【領海侵犯】またも大魚を逸したか日本外交 ─もうダメぽT-T
 日本の領海を侵犯した中国原潜が石垣島周辺に近付くより かなり前,グヮム島沖にいた頃から既に米軍に尾行されていたことが 今日になってやっと公表されたそうです.さらに件の原潜が青島付近の潜水艦基地に入港したところを 日米が衛星などを用いて押えたという報道も出ていました.
(上のニュース元である読売・共同はフライング報道が多く,特に共同は無闇やたらと記事を差し替えたり消したりしたがるので,more欄に全文控えを取っておきます.:p)
 アメリカの名前が出て来たことで,さしもの中共もこれ以上シラを切り通すのは無理と判断したのでしょうが,まさにここから先が日本の外交力の問われる正念場だというのに,官邸は例によって素晴らしい弱腰ぶりを見せ付けてくれました.
 外交部副部長であり前駐日大使でもある武大偉は,日本側の阿南駐中大使にこう語ったそうです:
「通常の訓練過程で技術的原因により日本の石垣水道に誤って入ったもので、事件発生を遺憾に思う」
「中国側が調査した結果、潜水艦が中国原子力潜水艦であることを確認した。通常の訓練の過程で、技術的な原因から日本の領海に誤って入ったものであり、この事件の発生を中国側として遺憾に思う」
「中国側として、日本との間にパートナーシップを築いていく方針にいささかの変更はない」 (以上 読売

「調査の結果、潜水艦が中国の原潜であることを確認した。中国側として遺憾に思う」
「中国としては、隣国(日本)との間でパートナーシップを築いていくとの方針にいささかの変更もない」 (ロイター
 また阿南大使が呼ばれていますよ.こんなもの,駐日大使である王毅が日本の外務省に出向くのが当然でしょう.こういうところから締めるべきところを締めて行かないから支那人ごときに見くびられるのです.
 で,それに対する細田官房長官のコメントがまたひどい:
「(中国側が日本の領海内に侵入したことを)誤りとして認めており、陳謝と受け止めている
「(日中首脳会談については)隣国として、平和的外交を進め、お互いに友好関係を深めたい。今後前向きの材料として対応する」 (以上 ロイター
 上の武大偉発言の一体どこをどうすれば「陳謝と受け止め」られるのでしょう.「なぜ浮上しなかったのか」「なぜ一目散に逃げたのか」についての釈明も無く,それどころか再発防止の約束すら無い「陳謝」など あり得ますか.
11/16 21:33追記.こちらの産経の記事によると,町村外相も「陳謝したと受け止める」と発言したことになっているようです.いやはや….

11/17訂正.上の細田長官の「隣国として,平和的外交を進め…」のセリフを,うっかり武大偉発言のほうに入れてしまっていたので,大慌てで直しました.通常の編集過程で技術的原因により細田氏の側に誤って入ったもので,この事件の発生をすいか泥棒として遺憾に思います ←「陳謝」♪
 そもそも「技術的な原因から」というのが これだけでは説明にも何にもなっていませんが,
「あぁ,あれね,あれは間違って入っちゃったの.潜っていたからボーダーラインがよく分からなくて.何かご不満でも?」
と言われたに等しい.最低でも「遺憾」ではなく「非常抱歉」まで言わせなければ駄目でしょうに.
 現に中共側は,上の阿南大使への伝言とは別に 外交部報道官(多分またあの章啓月だろうけれど)が
「既に日本側に通報し、適切に解決したと思っている」 (時事
という談話を出しており,陳謝のチの字もありません.
こんなうやむやな幕引きの仕方を許すようでは,今後も中共の軍艦が平気で「うっかり」入って来るようになるでしょう.もはや海洋調査船云々のレベルで済まなくなる.
 今回の事件で,現場の海自の方々の対応は見事といってよい(ただ,さる11日にも書いたように「当該原潜に対して浮上・退去の要求をしなかったというのは本当なのか」という大きな不審点は残っています)ものの,その後の官邸や外務省の対応は殆ど子供のお使いに近いのでは.当初 海上警備行動発令の遅さが取り沙汰されていた頃に小泉首相が言ったという「慎重さ」とやらが,結局のところ全く生かされていない.そうまでして こちらから日中首脳会談に向けて歩み寄りの姿勢を見せることが,果たしてこの国の権益を守ることに繋がるのか.この点,私は甚だ懐疑的であらざるを得ません.…ましてや これは権益の問題以上に国家としての主権と尊厳の問題でもあります.

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 ところで,さる11/12にも書きましたが,同11/12の衆院外務委に於いて町村外相が「首相の靖国神社参拝について日中関係の『阻害要因』との認識を示した」という報道を共同通信が流していました.12日のエントリに追記しておいたように その箇所がテキスト起こしされています.で,そのリンク先で知ったのですが,当日の外務委の模様をこちらで視聴できますので,さきほど見てみました.

