鳴り声を流しながら、一目でそれと分かる塗装をした車が列をつくって走る。居丈高な街宣活動と、普通の政治活動との違いは、誰が見ても明らかだ。
 取り締まりをもっと厳しくすることは、国民の願いでもあるだろう。必要なら、新たな法律や条例をつくるべきだ。
 東京には路上でたばこを吸ってはいけない条例を作った区がある。騒音被害をまき散らす異様な街宣車を規制する条例があってもおかしくない。いつまでも無法を許すわけにはいかない。
●ビラ配りでなぜ逮捕 ─朝日 社説 2004/03/05
 1月16日,陸上自衛隊の先遣隊が戦時下のイラクへ出発した.世論が賛成と反対に分かれる中での派遣だった.
 その翌日の昼間のことだ.自衛隊派遣に反対する市民グループの3人が,東京都立川市の防衛庁官舎の郵便受けにビラを入れて回った.ビラには「自衛隊・ご家族の皆さんへ 自衛隊のイラク派兵反対!いっしょに考え,反対の声をあげよう!」と書かれていた.
 それから1カ月余り後の先月末,3人は警視庁に逮捕され,事務所や自宅が捜索された.「ビラをまいている男女がいる」という官舎の住民からの通報がきっかけだったようだ.逮捕容疑は住居侵入だった.
 逮捕された3人は,立川市を中心に70年代初めから反戦運動をしてきた市民団体に所属する人たちだ.
 関係者以外立ち入り禁止と表示されているのに,勝手に敷地内に入りビラをまいた.正当な理由もないのに建物に侵入する行為を刑法は禁じているではないか.警察の理屈はそんなところだろう.
 勝手に敷地内に入ったことがいけないと言われれば,ビラをまいた人たちに非が全くないわけではない.自衛隊員や家族の複雑な気持ちへの配慮が足りないのではないか,という意見もあるかもしれない.
 しかし,だからといって,いきなり逮捕したうえ,事務所などから手帳やパソコンを押収していくのはあまりにも乱暴だ.
 ビラには,連絡先もメールアドレスも書かれている.証拠を隠したり,逃げたりする恐れがあるわけでない.逮捕すべき事件だったのか.警察はもちろんのこと,令状を出した裁判所の判断にも疑問がある.
 飲食店や不動産のチラシが郵便受けに無断で入れられるのは日常茶飯事だ.今回の防衛庁官舎にも色々なチラシが入れられている.警察はそれらも一緒に摘発しようと考えているのだろうか.
 そうではあるまい.自衛隊派遣に反対する内容のビラだったからこそ,逮捕に踏み切ったのだろう.
 支援者らの抗議に対し,警察は「法律に基づいて正当に捜査している」と答えた.しかし,今回のような強引な摘発が続けば,市民が自分の意見を言ったり,集会を開いたりすることをためらいかねない.私たちはそのことを心配する.
 自分と違った価値観を認め合い,自由に意見を交わすことができる.それが民主主義の社会であるための前提だ.
 とりわけ,イラクへの自衛隊派遣は憲法の平和主義に触れかねない問題をはらみ,日本の進路を左右する重大な問題である.政治家や官僚にまかせておけばいいという話ではない.人々が自由に意見を述べ,異なる主張にも耳を傾けることが大切だ.
 国際社会がイラクの国づくりに求めているのも,こうした言論の自由がある民主的な社会ではないか.

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by xrxkx | 2004-12-08 20:00 | 時事ネタ一般