【対中外交】常任理事国入り運動と「紅の傭兵」
 私が日頃愛読させていただいている「Irregular Expression」に,今日 こんな記事が上がっていました.

中国は同意せず 日本常任理入り 歴史問題に言及 ──西日本新聞 2004/09/22 02:32
【北京21日井上裕之】中国政府は二十一日、日本が目指す国連安全保障理事会の常任理事国入りについて(1)安保理は拠出金の多寡で構成を決めるわけではない(2)責任ある大国の役割を果たす国は自国の歴史問題についてはっきり認識すべきだ―として、現段階では同意できないとの立場を示した。孔泉・外務省報道局長が同日の記者会見で述べた。
 中国は国連改革について「発展途上国の立場をより反映させることが先決」として、日本の常任理事国入りに消極姿勢を示してきたが、公式の場で歴史問題まで踏み込んだのは初めて。小泉純一郎首相の靖国神社参拝で中国国民の対日感情が悪化している中、賛成に回るのは困難との立場を事実上、明確にした形だ。
 同局長は会見で、国連改革について(1)メンバーの絶対多数は途上国なのに安保理の中に代表がいない(2)さまざまな分野に及ぶ改革には各国の合意が必要であり、結論を急ぐべきではない―との従来の立場を強調した。
 その上で、日本については「国際社会でより大きな役割を果たしたいという希望は理解できる」としつつ、歴史認識の問題に言及した。
 小泉首相の国連演説を前に、常任理事国の一つの中国が日本のメンバー入りへの消極姿勢を鮮明にしたことは、今後の各国間の賛否の議論にも影響するとみられる。
 日本側からは、歴史問題を「外交カード」にした形の中国側の姿勢への反発が予想され、日中間の新たな政治摩擦になる可能性もある。
 先に私の見解から述べておきますと,日本がこの時期に安保理常任理事国入りを目指す意義,もしくは常任理事国入りの利害得失について,日本政府はもう少し国民向けにはっきり説明したほうが良い.国民の間でも,「常任理事国入りは本当に日本の国際的発言力の強化に繋がるだろうか.単に更なる負担増を招くだけではないか」「中共に足元を見られるだけではないか」といった角度からの議論が もっとあるべきです.これについては,やはり私が日頃愛読させていただいている「かたよってる?」というblogでの,朝日の社説に対する論評をめぐっての対話に 概要を記したことがありますが,朝日が言う「周辺国の対日感情への配慮」などとは一切無関係に,私も上述のような意味で「安易になりたがるな」派なのです.
 但し,上の「Irregular Expression」のエントリ中で 執筆者のgori氏が
…米英仏は問題無いし、後はロシアを丸め込めば中国は拒否権発動したとしても中国の「ならず者っぷり」が世界に晒されるだけでそれもまた善しの万全の体制で常任理事国入りを目指して欲しいもんだ。

それでももし中国が強硬に日本の常任理事国入りを拒否したら、日本は国連への拠出金を中国以下にしよう。
と仰っているのはある程度納得が行く.はじめから日本の常任理事国入りが中国の妨害によって不成立に終わることを見越した上で敢えてやるというなら,私も「それもアリかな」とは思うのです.ついでながら 常任理事国といえば,いざとなれば
「中華人民共和国を国連安保理の常任理事国とする」などと,国連憲章に一言でも書いてあるか?
という《伝家の宝刀》だって抜けなくはない.
(註:正解はもちろん「今なお『中華民国』と書いてある」です.国際連合憲章 第23条を参照)
 以下,ちょっとだけ余談.

 1971年に国連総会で採択された所謂「アルバニア決議案」によって国連を追放されたのは「中華民国」ではなく「蒋介石の代表」です.従って現在「蒋介石の代表」とは何の関係も無い中華民国が「我々は今も国連安保理の常任理事国であり続けている」と言い出せば言えないこともない,ということになります.今更そんなことを《台湾》人は言わない,というだけの話です.

 余談ついでで申し訳ないのですが,さきほど「アルバニア決議案」の文献探しの途中で,1971/10/27に開かれた参議院本会議の議事録を見つけたのですが,こんなくだりがありました.
阿具根登君 私は、日本社会党を代表し、昨日の国連総会におけるアルバニア案決議に対する政府の責任を追及し、緊急質問を行なうものでありますが、その前に、二十二年間の長い闘争により、七十六対三十五の大差をもって国連に復帰した中華人民共和国に対し、日本社会党を代表して、心よりお祝いを申し上げるものであります。(拍手)
 わが社会党が叫び続けた中華人民共和国が中国の唯一の合法政府であるという正しい主張が国連で認められましたが、そのこと自体よりも、あまりにも歴史の流れに逆行した日本政府のみじめなあがきにも似た国連での動きとその結果について緊急質問をせねばならぬことを残念に思うものであります。
 呆れたものですね.一体どこの国の利益を代表して国会の赤じゅうたんを踏んでいたのでしょうね,阿具根登君は.これだから社会党って….
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 一方,これも私の最愛読blogである「娘通信♪」の こちらのエントリには,こんな記事が載っていました(何だか今日はご近所からのおすそ分けばかりだなw).

