【小泉-温会談】補遺として
 まず補遺を少し書いておかなくてはなりません.小泉-温家宝会談のこと,今も あちらこちらをポツポツと拾い読みしています.東シナ海ガス田開発の件について,昨日(12/02)の記事で温家宝から共同開発案が出なかったと書きましたが,今日になって こちらの「log」の記事を読んで仰天.
 首脳会談では相変わらず靖国の事を持ち出されたそうだが、負けじと小泉首相はガス田情報の提供も要請したし、侵犯再発防止も求めたとの事。それはそれで結構だが後の記者会見によると、どうやら「共同開発」なんてものを提案したそうじゃないですか。マジっすか?「共同開発」って事は、相手に正確な調査情報を提出させて“完全折半”にしなきゃいけないはずだと思うんだけれども、先に勝手にボーリングまで行なっているような中国が、正確な調査情報を提出してくるなんて事があり得るのだろうか。ど~も上手く丸め込まれているだけのような気がしないでもないんですけど。(後略)
 大慌てで会談翌日(12/01)の各紙の記事をあさってみましたところ,日経に 次のような記事があるのを見つけました(ちなみに この記事,日経のサイトにweb版が無いか探してみたのですが,無いようです).ガス田関連の部分だけ抜粋してみますと─
中国首相,訪日明言せず 靖国参拝中止重ねて要求 小泉首相と会談
(日経,12/01 14版 1面)

 (前略)
 中国原子力潜水艦の日本領海侵犯事件や東シナ海ガス田開発をめぐる問題については,両首相が緊密な協議を約束した.
 ラオスでの一連の日程を終えた小泉首相は三十日夜の記者会見で,来年の靖国参拝について(中略)直接の言及を避けた.
 東シナ海での天然ガス開発に関しては「対立の海にしてはいけない.資源開発の面を考えれば協力すべきだ.協調関係を重視し,お互い開発していこう」と温首相に将来の共同開発も視野に入れた協力を提案したことを明らかにした.
 (後略)
という感じ.目一杯好意的に読めば,小泉首相は「共同開発」とは一言も言っておらず,「お互い開発していこう」なる表現を使っているだけなのだから.これだけなら「日中共同開発の提案」ではなく「喧嘩せずにめいめい独自に掘りましょう宣言」だと受け取れなくもない.
 けれど,そういう意味なら普通「資源開発の面を考えれば協力すべきだ」なんてことは言わないでしょう.第一,もし本気で「資源開発の面を考え」て「協力」しようと思うなら,これまで中共側が行なって来た海洋調査のデータや 中間線のこちら側まで入り込んでいるという「春暁」鉱区の設定についての詳細をまず日本側に開示するよう重ねて求めるのが筋であって,それをskipしたまま「共同開発をも視野に入れた協力の提案」と受け取られかねない(本心が何処にあるかに関係なく)発言を不用意にしてしまうのは大問題だと思うのですが,どうなのでしょう.
 「春暁」にしても,先にロイヤル・ダッチ・シェルとユノカルの2社が撤退したことで資本の4割が逃げてしまったわけで,中共独自で採掘に取り掛かるのは まず無理でしょう.そもそも これ,採算が合わないという説も幾つか聞きますが,いずれにせよ日本からの協力が得られなければ困るのは中共の側なのですから,こんな時期にわざわざ日本側から歩み寄ってみせる必要など無い筈.
 もっとも,もし小泉首相が本気で将来の日中協同開発など考えているわけではなく,単に「商売の妨げになるから靖国参拝やめて」などということを平気で言い出す国内の売国商人を宥めすかしつつ 中共に対しても次の協同開発カードを切らせる誘い水として上の発言を出して見せただけなのだったら,それはそれで結構かも知れませんが,どうなのやら.
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by xrxkx | 2004-12-03 21:43 | 時事ネタ一般