潜水艦が逃げるぞ♪
 今日はアラファト議長逝去という大ニュースもありましたが,すいか泥棒は相変わらず潜水艦のニュースばかり追い掛けています.何しろよく分からない部分の多いニュースではあります.現時点では件の艦は渤海湾に向かっているらしいというところまでははっきりして来たようですが,中国がどこまでシラを切り続けるやら.

 11/10の動きで特に重要なところだけを抜き書きしてみると

 04:40 海自哨戒機が当該艦を発見
 06:00 当該艦が領海入り
 08:00  〃   領海から出る
 08:40 首相が第一報を受ける
 08:45 防衛庁長官,海上警備行動を発令

ということらしい.
 予め断り書き.
 件の潜水艦が日本領海に入った時刻について,11/10の午前5時頃という報道6時頃というのとがあるようですが,上のリンクのように もともと5時説を採っていた読売が今日(11/11)付の社説には
だが、今回の発令は、潜水艦が領海内を約二時間も潜航して、領海外に出た後だった。海上自衛隊は、九日未明から潜水艦を追尾していたにもかかわらず、なぜ侵犯直前に発令できなかったのか。
と書いているので,どうも6時説が正しそう.以下,一応6時説に従うことにして,話を進めます)
 11/13 追記.こちらの記事によると,大野防衛庁長官は 自らが領海侵犯の報告を受けた時刻について,10日の時点では「午前8時前」としていたのを 11日になって「午前6時半頃」と訂正しています.
 まぁ,領海入りが5時であれ6時であれ,海自にしても当該艦がいつ日本領海に入って来てもおかしくない事態に至るまでの経緯は把握できていたはずで,私が見ても,何故
領海侵入寸前の時点で警告→相手が従わなければ海上警備行動発令に踏み切る
くらいに段取り良く動けなかったのかという 納得行かなさは残ります. 「今回は相手が中国とあって,官邸も及び腰になっていたのでは」との誹りは免れないでしょう.
 そもそも,海自から官邸に報告が上がって来るまでに 本当にこんなに時間が掛かったのかという疑問も残ります.もしも 99年3月の北朝鮮工作船のときのような《海保と海自のナワバリ争い》みたいなのが 今回もまた起きていたのだとしたら,それこそ目も当てられませんが….
 そういえば,今日(11/11)付の産経の社説
 しかし、領海侵犯され、領海外に出てからの発令だったのに加え、海自の哨戒機は潜水艦に対して浮上・退去を要求しなかった。
とあるのを見て二度びっくり.これはちょっとひどすぎる.ソノブイまで抛っておきながら警告なしって,普通あり得る? …と まぁ,当の潜水艦以上に政府の動きが闇の中.

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 さて 今回の事件,当然ながら各紙が一斉に今日(11/11)の社説でとり上げていましたが,相変わらず「日中間の緊張をこれ以上高めぬよう,外交努力による解決を」なる空念仏を繰り返すだけの方々もいらっしゃいます.
 まず「中国潜水艦?――解明急ぎ、緊張を避けよ」(朝日)は
 潜水艦が潜航したまま他国の領海に入ることは、明確な国際法違反である。もし中国艦であるなら、中国政府に対して、侵犯の経緯や目的などについて、納得できる説明を求めるべきである。
と,お決まりの「もし事実なら遺憾」の繰り返し以外に何の策も無いのを露呈.相手は「話せば分かる」国ではないと思うのですが? そもそも 朝日脳ではどんな説明なら「納得できる」のか不明.
 経済的な相互依存の深まりをよそに、両国の政治、外交関係は冷え込んでいる。月末に開かれるアジア太平洋経済協力会議の場で準備が進む小泉首相と胡錦涛国家主席の会談も、首相の靖国参拝問題がネックになって開催はなお微妙だ。
 中国政府に事件の早急な調査を望みたい。問題を長びかせてはならない。
と,他国の潜水艦に日本の領土が現に侵されているという土壇場に来てまで「靖国参拝問題」とやらを引っ張り出して来ずにいられない筆者氏の神経を疑います.両国の政治・外交関係が冷え込んでいるのは誰のせいなのか,この期に及んでまだ分からぬらしい.
 それ以前に 案の定中国側は当面シラを切るつもりらしい(ロイター 11/11 15:58)ですが,「問題を長引かせ」る原因を作っているのが中国側のこうした態度だという最低ラインは 朝日としても認めるのでしょうかね.
 せっかく中国側から「ウチじゃありません」と言わせたのだから,その時点で沈めてしまえばよいのに.件の艦が中国領海に入るのを日本側で確認してみたところで,例によって中国側に「知らぬ存ぜぬ」の一点張りで押し通されればそれまでの話でしょう.その後の備えが外務省にあるとでもいうなら話は別ですが.
 海上警備行動 外交努力でトラブル防げ(毎日)にいたっては
 今回は幸いなことに海上自衛隊が警告射撃などの威嚇行動をとる事態には至らなかったが、領海侵犯は国際ルールに反するゆゆしき問題である。中国の潜水艦だと確認できたら、政府は中国側に事の経緯について説明を求めるとともに、強く抗議し再発防止を求めるべきだ。
  (中略)
 中国側に言うべきことを言うためには、まずはぎくしゃくした日中関係の改善が急務である。外交努力の積み重ねしかとるべき道はない。日中関係をこれ以上悪化させてはならない。
だそうです.こういうことを平気で言える人って,自分の娘が痴漢に遭っても
まぁまぁ,落ち着いて.触られるだけなら減るもんじゃなし
とか言うのかな.
 そういえば 昨日も参照した11/10付の毎日の記事などは その最たるもの.あの記事中でコメントしていた前田哲夫氏なる人物の来歴については 私は今回初めて知ったのですが,なかなかよい味出してゐるではありませんか.

 かの有名な「極東ブログ」でも 今日(11/11)付の記事で今回の事件を扱っていて,
 この事件で、もう一つ気になったのは、漢級・原子力潜水艦だ。ポンコツとまでは言えないのかもしれないがたいした原潜ではない。威嚇なのでボロを使ったのかもしれないとも言えるが、中国はマジな威嚇のときはマジなものを使っている。…
と書いていました.まぁ,言わんとする所は分からなくもないのですが,一口に「威嚇」といっても色々でしょう.今回の中国の行動は 相手を屈服させる目的での恫喝というよりは威力偵察,あるいは もっとはっきり言ってしまえば「どこまでやっても日本は黙って見ているか」を試しているのだと私は見ます(北朝鮮のような人攫い集団と違い,中国人は恫喝が目的なら相手に見える場所に顔を見せるでしょうし,選挙の近付いている台湾への威嚇なら今まで通りミサイルで十分なはずです).
 要するに中国が知りたいのは日本側の追撃能力云々よりは《覚悟》だろうと私は思っています.実際に日本の主権が侵されているというときに 日本人がどこまで腹を括れるかが試されているということです.事と次第によっては一戦も辞さぬ覚悟が無ければ外交なんて出来ないでしょう.
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by xrxkx | 2004-11-11 21:49 | ◆ 支那原潜領海侵犯事件