北京:河野洋平衆院議長が呉邦国委員長と会談 ──サーチナ 2004/09/21 17:24
 河野洋平・衆院議長が20日、北京市の人民大会堂で全人代常務委員会の呉邦国・委員長と会談した。衆院議長の訪中は1994年の土井たかこ氏以来10年ぶり。中国新聞社が伝えた。
 呉・委員長は、日中両国がアジア地域の平和的発展に果たす役割を強調。両国が密接な関係を構築し、地域間協力を推進するよう主張。また、日本の国会との交流も深めていきたいとの意志を表明した。
 一方河野・衆院議長は、「日本は過去に軍国主義のもと、侵略戦争を起こし、中国及びアジア各国に多大な被害を与えた。歴史を学び教訓と汲み取るべき」と言明。台湾問題については「一つの中国」を支持。さらに、「今回の訪中を通じて、中国及びアジア各国に対し、日本国民の友好感情を伝えることができれば」とし、日本は中国の「老朋友(古くからの友人)」として最善の努力をすると語った。
 河野・参院議長は、日中友好路線を唱えてきた政治家。今回の河野・参院議長の訪中により、日中間の懸念材料である「政冷経熱」の緩和につながるのではとの期待が寄せられている。(編集担当:田村まどか)
 相変わらずの売国外交ぶりですね,河野洋平.上の「余談」で触れた阿具根登君と何ら変わり無い.「従軍」慰安婦問題に関する所謂「河野談話」の例を持ち出すまでも無く,こういう相手の言い分を無条件かつ無制限に承諾するだけの政治家が よりによって外交畑に巣食っているというのが,戦後日本にとっての最大の害悪でしょう.
※上述の「娘通信♪」の執筆者・misakiさんによると,河野氏って 2chでは「紅の傭兵」と呼ばれているのですって? うまいことを考え付く方もいらっしゃったものです.

 その半面で,「日中間の懸念材料である『政冷経熱』の緩和につながるのではとの期待」などと平気で書く サーチナというメディアも 何を考えているのやら,の一言に尽きる.「政冷」の原因は専ら「靖国」ほか「歴史認識」一般に対する中国側の露骨な内政干渉や 領土問題に関する中国側の無法にあるのではなかったか.誰が何にどう「期待」しているというのか尋ねてみたい.

 ところで,「田村まどか サーチナ」でgoogleしてみるとすぐに分かりますが,この「田村まどか」なる人物,普段は中国国内の他愛も無い芸能記事だの,あるいは主に科学技術系・産業系の「中国もここまで発展しました」的な中共の対外宣伝の受け売り記事ばかり垂れ流している人.それだけでやめておけばよいものを,たまに ↓こういう記事を書くから始末に負えない.
※ 記事は既に殆どがリンク切れしています.悪しからず.