 共同が報じた町村発言は,増子輝彦議員(民主党)の質問に答えたものであることが分かります.
 1:15:45ごろに増子議員が「首脳の相互訪問ができない状態」について言及,「最大の原因は何だと思うか」と質問したのに答えて 1:17:00ごろに「最大原因は靖国参拝にある」と発言していますが,それが共同の言うような日中関係の「阻害要因」だなどとは一言も言っていない.
(但し,私が期待したように「問題は中国側にある」とはっきり言明することも避けており,あくまで「日中間に死生観などの考え方の違いがあるからといって首脳同士が会わないというのはおかしい」「考え方の違いを超えて,話し合いを通じてお互い主張すべきところは主張し,より良好な日中関係を模索すべき」だという線にとどまっていますが,まぁ,それはそれでよい)

 それはさておき,この増子議員なる人物,1:32:20ごろまで靖国問題についての質疑を延々と続けているのですね.詳しい文言は上の録画を御覧頂くとして,質疑の最中,盛んに「英霊に対する気持ちは私も大臣(町村外相)と多くを共有している」」とか「私も靖国には参拝している」とかいった言辞を繰り返していますので,どこに話を持って行きたいのかと思って見ていたのですが,1:20:20ごろ「靖国が何故問題になっているかということを大臣もご存知だと思う」として所謂A級戦犯合祀の問題を持ち出し,「首相の立場は一議員とは違う」「(靖国参拝の問題を)首相の判断に任せるなどということでよいのか」と畳み掛け,挙句は1:30:20ごろになって首相に靖国参拝を思いとどまるよう外相からも「進言・直言・諫言」せよ,などと言い出す始末.しかも領海侵犯の問題については「政府の対応の遅れ」についての質問ひとつ,計2分あるかないかというおざなり加減.使った持ち時間は総計33分もあるというのに,これだから民主党議員というやつは….

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 おまけ:けふの電波論説.
原潜侵入:日本の国防的問題、中国の軍事的問題 原潜の領海侵犯に対する私見 ─サーチナ 10/15
 中国の原潜(公式には“推定される”ということで中国側が認めない限り確定事実ではない)が、日本の領海に侵入した事件は、日本政府が中国に対し正式に抗議したことで一応収束に向いつつある。
日本政府が「正式に抗議」するということは それ自体 騒動が「収束に向かう」ことを意味するらしい.ナメられたものですが,一番ひどいのは
 国境線という問題は外交という手段をもって解決できるはずである。また、台湾問題は50年も前からある中国自身の問題であり、日本があれこれ言うのはそれこそ内政干渉というものである。
の箇所.これを書いた人物,変なペンネームを使っており,「日本生まれ,東京在住」と称しているけれど,支那人でしょうね.日本人なら 明らかに中共側に一方的な非がある領海侵犯を論じているときに「台湾問題」とやらまで持ち出して.こんなふてぶてしい,ずうずうしい文章は書かないだろうな….



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グアム島沖から石垣島へ 日本領海侵犯の中国原潜 ─共同 11/16 14:06
 日本領海を侵犯した中国海軍所属の原子力潜水艦が、石垣島の南海域で海上自衛隊のP3C哨戒機に捕捉される前、米グアム島沖から米海軍のP3C哨戒機の追尾を受けながら先島諸島・石垣島周辺まで進んでいたことが政府関係者の証言で16日、分かった。海自が所在を確認する以前の中国原潜の行動が明らかになったのは初めて。
 米第七艦隊の潜水艦などが太平洋で最初に発見した可能性が高いという。米軍事衛星は、これ以前に今回の中国原潜と同型の「漢(ハン)級」原潜が中国を出港するのを確認している。
 中国原潜は、少なくともグアム島沖からは浮上航行しておらず、米P3Cが海上から追尾した位置情報を基に、海上自衛隊のP3Cも潜水艦用の水中聴音機(ソノブイ)を投下。9日未明、石垣島南方で原潜の位置を確認していた。

領海侵犯の原潜、中国基地に入港…衛星情報などで確認 ─読売 11/16 14:41
 政府は16日、沖縄県の宮古列島付近の領海を侵犯した中国の原子力潜水艦が、中国の黄海沿岸の青島付近にある姜哥庄(ジャングウジャン)の潜水艦基地に入港したことを確認した。
 政府は既に原潜が中国海軍所属と断定しているが、中国内の基地への入港が確認されたことで、その確証が得られたことになる。
 原潜の入港は、日米の衛星情報や電波情報などで確認された。15日夜から16日未明にかけて入港したと見られる。

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by xrxkx | 2004-11-16 21:04 | ◆ 支那原潜領海侵犯事件