● 福州:大陸と台湾の若者が未来の発展を祈念 (2004/06/20 09:54)
 台湾海峡を挟む中国大陸と台湾の未来を担う若者を中心とした「第2回海峡青年フォーラム(Straits Youth Forum)」が17日、福建(ふっけん)省・福州(ふくしゅう)市で開幕した。中国新聞社が伝えた。
 同フォーラムには、台湾、香港、澳門(マカオ)及び中国大陸から600人あまりの若者が参加。大中華経済圏の構築、CEPA(経済・貿易緊密化協定)の実施、民営企業の発展などについて、熱い議論を交わした。
 台湾問題をめぐり、政府間ではにらみ合いが続いているものの、若者を中心とした市民レベルでの文化、経済交流を促進させることが同フォーラムの目的とされる。(編集担当:田村まどか)
● チベット:農民が漢族から野菜の栽培方法を学ぶ (2004/07/25 12:23)
(caption) チベット自治区・堆龍徳慶県に住む阿努さん(写真右)は、3年前から漢族にピーマン、トマトなどの野菜の栽培方法を学んでいる。これにより、農業収入が急速に増加。また、季節ごとに彩り豊かな食卓を楽しみ、バランスの取れた栄養補給ができるようになったという。 <サーチナ&CNSPHOTO>
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 チベット自治区・堆龍徳慶県に住む阿努さん(写真右)は、3年前から漢族にピーマン、トマトなどの野菜の栽培方法を学んでいる。22日付で中国新聞社が伝えた。
 これにより、農業収入が急速に増加。また、季節ごとに彩り豊かな食卓を楽しみ、バランスの取れた栄養補給ができるようになったという。さらに、近隣住民も阿さんと共に栽培方法、農業経営を学習するなど積極的な姿勢が見られるようだ。
 同自治区では、チベット駐留武警らがチベット人教師から言葉、文化を教わるなど、両民族の間に存在する社会的、文化的なわだかまりを埋めるための相互交流が進められている。(編集担当:田村まどか)
● 台湾:住民6割が「独立宣言は大陸との戦争招く」 (2004/07/25 09:32)
 台湾の経済雑誌である『商業周刊』は22日、台湾住民を対象に台湾と中国大陸の関係に関する意識調査を発表した。調査結果によると、「台湾が独立を宣言すれば、両岸で戦争が勃発する」と回答した人が58%に達した。22日付で中国新聞社が伝えた。
 同調査では、「(万が一戦争に発展した場合)米軍の介入がなければ、台湾は敗戦する」と答えた人は6割近くに上っている。
 「3年以内に戦争は起こらない」と回答した人は全体の64%を占めた。しかし一方で、同じ質問に「陳水扁・総統が2006年までに新憲法を制定した場合」という条件を加えた場合、その割合は38%まで下降している。さらに、中台危機が勃発したと仮定し、「米軍が台湾防衛を行う」と回答した人は全体の 52%に及ぶ。
 「台湾の平和的独立のために、中国大陸と戦争をするべきではない」と答えた人は5割近くに達し、特に女性で戦争反対の傾向が強い。(編集担当:田村まどか)
● 吉林:遺棄化学兵器で男児負傷、日本に交渉要求 (2004/07/28 09:07)
 吉林(きつりん)省・敦化(とんか)市で、男児2人が旧日本軍遺棄化学兵器と見られる砲弾に触れ、負傷した事件について、中国外交部は27日、日本側に抗議を行うと同時に、交渉を求めている。複数メディアが伝えている。
 事故現場同市の川辺で遊んでいた4人の男児は23日、当地で砲弾を発見。そのうち2人の男児が興味本位で砲弾を転がしたところ、中から液体が流れ出たという。その後、時間が経つにつれ、液体に触れた2人の手や足には、赤くただれるなどの症状が現われ、不信に感じた両親が警察に通報したというもの。
 同市政府は、専門チームを派遣して現場の砲弾を処理。現在、詳しい状況を調査している。また、この砲弾は旧日本軍の遺棄化学兵器とみられており、中国側は在中日本大使館の職員を通じて、日本政府に早急な措置を講じるよう求めている。(編集担当:田村まどか)

● 中国:豚への鳥インフルエンザ感染を全面否定 (2004/08/24 11:09)
 中国産の豚数匹から鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)が検出されたとの報道に関連して、中国農業部は23日、オフィシャルサイトを通じて、豚など110万匹に対する検査を実施した結果、豚からウイルスは検出されなかったと発表、関連報道を否定した形。24日付で京華時報が伝えた。
 中国農業科学院ハルピン獣医研究所の研究員である陳化蘭氏は、今月20日から北京市で開催された「SARS・鳥インフルエンザ国際シンポジウム」の席上で、2003年、福建(ふっけん)省で、豚の体内から鳥インフルエンザウイルスが見つかったという内容の論文を発表。この論文が発端となり、国内外のメディアの間で、鳥インフルエンザの豚への感染疑惑が取り沙汰されてきた。
 こうした過剰な報道に対し、陳氏は特に外電の報道内容を批判、「豚の体内から鳥インフルエンザウイルスが検出される確率は非常に小さく、自然界で豚に感染するかどうかについても確証がない」と説明。さらに、人への感染についても、「強い毒性を持つウイルスに突然変異があれば、人への可能性も否定できないが、現時点では変異は確認されていない」との見解を示した。
 WHO(世界保健機関)の在中代表事務所によると、WHOとFAO(国連食糧農業機関)は、豚への感染情報を受けてから、すぐに中国の関連部門と連絡を取り、調査を行っていると発表。さらに、香港では、中国大陸から豚を輸入する際に、厳重な鳥インフルエンザウイルス検査を実施しており、現時点では豚への感染は報告されていないという。(編集担当:田村まどか)

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by xrxkx | 2004-09-22 20:42 | 時事ネタ一般